ばったすいみんぐすくーる

公開中の映画作品を中心にネタバレ全開で独断レビュー。 映画興行収入などの映画情報も紹介。

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『キック・アス』レビュー

◆評  価   8.0点
◆おススメ度  A(他のヒーローモノとは異なる新タイプの作品)

素直に面白いと思える映画。
他のヒーローモノの世界とも異なり、もちろん現実的な世界とも異なるが、“現実”をベースにした独特な世界観が非常にユニークと感じられる。
あまり見たことのないタイプの作品だけに、評価をしたいところ。
世界観だけではなくて、ストーリーに関しても観客を裏切るような展開が多く、飽きることが全くない。
ゲイネタを盛り込んだり、他のヒーローモノのパロディネタを盛り込んだり、いきなり大量虐殺が始まったり、主人公がとんでもないところから登場したり、バズーカの使いどころといったように、自由自在さが観客を驚かせる。
さらにオタク系の恋愛モノや親子愛モノなども盛り込まれており、“現実感”を取り込み続けることで、映画が非常に豊かな仕上りとなっている。
瀕死のビッグダディがヒットガールに対して、指示を送り続けるシーンには親子の長年の訓練による“絆”のようなものも感じられる良いシーン。

「悪者はただぶっ殺せばよいのか」「女児童による殺人は許されるのか」という問題もあるが、リアリティや倫理性を重視している作品ではなくて、正義感やエンターテイメント性を重視しているのであり、それほど問題はない(現実感がある作品にリアリティがないというのも面白い)。
主人公のガールフレンドがきちんと悲しんでいたので、この点に関しても一応はフォローされている。
ビッグダディの友達の警官もフォロー役として機能している。
最後にキックアスとヒットガールが本名を交し合っており、ヒーロー(殺し屋)ではなくて、生身の人間であるという確認する行為を行うことでこれらの問題に対する提起もなされているように思えた。

また、声高々に「ヒーローとは何か」「正義とは何か」といったテーマを叫ぶようなことはしていない点に好感がもてる。
そのようなことをしなくても、他のヒーローモノとは異なり、生身の人間だからこそ、心に訴えてくるようなものがあったように思える。
ヒーローを見て「カッコいい」と思うようなことはあっても、ヒーローと同じことをしようとは思わないが、キックアスを見ると「自分は何をすべきなのだろうか」と思うようなことはある。
日本は幸いなことに暴力や強奪が横行しているわけではないが、少なくとも傍観者ではいられないのではないだろうか。
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『トロン:レガシー』レビュー

◆評  価   5.5点
◆おススメ度  B(映像は素晴らしいが…)

体調面の影響かもしれないが、何故かあまり映画にノレれなかった。
きちんとオリジナルを鑑賞してから観たので、「ここはオリジナルをリスペクトしているな」「オリジナルのアレがここまで描けるようになったのか」といったように、他の人よりも楽しめたはずなのだが…。
オリジナルを観てから本作を観ると、確かにこの28年間の映像技術に関する革新について感慨深いものを得られる。
ゲーム部分を中心として、映像は確かに凄い。
誰も観たことのない仮想空間をよくぞここまでクリエイトすることができたとも興奮することができる。
しかし、ストーリー面に関しては、オリジナル同様に「なにがやりたいの?」という感想しか出てこない。
数日前に見たにも関わらず、ストーリーに関してはほとんど思い出せない。
意味不明のトロン、何のために裏切ったのか分からないズース、アイソーの生き残りとはいったい何だったのか分からないクオラ、コマンドを実行しただけのクルー、瞑想している父親、常にはしゃいでいるだけの息子、ゲーセンでたたずむアラン、それぞれの役割があまり生きていない。
『映像は素晴らしいけど、ストーリーがダメだね』という批判を恐れたためか、必死に“親子愛”というテーマを振りかざしているが、それがかえって空回りしているようにしか思えなかった。
子どものことなど何も考えていない自己中心的のフリをしていた親が最後に子どもにきちんとした愛情を見せるといった“確執”と“融和”のような落差が必要ではないか。
何故か、この世界においては、愛も勇気も強さも弱さも安堵感も、痛みさえも何も感じることが出来なかった。
心に訴えるものがなければ、感動することなど出来るはずがない。

また、映像は確かに素晴らしいが、コンピューター内の仮想空間にしてはどことなく“常識的”過ぎるような気もする。
この世界とは関係のない世界ではなくて、この世界の延長線にあるような世界とも捉えることができる。
創造力については褒めることもできるが、あの程度のものがクルーが目指した完璧な世界といえるのか。
オリジナルとの整合性を重視したのかもしれないが、これでは「スター・ウォーズ」レベルではないか。
オリジナル同様に、映像だけが凄くて、中身が伴わなかったところや、「トロン」というタイトルの割には、オリジナル同様にトロンが目立たないところだけを継承しなくても良かったのに。

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『人生万歳!』レビュー

◆評  価   8.5点
◆おススメ度  A(アレン監督ファンならば見るべき)

ウディ・アレン監督は既に70歳を超えている。最近の作品ではキレのなさを感じており、年齢による衰えのようなものを感じていた。
今回ももはや期待できないかと思っていたが、そのようなことを思っていた自分を嘲笑うかのような驚きを与えてくれる作品に仕上がっている。
確かに、過去の作品の焼き直しのような作品ではあるが、以前と比べて劣ることのないキレを見せている。
シニカルさ、アイロニカルさはまさに健在であり、自由自在、変幻自在にストーリーを展開させる妙は見事であり、「なんでもあり」というテーマを上手く表現している。
ボリスの元に転がり込んだメロディと同じように、ボリス(アレン)の毒にこちらも侵されてしまいそうだ。
あまりにもストーリーが自在すぎて、ボリスとメロディが結婚することなどが、普通に見えてしまう。
アレン自身が投影されており、アレンが主演しても良いような作品ではあるが、他の人が演じることで新味が出たような気もする。

過去の作品の焼き直しように思える作品ではあるが、ただの焼き直しとも思えない点はラストの展開だ。
『人間には二種類のタイプがある。孤独の奴とそうでない奴であり、孤独な奴は最後まで孤独である』というようなオチを思い描き、ラストは再び孤独になったボリスの自殺で悲劇的かつ現実的に締め括るのではないかと、鑑賞しながら勝手に考えていた。
しかしながら、アレン監督はさらにもう一転させて、夢のあるような展開にさせている。
ただの個人的な勘違いかもしれないが、アレン監督が老年に達したことからこそ、このような境地に到達したのではないかとも思われる。
『我々が生を受けたことですら奇跡的なことなのだから、何が起こっても変じゃない。何でもアリの人生、何が起きるか分からないから人生は面白い』ということをアレン監督からのメッセージとして受け取った。
監督40作目となる本作を見て、またこれからもアレン監督には監督を続けていってもらい、今後も作品を見続けていきたいと感じさせてくれた素晴らしい作品だ。

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『シュレック フォーエバー』レビュー

◆評  価   6.5点
◆おススメ度  B(今まで見た来た人は見ても損はないか)

3D字幕版を鑑賞。
ラストなので、たまには吹替え版を見てみようかとも思ったが、やっぱり最後まで全部字幕版で統一することとした。
キレがあるアメリカ声優の方が自分には馴染んでいる。
比較はできないが、喋っている人の顔が頭に浮かばない方がいいかもしれない。

それほど高い評価にはしていないが、最終作としては悪くはない締め方をしたように感じられた。
何かを失って、初めて気付く大切な存在。
愛する人、相手をするのは大変な愛する子ども達、賑やかで騒々しい友達。
彼らと接することにより、何かを失うのかもしれないが、かけがえのない何かを得るということだろうか。
それは平凡でつまらないことなのかもしれないが、大人になるということはこういうことなのかもしれない。
周囲に対して壁を作り、人々から怖れられる“怪物”だったシュレックが、いつの間にか人々から愛される“家族のような存在”になっていったというのも、よくよく考えると面白い。
救われたのはフィオナではなくて、シュレックの方だったという言葉は観た者の心に刻まれるのではないか。
今回のリアルな世界にはアドベンチャーも何もなかったが、潔く清々しい幕切れとなった。
ドンキーももう一つの世界で家族を持てることを非常に喜んでいたのも印象に残っている。

また、シュレック、フィオナ、ドンキー、長靴ネコという個性的な各キャラクターが長年のシリーズを通して、一種のファミリーとして形成されたことも、このようなテーマを語ることができた要因といえるだろう。
爆笑できるようなシーンはあまりないが、随所に挿入されるミュージックのチョイスも悪くはなかった。

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『バーレスク』レビュー

◆評  価   5.0点
◆おススメ度  B-(ストーリーを完全に無視できる人にはススめられる)

クリスティーナ・アギレラについては名前を知っている程度であり、歌をじっくりと聴いたことはない。
アギレラにはそれほど関心はなかったが、ミュージカル映画は映画館で見るに限ると思い、鑑賞することとした。

アギレラの魅力は存分に発揮されており、彼女のファンならば十分に楽しめるだろう。
歌とダンスに主眼が置かれており、それを堪能する目的は果たせるはずだ。
アギレラだけではなくて、アカデミー賞女優のシェールがさすがの貫禄をみせており、彼女の出演が本作には欠かすことができないものとなっている。
悪役を含めても比較的善意あるキャラクターが多く、重苦しさやドロドロしたものなどは存在しない。

アギレラの魅力を最大限に伝えるために、アイドル映画のようなアプローチ自体は間違いではないと思うが、これが正解だとも思えない仕上りにはなっている。
この映画に関してはストーリーを気にする必要がなく、ストーリーに文句を付けるのはお門違いということは十分分かっているが、いくらなんでも浅すぎはしないか。
身内もおらず天涯孤独の身であり、苦労を重ねてきたという設定ではあるが、本作では能天気で苦労知らずのわがままな女性とも映ってしまった。
なんらの挫折も苦悩もなく、好意を寄せる二人の男性を手玉に取った小悪魔的な存在ともいえる。
本作に決定的に欠けていることは“挫折”だろう。
とんとん拍子で成功していくだけでは“深み”がない。
“夢”には成功と挫折が付き物ではないか。
田舎から出てきた娘が大した苦労も苦悩もなく夢と男をゲットする、そのような映画に深みがあるはずはない。
夢を掴むために、苦悩を乗り越えるパワーをもっと感じたかったところ。
ストーリーが十分なものではないと、せっかくの歌のシーンも単なるミュージックビデオのようなものにもなってしまう。
ストーリーや自己の心情などと掛け合わすことによって、足し算ではなくて掛け算的な効果が生じるが、本作にはあまりそのような効果はなかった気がする。
シェールの貫禄を除けば、ぞくぞくする様な感覚にはなれなかった。

また、窮地を救った最後のオチはちょっと意外なものであり、アレはアレでも面白いが、プロフェッショナルならば、自分の技能で師匠に“恩返し”するべきではないか。
歌やダンスに主眼が置かれた作品なのに、最後はそれとは関係のない方法で物事を解決してしまうというのは、いかがなものか。
師匠から何かを学び、その師匠を超えていくような“ミラクル”を起こしてこそ、映画の醍醐味といえる。
他のミュージカル作品に比べると、やや物足りなさを覚えたので、評価は低めとしたい。

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