ばったすいみんぐすくーる

公開中の映画作品を中心にネタバレ全開で独断レビュー。 映画興行収入などの映画情報も紹介。

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『ぼくのエリ200歳の少女』DVDレビュー

◆評  価   7.5点
◆おススメ度  A(リメイク版よりも良い)

孤独の少年と孤独の少女(彼女が再三語っていたように実際には違うらしいが)の関係が、美しく、切なく描かれている。
人間とヴァンパイア、男と女という性を超越した二人の関係がより“純粋”に映る。
ホラーやサスペンスで描かれる題材のヴァンパイアという設定をより効果的に利用した特異な作品であり、世間の評価に値するといえる。

エリとオスカー少年とのやり取りも興味深いが、エリと一緒に住んでいた中年のおじさんの関係が本作をより効果的なものとしている。
あの中年のおじさんは、少年時代にエリと出会い、付き合い、エリのために罪を犯しながら時を経て中年となっていったのだろう。
「今日はあの少年と会わないで」という中年のおじさんがエリに語ったセリフがかなり寂しそうであり、あのセリフに何かが凝縮されていたような気がした。
恐らく過去の自分と重ね合わせて、自分の存在が薄れていっていることに不安を覚えたのだろう。
それでもなお、最後にエリのために自分の血を吸わせて、チカラ尽きるシーンが美しくもあり純粋だ。
エリを愛した少年たちの末路は悲惨かもしれないが、彼らにとっては永遠ともいえる純粋な愛なのだろう。

このような連鎖を断ち切るために、そしてオスカーのために、エリは最初で最後のキスをしてオスカーの元を去る覚悟を決めたとは思うが、エリは去り切れず、そしてオスカーに頼らざるを得ず、結局は戻らざるを得なかった。
オスカーは自分を助けてくれたと思っているだろうが、本当の意味ではオスカーのためにはならない行為だ。
結局は自分の生命を永続させるために戻ったのではないか。
性とは無縁のお互いに純粋な思いかもしれないが、未来のない二人の関係・逃避行が儚く感じられる。
そのため、モールス信号が美しくもありながら、いっそう切なくも感じられた。
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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

『ウォール街』DVDレビュー

◆評  価   7.0点
◆おススメ度  B+(傑作という作品ではないが歴史に残る作品)

人間の野心、金の魔力・重力、師弟関係、親子の絆、恋愛関係、企業に対する愛着など、様々な要素が描かれている良作といえる。

労働者層と富裕層を分ける大きな壁、その壁を乗り越えるために、超えてはならない一線を超えて、戻ることができなくなった男たちの生き様が描かれている。
ゲッコーは、ブルースターの資産に目をつけていたが、バドを騙す気はそれほどなかったのではないかと思う。
ゲッコー流の思考から考えると、再建させるよりも資産整理した方が、楽に金が儲かるというジャッジを下しただけのように思える。
その思考にはもちろんバドの気持ちや組合や従業員のことなどは含まれてはいないことは確かだろう。
ゲッコーはブルースターを整理することで、自分はもちろんのこと、バドもバドの父親も多少儲けることができるから問題ないと踏んだのだと思うが、金では買えない長年積み重ねてきた時間が企業には蓄積している。
金を儲けるという“欲”の対抗軸として、本作にはフォックス家の家族の絆や恋愛感情、企業に対する愛着や連帯感のようなものを盛り込んでいる。
これらについては、ゲッコーが持ち合わせていない事柄であり、持ち合わせていないからこそ、彼が計算できなかった事柄だろう。
ゲッコーももちろん家族持ちだが、その気になれば母親をも売り飛ばすと罵られたように、金>家族という考えに間違いはなさそうだ。
『友達が欲しかったら、犬を飼え』というゲッコーのセリフも良い。

ただ、ゲッコーも機械ではなく人間であるためか、感情があるようだ。
野心のために限界を超えるバドにのめりこみ過ぎたような気がする。
ゲッコーは自分に似ているところがあるバドに、自分を投影してしまったのだろう。
問題は、彼はバドであり、ゲッコーではなかったということだろう。

バドとダリアンの二人の関係の危うさも面白いところだ。
金と恋愛感情というものを天秤にかけた時、ストーン監督は単純に恋愛感情の方が勝るという描き方をせずに、貧乏時代には戻りたくないと破局させていることは面白い。
愛があれば金がなくても大丈夫とキレイごとで片付けに、やっぱり金の魔力の大きさ、金の重力という重さが見え隠れしている。
父親はその日に生きる金があればよいと言えるが、贅沢を知った女性にはそれは無理ということのようだ。

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『トロン』DVDレビュー

◆評  価   4.5点
◆おススメ度  B+(歴史を知るためには見てもよいかもしれない)

独創的な世界観が繰り広げられており、確かに衝撃を受けることはできる。
1982年にこれを創る事は相当なイマジネーション力と技術に関する苦労を強いられたであろうことは容易に想像できるが、この世界観はやや付いていきにくいように思われる。
インターネットや仮想空間が常識でもある現代においてさえ付いていきにくいのだから、当時の人々はもっと付いていきにくかったのではないか。

また、観終わった後に何も残らない作品でもある。
仮想現実内において訳の分からないボスキャラを倒し、乗っ取られた自分の著作権を確保したということはもちろん分かるが、「それがどうしたの?」とも感じられる。
感動もなければ、爽快感もなく、興奮もない。
技術がいくら素晴らしくても、それだけではダメだということだろう。

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『トイ・ストーリー』DVDレビュー

◆評  価   8.0点
◆おススメ度  S(色あせることのない傑作)

おもちゃに対する愛情と、おもちゃを愛してくれる子ども達に対する愛情に溢れた作品。

おもちゃが動き回るという夢のような世界が展開されており、このような気持ちはいつまでも忘れてはいけないと感じさせてくれる。
また、そういうえば自分が遊んだおもちゃ達はどこに行ってしまったのだろうとどこか切ない気持ちにもさせてくれる。
さらに、冒頭のアンディがおもちゃと遊ぶシーンは、アメリカの子どもも日本の子どもも変わらず、万国共通なのだろうか、どこか懐かしい感じにもさせてくれる作品だ。
おもちゃとともに遊び、おもちゃとともに成長していくのは普遍的といえそうだ。

ストーリー自体は、隣家からの脱出と引越の車への到着という取るに足らないものなのだけれども、他のアドベンチャー作品にヒケをとらない“激しい冒険”を堪能できるというのも不思議な仕掛けだ。
悪ガキの日光による攻撃や、飛ぶことのできない翼などを事前に描いておいて、それをきちんとオチとして回収するのは心地よく感じる。
1本のマッチを使って、ロケットを発火するのだろうと思わせておいて、一旦観客をドキドキさせるようなテクニックも見事といえる。

また、ウッディとバズというまさに正反対の性格の“二人”が繰り広げる見事なバディムービーだ。
自分の居場所を奪われたと思う者と、自分をヒーローと思う者という組み合わせは過去に例がないであろうほどの新鮮な面白みを与えてくれるとともに、自信やアイデンティティを失ったバズを救ったのは、ウィディであり、アンディの愛情(足裏に書いた名前)であったことはどことなく感動的でもあった。

他のキャラクターもただのお飾りではなくて、高い個性を感じられる。
ピクサーの製作陣が一つずつにきちんと愛情を込めたのだろう。

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『ボーン・コレクター』DVDレビュー

◆評  価   6.0点
◆おススメ度  B-(オチを無視すれば、それほど悪い作品ではないが)

「ソルト」のフィリップ・ノイス監督、アンジェリーナ・ジョリー主演作品。
途中までは本格的なサスペンスを堪能することができ、結構良かったと感じていたが、オチの付け方を完全に誤ったような仕上りとなっている。
犯人に対して面白みが何もなければ、頭脳戦を繰り広げていたのに、ただの肉弾戦で終わるというのも面白くもない。
ナイフを使って殺したいのならば、このような無駄な苦労をせずに、もっと以前に可能だったのではないかというツッコミを入れられるような作品に対しては高い評価ができない。
「証拠捏造」「人間トイレ」がどうのこうのと、色々と語っていたが、犯人の動機も目的も理解できず、それほど悪くはない作品が全て台無しとなった。

それなりの知能犯と思っていたが、結局のところ昔の書物に書かれていたことを実行していたに過ぎないというのも面白くない。
全体的に犯人を追い詰めるという感覚がなく、犯人の掌で転がされているうちになんとなく事件が終わってしまったという感覚だ。
したがって、スリリングではあるものの、どことなく緊張感が欠ける作品となっている。
また、冒頭は尊厳死をほのめかしていたものの、ラストでは疎遠となっていた姉や姪と再会したり、アンジェリーナ・ジョリーと恋愛関係気味となったりと、一転して和気あいあいとしたほのぼのとした感じで終わるというのも、「これで良いのか?」という気がしてくる。

本作においては、“誰が犯人であるか”というよりも“現場の状況から犯人が残したヒントを探り出す”という点に重きを置かれていることは分かる。
それならば、スピーディーに処理するのではなくて、もう少し観客と共にじっくりと現場や謎解きを共感できるように演出した方がよかったかもしれない。
もっとも、紙の切れ端のパズルを解決したとしても面白くないネタではあり、もう少し工夫する余地はありそうだ。

オチやストーリーは面白くないが、デンゼル・ワシントンとアンジェリーナ・ジョリーが好演している点は評価したい。
特に、アンジェリーナ・ジョリーが喜怒哀楽を上手く表現していた。
ただ、父親を自殺で失い、恋人と上手くいかず、自分に自信も持てずに憂鬱そうにしていた割には、途中からは一転して優等生に変わってしまった点は物足りないところではあるが、本作においては十分光を放っていたといえる。

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