ばったすいみんぐすくーる

公開中の映画作品を中心にネタバレ全開で独断レビュー。 映画興行収入などの映画情報も紹介。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『アバター』レビュー

◆評  価   10.0点
◆おススメ度  S(とりあえず見たほうがいい)

お世辞抜き、文句なしの満点作品。
全てがあまりに完璧すぎて、涙が出そうになった。
人間が製作できるレベルを超えている映画。
ジェームズ・キャメロンは不可能を可能にしたといっても過言ではない。
映画の製作に関わる者は見ない方がいいだろう。
これほどのものを見せられたら、自信を失うに違いない。
圧倒的な才能を持つ者が尋常ではない努力を重ねた成果に生まれた作品であり、凡人にはもはや到達できない地点に達している。

映像については、CGとは思えないリアルで違和感のないデキとなっている。
最初は3Dにアタマと眼が慣れていないためか、「こんなのゲームムービーじゃないか」と思っていたが、あっという間に世界観にリンクできる。
映画館にいるというよりも、パンドラという星に実際に立っているかのような気分になれるほどだ(六本木ヒルズの映画館の高性能のおかげもあるが)。

映像だけではなくて、ストーリーも恐ろしくデキがよい。
ストーリーが非常にナチュラルに流れていき、世界観に無理なく調和している。
また、伏線やエピソードも全てを拾いきっており、全てが何かに活かされている。
本作に描かれていることで、無駄なものなど何一つもないといえるほどの完璧な脚本。

さらにメッセージにも溢れている。
『異文化との交流』『自然破壊・自然の驚異・自然との共存』『戦いの悲惨さ』など、時事にマッチングしたものばかりだ。
ジェイクとナヴィ族の女性との交流が、実に穏やかでリアルかつ自然に描かれていることが非常に好感をもてる。
彼らが豊かな時間を共有することで二人に“絆”を築かれていき、観客である我々もナヴィ族という異文化を理解する助けになっている。
最初はジェイクや他の地球人同様に、野蛮で醜い下等な生物かエイリアンと思っていたはずなのに、次第に彼らは我々と近い存在と思えるような感情となり、見ている我々にも“友情”のようなものが育まれていく。
ジェイクの行為は、地球人を裏切るようなものなのかもしれないが、彼の裏切りが理解でき、共感できるものとなった。
我々にとっては単なる巨木・単なるモノなのかもしれないが、彼らにとっては生命そのものといえるほど非常に神聖なものということを理解させてくれる。
自分の利益を追求し、従わない者を服従させることばかりではなく、お互いを知り理解し尊重することが共存に繋がるということをジェームズ・キャメロンは本作を通して伝えたかったことだろう。
最先端の映像技術の素晴らしさを体験するだけではなく、メッセージに溢れた作品であり、現代の我々が見るべき映画に仕上がっている。
スポンサーサイト

テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

『Disney'sクリスマス・キャロル』レビュー

◆評  価   7.0点
◆おススメ度  A(物足りなさもあるが、万人にススめられる作品)

3D吹替え版を鑑賞。
プロの声優が担当しているので、吹替えにも全く違和感はないばかりか、逆に意外と満足できる仕上りとなっている。

今ままではクリスマスを何か特別なこととはそれほど深く考えていなかったが、本作を見るとちょっとだけ考え方が変わるような映画になっている。
誰しもが幸せな気分になれるクリスマス、誰かのために何かをしてあげたいという気持ちにもなれる。

映像的なレベルにも大満足できる仕上りとなっている。
現時点での最高峰まで到達したといっても過言ではないだろう。
「ポーラー・エクスプレス」からのたゆまぬ努力が結実している。
イマジネーションを相当に駆使されており、物凄く丁寧に仕上げられているため、実写や2Dアニメでは味わえない臨場感を堪能できる。
それだけではなくて、リアルでも味わえないような美しさも感じられる。

ただ、素晴らしい作品だが、何か物足りなさも覚えるところもある。
過去・現在・未来のクリスマスという描き方は効果的に機能しているが何かが足りない。
ストーリーは道徳的なものに終始している。子ども向け(大人にこそ痛みが分かる作品だが)にそういう映画を作りたいという製作趣旨は理解できるが、人間というのはアタマで分かっていても、それほど簡単に変われるものではなく、人を見る目もそれほど簡単には変わらない。
今まで嫌な奴が突然善人に変わっても、周囲の者はすぐに好きになれるというわけではない。
クリスマス向けのハッピーなおとぎ話に対して、楽観的すぎると文句を付けるのは見当違いもはなはだしいが、それにしてもやや甘すぎる。
子ども向きということもあって甘いケーキのような作品であり、大人としてはもう少しビターな味付けの方が好みだったかもしれない。
例えば、改心して善行を行っても一向に誰も自分のことなど気に掛けてもらえないが、何かの機会をきっかけにして彼の善行が明らかになり、周囲の者が彼を評価していくというようなワンクッションを挟むと少々印象も変わったかもしれない。
いったん絶望なほどの孤独を味わせてから、最終的に皆と分かり合えると感動もより深まるだろう。
製作サイドとしても何か物足りなさを覚えたのか、ロケットのようなもの(過去の精霊)が爆発して吹き飛んだり、小人化してプチアドベンチャーさせたり、という手法を取っているが、これも悪くいえば子どもだまし的なところがある。
こういった手法だけではなくて、何か別のアプローチで観客を楽しめるもう一工夫をすれば、完璧な作品に仕上がったことだろう。

しかし、3D映画は何本も見ているが、これほど目が疲れたことはないというほどキツかった。
この辺りにはまだまだ改善の余地があるかもしれない。

テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

『脳内ニューヨーク』レビュー

◆評  価   6.0点
◆おススメ度  B-(かなり面白いとは思うが、理解することは難しい)

強引に点数を付けるとこの程度となるが、点数を付けにくい映画。
満点を付けてもいいかもと思うほど、ある種のレベルを超えている映画でもある。

ぶっちゃけると1割も理解はできなかったと思う。
何を描きたいのかについては、ボンヤリとしたイメージしか伝わらず、言葉で表現するのは難しい。
“死”“生”“人生”についての映画なのかな程度としか言いようがない。
“自分”というものは、存在しているようで存在していないものなのだろうか。
ただ、この不可思議さや難解さは、「フザケルナ」と頭にクルようなものではなくて、どこか心地よさを感じられるものだ。
描かれている事象はそれほど難解ではないので、まったく飽きることはなく、不可思議な世界に酔いしれることができる。
“緑の○○○”“燃えている家”など、あまり意味など深く考える必要はなく、何も考えずにアタマを映画に委ねた方がよさそうだ。

終盤でリアルな“現実”が明らかになり、種明かしでもあるのかと思っていたら、そういうこともなく、“混乱”させたままスパッと観客を突き放す辺りも常人とは思えない発想。
“現実”や“虚構”と考えること自体が凡人の発想なのかもしれない。
映画に描かれた世界は、全てが“現実”であり、全てが“虚構”でもあり、又はどちらともいえない第三の世界と捉えるのが、カウフマンの発想なのだろうか。

毒にも薬にもならない映画に見飽きている人にはおススメできる映画に仕上がっている。
それにしても映画監督はこういう難解な作品にチャレンジしたがるものなのだろうか。
初映画監督作品でこのような作品を作ってしまう、カウフマンはやはりとんでもない奇人だ。
次回作も楽しみだが、いきなりハードルを上げてしまうと飛び越せなくなってしまう。
カウフマンのことだから、またいい裏切りをしてくれそうだが。

テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

『パブリック・エネミーズ』レビュー

◆評  価   6.0点
◆おススメ度  B-(ストーリー的には面白みはない)

評価しようと思えば、いくらでも評価はできる作品には仕上がっている。
映像面においては、素晴らしいシーンや素晴らしいアングルなど、見所で溢れている。
例えば、森の中でデリンジャーが銃を乱射するシーンを映しながら、相手の動きまでをも同時に捉える場面などには唸らされる。
また、個人的に気に入ったのは、“静”から一気に“動”へと展開していく演出だ。
冒頭の脱獄シーン、銀行強盗シーン、アパートやクルマの中にいる捜査官を襲う各シーンなど、少なくとも4~5ヶ所はそういった演出を試みている。
このような演出により、作り物らしくはないリアリティさは生まれている。
ただ、マイケル・マンらしい臨場感のある演出は冴えているが、映画としては面白みに欠けるような気がする。

特に、人間ドラマが希薄のように感じられた。
ジョン・デリンジャーという人物がはっきり言って見えてこない。
人質に取った女性にコートを貸してやるところを含めて、もちろん断片的にはどのような人物かは分かるが、デリンジャーに共感したり、彼の生き様に感動したりはできにくい。
ジョニー・デップの圧倒的な存在感により、彼の姿は確かにカッコよくは描かれているが、彼の内面を深く描けば、もっともっとデリンジャーは輝きを増したのではないか。
本作のメインになると思われたデリンジャーと恋人のビリーの肝心な関係も深くは描かれていない。
深まりそうになったところで、逮捕されてしまうので仕方がないところはあるものの、彼らの関係には物足りなさを覚える(ラブシーンは綺麗に撮られていたが)。
デリンジャーとFBI捜査官のパーヴィスの関係も何も伝わってくることはなく、パーヴィスの執念といったものは感じられない(仲間を殺された悔しさは感じられるが)。
出番の少なかったフーヴァーの方が存在感を発揮するようではダメだろう。
緊迫感を伴って追われる者を描くためには、追う者の存在感が強くなければ、面白みがなくなる。
そして、デリンジャーとその仲間たちの関係もイマイチなので、初見では誰かが死んでも、訳の分からない奴が死んだとしか感じられない。
FBIサイドとしても増強したメンバーを含めて、彼らの存在感が強くはないので、この部分においても面白さが感じにくい(デリンジャーが見に行く映画を当てるというシーンなどはあるが)。
人間ドラマをメインにしたタイプの映画ではないということもできるが、ストーリー上の面白さを感じにくいタイプの映画になってしまった。

マイケル・マン監督作品の「コラテラル」に近い感想を抱いた。
あれが好き者には受け入られる作品であろう。
しかし、「ヒート」や「インサイダー」辺りには、人間ドラマがきちんと描かれていたような気がしたが、自分の記憶違いだろうか。

テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

『カールじいさんの空飛ぶ家』レビュー

◆評  価   6.5点
◆おススメ度  B(過度な期待はしない方がよい)

3D字幕版を鑑賞。
“傑作だ”と褒めちぎれるレベルではないが、それなりに楽しむことはできる作品には仕上がっている。
妻を亡くし孤独になったカールじいさんが風船をくくりつけた家で旅に出るという少々センチメンタルで感傷的なストーリーになると思っていたのに、いつのまにか“奇妙な鳥を巡る爺さん達の戦い”になってしまったのははっきりいって物足りないが、子ども向き作品なのでこの辺りは諦めるしかない。
ただ、それなりには楽しめたが、果たしてそれで良かったかどうかは疑問が残るところ。
ピクサー作品は神格化されて失敗が許されなくなってしまったためか、それともディズニーに完全買収されて歯車が狂ったのか、近年の作品は心に響く作品でもなく、ドタバタ感だけが残るという印象が強い。
自分が好きなピクサー作品の「Mr.インクレディブル」や「カーズ」ももちろんドタバタしているが、「メッセージ性」「ストーリー」「アクション・映像」が三位一体となっており非常にバランスが優れていた。
しかし、本作は「アクション・映像」の比重が多く、ややバランスが悪いような気がする。
小さなお子さまは喜ぶことはできるかもしれないが、これでは見終わった瞬間「面白かったね」だけで終わる作品となってしまう。
ピクサー初の3D作品だから、「アクション・映像」の比重が多いのかと思ったものの、それほど3Dを活かした作品でもなかった気がする。
「カールじいさんがアルバムを眺めるシーン」など、もちろん素晴らしいシーンもあるが、“夢の実現”“冒険への憧れ”“過去の思い出に囚われて生きる希望を見出せない”“孤独か友情か”といったメッセージ性が深く感じ取れないところがある。

深く感じ取れないのは、マンツに思い出の詰まった家に火を付けられて、ケヴィンよりも家を守ろうとするシーンと、家を放り出してラッセルやケヴィンを助けようとシーンの対比が上手く働いていないといったところにもあるような気がする。
「たかが家だ」というカールじいさんのセリフはカッコいいが、カールじいさんの心境の変化が分かるように、もっと分かりやすく演出した方がよかったのではないか。
また、“滝の近くに辿り着いて夢を実現したものの、孤独のままで何も変わらない”というシーンももっと感傷的に描いて欲しかったところ。
過去の楽しい思い出ももちろん重要だが、我々は“現在”を生きているわけであり、現在の奇妙な仲間たちと過ごす時間もまた重要で楽しいものというメッセージに繋げたい。
ケヴィンとラッセルを助けたいというカールじいさんの“情熱”を肌で感じられるレベルまでに仕上げることができたら、もうちょっと高い評価をしたかもしれない。

テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。