ばったすいみんぐすくーる

公開中の映画作品を中心にネタバレ全開で独断レビュー。 映画興行収入などの映画情報も紹介。

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『ヘラクレス』レビュー

◆評  価   4.5点
◆おススメ度  C(見る必要はない)

2D版を鑑賞。
12の難行で有名なヘラクレスを題材にしたギリシャ神話モノだと思って鑑賞したら、ただ腕力のあるオッサンの話だったというトンデモ映画になっている。
100分弱で12の難行を描くのは困難であり、どのような仕上がりにするのかを楽しみにしていたら、ただのプロローグ扱いというなかなかの荒業を使っていた。

ストーリーはメチャクチャすぎて、基本的には駄作という評価を与えるべき作品なのだろう。
ただ、あまりにメチャクチャすぎて、逆に面白くなる効果を狙っているとしか思えない。
あまりにも辻褄のあわない展開、馬車投入で一気に形勢逆転する戦い、ちょっとの訓練で生まれ変わる統制のとれた軍隊、味方の王様の突然の手のひら返し、ケンタウロスもケルベロスもただの見間違い、数人で無策で城に突っ込む無謀な戦略、突然登場してあっさりと退場する黒幕、猛犬に襲われて大怪我をしてもピンピンしている主人公、ピンチは筋力で解決、喧嘩別れした仲間が戻ってくるというお約束の展開、悪玉が死んだらあっさりとひざまずく兵士などコメディとして観ると面白い。

ただの見間違い、12の難行のプロローグ扱いについては、伝説を畏怖している人々の気持ちを利用している部分が大きく、本作の“肝”にもなっている。
本作においては、ヘラクレス自身、神ゼウスの息子であり12の難行をクリアしたという伝説を利用して、傭兵として金儲けを企んでいる悪党のような存在でもある。
そのような設定自体は斬新であり、決して悪くないと思われる。
伝説を利用して、傭兵として金儲けしていた、ただ腕力の強いだけの小さなペテン男が、ヘラクレスの伝説に憧れる少年との出会いを通して、偉大な“真の英雄”として生まれ変わるというストーリーは面白くなるはずだった。
ただ、英雄ヘラクレスという存在を性根が腐った小悪人にするわけにもいかなかったのか、善でも悪でもない中途半端なキャラクターのままで終わってしまったことが残念なところだ。
伝説に彩られた自分を弱い人間だとさらけ出して、強い男になっていくような熱い映画に仕上げて欲しかった。
預言者はオイシイところをもっていっていたが、仲間の扱いも中途半端すぎるだろう。

結局のところ、何も残らないが、何も考えずに鑑賞できるファミリー向けアクション作品というだけになってしまった。
数ヶ月後には忘れ去られる映画の類だろう。
上手く仕上げれば、続編を制作してもよい映画であったはずなのに、もったいない作品だ。
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『猿の惑星: 新世紀(ライジング)』レビュー

◆評  価   7.5点
◆おススメ度  B+(意外と政治的な映画)

2D字幕版を鑑賞。
サルが反乱するアクションだろうという軽いノリで鑑賞したので、あまりに真面目で重いテーマをリアルなタッチで扱っているので驚かされた。
終盤まで大規模なアクションがないというのも斬新でもあり、チャレンジでもある。

人間とサルの争いの誕生・共存の可否を描いているが、はっきり言って現在の世界の縮図を描いているのは明らかだろう。
サルの側には共存派と戦争派がおり、人間の側にも共存派と戦争派がいる。
お互いがお互いを過去の経緯から憎しみ合い、怯えてもいる。
一方の武器の山を見つけて、怯えに火が付き、やられる前にやってしまおう、反対する者は弾圧しようという、争いが生まれる様子を見事に描き切っている。
現在の紛争を人間対サルという形に置き換えて、警鐘を鳴らしているかのようだ。

また、人間には音楽・漫画のような文化や、薬や兵器や電気のような技術がある一方で、サルには自然で生きる体格や団結力のようなものがある。
お互いがお互いにあるもの・ないものを補完しあえればよいが、幕末時代の薩長同盟のようには上手くいかないものだ。
さらに、子どもの愛らしさは種を問わずに癒されるものであり、そのようなアプローチも描かれている。

シーザーのリーダーとしての資質も上手く描かれている。
組織のために何が最善かを悩み、武力をも辞さない覚悟による話し合いで解決しようとしている。
譲歩できる部分は譲歩し、守るべきところは守ろうとする。
約束を守らなければ、それ相応の報いにて相手に対抗する。
そして、戦争することにはあまりにも失うことが多いが、積み上げたもののために、未来のために、家族・仲間のために戦うことを決めるということもリーダーの役割ということだろうか。
シーザーが次回にどのような決断をし、どのような展開になるのは楽しみである。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』レビュー

◆評  価   7.5点
◆おススメ度  A(気軽に楽しめられる作品)

テンポも良く、中だるみもなく素直に面白いと思う。様々な伏線を効果的に利用しており、その辺りには上手さは感じられる。
ただ、今年アメリカで公開された最高興行収入となる大ヒットを受けて、期待値を上げ過ぎてしまっていたようだ。
構造的にも「アベンジャーズ」レベルというところではないか。
「アメイジング・スパイダーマン2」「X-MEN:フューチャー&パスト」「マイティ・ソー ダーク・ワールド」よりは面白いが、「キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー」よりは面白くないというところだと思う。

あまり前知識を入れずに、TEDのような性格の悪いアライグマを含む極悪の面々が活躍する映画かと思ったら、真面目な面々が真面目に活躍する意外と真面目に制作された本格的な宇宙を舞台にしたヒーローモノに仕上がっている。
驚くような展開がある映画ではないが、「アベンジャーズ」同様に、正義の味方とは異なる、デコボコなメンバーが集まって、悪を倒すという構造の映画は面白いものだ。
正義の軍隊、正義とも悪党ともいえない集団を織り交ぜることによって、良い混乱を映画にもたらしている。
ただ、多少の言い争いや方向性の違いはあるが、仲間になったら皆仲良しという単純さをもうちょっと複雑にしてもよかったかもしれない。
チームとしての危うさもなく、いざこざが面白い化学反応や結果を生むわけでもなく、その辺りがもったいない部分ではある。

ただ、基本的には単純明快な誰でも楽しめられるファミリー向け作品なので、こういう作りになっても仕方がないところはある。
最近のヒーローモノは、暗く悩むところや、正義とは何かを問うような深さを求められるところがあるので、逆にこういう単純な方向性の作品に仕上げても当然良く、それがアメリカで高い興行収入を生んだといえそうだ。

しかし、主役のスター・ロードの存在感がやや薄い気がする。
ロバート・ダウニーJr.のような強烈な個性は必要ないが、クリス・エヴァンス、クリス・ヘムズワース程度の存在感は欲しかったところだ。
最後のダンスは意表を突かれたが、パワーが強いわけではなく、頭脳が良いわけでもなく、特殊技能があるわけでもなく、正義感も特別強いわけでもなく、あまり特徴のないヒーローという印象。
作風同様に、特徴のないヒーローという新たな個性を目指したのだろうか。

70~80年代の音楽をもっと使ってくれるとありがたかったが、音楽は劇中で効果的に使用はしているものの、もうちょっと表に出しても良かったような気がした。
ただ、その時代の音楽をかじっていない者をお断りというようにしてしまうのも問題なので、表に強く出せないという判断もあるだろう。

『思い出のマーニー』レビュー

◆評  価   7.0点
◆おススメ度  B+(それほど悪くはない)

北海道の湿地を舞台に、孤独で繊細な少女の心を丁寧に描いた作品であり、面白味には多少欠けるが、高いレベルの作品と思われる。

血が繋がらない“おばさん”と称する女性と暮らす孤独な少女に対して、それ以上に心の闇を持つ祖母の魂が暖かく見守り、少女の心の闇に対して光を照らしていくという感動作品に仕上がっている。
苦しいのは自分だけではない、自分は一人ではない、見守ってくれる人たちはたくさんいるということを本作を通して伝えているのだろう。

役所から補助金をもらっているということ自体は特に意味はなく、一般の子供とは異なる“普通”ではない自分に違和感や苛立ちを覚えて、自己嫌悪に繋がっているのだろう。
おばさんの過保護さも真の愛情ではなく、補助金をもらっている後ろめたさによるものという子供ならではの解釈により、どんどんとヒネくれていってしまう。
真の愛情とは、過保護に接することではなく、子供を突き放し、お互いに見つめ直し、お互いに心を打ち解けあい、強固な関係を築いていくものなのかもしれない。

現実でもなければ、夢でも幻でもない世界を現実に近い、やや直球気味に描いており、杏奈とマーニーの交流シーンはもうちょっとアニメ作品ならではの工夫があってもよかったかもしれない。
“サイロ”というもので杏奈とマーニーの心の闇を表現しているが、ファンタジー的な方向には進みたくなかったのか。

『フライト・ゲーム』レビュー

◆評  価   8.0点
◆おススメ度  A(レベルの高いサスペンス)

期待していなかったためか、思ったよりも面白い作品。
原題の「Non-Stop」というタイトルのとおり、面白さが止まらずに持続している。
先が全く読めない展開、犯人が全く分からない展開のため、最後まで息つく暇がなく、集中力が持続される。
犯人が分かり、イマイチな動機が語られると、やや面白味を欠くところはあるものの、犯人捜しがメインの作品ではないので、特に気にする必要はあるまい。

犯人正解率3.7%をウリにしているように、犯人を予想することはかなり難しい。
ただ、怪しい者が逆にいないということも、犯人を気にすることもなく、ストーリーに集中できるようになっている。
犯人捜しというよりも、飛行機という閉鎖的な空間、特定多数の容疑者、メールによる犯人とのやり取りを上手く利用している点を評価すべきだ。

リーアム・ニーソンの渋さも本作にはマッチしている。
飛行機を怖がる少女のあやし方によりCAの心を掴み、自分への疑いが掛かる中での数少ない仲間にしている。
心の痛み、後悔を抱えたという設定、青いリボンというリボンがリーアム・ニーソンに不思議とハマり、サスペンスアクションにやや深みを増している。
ジュリアン・ムーアも存在感はあったが、作品的に上手く機能しているわけではないので、もうちょっと役割があってもよかったか。
ジュリアン・ムーアだけではなく、TSAの動きもやや効果的には機能していなかったような気がする。
乗員の動き、乗務員の動きにも難がなくはないが、必要最低限には機能していたと思われる。

ジャウマ・コレット=セラ監督とリーアム・ニーソンのコンビは「アンノウン」と同様だが、なかなか面白い設定の作品であり、またこのコンビを観たいものだ。
リーアム・ニーソンは「96時間」シリーズ以外だけではなく、様々な作品で調子が良い。

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