ばったすいみんぐすくーる

公開中の映画作品を中心にネタバレ全開で独断レビュー。 映画興行収入などの映画情報も紹介。

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2007年1月クールドラマ視聴率結果(七話目等)

順位  タイトル   初回   最新話 前話との対比 平均(予想平均)
1位「華麗なる一族」 27.7%  21.1%(▽2.4%) 23.1%(23.0%)
2位「花より男子2」  19.4%  22.7%(▲1.7%) 20.9%(19.0%)
3位「ハケンの品格」 18.2%  20.2%(▽0.5%) 19.3%(13.5%)
4位「東京タワー」   14.2%  14.4%(▽0.4%) 14.6%(16.5%)
5位「特命係長只野仁」13.4%  13.7%(▽0.3%) 13.9%(14.0%)
6位「エラい嫁」     16.1%  12.2%(▲1.4%) 13.1%(12.0%)
7位「拝啓、父上様」 12.9%  12.1%(▽0.7%) 13.1%(15.0%)
8位「ヒミツの花園」  14.7%  12.4%(▽0.1%) 12.6%( 9.5%)
9位「今週、妻が浮気」12.5%   9.3%(▽0.3%) 10.1%(14.0%)
10位「きらきら研修医」10.4%   8.7%(▽0.3%)  9.9%( 9.0%)
11位「演歌の女王」  10.9%   9.1%(▲1.1%)  9.2%(16.0%)
12位「わるいやつら」 13.6%   8.7%(▲2.5%)  9.2%(13.5%)


数週間前から「華麗なる一族」と「花より男子2」の視聴率が週によっては逆転する週があるだろうと書いていたが、それがついに先週現実化してしまった。

ただ、今回は特殊事情もあったように思われる。
「華麗なる一族」の同時間帯に放送された、テレ朝の「タキシード」が視聴率13.6%、フジテレビの「スウィングガールズ」が13.4%と、二本の映画が同時に放送された煽りをもろに受けたようだ。
今週フジテレビはK-1をぶつけてくるが視聴者層が異なるので、それほど煽りは食わないとも思われる。
次週には再び23%台に持ち直すのではないか。
ただ、ドラマの質自体それほど高くないのも気になるところだ。
どう考えても「白い巨塔」には遠く及ばない印象を受ける。

一方、同時間に放送された「隠し剣鬼の爪(視聴率14.4%)」をもろともせず、「花より男子2」は視聴率を上げてきた。
第四話で23.1%の高視聴率も上げており、終盤を迎えて、今後もさらに上げてくるものと思われる。
日本テレビの金曜日の映画は「スパイゲーム」「ソードフィッシュ」「ジャッカル」というラインナップだ。
「花より男子2」との勝負を捨てているとのか。
それとも、視聴者層が被らないように骨太の男性向けアクション映画で視聴率を稼ぐつもりなのか。
「ジャッカル」相手ならば、最終回は25%越えも夢ではないかもしれない。

6位の「エラいところに嫁いでしまった」と7位の「拝啓、父上様」の争いと、11位の「演歌の女王」と12位の「わるいやつら」の最下位争いは相変わらず熾烈だ。
平均視聴率は小数点2位以下の僅差の戦いとなっている。
どちらが抜け出すことができるか、この争いも今後も注目である。

あと3週話ほどでだいたいどのドラマも最終回を迎えるが、打ち切りの話が聞こえてこない。
大きく期待を裏切ったドラマも散見されるが、比較的どのドラマも健闘しているといえるのではないか。

前回と最新話の視聴率を比較しても、大きく下げるドラマはなく、微減に留めているのが特徴的だ。
どのドラマも比較的支持率は高そうだ。

初回視聴率と平均視聴率を見比べて欲しい。
初回視聴率が平均視聴率を上回っているのが、「花より男子2」「ハケンの品格」「東京タワー」「特命係長只野仁」「拝啓、父上様」の5本もある。
これは、なかなか優秀な結果ではないだろうか。

また、平均視聴率が初回視聴率より大きく下げているのは、「華麗なる一族」「エラいところに嫁いでしまった」「わるいやつら」の三本のみである。

「華麗なる一族」は話題性に惹かれて、初回視聴率がずば抜けて高かったものであり、致し方ない。
キムタクドラマでは毎回見られる現象だ。
実質的に初回から大きく下げているのは二本のみという他のドラマの優秀さが際立つ現象だ。
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テーマ:テレビ視聴率 - ジャンル:テレビ・ラジオ

国内映画興行収入ランキング(2月4週目) 【映画】

基本的には先週の予想通りの結果となったといえる。
「どろろ」と「ドリームガールズ」の順位と
「マリーアントワネット」と「さくらん」の順位と
「墨攻」と「それどもボクは」の順位がそれぞれ逆になってしまったが。

「どろろ」は「パイレーツオブカリビアン」方式で、2・3の続編が作られるというニュースが発表され、さらなる動員を見込めると思ったが、先週のリベンジを果たして「ドリームガールズ」が首位に踊りでた。
「ドリームガールズ」の好評価が世間に広まったことによる逆転であろう。
さすがに「どろろ」も5週目に入り、ようやく息切れしてきた。

「どろろ」の続編については、よっぽど工夫しなければ、それほどの利益を産まないのではないかとも思われる。
評判はそれほど良くないのに、興行収入面だけで観客から支持されていると思っては駄目だ。
ヒットを狙うのならば、思い切ってアクション系の監督を起用し、主役級のキャスティングをさらに加えないと厳しいことになりそうだ。
「陰陽師」「あずみ」「NANA」のような盛り上がりに欠ける続編にならないことだけを祈る。

「さくらん」は6位程度でランクインするとかと思ったが7位スタートとなった。
必死にアピールしたのが功を奏したのか、それとも興行的に失敗したといえるのか、微妙なところだ。
一般受けする作品とは思えず、比較的順当というところはないだろうか。


<今週公開される主な作品>
×「蒼き狼 地果て海尽きるまで」丸の内ピカデリー1(都内23館)
出演は、反町隆史、菊川怜、松山ケンイチ。
澤井信一郎監督(代表作 安倍なつみ他主演「仔犬ダンの物語」)

▲「パフューム ある人殺しの物語」<PG‐12>ルーブル丸の内(都内22館)
出演は、ベン・ウィショー 、ダスティン・ホフマン。
トム・ティクヴァ監督(代表作「ランローララン」「ヘヴン」)
※ベストセラー小説の映画化。

×「ONE PIECE ワンピース エピソード オブ アラバスタ 砂漠の王女と海賊たち」
丸の内TOEI(都内18館)
※人気アニメの映画化。

◎「ゴーストライダー」日比谷スカラ座(都内16館)
出演は、ニコラスケイジ 、エヴァメンデス、ピーターフォンダ
マーク・スティーヴン・ジョンソン監督(代表作「デアデビル」「サイモンバーチ」)

×「龍が如く 劇場版」銀座シネパトス(都内6館)
出演は、北村一輝 、岸谷五朗。
三池崇史監督(代表作「殺し屋1」「着信アリ」「ゼブラーマン」「妖怪大戦争」)
※極道の世界を描いた人気ゲームの映画化。

×「パリ、ジュテーム」シャンテシネ(都内3館)
多数の監督、多数の役者によるパリを舞台としたオムニバス映画。

○「今宵、フィッツジェラルド劇場で」銀座テアトルシネマ(都内2館)
出演は、ウディハレルソン 、トミーリージョーンズ、メリルストリープ。
ロバートアルトマン監督(代表作「M★A★S★H」「ゴスフォードパーク」)
※名匠ロバートアルトマンの遺作となった。原題「A Prairie Home Companion」。
全米興行収入は約20百万ドル。

×「秒速5センチメートル」渋谷シネマライズ(都内1館)
新海誠監督(代表作「雲のむこう、約束の場所」)によるアニメ作品

×「ネバー・サレンダー/肉弾凶器」キネカ大森(都内1館)
出演は、ジョンシナ(プロレスラー) 、ロバートパトリック(ターミネーター2のT1000の人)。
ジョンボニート監督
※原題は「The Marine」。全米興行収入は約19百万ドル。

×「ダウト」新宿K's cinema(都内1館)
出演はレイリオッタ 、LLクールJ。
ウェインビーチ監督


今年上半期の最大の話題作ともいえる大注目作品「蒼き狼 地果て海尽きるまで」が公開される。
次々に伝えられる強気な角川サイドの戦略に比し、観客からは冷ややかな反応をされており、様々な意味で注目されている作品だ。
製作費30億円とも言われている超大作。
「DEATH NOTE」でさえ二作合計で20億円(興行収入は二作で80億円)と伝えられているのであるから、その高額な製作費が窺われるところだ。

製作サイドとしては、反町主演の「男たちの大和」の50億円程度は稼げるという読みだろうが、
・誰もジンギスハーンなどには興味がない
・重い映画は好まれない
・見所も大してなさそう
・全体的に失敗作のオーラが漂っている
・監督に実績がない(アイドル映画中心)
というように感じられる。
どこまで観客を無視して突っ走って作られた作品なのか、逆の意味で観てみたくなってくる作品でもあるのだが。

しかし、興行的にはなんだかんだいってトータルでは15億円~20億円程度は稼げるのではないか。
あまり映画に詳しくない人には、もの凄いチカラを入れている大作のようにも感じられ、「よく分からないけど、とにかく凄そうだ」とあまり考えずに足を運ぶ人もある程度見込める。
「UDON」でさえ13億円以上を稼いでいるのだから、多少はなんとかなるって。

「ゴーストライダー」については、アメリカで大ヒットしているが、
・日本ではアメコミ映画は人気が高くない(スーパーマンリターンズが15億円)
・しかも「ゴーストライダー」という存在自体聞いたことがない
・ニコラスケイジもほとんど人気がない
ということで、あまり興行収入面では高い期待はできないが、ここ最近同種のアクション大作映画の公開がなかったことで、観客としては多少の飢餓感があるとも考えられる。

「007/カジノロワイヤル」などのアクション大作は公開されているものの、こういった軽めのアメコミやヒーローモノとなると、去年10月の「X-MEN」まで遡らなくてはならない。
「デアデビル」や「ハルク」でさえ、3位、4位で登場しているのだから、上位で登場は見込める。
トータルでは10億円前後いけるのではないか。
いずれにせよ、「スパイダーマン」などの大作の前に公開しないとビジネスにならない映画だ。
公開時期は絶妙ともいえる。

「ONE PIECE」は04年が18億円の興行収入(3位登場)、05年が12億円の興行収入(3位登場)。
前作の8割程度の興行収入と読めば、今回は9~10億円くらいかと思われる。
子どもたちの冬休みには数週間フライングしているようにも感じられ、本格稼動するのは数週間後か。

「パフューム ある人殺しの物語」はなぜこれほど多数の映画館数で公開するのか分からない。
世界的なベストセラーといっても、それほど集客力があるとは思えない作品だ。
どこに勝算があると踏んだのだろうか。
個人的には映画自体には少々興味はあるが、とりあえず他の観客の評価を見定めて、鑑賞するかどうか決めたいところだ。
アメリカでは一応42館で細々と公開中であり、約2百万ドルの興行収入。


<次週予想順位>
予想順位(今週) 自己評価 タイトル(主な公開劇場)
1(-) ×「蒼き狼 地果て海尽きるまで」(丸の内ピカデリー1)
2(-) ◎「ゴーストライダー」(日比谷スカラ座)
3(1) 済「ドリームガールズ」(日劇PLEX3)
4(-) ×「ONE PIECE」(丸の内TOEI)
5(2) △「どろろ」(有楽座)
6(4) ×「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」(日劇PLEX2)
7(5) ×「守護神」(日劇PLEX1)
8(-) △「パフューム ある人殺しの物語」(ルーブル丸の内)
9(7) ×「さくらん」(新宿ジョイシネマ)
10(3) 済「幸せのちから」(日比谷みゆき座)

※メイン館を「ゴーストライダー」に奪われた「幸せのちから」は大きくランクを落とさざるを得ないか。
アカデミー賞を受賞したもののメイン館を「パフューム」に奪われる「ディパーテッド」も圏外に消えてしまうだろう。


[個人評価]
◎ 絶対観たい作品
○ できれば観たい作品
▲ DVDか映画サービスデイだったら観たい作品
△ 映画館では観ないけどDVDだったら観るかもしれない作品
× 観ることはないでしょうの作品
済 鑑賞済み作品

テーマ:興行収入ランキング - ジャンル:映画

「華麗なる一族(五話・六話・七話)」レビュー 【ドラマ】

<第五話>
今回は、あまり話を大きく動かさずに、高須相子と万樹子(山田優)の過去を紹介するという回でもあった。
なぜ高須がここまで万俵大介に肩入れをするのかということを、中盤あたりで明らかにしておこうという意図があったと思うが、ありきたりの話で特に驚くべき内容ではなかったのが残念だ。
結婚に失敗しているという逸話や、女を捨てているようにみえて、実は少々子どもにも未練があるという、女性らしい一面もまだ捨てきっているわけではないということを紹介したいようだ。

大川議員を嵌めたのが父大介だったと分かった直後にしては、今回の誤射シーンは物足りなかった。
鉄平は第四話では「(リークしたやつを)撃ち殺したい」と息巻いていたわりには、彼に何の葛藤もないのでは、誤射シーンを描く意味に欠けると思う。
この誤射を利用して父を撃ち殺したいという衝動に鉄平は駆られてもおかしくないのではないか。
実際に父に対して銃口を向けるまでには至らなくても、父親のような存在の大川議員の無念を晴らしたいという想いをなんらかの形で感じさせて欲しかった。
これでは大川議員は無駄死にだよ。
父親を愛する気持ちと父親を憎む気持ちの相反する想いを描ける絶好の機会だったのに、みすみすチャンスを無駄にしている。

意外と凄いと感じたのは、美馬一子を演じている吹石一恵だ。
セリフはほとんどなく、表情だけで自己の葛藤や不安感などを何度も語っている。
これは山田優にはできない演技だ。


<第六話>
序盤で優秀な部下を過労死させるほど利用し、大川議員という後ろ盾をあっさりと切り捨て、大川議員闇献金リーク事件を機にもう一人の腹心の部下を切り捨てた万俵大介が、今度は阪神特殊製鋼と息子の鉄平までをも切り捨てようと決心した。
大同銀行の三雲祥一を失脚させるために、息子鉄平と三雲の友情・信頼感をも利用するという非情さが際立つ。

今までは大介の切り捨てが思い通りに事を運び、功を奏していたのだが、その切捨てに対して一人抗う姿勢をみせたのが鉄平だ。
大介と鉄平の本格的な戦いが幕を開けたと感じさせる回だった。
しかし、よくよく考えれば、阪神特殊製鋼がつぶれて一番痛手を食うのはメインバンクの阪神銀行ではないのだろうか。
追加の20億円は見せ金に使ったとしても、高炉建設融資を含めてかなりの額を阪神特殊製鋼に融資しているだろうし、当然、株式もお互いに持ち合っているはずであるから、普通ならば阪神特殊製鋼倒産を機に阪神銀行は大銀行に飲まれてしまうぞ。
常識的に考えて、阪神特殊製鋼が倒産したら、阪神銀行の株も思いっきり下がるのではないか。
小が大を飲み込むとか悠長なことは通用しない気がするが。


<第七話>
まずCMで頻繁に流された予告編を作ったヤツのセンスを疑う。
爆破シーンを大きく流すことによって多少の視聴率稼ぎにはなるだろうが、これを流してしまったら大介と鉄平の戦いがあらぬ方向で決着がついたということを、放送前から教えてしまっており、ストーリーを語るということを放棄しているとしかいいようがない。

自分がCMを作る立場ならば、「大介が「私は負けたのか…」と呟くシーン」と、「窓から外を眺めて驚く大介のシーン」で構成するだろう。

本編においても、大介と鉄平の戦いの勝ち負けをあまり意識していないのが残念だ。
大介との勝負に対して、鉄平が勝ちそうになったことをもっと派手に描くべきだ。
大介が鉄平との勝負に負けそうであることと、父親の大介が息子の鉄平に追い込まれていることを、きちんと視聴者に叩き込まなくてはならない。

大介の「苛立ち」「あせり」を描いて敗戦濃厚ということを十分にアピールすることによって、あの「爆発」の意味が一層大きくなる。
そうしないと「天は我に味方した」というセリフの響きが全然違ってくる。

また、「鉄平が自分の前から消えてなくなればと思ったことさえある」と、大介が生の感情を人前で吐露していたが、このシーンも前半で大介の「苛立ち」「あせり」が色濃く描けていないから、活きてこない。

大介ほどの「強い」男が、なぜ人前で自分の「弱さ」をさらけ出さなくてはならないのかを考えて欲しい。
それは鉄平の強さ・信念に大介が屈しそうになり、鉄平に恐れを抱いたからである。
ストーリーの起伏の付け方や、強弱の付け方などの「演出」に対して非常に不満が募るドラマだ。

また、鉄平の父親が誰かという問題を第一話目から明らかにしすぎてしまっており、この中盤における盛り上がりを台無しにしてしまっている。
鶴田のおかみ(多岐川裕美)なんて完全に無駄死にとしか思えない存在感のなさだ。
ヒミツを握っているキーパーソン的な役割をまったく果たしていない。
序盤から露骨に先代の影を見せつけすぎている「演出」の致命的なミスではないか。
視聴者の読解能力をそれほど低く考えずに、もっと深みのあるストーリーを高いレベルで表現して欲しいものだ。
現時点では、「白い巨塔」の数倍は劣っているという印象をもっている。

演出家は福澤克雄という人であり、今まで「GOOD LUCK!!」「真夜中の雨」「世界で一番熱い夏」「白い影」「砂の器」「3年B組金八先生」などを手掛けているようだ。
鑑賞していない作品も多いが、「砂の器」は高い評価をすることができるものの、それ以外はギリギリ合格点というものしか見当たらない。

そして、「演出」ほど致命的ではないものの、もう一つ気になったのは山田優の存在だ。
山田優は個人的には嫌いではないのだが、完全にミスキャストとしか思えないほど浮きまくっている。
相当違和感を覚える存在だ。
切れて玄関から飛び出していったのに、ご丁寧にきちんと扉を閉めなおすという、お嬢様育ちという設定を計算しているのかどうか分からない演技も披露している。

二子(相武紗季)を含めて冷めた感じの多い万俵家において、まったく馴染めずに完全に浮いた存在にするために、あえて彼女をキャスティングしたのだという深読みをして補完しておこう。

テーマ:華麗なる一族 - ジャンル:テレビ・ラジオ

全米映画興行収入ランキング(2月第4週目) 【映画】

順位(先週)公開週 タイトル (公開館数) 興行収入 (トータル収入)
1(1)2週目「ゴーストライダー」  (3620館)$19,700,000($78,660,000)
2(-)1週目「The Number 23」   (2759館)$14,900,000($14,900,000)
3(2)2週目「Bridge to Terabithia」(3139館)$13,574,000($46,222,000)
4(-)1週目「Reno 911!: Miami」 (2702館)$10,400,000($10,400,000)
5(3)3週目「Norbit」         (3145館)$9,736,000($74,674,000)  
6(4)2週目「ラブソングができるまで」(2955館)$8,000,000($32,063,000)
7(6)2週目「Breach」         (1493館)$6,158,625($20,468,350)
8(5)2週目「Daddy's Little Girls」(2111館)$5,250,000($25,600,000)
9(-)1週目「The Astronaut Farmer」(2155館)$4,515,000($4,515,000)
10(-)1週目「Amazing Grace」    (791館)$4,304,622($4,304,622)

4作の新作がランクインし、3週目で「ハンニバルライジング」、4週目で「Because I Said So」、4週目で「The Messengers」、 10週目で「ナイトミュージアム」が圏外へ消えた。

1位は先週に引き続き、「ゴーストライダー」。
1億ドル突破は100%確実なラインに達した。
しかし、03年の「デアデビル」も2週目で約70百万ドルに達しているので、あまり違いはなさそうだ。
評価も「デアデビル」とそれほど大差なく、ボチボチ楽しめるという作品ではないだろうか。
日本公開は3月3日。あまり過度な期待せず楽しみたい。
全米でのトータルとしては少なく見積もって1億2~3千万ドルといったところか。

2位には先週紹介したジムキャリー主演の「The Number 23」が登場。
やはり、コメディ以外のジムキャリー作品はパッとしないというのが定説のようだ。
「23」という数字に取り憑かれた男を描いたサスペンス。
予想外に評価は高い。意外と楽しめそうだ。日本公開されたら観てみたい。
ジャンルはやや異なるが、「ハンニバルライジング」などを含めて、こういった暗めのサスペンスはアメリカではヒットしないのかもしれない。
アメリカで大ヒットできるのは「コメディ」「アニメ」「アメコミ」「冒険大作」「ホラー」といったところか。

3位の「Bridge to Terabithia」もなかなか粘っている。
最近の子供向け作品と比較すると、ジャンルは異なるが「エラゴン」の2週目成績(約38百万ドル)と「シャーロットのおくりもの」の2週目成績(約27百万ドル)を優に上回るものだ。
先週のデータになるが、現時点では「エラゴン」は約74百万ドル、「シャーロットのおくりもの」は約81百万ドルとなっている。
本作も少なくとも、8千~1億ドル近くはいけそうだ。

4位は新作「Reno 911!: Miami」が登場。
詳細はよく分からないが、TVシリーズの映画版っぽいようだ。
警察を舞台にしたコメディ作品。
有名どころではダビーデビートが出演している。
監督はベングラント。
監督としては実績がないが、「ナイトミュージアム」、ヴィンディーゼル主演の「キャプテンウルフ」、「TAXI NY」といった作品の脚本を手掛けている。
アメリカ人が好みそうなコメディであるので、もうちょっとよい成績を関係者は期待していたのではないか。
日本ではまず公開されない作品である。

5位の「Norbit」は爆発的なヒットというわけにはいかなかったが、1億ドル突破はギリギリ可能だと思われる。
評価はあまり芳しくないので、成績が伸び悩んでいるのだろう。

7位の「Breach」は評価が高いので粘っているのだと思われる。
本作は、「フライトプラン」の脚本家ビリーレイが、監督・脚本(共同)したものである。
もう一度宣伝に騙されに行ってもいいかなという気もしてきた。

9位には「The Astronaut Farmer」が登場。
ビリーボブソーントン、ヴァージニアマドセン主演している人間ドラマ。
監督は、Michael Polish。
何本か監督しているようだが、日本にはデータがない。
あまりに渋すぎて、DVDも発売されていないのだろうか。
確かに、日本で公開しても、収入は見込めそうもない作品だ。

10位には謎の作品「Amazing Grace」が791館の公開館ながら、ハイアベレージで登場してきた。
ウィリアムウィルバーフォースを描いた伝記映画か?
ウィリアムウィルバーフォースは1800年ごろに活躍したイギリスの政治家で、奴隷廃止運動を展開した人のようである。
主演は、ヨアングリフィズ。
「ファンタスティックフォー」でファンタスティック役、「キングアーサー」でランスロット役、タイタニックにも出演しているようである。
監督は、マイケルアプテッド。
「007/ワールドイズノットイナフ」、ジェニファーロペス主演の「イナフ」、「エニグマ」などの作品を手掛けている。
評価は、今のところはなかなか良いようだ。


次週には、「パニックルーム」より5年の歳月を経て、復活する鬼才デビッドフィンチャーの新作「ゾディアック」が登場する。
様々な企画が流れに流れて、ようやく彼の新作が披露されることとなった。
いったいどんな作品となっているのだろうか必見である。
主演は、ジェイクギレンホール、ロバートダウニーJR、マークラファロ、ブライアンコックスといった渋いメンバーが集まった。
フィンチャー作品の今までの成績をみてみよう。
92年の「エイリアン3」が約55百万ドル
95年の「セブン」が約100百万ドル
97年の「ゲーム」が約48百万ドル
99年の「ファイトクラブ」が約37百万ドル
02年の「パニックルーム」が約95百万ドル
となっている。
あまり興行収入面では期待できないところはある。
本作の雰囲気だけで評価すると、トータルでは約75百万ドルあたりが落ち着きどころとなるか。
初週の成績は低くても、長期間ラインクインしそうな感じがする。

次週1位になるのは、「Wild Hogs」か?
ティムアレン、マーティンローレンス、ジョントラボルタ、ウィリアムHメイシー、マリサトメイが出演しているコメディ。
監督は、Walt Becker。彼にはあまり目立った監督作品はないようである。

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「アカデミー賞」結果発表 【映画】

おおむねサプライズもなく、予想通りの結果となったのが印象的だった今回のアカデミー賞。
予想どおり受賞したことが、一番のサプライズにも思える。
個人的に、ひねって予想した「作品賞」と「長編アニメ賞」のみの予想が外れた。

【作品賞】
<受賞作品>ディパーテッド
クィーン、バベル、硫黄島からの手紙、リトルミスサンシャイン

※「リトルミスサンシャイン」は監督賞にはノミネートされていない作品だ。
調べてはいないが、監督賞にノミネートされていない作品は、今まで作品賞を受賞していないのではないだろうか。そういう意味でかなり難しいと思っていた。
「硫黄島からの手紙」は、イーストウッド作品が立て続けに受賞することはないと思われるのでこれも非常に難しいと感じていた。作品云々という問題ではない。
三度目の監督賞を与えるのには、誰もが文句を言えないほどの傑作でなくてはいけない。
「父親たちの星条旗」ならまだしも、拡大公開されていない日本語作品ということもあり、やはりどう考えても受賞するのは難しい作品であった。
「父親たち」ではなく、「硫黄島」がノミネートされたということは、彼が受賞することはないことの表れだったようにも感じられた。
「バベル」は去年のクラッシュと雰囲気的に似ているオムニバス映画。
去年の「クラッシュ」がなければ、ひょっとしたかもしれないが、この作品は時期が悪かったと思う。
「ディパーテッド」はリメイク作品であり、スコセッシ監督作品の中では「並」の出来の作品。
本作で受賞するのであれば、過去の作品がどうして受賞できなかったのかということになってしまう。
そこで、個人的には、大穴で「クィーン」を押したのたが、やはり「クィーン」では難しかったか。
「クィーン」はイギリス系の映画ではあるが、アカデミー賞では「ガンジー」や「炎のランナー」などのイギリス映画が受賞している例はあったのだが。
弱メンバーに助けられ、「ディパーテッド」が受賞してしまったが、スコセッシは本気で喜べるのだろうか。
やや疑問が残る受賞であった。
04年に「ミリオンダラーベイビー」ではなく「アビエイター」で受賞していればよかったのだが。
そうすれば、今年はイーストウッドに受賞させられる流れを作ることができた。


【監督賞】
<受賞者>マーティンスコセッシ(ディパーテッド)
アレハンドロゴンザレスイニャリトゥ(バベル)、スティーブンフリアーズ(クィーン)、クリントイーストウッド(硫黄島からの手紙)、ポールグリーングラス(ユナイテッド93)
※混戦を利して、スコセッシが念願のオスカーを取ってしまった。
スコセッシファンにとっては喜んでいいのかいけないのか、微妙なところだろう。
さすがに今回監督賞を受賞するとは思ったが、まさか作品賞までも与えてしまったのはどうだろうか。
「ディパーテッド」クラスではなく、彼の渾身の作品での受賞を見たかった。


【主演男優賞】
<受賞者>フォレストウィテカー(ラストキングオブスコットランド)
レオナルドディカプリオ(ブラッドダイヤモンド)、ウィルスミス(幸せのちから)、ピーターオトゥール(Venus)、ライアンゴスリング(Half Nelson)
※やはり、フォレストウィテカーの高い壁を誰も破れなかった。
「ディパーテッド」でレオナルドディカプリオがノミネートされていたら、一波乱も期待できたが、ノミネートすらされないのでは話にならない。
ピーターオトゥールにも期待は集まったが、彼の作品があまりに小品すぎた(先週の時点で157館の公開で約2百万ドル)。
小品の「ラストキングオブスコットランド」ですら先週の時点では約13百万ドル稼いでいる。
なお、「ラストキングオブスコットランド」の日本公開は3月10日。
小さいハコでしか掛けないのが多少不満だ。
上手く宣伝すれば「ホテルルワンダ」並みにヒットできたのではないか。


【主演女優賞】
<受賞者>ヘレンミレン(クィーン)
ペネロペクルス(ボルベール<帰郷>)、メリルストリープ(プラダを着た悪魔)、ジュディデンチ(Notes on a Scandal)、ケイトウィンスレット(Little Children)
※順当にヘレンミレンが受賞。
今年は誰がノミネートされても、彼女に勝つことは困難と思える。
「クィーン」は作品賞も取れなかったのであるから、「クィーン」が無冠ということはあり得ない。


【助演男優賞】
<受賞>アランアーキン(リトルミスサンシャイン)
エディマーフィー(ドリームガールズ)、ジャイモンフンスー(ブラッドダイヤモンド)、マークウォルバーグ(ディパーテッド)、ジャッキーアールヘイリー(Little Children)
※一般的には番狂わせと思われがちだが、個人的には予想通りアランアーキンが受賞した。
やはり、エディマーフィーはそう簡単に受賞できないと思われた。
コメディ俳優であるため、アカデミー会員の票を集めるのは困難だったようだ。
健闘した「リトルミスサンシャイン」にも主要部門を一つ送りたいという意図も働いたのだと思う。
さらには、約40年ぶりにアカデミー賞にノミネートされたアランアーキンに功労賞的な意味も込めて受賞させることとしたのだと思う。
極めて順当な受賞だと思う。


【助演女優賞】
<受賞者>ジェニファーハドソン(ドリームガールズ)
菊地凛子(バベル)、ケイトブランシェット(Notes on a Scandal)、アドリアナバラッザ(バベル)、アビゲイルブレスリン(リトルミスサンシャイン)
※「ドリームガールズ」が観れば分かるが、ジェニファーハドソンの化け物ような迫力には誰も歯が立たない。
心配なのは、今後のジェニファーハドソンの行く末だ。
本作では光り輝いていたが、美人でもなければ、人間ドラマの微妙な演技ができるかも微妙である。
今後どういった役柄が彼女にキャスティングされるのかがピンとこない。
本作が一世一代の当たり役となり、落ちぶれないかどうかが心配だ。


【アニメーション賞 】
<受賞作>ハッピーフィート
カーズ、モンスターハウス
※当初はハッピーフィートだろうと思ったが、裏を読んでカーズと予想したものの、結局ハッピーフィートが受賞した。
ピクサーは「ファインディングニモ」「Mr.インクレディブル」で受賞しているため、そのぶん票が流れたのではないか。
アニメにミュージカルを取り入れるという斬新さによって、アニメの幅を更に広げたという点が評価されたのだと思う。
「カーズ」は作品としては極めて優れた作品であるが、この部門を独占的に受賞されることを嫌われたというのはやむを得ないところである。


【その他の賞】
「トゥモローワールド」が撮影賞で「パンズラビリンス」に敗れた。
「トゥモローワールド」はこれ以上の撮影はないと思えるほどの凄まじさを感じたが、それを上回るほど「パンズラビリンス」は凄いのだろうか。
「パンズラビリンス」を見ていないので判断できないが、ちょっとこの受賞は疑問だ。

一方、外国語映画賞では、「パンズラビリンス」他を抑えて、日本で公開中の「善き人のためのソナタ」が受賞した。
「ボルベール<帰郷>」がノミネートさえされないというのが疑問な部門であるが、公開中のうちに鑑賞してみたいと思った。 受賞のおかげでかなり混みそうだが。

「ドリームガールズ」が完全に嫌われたのも特徴となった。
「作品賞」「監督賞」からノミネートを外されただけでなく、5曲のうち3曲がノミネートされていた「オリジナル歌曲賞」部門では「不都合な真実」に敗れてしまった。
「美術賞」「衣装デザイン賞」「助演男優賞」でも落選し、鉄板だった「助演女優賞」部門と「音響賞」の二冠に留まった。


そろそろ順番で受賞させてやろうとか、一回受賞しているから今年は受賞させないとか、そういうのが目立ってきている気がする。
アカデミー賞は、一番権威のある賞なのだから、純粋に作品と演技に目を向けて欲しいものだ。

テーマ:第79回アカデミー賞 - ジャンル:映画

「ゴールデンラズベリー賞」結果発表 【映画】

最悪な映画を決める「ゴールデンラズベリー賞(通称ラジー賞)」は、「アカデミー賞」の前日に発表されるのが恒例となっている。
今年も例年通り、アカデミー賞の前日に発表された。
今年は、特にサプライズもなく順当な結果に決まったようである。
また、例年会場入りする奇特なスターのニュースもなかったようであり、盛り上がりに欠けた。
シャロンストーンはさすがに会場に訪れなかったか。

【ワースト作品賞】
<受賞作>「氷の微笑2」
「ブラッドレイン」「レディインザウォーター」「LITTLE MAN」「ウィッカーマン」
※大多数の人が予想したとおりの順当な結果となった。
なぜ誰も観ない、誰も待っていないような作品に、多額の制作費を掛けて作ろうとしたのかが謎であるという趣旨を込めての受賞だろう。
単にプロデューサーが無能なだけであって、監督もシャロンストーン以外の出演者も、自分のキャリアを台無しにするリスクを省みずに、ギャラに釣られて、やっつけ仕事でそれなりに頑張ったのではないだろうか。観たことはないけど。

しかし、このシリーズそれほど駄目かといえば、そうではない気がする。
シャロンストーン以外の若い女優が、「悪女」に扮するようなサスペンスならば、ある程度需要はあるのではないか。
もし「3」を作るのであれば、シャロンストーンを脇に追いやり、ストーンを超える悪女を登場させ、悪女合戦をやらせれば面白いのではないだろうか。
とりあえず、おばはんの体を観に行くマニアは少ないということを理解しないといけない。


【ワースト主演男優賞】
<受賞者>マーロンウェイアンズとショーンウェイアンズ「LITTLE MAN」
ティムアレン「サンタクローズ3/クリスマス大決戦!」「シャギードッグ」「Zoom」
ニコラスケイジ「ウィッカーマン」
ラリーザケイブルガイ「LARRY THE CABLE GUY: HEALTH INSPECTOR」
ロブシュナイダー「がんばれ!ベンチウォーマーズ」と「LITTLE MAN」
※予告編を見る限り、かなり下品な作品だった「LITTLE MAN」。
小さいおっさんが、赤ちゃんに扮して、泥棒のようなことをするストーリーだったような気がする。
赤ちゃんという設定を利用して、奥さんにさわり放題、やり放題するという映画だ。
興行収入は約58百万ドルも稼いでいる。
ニコラスケイジは「ゴーストライダー」がヒットしたのがプラスだったのだろう。
もし、「ゴーストライダー」がコケけていたら、ちょっと危なかったかもしれない。


【ワースト女優賞】
<受賞者>シャロンストーン「氷の微笑2」
ヒラリーダフとヘイリーダフ「マテリアルガールズ」
リンジーローハン「ラッキーガール」
クリスタナローケン「ブラッドレイン」
ジェシカシンプソン「EMPLOYEE OF THE MONTH」
※他の4名程度のクラスでは、大御所シャロンストーンの相手に全くならない。
たかがモデルかアイドル崩れでは、寄ってたかっても、彼女の敵ではなかった。
2月24日に日本で公開された「ボビー」は、シャロンストーンもリンジーローハンも出演しているという豪華な映画だ。
シャロンストーンと言われなければ、誰も分からないような老けた役を演じており、相変わらず熱心というか、空気を読んでいないというか、空回りしているというか、何とも言えない熱演を一人でみせていたのが印象的だ。
リンジーローハンはハスキーボイスと肌の汚さが目立っただけだった。


【ワースト助演男優賞】
<受賞者>Mナイトシャマラン「レディインザウォーター」
ダニーデヴィート「DECK THE HALLS」
ベンキングズレー「ブラッドレイン」
マーティンショート「サンタクローズ3/クリスマス大決戦!」
デヴィッドシューリス「氷の微笑2」と「オーメン」
※他のメンバーもそれほどインパクトもなく、この辺りでちょっと遊びを入れてきたようだ。
シャマランの演技云々というよりも、「なぜオマエがでしゃばって出てくる」ということに対する受賞だろう。
シャマランは、ついちょっと前まではアメリカきってのヒットメイカーであり、彼が書いた脚本に2千万ドルくらいの報酬がでていたはずだったのに、今ではどの映画会社からも製作を断られる始末である。
この世界はなかなかシビアだね。
見方によっては、「レディインザウォーター」はそれほど悪くない作品だとは思うが、現在の彼の現状に対しても評価しているのだろう。


【ワースト助演女優賞】
<受賞者>カーメンエレクトラ「DATE MOVIE」と「SCARY MOVIE 4」
ケイトボスワース「スーパーマンリターンズ」
クリスティンチェノウェス「DECK THE HALLS」「ピンクパンサー」「RV」
ジェニーマッカーシー「JOHN TUCKER MUST DIE」
ミシェルロドリゲス「ブラッドレイン」
※カーメンエレクトラはよく知らない。
彼女を受賞させてもそれほどインパクトには欠けたが、ボスワース以外には誰を受賞させても結果は変わらないだろう。


【ワーストスクリーンカップル賞】
<受賞者>ショーンウェイアンズと、ケリーワシントンもしくはマーロンウェイアンズ 「LITTLE MAN」
ティムアレンとマーティンショート「サンタクローズ3/クリスマス大決戦!」
ニコラスケイジと彼の熊スーツ「ウィッカーマン」
ヒラリーダフとヘイリーダフ「マテリアルガールズ」
シャロンストーンのつりあいの取れてない胸「氷の微笑2」
※順当な受賞となった。
「ウィッカーマン」自体は観ていないが、ニコラスケイジがクソ真面目な顔をして熊スーツを着ている部分だけはネットで見た。あれは必見だ。


【ワーストリメイク作品・盗作賞】
<受賞作品>「LITTLE MAN」
「ピンクパンサー」「ポセイドン」「シャギードッグ」「ウィッカーマン」
※順当に「LITTLE MAN」が受賞。
リメイクというよりも盗作という趣旨で受賞したようである。
興行収入は約58百万ドルも稼いでおり、元ネタから訴えられないのか。


【ワースト続編賞】
<受賞作品>「氷の微笑2」
「ビッグママハウス2」「ガーフィールド2」「サンタクローズ3/クリスマス大決戦!」「テキサスチェーンソービギニング」
※これも順当に「氷の微笑2」が受賞。
誰も待っていなかった14年ぶりの続編。
しかし、「ロッキー」は予想外にヒットしただけに、成功か失敗かはこの世界では紙一重の部分がある。


【ワースト監督賞】
<受賞者>Mナイトシャマラン「レディインザウォーター」
ウーヴェボル「ブラッドレイン」
マイケルケイトンジョーンズ「氷の微笑2」
ロンハワード「ダヴィンチコード」
キーネンアイヴォリーウェイアンズ「LITTLE MAN」
※ロンハワードに受賞させたかったが、興行収入面では合格点であるため仕方はないか。
Mナイトシャマランは今回だいぶ嫌われたようだ。
個人的には、まだシャマランのことを諦めてはいない。


【ワースト脚本賞】
<受賞作品>「氷の微笑2」
「ブラッドレイン」「レディインザウォーター」「LITTLE MAN」 「ウィッカーマン」
※一回ネタとして、「氷の微笑2」観なきゃならんのかなあという気もしてきた。


【Worst Excuse for Family Entertainment】
(ファミリー向け映画だからというとんでもない言い訳をされてしまう作品賞)
<受賞作>「RV」
「DECK THE HALLS」「ガーフィールド2」「サンタクローズ3/クリスマス大決戦!」「シャギードッグ」
※「RV」の全米興行収入は約71百万ドル。
ロビンウィリアムズ作品としては結構ヒットしていたイメージがあったのだが、作品としてはそんなに酷いのだろうか。
06年には、ウィリアムズ作品が「Man of the Year」「The Night Listener」「ハッピーフィート」「ナイトミュージアム」「RV」が5本も公開された。
とにかくよく頑張る人だ。そういう意味で功労賞として受賞させたのだろう。

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「CHU-LIP/大塚 愛」レビュー 【音楽】

◆評価 6.0点

06年10月の「恋愛写震」、同年8月の「ユメクイ」と、ややや重めのラブソングやメッセージ性の強い曲をリリースしていたので、今回は一転して非常に軽めの曲をリリースしてきた。

本曲自体の個人的評価は高くないが、この3つの曲を聴き比べると、様々なサウンドを作り出せる彼女の才能の幅のようなものを感じさせる。
世間ではパクリなどとも言われているが、自分がオリジナルを知らないためだろうか、それほどメクジラを立てるようなものはないと思う。
「ユメクイ」が中島美嘉の「WILL」に似ていると言われているが、自分の耳にはそうは聞こえない。
いずれにせよ、大塚愛は、ラブソングでも、軽めの元気になれる曲でも、メッセージを込めた前向きにさせる曲でも、高水準の曲を何でも作れるというというのが彼女の魅力の一つになっていると思う。

過去においても、
「ネコに風船」→「プラネタリウム」→「フレンジャー」
「大好きだよ。」→「黒毛和牛」→「SMILY」
「甘えんぼ」→「Happy days」→「金魚花火」
というように、
「ラブソング」→「バラード系」→「軽めの元気になれる曲」というローテーションを組んでリリースしているのが分かる。

本作は、かなり軽い曲であるものの、決してダメな曲ではないと思う。
インパクトのある分かりやすい歌詞で、ノリのいい曲を作るのは意外と難しい。
こういった軽めの曲を作るのも、ある種の才能がないとできない。
彼女の思い切りの良さを評価したい。
「チューリップの恋模様 チューすればするほど好きになる」「なぞ 遺伝子」など口ずさみたくなるような歌詞がある意味で天才的だ。

聴いていると、一部歌詞の中で意味不明な言葉がでてくる。
「彼と暮らすと癖が似てくる ユニぞったりする なぞ」の「ユニぞる」という言葉がよく分からなかった。
よくよく調べると音楽用語の「ユニゾン」のことのようだ。
複数の者が同じ高さで歌うことのようである。
それで、だいたい彼女の言いたいことが分かった。


カップリングの「キミにカエル」も面白い歌だ(評価は6.5点)。
「CHU-LIP」のような奇をてらったような感じではないのだが、今までの大塚ワールドとは次元を異にするような印象を受ける。
個人的にはシングルでしか大塚愛を知らないのだが、このような曲も作れるのかと驚かされた。
「CHU-LIP」と「キミにカエル」の二つの相反する曲を一枚のシングルとして送り出すことによって、音楽観の広さ、才能の幅の広さをアピールしているようにも感じる。

この曲をアーティスト名を明かさずに人に聞かせたら、大塚愛だと分かる人は少ないのではないか思うような歌い方をしている。
序盤は、持田香織のような歌い方をして、終盤の「ココロ 見届ける 一輪の花をさしだす キミがくれたカエル」の部分では、CHARAのようにも聞こえる不思議な曲だ。

「キミにカエル」というタイトルである。
「失くしたKISSもいつか 君に帰る」という詞からタイトルを付けたようだが、「一輪の花をさしだす キミがくれたカエル」という詞をみると、「キミにカエル」というよりも、「キミはカエル」とした方が意味合い的にはダブルになるのではないだろうか。

「失くしたKISSもいつか 君に帰る」の部分の歌詞はそのままでもよいが、もう少し言葉遊びをした方が面白くなったのではないか。
「キミにカエル」「キミはカエル」「キミへカエル」「キミがカエル」といったように変化をつけるはどうだろうか。

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「13デイズ」DVDレビュー 【映画】

◆評価   7.5点
◆分かりやすさ  C(知識がないと登場人物が一回では分からない)
◆おススメ度   B(映画としても、歴史の勉強としてもおススメ)


2月24日に公開された「ボビー」を鑑賞する前に、勉強用にと思い、本作を見てみた。
あまり期待せずに見たが、意外と面白い。
サスペンス得意のロジャードナルドソン監督が、サスペンスタッチに仕上げたのが完全にプラスに出ている作品。
結果がどうなったのかは分かっていても、この緊迫する政治ゲームに引きずりこまざるを得ない。

緊張と弛緩の絶妙さがなんともいえないのだ。
「ようやく打開策がみえてきてよかったよかった」といったん緊張感を緩めておきながら、「実は二通目がありました。タカ派によるクーデターかもしれません。」と、再度グッと緊張感を高める手法はなかなかのものだ。
本作はアメリカ側からしか見つめられていないが、ソ連側の混迷振りやソ連側の緊張感もしっかりと感じさせてくれるのは憎い作りだ。

駐米ロシア大使館の屋根からの煙をみせて、「資料を焼いてますわ」と、戦争が間近に迫っていることを小技で表して、緊張感を高めているのも手抜かりがない。
ボビーと大使との会談の成功にすべてが掛かっていると観客に思わせる手法だ。

ケビンコスナー演じる大統領特別補佐官ケネスオドネルも裏方として、ボビーを口笛等でバックアップするというのが面白い。
怒鳴ったりすることもあるが、表舞台には立たず、あくまでも平和と家族を愛する「裏方」としての存在が印象的だった。

しかし、登場人物ははっきり言ってゴチャゴチャしている。
特に、ロバート・マクナマラ国防長官は「ボブ」と呼ばれ、ロバートケネディは「ボビー」と呼ばれるので、多少は混乱する。
さらには、ジョンFケネディをジャックとも呼ぶので、いっそう混乱する。

国防省の顧問だったような気がするが、「さっきからいる、このメガネの男は誰だったっけ?」というように役職を一瞬では覚えていられない。
陸・海・空軍の主導権争いも起こっているようだが、誰が誰だがよく分からないので、なにか争っているのだなとしか感じられない。
初見では、そういう風に感じるだけでも良いのだろう。
細かいことは分からなくても、とにかく混迷が生じ、主導権争いが著しいということが分かれば、意味合い的には問題ないはずだ。

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「ボビー」レビュー 【映画】

「過去」の歴史を描くのではなく、「現在」の病巣を描いてこそ活きてくると思われる映画。

◆評価   6.0点+0.5点(ボビーの演説に対しての上乗せ分)
◆分かりやすさ  B(群像モノであるが比較的分かりやすい作り)
◆おススメ度   C(ボビーの演説以外、観ても心には残らない)


映画としてはあまり大したことはなかったという印象を受けた。
ボビーが大統領になっていれば、アメリカの未来は大きく変わっていただろうと思わせることに意味がある作品だと思ったが、本作では、深くそのように感じられるようには描かれてはいなかった。

本作の製作方針としては、アンバサダーホテルに居合わせた22名を描くことによって、アメリカの「過去」と「現在」の病巣を浮き彫りにしなくてはならなかったはずだ。
本作は、その浮き彫りの仕方がやや甘すぎると感じる。
「クラッシュ」を見習って欲しい。


ウィリアム(イライジャウッド)とダイアン(リンジーローハン)のストーリーは確かに活きている。
ベトナム戦争に派兵される危険性を恐れて偽装結婚することによって、任務地を変更させようとするものである。
ベトナム戦争によって無駄に命を落とさなくてはならなかった若者たちの失われた「未来」を描いている。
ボビーが大統領になっていれば、ベトナム戦争は早期に終結し、泥沼化することはなかっただろうと思わせる効果を果たしている。


エドワード(ローレンスフィッシュバーン)とミゲルとホセのやり取りも、人種差別という「病巣」を若干浮き彫りにしている。
人種差別されている者同士がいがみ合っているという現実だ。
人種差別の怒りの矛先を、メキシコ人ホセはメキシコ人ミゲルに対して、メキシコ人ミゲルは、黒人エドワードに対して向けている。
他方、エドワードも、キング牧師を殺されたにことに対して、向けようのない怒りを内面に抱えている。
そんな苛立ちを閉じ込め、白人マネジャーティモンズにへつらうエドワードは印象的だ。

ホテル支配人・ポール(ウィリアムHメイシー)と厨房マネジャー・ティモンズ(クリスチャンスレーター)のやり取りも人種差別を描いている。
ケネディを向かえパーティーの準備が忙しいティモンズは、従業員たちに選挙に行くことを禁ずる。
従業員たちも移民中心で選挙権などは持っていないので、別に構わない。
そんなティモンズにクビを言い渡すポール。

ポールは、選挙に行くことによって、従業員たちがあらゆる不利益を被らない旨の張り紙をだすが、そんな張り紙は当の従業員たちに丸めて捨てられてしまう。
このようなやり取りに対しては評価したい。
いくらポールが一人で頑張っても、社会全体が変わらなければ、事態は打開しないのである。
「差別」を当然のものだと、社会全体も当の本人たちも認めていれば、変わりようもない。

人種差別を無くすことにチカラを入れていたボビー(黒人に対する大学入学拒否を巡るメレディス事件でも尽力)が大統領になれば、人種差別問題に対する打開策は早期に打ち立てられていただろうと思わせる。
差別を無くし、一人一人が平和に生涯を全うできるようにしたいというケネディの演説が活きてくる。

LSDに溺れる若者たち(描き方は幼稚すぎる)を描いたことも、陰鬱な社会全体が明るくなれば、彼らのような現実逃避する若者が減るということだろうか。

チェコの記者を描いたことも、ボビーが大統領になり、アメリカが平和主義に傾けば、世界も大きく平和に向かうことの期待感を込めたのだろうか。

それなりには、「ボビーが生きていれば…」と感じられるようには描けてはいるものの、どことなく弱すぎる気がする。
本作は、はっきりいって「調和」が取れすぎてしまってはいないか。
もっと社会に対する「不協和音」を存分に感じさせた方がよかった。
上手く回転しているようにみえる「社会」にどこか「歪み」が生じているようにはできなかっただろうか。
定年を迎えてもホテルに入り浸るドアマン、鬱病を抱える社交界の名士とその妻、過去のスターと彼女を支えるマネージャー、不倫する支配人と妻の美容師(シャロンストーンのふけっぷりは見事)。
彼らを描いてはいるものの、社会の「歪み」が見えてこない。

さらには、個人的にはもっと「暴力」を描いて欲しかった。
ボビーの演説を聴く限り、「暴力」のない社会を目指しているのが分かる。
したがって、本作では暗殺以外にも「暴力」を描くべきだったと思う。
肉体的な暴力でも、精神的な暴力でも構わない。
ティモンズはもっとゴリゴリの人種差別者に描いた方がよかっただろう。
白人以外は人間と扱わないような「悪役」を描いてこそ、社会の「歪み」がはっきりと浮き彫りにされる。

冷めた夫婦、喧嘩する夫婦、なんでもいいが、本作のような中途半端な描き方はよくない。

そして、社会の不協和音に対する人々の「苛立ち」を描いて、確かに苛立ってはいるものの、かすかな「希望」は捨てていないというようなまとめ方と、希望を絶たれた「絶望」(黒人が椅子を壁にぶつけるような描き方は良かった)というような描き方はできなかっただろうか。

監督エミリオエステヴェスは、「キングオブポルノ」を見た限り、なかなか監督して期待できると感じたが、本作のような群像モノは少々荷が重すぎたかもしれない。

テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

「見えない星/中島美嘉」レビュー 【音楽】

◆評価 6.5点

ドラマ「ハケンの品格」のテーマソング。
例によって、売り上げはそれほど芳しくないようだ。

中島美嘉の「雪の華」は2003年度のベスト曲と思っており、個人的に中島美嘉に対する評価は高い。
中島美嘉の曲には「STARS」「CRESCENT MOON」「WILL」「GLAMOROUS SKY」といったように空や星をテーマにしたものが多いのも特徴だ。
本作のタイトルが「見えない星」ということで、その流れを踏襲しているといえるだろうか。
そのためか、いままでの曲とやや似ている雰囲気を醸し出している。
聞き比べてはいないが、特に雰囲気的には、「WILL」に近いような気がした。

曲自体はそれほど悪くはないと思う。
人を好きになるということは、その人と過ごせない時間の分だけ「悲しさ」「切なさ」「寂しさ」を感じるものだというような詩になっていると、聞いていくうちに感じられた。
好きな人と一緒に時を過ごした後で、一人で寂しさを噛み締めているような世界である。

歌詞の世界はそれほど悪くないと思うのだが、気になったのは、あまり歌が上手くない点だ。
これほどチカラなく歌うアーティストだっただろうか。
決して下手とは思わないだが、「立ち止まり見る星のない空」の歌い方、特に「星」の部分の裏声の使い方が悪いような気がする。
また、全体的に、平面的というか一本調子で、あまり感情が込められていないように感じられたのも残念だ。

作詞は本人ではなく、作詞・作曲を長瀬弘樹という人が手掛けている。
土屋アンナの「黒い涙」も作曲しているようだ。
歌詞的には、「寂しさ共感(わか)り合えた人より こんな寂しさくれるあなたが愛しい」という部分が印象的となっている。
この歌詞が本曲では二回使われるのだが、「愛しい」を二回使うのはややボキャブラリー的にいかがなものかと思う。
「寂しさをくれる」人を「愛しい」と想うのは面白い表現ではあるが、愛情の裏返しで、同時にちょっと「憎い」「嫌い」というような感情も抱くのではないだろうか。
したがって、二度目の部分では「愛しい」とは相反する違う言葉で表現すれば、より歌詞が深まったような気がする。
「あなたの中に私がいること 確かめたくてそっと名前を呼んだ」という歌詞があるように寂しさに負けそうな自分がいることが歌い上げられているわけであるから、一つの感情ではなく、複数の感情を歌詞にすることで、もうちょっと歌詞の世界観を膨らませることができたのではないか。


最近、CMでも流れている尾崎豊のカバー曲「I LOVE YOU」も収録されている。
これほどココロを動かされない「I LOVE YOU」も珍しいほどちょっとヒドい。
テンポが悪いのか、歌い方が悪いのか、何が悪いのか分からないが、何ら伝わってくるものがない。
中島美嘉は比較的好きなアーティストではあるが、まったく声質と曲が合っていないようだ。
素人が歌った方がまだココロが動かされる気がする。
中島美嘉は以前、オリジナルラブの「接吻」もカバーしているように、カバーを比較的好んでいるようだが、この曲をカバーするメリットはなかったと思う。
曲のためにも、本人のためにもプラスにならなかったのではないか。

余談だが、「それからまた二人は目を閉じるよ」の部分が、「閉じるぉぉ」と言っている様に聞こえる。
この部分を聞くたびに、「オマエはしょこたんか?」と突っ込みたくなる。

テーマ:邦楽CDレビュー - ジャンル:音楽

「キングオブポルノ」DVDレビュー 【映画】

◆評価  6.5点
◆分かりやすさ  B(登場人物の相関図が掴みづらいところがある)
◆おススメ度   B-(エミリオとポルノに興味のある人以外には薦める理由はない)


2月24日に「ボビー」が公開される。
「ボビー」の監督エミリオエステヴェスは俳優として有名だが、監督としてこれまで5本の映画を手掛けている。
そのうち一本が2000年に製作された「キングオブポルノ」だ。
第一印象としては、監督としてのエミリオの才能をそれなりに感じさせる出来となっている。

本作は、実在のポルノ映画監督ミッチェル兄弟を題材にした映画である。
本作の面白さの一つは、本作で描かれたミッチェル兄弟の役柄を、エミリオエステヴェスとチャーリーシーンの実の兄弟がその役を演じていることだ。
本当の兄弟であるからこそ、より一層の愛憎が伝わってくる。

発想だけは優れているが、才能もなく、努力もしない、いい加減で駄目な弟アーティーと、完璧さを求め、神経質で、ヤクを断ち切る強さをみせる兄ジムをまったく対照的に描いている。
ヤクに溺れながらも、ポルノ製作者として同じ道を歩んでいたはず兄弟が、いつのまにか違う道を歩んでいく二人の生き様は面白い。
ヤクに溺れて妻に捨てられ、女好きのアーティーは転落の一途を辿り、身を滅ぼしていく。
一方、ジムは、弟の手本になるためにもとヤクを断ち切り、立ち直っていく。

ラストでは、手が付けられなくなった弟のアーティーを兄ジムが射殺する。
これは兄なりの愛情でもあり、兄なりのけじめのつけ方なのだと思う。
弟を施設にいれてヤクを断ち切ることができれば兄としては良かったのだが、弟はそれならば死んだ方がマシだと、拒否する。

母、元妻、兄のジムに意味不明な暴言を吐き、周囲を傷つけることを止めない。
このままでは、弟がもっと駄目になってしまうのではないかとジムは考えたのではないか。
彼がこれ以上堕落するのを止めるためにも、兄である自分がケリをつけるしかないという想いが伝わってくる。
ここで冒頭の子ども時代のシーンも活きてくると思う。
カンニングをして校長に叱られるアーティーを、兄のジムは保護者代わりだといって連れ出し、もうやらせないように自分が保証するというセリフにリンクさせているのではないか。

そして、弟を撃った夜は嵐のシーンでもあった。
「銃を撃つときは、こういう嵐の日がいい。音もかき消してくれる。」と父に言われたのも嵐の日であった。
父に連れられて、銃を初めて手にした日でもあり、父・兄・弟の三者の関係が脳裏に蘇るような作りとなっているのはなかなかのセンスの良さでもある。

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2007年1月クールドラマ視聴率結果(六話目等)

順位  タイトル   初回   最新話 前話との対比 平均(予想平均)
1位「華麗なる一族」 27.7%  23.5%(▲2.3%) 23.5%(23.0%)
2位「花より男子2」 19.4%  21.0%( 0.0%) 20.6%(19.0%)
3位「ハケンの品格」 18.2%  20.2%(▽0.5%) 19.3%(13.5%)
4位「東京タワー」   14.2%  14.8%(▲1.9%) 14.6%(16.5%)
5位「特命係長只野仁」13.4%  14.0%(▲0.1%) 14.0%(14.0%)
6位「エラい嫁」    16.1%  10.8%(▽0.5%) 13.3%(12.0%)
7位「拝啓、父上様」 12.9%  12.8%(▽1.3%) 13.3%(15.0%)
8位「ヒミツの花園」  14.7%  12.5%(▲1.5%) 12.6%( 9.5%)
9位「今週、妻が浮気」12.5%   9.6%(▲1.5%) 10.2%(14.0%)
10位「きらきら研修医」10.4%   9.0%(▲0.6%) 10.1%( 9.0%)
11位「わるいやつら」 13.6%   6.2%(▽1.0%)  9.2%(13.5%)
12位「演歌の女王」  10.9%   8.0%(▽0.2%)  9.2%(16.0%)


先週はほとんどが視聴率を下げたのに比べて、今週は一転して「上げ」が目立った。
中盤に関わらず、各ドラマ健闘しているのが分かる。

中盤に差し掛かり、対立構造がはっきりしてきた。
「華麗なる一族」「花より男子2」「ハケンの品格」のトップ3は不動
「東京タワー」VS「特命係長只野仁」の視聴率14%台の争い
「エラいところに嫁いでしまった」VS「拝啓、父上様」の視聴率13%台の争い
「今週、妻が浮気します」VS「きらきら研修医」の視聴率10%台の争い
「わるいやつら」VS「演歌の女王」の視聴率9%台のビリ争い

「東京タワー」VS「特命係長只野仁」の視聴率14%の争いは、「特命係長只野仁」の支持率の高さには感心するが、月9の意地をみせて、最終的には「東京タワー」が勝利するのではないか。
なんだかんだ言われながらも、初回視聴率よりも7話目の方が上回っているのが強みでもある。
どんなに頑張っても「特命係長只野仁」は15%程度が限界なのに対して、月9ブランドで最終話近くでは16%程度には伸ばすことができるものと考えられる。

「エラいところに嫁いでしまった」VS「拝啓、父上様」の視聴率13%の争いは、どちらもパッとしないところではあるが、最終的には「拝啓、父上様」に軍配が上がりそうだ。
やはり、倉本脚本ということで安定して視聴率をマークできるのに対して、「エラいところに嫁いでしまった」の現状は完全に息切れしてしまっている。
初回時と現在の視聴率を比較すると、約33%減となっている。初回に100人の視聴者がいたとすると、現在は67人しかみていないという結果だ。
しかしながら、個人的には、仲間ブランドであっても、このドラマは最初から通用しないと思っていただけに、ここまでよく頑張ったという印象も持っている。
「拝啓、父上様」の方は、初回時と最新話を比較すると、大きな変動はないということからも安定度が窺われる。

「今週、妻が浮気します」VS「きらきら研修医」の視聴率10%の争いは、なんとか「今週、妻が浮気します」が凌ぐのではないか。
「今週、妻が浮気します」は観たことは一度もないが、一応「この先どうなるんだろう」と思わせるドラマであるはずと思われるので、今後も10%前後はキープするものと思われる。
「きらきら研修医」も観たことはないが、ストーリードラマというわけではないので、今後は徐々に下げることも十分考えられる。
しかし、「きらきら研修医」の初回時と最新話の下落率は約13.5%とかなり低い値(支持率が高い)なのは気になるデータではある。
いずれにせよ、この争いが一番接戦になりそうな気がする。

「わるいやつら」VS「演歌の女王」の視聴率9%のビリ争いは、最終的には「わるいやつら」がビリという栄誉を獲得すると思う。
「演歌の女王」は、平井堅ネタや山本譲二ネタなど、まだ抵抗する様子を見せているのに対して、「わるいやつら」の視聴率の下げが止まることがない。
もう白旗を揚げざるを得ない状態である。
「ドラマの途中で主役が「死んだ!?」」というニュースも流して、壮絶な殺され方をされるのではないかという期待感をもたせたり、サスペンス度の高さをアピールしているものの、あまり反撃の糸口にはならないだろう。
今回は悲惨な視聴率になりそうだが、3部作のうち2作がかなりヒットしたのだから、それほど米倉さんを責めることはできないのではないか。
関係者も、女優として傷がつかないように、今回の失策を恐らく共演者に責任をなすりつけるものと思われる。

唯一視聴している「華麗なる一族」もここ数週間は忙しくて、いまだにビデオの中。
近いうちに鑑賞して、レビューしたいが、三週間まとめて見る事になりそうだ。

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「JFK」DVDレビュー 【映画】

◆評価  8.0点
◆分かりやすさ  A-(予想外分かりやすい)
◆おススメ度   A-(歴史の勉強のためにも見て損はない作品)

1991年製作のオリバーストーン監督作品。全米興行収入は約70千万ドル。
アカデミー賞では、作品賞、監督賞、助演男優賞(トミーリージョーンズ)他にノミネートされた。
ゴールデングローブ賞では監督賞受賞。

2月24日にロバート・ケネディの暗殺があったホテルの一日を描いた映画「ボビー」が公開される。
ロバート・ケネディを描いた作品は今までなかったが、兄ジョン・F・ケネディを描いた映画は何本かある。
「ボビー」の関連作品として、まず「JFK」を観てみることとした。

オリバーストーンは非常に好き嫌いが分かれる監督だと思う。
ある人には、胡散くさく感じる人がいるかもしれないが、彼の作品を何本か見る限りでは、個人的にはとても真摯にかつ挑戦的に映画に取り組む人なのだろうと思う。
特に、誰もやらないようなことにあえて挑戦する心意気を買いたい。
監督としても、脚本家としても、もっと評価されるに値する人物ではないか。

本作を観て、まず驚かされるのは、非常に丁寧に分かりやすく作られている点だ。
インテリな映画監督にありがちな、自己満足映画とは次元を異にしている映画だ。
誰が観てもほとんど一回で理解できるように工夫していると思う。
これほど複雑な事件・複雑な人間模様を描きながら、糸をできるだけ解そうとする相当の努力が窺われる。
もちろん、キューバのピッグズ湾事件やキューバ危機、ケネディ死後のジョンソン大統領政策、ニクソン大統領などを知っていた方が、本作をより理解はできるが、大した知識を有せずに理解できるように作成されている。

また、3時間超(DVD版は200分超)の映画であるにも関わらず、その長さもまったく感じられないのが凄い。
一気にストーリーに引き込んで離さないパワーを持っている。
惜しむべくは字幕を読む作業を強いられ、画面をきっちりと観るという楽しみが多少奪われることであるが、内容的にやむを得ないところだろう。

作品からは「真実」が何であったのかを追究したいという熱意が伝わる。
たとえ、「真実」を明らかにすることはできないまでも、「真実」だと政府が世間に発表したことは、「真実」ではないということを分かって欲しいという想いが伝わる。

本作を観る前からオズワルド単独犯説が捏造であることはもはや「常識」ではないかと思う人もいるだろうが、声高にそれを主張し、映画として世に広める人はいない。

自由な国であるはずの我が国を憂う気持ちの強さを感じられる。
選挙によって国民から選ばれた自国の大統領の暗殺という「真相」が、政府によって隠蔽され、捏造され、蓋をするような国に未来はないと言いたいのだろう。
そんな国が進む未来は「ファシズム」でしかないという主張はあながち間違えていないのではないか。
そんな国で育つ若者の将来を憂う姿に嘘はないだろう。

「真実」を追及する者の犠牲も側面的に描くことで、さまざまな困難さ、苦痛を浮き彫りにさせている。
MR.Xの手法などに対して文句もあると思うだろうが、本作はドキュメンタリーではなく、あくまでも30年近くの前の事件を題材としたフィクションであることは間違いない。
大切なのは、「事実」をありのままに描くのではなく、「真実」を問う姿勢なのではないか。

本作もある意味で「ベトナム戦争映画」なのではないかと思う。
なぜ、アメリカがあの泥沼の戦争に歩まざるを得なかったのか。
「プラトーン」とは別の角度からオリバーストーンは見つめている。
軍と軍事産業の利権のために、多くのアメリカ人とベトナム人の命が失われた現実を見逃すことはできない。

ウォーレン委員会の資料は2039年に、下院暗殺調査委員会の資料は2029年に公開されることになっている。
重要な資料は既に闇に葬られているとも聞いているが、どんな資料が公開されるかも楽しみである。
「真実」は明らかになるのか。
それとも、「真実」は「闇」でしかないのだろうか。

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国内映画興行収入ランキング(2月3週目) 【映画】

「どろろ」が「ドリームガールズ」を凌いで4週連続1位を獲得した。
当初はヒットするとは思ったが、公開後は評価も低く、大した話題にもなっていないため、ここまで勢いを保つとは思わなかった。
しかし、ライバルが貧弱なためによるもので、トータル的には爆発的な収入を上げているわけではないだろう。
そうはいっても、今週も無風状態で1位が確実な状況である。
3月3日には「蒼き狼 地果て海尽きるまで」「ゴーストライダー」が待機しているが、果たして「どろろ」の相手になるだろうか。
「蒼き狼 地果て海尽きるまで」はどの程度ヒットするかではなく、どの程度コケるかが注目されており、アメリカで大ヒット中の「ゴーストライダー」も知名度・キャスティングを踏まえると、日本国内ではトータル10億ちょっとが限界ではないだろうか。

アカデミー賞最多ノミネート効果を期待して「ドリームガールズ」が首位で登場するかと思ったが、ミュージカル映画はあまり日本では浸透していないのだろうか。
日本国内で35億円を稼いだが、アカデミー賞獲得後に公開された「シカゴ」ですら2位に甘んじていた。
本作は「シカゴ」の半分程度を稼げるかどうかといったところだろうか。
六本木はそこそこ入っていたので、次週以降の巻き返しにも期待したいところ。

「どろろ」よりもむしろ、「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」の方がまだ評価も高く、話題になっているというイメージだ。
ヒットするとは思わなかったが、製作者の思い切った賭けが当たり、10億円以上は稼げるのではないか。

10位に入っている「あなたを忘れない」の驚異的な粘り腰には驚かされる。
「10」→「9」→「10」→「10」という推移だ。
先ごろ、お亡くなりになられた宮本巡査の事故も多少影響しているのかもしれない。


<今週公開される主な作品>
×「さくらん」新宿ジョイシネマ(都内12館)
土屋アンナ主演のPG-12作品。
花魁(おいらん)の世界を描いたコミック作品の映画化。
蜷川実花監督

○「ボビー」TOHOシネマズ六本木(都内4館)
アンソニーホプキンス、デミムーア、シャロンストーン、イライジャウッド、リンジーローハン、ヘレンハント主演。
エミリオエステヴェス監督(代表作「キングオブポルノ」)
ロバート・F・ケネディ暗殺があったアンバサダーホテルの一日を追う。
ゴールデングローブ賞ドラマ部門作品賞ノミネート。

△「叫」シネセゾン渋谷(都内3館)
役所広司 、小西真奈美、オダギリジョー主演のサスペンス。
黒沢清監督(代表作「回路」「LOFT」)

×「素敵な夜、ボクにください」シネマート新宿(都内3館)
吹石一恵 、キムスンウ主演のカーリングを題材にしたラブコメディ(よくこういう企画が通ったなぁ)。
中原俊監督(代表作「12人の優しい日本人」)

×「カインの末裔」シアターイメージフォーラム渋谷(都内1館)
渡辺一志、田口トモロヲ、古田新太主演の人間ドラマ。
奥秀太郎監督

×「松ヶ根乱射事件」テアトル新宿(都内1館)
新井浩文主演のコメディ。
山下敦弘監督(代表作「リンダリンダリンダ」)

×「パパにさよならできるまで」シネアミューズ渋谷(都内1館)
ヨルゴス・カラヤニス主演の人間ドラマ。2002年のギリシャ映画。
ペニーパナヨトプル監督

×「ボッスンナップ」シアターN渋谷(都内1館)
スヌープドッグ主演の人間ドラマ。
プークブラウン監督

×「NARA:奈良美智との旅の記録」シネマライズ渋谷(都内1館)
アーティスト奈良美智を追うドキュメンタリー。
坂部康二監督

×「エンマ」Q-AXシネマ渋谷(都内1館レイト)
塚本高史主演のイメージ的にはSAWシリーズ類似のソリッドシチュエーションスリラー。
長江俊和監督


今週に公開される土屋アンナ主演の「さくらん」の初動が読みづらい。
さすがに興行収入10億円を超える作品にはならないだろう。

<次週予想順位>
予想順位(今週) 自己評価 タイトル(主な公開劇場)
1(1) △「どろろ」(有楽座)
2(2) 済「ドリームガールズ」(日劇PLEX3)
3(3) 済「幸せのちから」(日比谷スカラ座)
4(4) ×「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」(日劇PLEX2)
5(5) ×「守護神」(日劇PLEX1)
6(-) ×「さくらん」新宿ジョイシネマ
7(6) 済「マリーアントワネット」(シャンテシネ)
8(8) 済「ディパーテッド」 (丸の内ルーブル)
9(9) △「それでもボクはやってない」(シャンテシネ)
10(7) 済「墨攻」(丸の内ピカデリー1)

[個人評価]
◎ 絶対観たい作品
○ できれば観たい作品
▲ DVDか映画サービスデイだったら観たい作品
△ 映画館では観ないけどDVDだったら観るかもしれない作品
× 観ることはないでしょうの作品
済 鑑賞済み作品

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全米映画興行収入ランキング(2月第3週目) 【映画】

順位(先週)公開週 タイトル (公開館数) 興行収入 (トータル収入)
1(-)1週目「ゴーストライダー」 (3619館)$44,500,000($44,500,000)
2(-)1週目「Bridge to Terabithia」(3139館)$22,075,000($22,075,000)
3(1)2週目「Norbit」         (3138館)$16,802,000($58,884,000)
4(-)1週目「ラブソングができるまで」(2955館)$14,000,000($19,529,000)
5(-)1週目「Daddy's Little Girls」(2111館)$12,100,000($17,800,000)
6(-)1週目「Breach」        (1489館)$10,370,885($10,370,885)
7(2)2週目「ハンニバルライジング」(3003館)$5,465,000($22,127,340)
8(3)3週目「Because I Said So」 (2446館)$4,989,840($33,247,505)
9(4)3週目「The Messengers」   (2183館)$3,800,000($30,500,000)
10(5)9週目「ナイトミュージアム」 (2042館)$3,700,000($237,333,598)
(参考:IMDbのボックスオフィス)

新作が5本もエントリーしたため、「Epic Movie」「Smokin' Aces」「パンズラビリンス」「ドリームガールズ」「クィーン」が圏外へ消えた。

コケそうな雰囲気を醸し出していた「ゴーストライダー」がまさかのハイスコアでオープニングを飾った。
このオープニング成績は、「ナイトミュージアム(OP約31百万ドル)」や「ハッピィーフィート(OP約42百万ドル)」を超えるもので、本作を超えるオープニングを飾ったのは去年の8月の「Talladega Nights: The Ballad of Ricky Bobby(OP約47百万ドル)」まで遡らなくてはならない。
やはり、アメリカ国内でのアメコミ作品の人気は底知れないと改めて実感する。

さすがに、「スーパーマンリターンズ(OP約53百万ドル)」や「X-MENファイナルディシジョン(OP約103百万ドル)」のアメコミ作品には敵わないまでも、「ミッションインポッシブルⅢ(OP約48百万ドル)」の大作とも遜色はない。
しかし、そうそう喜んでばかりいられず、水準としては同監督の「デアデビル(OP約44百万ドル)」とほぼ同じオープニングであるため、トータルでは「デアデビル(約103百万ドル)」並みに落ち着く可能性もあり得る。
評価については、高くもなく、低くもなくという感じである。
本作のイメージからすると酷評されてそうだったが、それほど悪くないようだ。

この二年間不信にあえいでいたニコラスケイジもようやくホッとしたことだろう。
本作はニコラスケイジの代表作「ナショナルトレジャー」のオープニング約35百万ドルを上回るものである。
日本では3月3日に公開予定。
「ゴーストライダー」の認知度は高くないと思われるので、微妙な結果に陥ると思われるが、個人的には観てみようと思っている。

2位には「Bridge to Terabithia」が登場。
詳細はよく知らないが、原作(「テラビシアにかける橋」)が有名なファンタジー系のファミリー映画らしい。
監督はGabor Csupoという、あまり聞いたこともなく、調べてもそれほどヒット作品を手掛けたことはない監督のようである。
主役も子役のようだ。「ザスーラ」やロビンウィリアムズ主演の「RV」に出ていたガキといえば、なんとなくイメージの湧く人も入るのではないか。
日本で公開されたとしても、さすがにこれは観に行く気にはなれない。

ヒューグラント・ドリューバリモア主演作「ラブソングができるまで」は4位。
監督は「トゥーウィークスノーティス」のマークローレンス。
「トゥーウィークスノーティス」のオープニングが約14百万ドルであるため、「ゴーストライダー」と同じく、基準作のレベル並みには稼いだようだ。
「トゥーウィークスノーティス」のトータル成績は約93百万ドルであり、これを超えるのはなかなか難しそうだが、評価面ではなかなか好評のようであり、「トゥーウィークスノーティス」よりも面白そうな雰囲気。
「トゥーウィークスノーティス」は観たことはないのだが、本作は観てみたい気がする。

5位には、黒人からの信頼度の高いタイラーペリー監督の「Daddy's Little Girls」が登場。
毎年2月に新作を発表しているようであり、
06年の「Madea's Family Reunion」のオープニングが約30百万ドル(トータル約63百万ドル)
05年の「Diary of a Mad Black Woman(監督は別人)」のオープニングが約22百万ドル(トータル約50百万ドル)
となっている。
過去の2作に比して、やや物足りない成績に終わったが、今後どこまで伸ばすことができるだろうか。
本作にはタイラーペリーが自ら出演していないようであり、それがちょっと響いたのではないか。
評価については真っ二つに分かれているようである。
過去の作品同様、日本では公開されることは、まずないだろう。

6位には「Breach」が登場。
クリスクーパー、ライアンフィリップ、ローラリニーなど渋い役者が登場するサスペンスのようだ。
監督は、「ニュースの天才」のビリーレイ。
演出家というよりも、脚本家として有名のようであり、「フライトプラン」「サスペクトゼロ」「ジャスティス」「ボルケーノ」などの脚本を手掛けている。
「フライトプラン」「サスペクトゼロ」などの作品は、整合性を無視したかなり荒唐無稽な脚本が目立つ。
個人的にはたぶん苦手の部類に入るストーリーと思われるため、公開されても劇場で見ることはないと思う。
評価は意外と高評価されているのが、気になるところであるが。

「ハンニバルライジング」は2週目にして7位に転落。
週中でもそれほど稼いでないようである。
予想した6千万ドルに辿り着くのはほぼ困難という状況。
評価はそれほど悪くないようだが、興行収入的には大きくコケたといえそうだ。


次週にはジムキャリー主演作の「The Number 23」が登場予定。
どうやらコメディ作品ではないようであり、サスペンスモノのようだ。
共演はヴァージニアマドセン。監督はジョエルシュマッカー。
ジョエルシュマッカーは、「オペラ座の怪人(約51百万ドル))」「ヴェロニカゲリン(約2百万ドル)」「フォーンブース(約47百万ドル)」「9デイズ(約30百万ドル)」「タイガーランド(約1百万ドル)」「8mm(約36百万ドル)」、古くは「バットマンフォーエバー(約183百万ドル)」「バットマン&ロビン(約107百万ドル)」「セントエルモスモスファイアー」などを手掛けている。
ジムキャリーとは「バットマンフォーエバー」以来のタッグとなる。
興行的にも、作品の質としても、かなり当たり外れが激しい監督のような気がする。
「フォーンブース」などはかなりの傑作と感じ、「タイガーランド」「8mm」は比較的楽しむことはできたが、「9デイズ」「オペラ座の怪人」「ヴェロニカゲリン」はかなりイマイチだったと思う。果たして今回はどうなるだろうか。

ジムキャリーのコメディ作品は、「ディック&ジェーン復讐は最高!(約110百万ドル)」、「レモニースニケットの世にも不幸せな物語(約119百万ドル)」、「ブルースオールマイティ(約243百万ドル)」「グリンチ(約260百万ドル)」「ふたりの男とひとりの女(約91百万ドル)」とほぼ外れなしの状態が続いているが、ラブストーリーの「エターナルサンシャイン」は約34百万ドル、人間ドラマの「マジェスティック」が約28百万ドル、「マンオンザムーン」が約35百万ドルと芳しくない結果が続く。
個人的には好きではないが「エターナルサンシャイン」は評価の高い作品であり、「マンオンザムーン」ではかなり素晴らしい演技を見せてくれたのだが、コメディ以外のジムキャリーの成績はよくない。
「The Number 23」は彼の新境地となりそうだが、観客にどのように受けとめられるかが楽しみである。


先週のデータになるが、圏外のアカデミー賞ノミネート関連作品にも目を向けたい。
「硫黄島からの手紙」は781館の公開でトータル約10百万ドル(8週目)。
「バベル」は919館の公開で約32百万ドル(16週目)。
ジュディデンチとケイトブランシェットがそれぞれアカデミー賞ノミネートされている「あるスキャンダルの覚え書き」が649館の公開で約14百万ドル(7週目)。
アカデミー主演男優賞の本命フォレストウィテカー主演の「ラストキングダムオブスコットランド」が540館の公開で約11百万ドル(20週目)。
「トゥモローワールド」が486館の公開で約34百万ドル(7週目)。
ディカプリオの「ブラッドダイヤモンド」は451館の公開で約55百万ドル(10週目)。
「リトルミスサンシャイン」が33館の公開で約60百万ドル(29週目)。
ケイトウインスレットの「リトルチルドレン」は115館の公開で約5百万ドル(19週目)。
拡大公開されていない作品はこのまま小規模公開で終わってしまうのだろうか。

その他にも、ソダーバーグ監督、ジョージクルーニー、トビーマグワイア、ケイトブランシェット主演の「グッドジャーマン」は46館の公開で約1百万ドル(9週目)。
レニーゼルウィガー(本作でゴールデングローブ賞主演女優賞(コメディ・ミュージカル部門)ノミネート)、ユアンマクレガー主演の「Miss Potter」は17館の公開で、約9百万ドル(7週目)。
これらの作品は拡大公開するつもりはなく埋もれさせるのか、それとも単にコケているだけなのか全く判断できない。
少なくとも前者はヒットできる条件は整っていると思うのだが。

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「ドリームガールズ」レビュー 【映画】

「怪物ジェニファーハドソンに圧倒されたミュージカル」

◆評価  8.5点
◆分かりやすさ  A(小難しいストーリーは皆無)
◆おススメ度   A(ジェニファーハドソンの歌を聴くだけでも元は取れる)

【賞レースの行方】
ゴールデングローブ賞では作品賞(コメディ・ミュージカル部門)を受賞している。
エディマーフィーは助演男優賞を受賞し、ジェニファーハドソンは助演女優賞を受賞した。
アカデミー賞では助演男優賞・助演女優賞、歌曲賞、美術賞などではノミネートされているものの、残念ながら肝心の作品賞・監督賞ではノミネートさなかった。

助演男優賞・助演女優賞部門では、どちらも最有力候補に挙がっている。
本作を観たところ、ジェニファーはほぼ鉄板状態で受賞は確実。
エディマーフィーは高い能力は示したが、確実というほどの演技ではなかった。

作品的には、なぜこれほどの出来でノミネートもされないのかが不思議な傑作ミュージカルだ。
この一週間あまりで自分は何本かの歴史に残るミュージカル映画を観てきたが、ミュージカル映画としてはどの作品よりも素晴らしい映画だ(「キャバレー」を除く)。
ミュージカル映画の傑作「CHICAGO」に匹敵するほどの映画といっていいだろう。


【ジェニファーハドソンの魅力】
特にジェニファーハドソンの迫力には圧倒される。
菊地凛子の演技は見ていないが、こんな化け物と争わなくてはならないというのは不幸といっていい。
役柄上の不利もあるが、ビヨンセをはるかに凌駕する存在感を示した。
彼女の「AND I AM TELLING YOU I’M NOT GOING」を聴いて、涙がこぼれそうになるほどの感銘を受けた。
歌で人々の心をここまで動かすことができるのは、とてつもない才能と驚くべき能力だ。

歌だけで観客を魅了したのではなく、演技においてもプライドの高さ、人に弱みを吐かない強さをもつエフィーを熱演した。
「AND I AM TELLING YOU I’M NOT GOING」の歌詞も「あなたを愛している」という内容ではなく、「私を愛するようになる」という内容だ。
しかも、誰からも見捨てられ、誰もいないところだからこそ、自分の素直な気持ちを歌い上げることができたのだろう。

彼女は、兄からの金も受け取らず、歌以外の職業にも就かずに、一人で娘を育てている。
妊娠しても誰にも打ち明けなかったのは彼女の頑固さとも言える。
もともとわがままだったであるにも関わらず、妊娠による体調不良で一層わがままと誤解されるところもあり、多くの人たちの信頼を失ったのだろう。
個人的には、もっと感情むき出しでディーナとの確執を描いてもよかったと思ったが、彼女をそれほど悪い人間には描きたくなかったようだ。


【ビヨンセの苦悩】
本作を観た人は誰しも、ビヨンセはジェニファーに食われていたと思うだろうが、役柄上仕方がない部分もあった。
彼女はルックスだけでもてはやされ、カーティス(ジェイミーフォックス)に人形のように扱われる虚像に過ぎない。
虚像ゆえに、派手な化粧をし、美しい服装をまとうだけで、本来の自分ではない存在であり続けなければならなかった。
終盤までは自分本来の輝き・魅力を見せることは許されなかったのである。
わざと、個性のないチカラのない歌い方を強いられたのであろう。
その分終盤の「listen」では何かに吹っ切れたように激しさを感じられる。
彼女本来の輝きを取り戻した瞬間だった。
個人的には、もっと彼女の苦悩をきちんと描いた方がよかったと思ったが、彼女の扱いは軽めの仕上がりとなっている。
ビルコンドンは、演技や言葉ではなく、あくまでもジェニファーとビヨンセの双方が歌う「ONE NIGHT ONLY」の違いなどで表現しようとしたようだ。


【ビルコンドンの演出】
ストーリーはヘビーかつダーティーでありながら、きら星のごとく輝きと甘さ、軽さで本作を仕上げている。
そのため、「挫折」「苦悩」「夢と現実のギャップ」などに対する深みを欠くことになった。
そういった点が、アカデミー賞作品賞・監督賞にノミネートされなかった理由とも考えられる。
本作は、究極のミュージカルには仕上がったが、映画としては物足りなさを感じさせたかもしれない。
ただ、目指すべき理想の違いによるものであり、ビルコンドンが目指したエンターテイメントミュージカルの世界は十分堪能できたと思う。


【ジェイミーフォックスの存在】
トップクレジットながら、賞レースからは完全に無視されてしまっているが、それほど悪くはない演技だ。
「family」をぐちゃぐちゃにしておきながら、成功を手に入れるためには手段を厭わない野心家カーティスを演じている。
自己中心的で、自分の思い通りに動かない者は容赦なく切り捨てる冷酷さを感じさせる。
ジミーの死も自分のせいではなく、クスリのせいだと本気で思っているのだろう。
エフィーを切り捨て、ディーナを失い、最後にはジェニファーの娘をみて、自分の「宝(family)」を手放していた愚かさに気づいたのだろう。
しかし、ジェイミーの歌はそれほど上手くないと思う。


【エディマーフィーの演技】
賞レースではトップを独走しているエディマーフィーは、歌が抜群に上手いのには驚かされる。
演技においても、女にだらしのないジミーを演じている。
ステージの歌を通して、妻と恋人に同時に愛を捧げるという、女に関しては器用な男を演じている。
結局、カーティスに切られて、ヤクに溺れることになるのだが、スターから転落する悲哀のようなものはあまり感じられなかった。
「ブラザー」というC・Cの問いかけに応えなかったことが彼の評価された演技だろうか。


【時代を盛り込む】
マーティンルーサーキング、デトロイトの暴動、マイアミなどにおける白人世界でのブラックミュージックの反応など、台頭しつつある黒人文化という時代を盛り込んでいる。
ミュージカル映画「キャバレー」がナチス批判という時代を盛り込んだのと同じ手法だろう。
また、「CHICAGO」では、殺人もすべてエンターテイメントにしてしまうシカゴという街をテーマにしたのと同様に、本作では「デトロイト」という街を効果的に使っている。


DVDで観るよりも、音響施設が整った映画館で観る映画だ。
恐らくDVDでは興奮や迫力はまったく異なるだろう。
鑑賞した六本木ヒルズの音響は、なかなか満足のいくものだった。

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「コーラスライン」DVDレビュー 【映画】

◆評価  7.0点
◆分かりやすさ  B(ダンサーの区別がつきにくい)
◆おススメ度   A(なかなか面白い作り)

1985年製作のミュージカル。
監督はリチャードアッテンボロー。
「ガンジー」でアカデミー賞監督賞を受賞している。
主演はマイケルダグラスとダンサー達。

ステージ上でオーディションのみを延々と撮り続けるという試みは、映画としてかなり珍しい創りとなっている。
そういった意味においては、かなり新鮮味を感じた。
一般的に舞台というものを見たことがないので、一層そのように感じるのだろう。

しかし、逆に言えば、舞台版をそのまま映画にしたのではないかとも思われる。
この創りでは、舞台版を映画にすることのメリットがそれほどないのではないか。
映画らしさといえば、ザックとキャシーの過去の思い出がカットバックされるくらいだろうか。
しかし、これはストーリー上の効果としてはほとんど意味をなしていないと思われる。

オーディションを通して、それぞれのダンサーの生き様を浮き彫りにしていく手法は圧巻だ。
「君らがどういう人間かを知りたい」というザックの問いかけに対して、ダンサーたちは歌と踊りで答えていく。
「ダンスを志す理由」「苦しい思い出」「悩み」などを言葉でぐだぐだと説明されるよりも、確かにミュージカルを通した方が、より感情が伝わってくるのを感じた。

本作の問題点としては、ザックとキャシーの関係ではないだろうか。
映画の進行にとっては不要な要素だったかもしれない。
せっかくオーディションでダンサーが踊っているのに、ザックは見ていなかったり、頻繁にぼぅーっとしていたりするので、彼のプロフェショナル度が低くみえる。

キャシーも飛び込みで参加するのではなく、きちんと一から並んでオーディションされるべきだった。
彼女がオーディションに合格しても、観客は素直に喜ぶことを妨げる脚本だ。
キャシーに対する観客の評価は高まらない上に、彼女のやり直したいという必死な想いが伝わらない。なんとなく甘えを感じる。
本作のスタンスでは、キャシーはダンスに対する想いというよりも、ザックに対する想いの方が強く感じてしまう。

ザックとキャシーに対して無駄にストーリーを振りすぎているので、肝心のダンサーの生き様、個性を感じることが少々難しくなっている。
ダンサーの数が多いのだから、もっと長く、一人一人にスポットを当てた方が映画としてはより締まった感じになると思われる。
初見では誰が誰だが分からない人もいるのではないか。
まとめると以下の通りとなる。

<合格組み>
○マイク(バンダナ)
「踊れるぞ ぼくだって」を歌う。
姉の影響で4、5歳時にダンスに関心をもつ。
タップダンスを得意とする。

○ボビー(25歳(年齢は主観)・若ハゲ・青シャツ)
他人の家に忍び込み、家具を並び替えるなどの行為をする自分を異常だと思っている。
高校時代は友達、教師にイビられる。
親からも愛されず、自殺を考える日々を送る。

○リチー(21歳・黒人)
「サプライズ・サプライズ」を歌う。
初めての経験が墓地で、しばらく失敗続きだった男。
キレのあるダンスと歌を披露する。
メンバーの中でおそらく一番上手いと思われる。

○マーク(17歳)
彼の話から「ハロー12才 ハロー13才 ハロー愛よ」が始まる。
少年時代が最悪だと告白。
自分がリン病だと疑った。

○ダイアナ(プエルトリコ人・赤レオタード)
「ナッシング」を歌う。
プエルトリコ人に誇りをもっている感じがする。
「赤い靴」を112回観たと豪語する。
芸能専門高校に通っていたが、出来が悪かった。
あだ名は不干渉。
歌は一番上手いかもしれない。
一度落とされかける。

○ビビ(19歳・グリーンレオタード)
「バレエではだれもが美しい」を歌う。
8才頃に美人ではないが個性があると母親に励まされる。
精神状態が多少不安定だったらしいが、自分との戦いのためにオーディションに参加する。

○バレリー(24歳)
「ダンス10点 ルックス3点」を歌う。
夢は「ラジオシティー」のロケットダンサーだった。
ブサイクだったらしいが、整形したようだ。
胸とお尻も直して人生をバラ色に変えた。

○キャシー(バイオレットレオタード)
「私に躍らせて」「真実の愛」を歌う。
ハリウッドで夢破れ、ブロードウェイに戻ってくる。
1年ほど仕事をしておらず、金と仕事に困っている。
ザックは、コーラスでは役不足とキャシーを考えている。
ザックの目を向けさせるために、ハリウッドに進出したらしい。

<不合格組み>
○シーラ(30歳・グレイレオタード)
「バレエではだれもが美しい」を歌う。
気取るなとザックに怒鳴られる。
父母の仲が悪く、現実逃避する母に連れられバレエに通う。
「赤い靴」がきっかけでダンスにはまる。
9歳の娘をもつ母でタバコ好きの故障もち。
ダンサーに憧れる娘からは愛され、かつ憎まれてもいると自覚する。

○アル(白シャツ)
クリスティンとは夫婦
正常な男と自負。言われた通りに踊る自信はあるらしい。

○クリスティン(18歳・グレイレオタード)
アルとは夫婦。
あまり上手く喋れない。
ダンスレッスンの勧誘によってダンスに興味をもつ。

○マギー(白レオタード)
「バレエではだれもが美しい」を歌う。
父が蒸発。空想の中で父と踊る。
歌はかなり上手いと思う。

○コニー(23際・中国系)
いつも子供扱いされるのを嫌う。
芸能専門高校に通っていた。
ダイエットがきついらしい。

○グレッグ(28歳・ユダヤ人)
女と寝ようとするも駄目だったゲイ。

○ドン(グリーンタンクトップ)
ウエーターで子供が二人。

○ジュディ(22歳・グレイレオタード)
出番がなく、特に印象なし。


<退場者>
○ポール(22歳・プエルトリコ人・ジーンズ)
「ぼくは一体誰なのか」を歌う。
過去を喋りたがらないゲイ。
父の影響でミュージカルにはまる。
女装ショーに出演しているのを両親に見つかるが、励まされる。
両親はとてもいい人たちのようである。
足を負傷し、再起不能。

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2007年1月クールドラマ視聴率結果(五話目等)

順位  タイトル   初回   最新話 前話との対比 平均(予想平均)
1位「華麗なる一族」 27.7%  21.2%(▽1.8%) 23.4%(23.0%)
2位「花より男子2」  19.4%  21.0%(▲0.7%) 20.5%(19.0%)
3位「ハケンの品格」 18.2%  20.7%(▲2.1%) 19.2%(13.5%)
4位「東京タワー」   14.2%  12.9%(▽2.1%) 14.6%(16.5%)
5位「特命係長只野仁」13.4%  13.9%(▽1.7%) 14.0%(14.0%)
6位「エラい嫁」    16.1%  11.3%(▽2.8%) 13.8%(12.0%)
7位「拝啓、父上様」 12.9%  14.1%(▲0.9%) 13.3%(15.0%)
8位「ヒミツの花園」  14.7%  11.0%(▽1.6%) 12.7%( 9.5%)
9位「今週、妻が浮気」12.5%   8.1%(▽3.2%) 10.4%(14.0%)
10位「きらきら研修医」10.4%   8.4%(▽2.6%) 10.3%( 9.0%)
11位「わるいやつら」 13.6%   7.2%(▽1.9%) 10.0%(13.5%)
12位「演歌の女王」  10.9%   8.2%(▽1.7%)  9.4%(16.0%)

「ハケンの品格」「「花より男子2」「拝啓、父上様」が視聴率を伸ばしたものの、他のドラマは軒並み大きく視聴率を下げている。
5話、6話と中盤に差し掛かり、中だるみ状態に陥っているのだろうか。

他のクールであっても、ドラマの中盤の視聴率は好ましくない。
前クールを例にだすと、「Dr.コトー診療所2006」で11話のうち唯一視聴率20%を割ったのは、第6話(19.1%)だった。
「僕の歩く道」も平均視聴率が18%を超えているが、第6話16.0%、第7話15.9%と低迷している。


平均視聴率の順位には変動があった。
「特命係長只野仁」が5位に浮上。
「わるいやつら」が9位から11位にまで順位を下げた。

「特命係長只野仁」はコアなファンが付いているからだろうか、視聴率には小さな波はあるが、大きな波はない。
放送前予想通り、このまま14%前後を推移していくだろう。
「東京タワー」が今後大きく視聴率を落とすようならば、平均視聴率で上回る可能性もある。
テレ朝の金11が、フジの月9に勝ったら、ドえらいことになりそうだ。
テレ朝の関係者は、高橋克典に足を向けて眠れないだろう。

しかし、テレ朝は喜んでばかりいられず、「わるいやつら」は末期的な視聴率を獲得した。
「レガッタの悲劇」の再現が現実的なものとなってきた。
一話は確実にカットされそうな勢いだ。
「演歌の女王」との最下位争いが今後の見物となるだろう。

最新話の「華麗なる一族」と「花より男子2」の視聴率が0.2%と肉薄してきた。
先週も書いたが、週によっては視聴率が逆転する可能性も現実的になってきた。
「花より男子2」は視聴率を大きく落とすことは考えにくく、今後は現状維持もしくは23%辺りを順当に推移するまで伸ばすだろう。
同時間帯に映画を抱える日テレに何か秘策があるのかも少々楽しみだ。
隠し玉的なものを準備していると視聴率争いとしては盛り上がるのだが。

「華麗なる一族」には個人的にはもっと頑張って欲しいと思っているのだが、今回は3連休の中日ということも多少影響したのではないかと予想される。

「ハケンの品格」は第4話に引き続き、第6話でも20%以上を獲得した。
第5話では1.5%視聴率を落としたものの、第6話で元に戻してきた。
常に18%以上の視聴率を獲得しており、このドラマの強さは本物だ。
この成功の理由はなんなのだろうか。
近いうちに、ちょっと考えてみたい。

「きらきら研修医」は初回から4話まで11%前後を順調にキープしていたが、ここにきてようやく息切れを起こして、視聴率を2.6%も落とした。
逆に、よくここまで粘ったと誉めてあげたい。
本ドラマはもちろん見たことはないのだが、こういうコメディタッチの研修医モノは意外と珍しいのではないかと思われる。
医療モノといえば、「白い巨塔」や「振り返れば奴がいる」といった医療界の魑魅魍魎とした世界を描くものがあったり、「救命病棟24時」「ブラックジャックによろしく」「医龍」といった硬派な人間ドラマやゴッドハンド的な世界を描くものが多かった。

ナースものとしては、「ナースのお仕事」「Ns'あおい」「ナースマン」といった作品が思い出される。

「きらきら」は「ナースのお仕事」のような軽めなコメディではあるが、「ナース」のようにリアリティに欠けるものではなく、実際の研修医のブログを原作にした多少リアリティ度はあるというのが面白い視点だったと思う。
リアリティとコメディのバランス感覚が面白そうだと思ったが、実際はどうなのだろうか。
結構、医療関係者が見てそうな雰囲気を感じる。
いずれにせよ、医療モノは内容に関わらず、比較的視聴率を取れるジャンルなのかもしれない。

「拝啓、父上様」は実績のある倉本脚本ということもあり、地味に視聴率をキープしている。
平均視聴率争いでは、「エラいところに嫁いでしまった!」を数週間で超えるのではないか。

「演歌の女王」は視聴率テコ入れのためか、平井堅に演歌を製作依頼したことが報じられた。
17日の回でお披露目されるとのことだが、視聴率的にどの程度影響するだろうか。
しかし、「タイヨウのうた」のようなフィーバーには、さすがにならないだろう。

テーマ:テレビ視聴率 - ジャンル:テレビ・ラジオ

国内映画興行収入ランキング(2月2週目) 【映画】

「愛の流刑地」「硫黄島からの手紙」「モンスターハウス」が圏外に消え、「守護神」「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」「天国は待ってくれる」が登場した。

「愛の流刑地」は「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」に劇場を譲り渡したものでやむを得ない。
「硫黄島からの手紙」はメイン館を他の映画に譲り渡したものの、まだ多くの劇場で公開されている。
しかし、公開から2ヶ月半で、もうほとんどの観客は観てしまったのだろうか。
一応、今後はアカデミー賞の動向次第で打ち切っていくつもりなのだろう。
万が一、作品賞受賞すれば、さらに若干の動員は見込めそうだ。

ランキングは、先週の予想とほぼ同じとなった。
「幸せのちから」と「守護神」の順位が逆になり、「マリーアントワネット」と「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」の順位が逆になり、10位の作品を見誤った。

「幸せのちから」は3週連続の2位。
個人的にはあまり評価の高くない作品なのだが、やはり日本では感動モノ(特に親子の感動モノ)は当たる。
実際には、親子の感動モノではなく、どん底からのサクセスストーリーなのだが、これは宣伝方法の勝利なのだろう。
予想外に3週間もチャートインしている10位の「あなたを忘れない」も同様の理由からだと思われる。
人々は映画に「感動」を求めているようだ。

3位の「守護神」はやはり先週予想したとおり、日本では中途半端な結果に終わった。
日劇PLEX1で公開して、この結果は少々残念な結果だろうが、この作品を日本でヒットさせることは難しいと思う。

予想外に頑張ったのは、「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」。
よくありがちなドラマではなく、ある意味で今までになかったような特異な内容に惹かれたのではないか。
評価は、酷評されると思いきや、意外と高評価されている。
バブル時代を思いっきり、笑い飛ばそうというコンセプトが受けているようだ。
したがって、次週もチャートの半ばに留まると予想される。

「天国は待ってくれる」は予想通り、下位で登場。
岡本綾さんには申し訳ないが、彼女を主役級に添えた映画はヒットしていないような気がする。
「地下鉄(メトロ)に乗って」もかなり宣伝にチカラを入れていたような気がしたが、大きく外している。

彼女のことをあまり悪くはいいたくないのだが、もっと華のある女優に変えれば、多少結果も変わっただろう。
申し訳ないが、岡本綾さんが出演しているから観ようという人は少ないと思う。
元々人気がある女優とは思えないが、中村シドウ問題でさらにイメージを悪くしているように思われる。
その他にも、本作も観客を惹きつける要素にイマイチ欠けるような気がする。
冒頭に触れたように、人々は感動を求めているのだから、もっと感動路線を表に出すべきだろう。
本作からは「友情」「ベタさ」「胡散臭さ」というイメージしか湧かない。
YUIやhitomiなど、ミュージシャンの起用が相次いでいる。
元EXILEの清木場の起用もその流れだろうが、なぜこの映画に出る必要があるのかは分からない。


<今週公開される主な作品>
◎「ドリームガールズ」日劇PLEX3(都内19館)
ジェイミーフォックス、ビヨンセノウルズ、エディマーフィー(ゴールデングローブ賞助演男優賞受賞、アカデミー賞ノミネート)、ジェニファーハドソン(ゴールデングローブ賞助演男優賞受賞、アカデミー賞ノミネート)出演
監督は「シカゴ」を脚本したビルコンドン。
彼の監督作品は、「愛についてのキンゼイレポート」「ゴッドアンドモンスター」。
現在、全米公開中で、興行収入は約970万ドル。

×「キャプテントキオ」渋谷シネマGAGA!(都内5館)
ウエンツ瑛士主演の青春モノ
渡辺一志監督

×「ジョジョの奇妙な冒険 ファントム ブラッド」渋谷アミューズCQN(都内4館)
アニメ作品

×「エクステ」池袋シネマサンシャイン(都内1館)
栗山千明主演のホラー
園子温監督(代表作「自殺サークル」)

×「孔雀 我が家の風景」渋谷Q-AXシネマ(都内1館)
チャンチンチュー主演の中国映画(人間ドラマ)
クー・チャンウェイ監督

×「saru phase three」池袋シネマロサ(都内1館レイト)
高野八誠出演の医療モノ
葉山陽一郎監督


<次週予想順位>
予想順位(今週) 自己評価 タイトル(主な公開劇場)
1(-) ◎「ドリームガールズ」(日劇PLEX3)
2(1) △「どろろ」(有楽座)
3(2) 済「幸せのちから」(日比谷スカラ座)
4(4) ×「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」(日劇PLEX2)
5(3) ×「守護神」(日劇PLEX1)
6(5) 済「マリーアントワネット」(シャンテシネ)
7(7) 済「ディパーテッド」 (丸の内ルーブル)
8(8) △「それでもボクはやってない」(シャンテシネ)
9(6) 済「墨攻」(丸の内ピカデリー1)
10(9) ×「天国は待ってくれる」(丸の内ピカデリー2)

[個人評価]
◎ 絶対観たい作品
▲ DVDか映画サービスデイだったら観たい作品
△ 映画館では観ないけどDVDだったら観るかもしれない作品
× 観ることはないでしょうの作品
済 鑑賞済み作品

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「キャバレー」DVDレビュー 【映画】

◆評価  9.0点
◆分かりやすさ  A(非常に分かりやすいつくり)
◆おススメ度   A(誰にでも薦められる傑作)


1971年製作、1972年に公開された男女の人間ドラマを基調としたミュージカル。
純粋にミュージカルに区分してよいのか分からない映画ではあるが、外見においても、内面においてもたいへん質の高い映画となっている。

【特異なミュージカル】
本作はありがちな健全で明るいミュージカルではなく、頽廃と堕落をテーマにミュージカルに仕立てている。
ミュージカルの分野に新たなジャンルを切り開いた点は評価すべきだ。

【賞レースの結果】
本作はアカデミー賞作品賞では「ゴッドファーザー」に破れたものの、監督賞部門ではボブフォッシーがフランシスフォードコッポラを破り、受賞した。
ライザミネリは主演女優賞、ジョエルグレイは助演男優賞を獲得した。
観れば分かるが、「ゴッドファーザー」にもひけを取らない傑作だ。

【ジョエルグレイ】
キャバレーの司会役を演じたジョエルグレイは、ゴッドファーザー組のアルパチーノ(マイケル)、ロバートデュバル(トム)、ジェームズカーン(ソニー)を破って、アカデミー賞助演男優賞を受賞したもので、価値が非常に高い。
本作のジョエルグレイはまさに神がかっていた。
この人の存在感はもの凄いものだ。
彼の存在は、「頽廃と堕落」を象徴的に表しているものだが、ストーリーに彩を添えたり、場の雰囲気を上手くチェンジするだけでなく、ストーリーに意味合いを深めたり、彼の歌や表情などでストーリーを解釈できるといった点にも存在理由がある。
本作における彼の存在価値は非常に高い。
彼が画面に現れるだけで、鳥肌が立つくらいの存在感だった。
この人がいなければ、この映画の評価は相当低くなっただろう。

【ライザミネリ】
女優を志すアメリカ人のキャバレーダンサーのサリーを演じたライザミネリは、父ヴィンセントミネリ、母ジュディガーランドという血筋。
母ジュディガーランドは「スタア誕生(54)」でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたものの、受賞できなかったため、失意に打ちのめされ、晩年の人生は恵まれたものではなかった。
ライザミネリのアカデミー賞受賞時には、母の夢を果たすことができたと涙を流したそうだ。

【本作の舞台】
1931年のドイツベルリンを舞台にしている。
イギリス人のケンブリッジ学生 ブライアン
アメリカ人のダンサー サリー
ドイツの男爵  マックス
貧しいドイツ人青年  フリッツ
金持ちのユダヤ人  ナタリア
5人が主な登場人物である。

ナチスが台頭しつつあるベルリンにおいて、頽廃と堕落した日々を描いている。
特に、ライザミネリ演じるサリーの生き様が「頽廃と堕落」という雰囲気に見事にマッチしている。
イギリス人のブライアンとは色々とあったが、子どもができ(彼の子どもではないかもしれないが)、結婚を約束する。
しかし、サリーは、ブライアンに断ることなく、突然中絶してしまう。

サリーは、ブライアンとイギリスの片田舎で平凡に子どもと暮らすという人生を歩まずに、酒に溺れて、場末のキャバレーで歌い、踊りながら、女優になりたいというバカげた夢だけは捨て切れずに生きてゆきたいと願っている。
夢に破れて、孤独に死ぬようなことがあるとしても、そういった人生も本望だ。
「人生はキャバレー」のような儚いものであるのだからと歌い上げるラストは衝撃的な作りだ。
サリーの生き様にはある意味で感動させられるほどだ。
正しい生き方ではないのかもしれないが、そういう生き方しかできない。
不器用で愚直な生き方には共感するというわけにはいかないが、人生の深み、美しさを教わる。

フリッツは、金を目当てにナタリアに狙いをつけたけれども、ユダヤ人として迫害する恐れが生じても、自分の金も地位も名誉もすべてをかなぐり捨てて、結婚する。
愛があっても全てを捨てきれずに別れるサリーとブライアンと
愛があるから全てを捨てて結婚するフリッツとナタリア
を対照的に描くことで、深みを増している。


【時代を見据えた視点】
男女の恋愛模様を描いただけでなく、ナチス台頭のベルリンを描くことで、ナチス批判を盛り込んでいる。
特に、ナチスの若者が一人で歌っている際に、皆徐々に立ち上がって、一斉に歌いだすシーンは見事だ。
ナチスという波に誰もが飲まれていくことを暗示している。
一人波に飲み込まれないと、じっと耐える年配のおじさんの存在も見事な演出である。

【ミュージカルの撮影方法】
ミュージカルの場面は基本的にキャバレーのショーのみである。
正面からのショットと、右側からのショットの二パターンによる撮影方法が目立っている。
狙ったのかよく分からないが、観た者はまるで自分があのキャバレーにいるかのような錯覚に陥るのではないか。
とても臨場感のある撮影手法と感じた。

様々な場面において、「静」と「動」といった手法も駆使されており、ボブフォッシーの美意識の高さが伺われる。
エンディングで全く音がなかったのも印象的だった。

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全米映画興行収入ランキング(2月第2週) 【映画】

順位(先週)公開週 タイトル (公開館数) 興行収入 (トータル収入)
1(-)1週目「Norbit」       (3136館)$34,195,434($34,195,434)
2(-)1週目「ハンニバルライジング」(3003館)$13,051,650($13,051,650)
3(2)2週目「Because I Said So」 (2529館)$9,221,130($25,805,720)
4(1)2週目「The Messengers」  (2529館)$7,218,187($24,742,205)
5(4)8週目「ナイトミュージアム」(2702館)$5,754,359($232,150,355)
6(3)3週目「Epic Movie」    (2806館)$4,570,090($35,594,259)
7(5)3週目「Smokin' Aces」   (2199館)$4,113,020($31,174,140)
8(8)7週目「パンズラビリンス」 (1143館)$3,577,283($26,619,057)
9(7)9週目「ドリームガールズ」 (2284館)$2,980,967($97,006,872)
10(10)20週目「クィーン」     (1564館)$2,373,121($48,897,648)
(参考:IMDbのボックスオフィス)

「幸せのちから(現在、約160百万ドル)」と「Stomp the Yard(現在、約59百万ドル)」が圏外へ消え、「Norbit」と「ハンニバルライジング」が登場した。

1位の「Norbit」は、エディマーフィーが三役を努めるコメディー。
監督は、ブライアンロビンス。
ブライアン監督は、キアヌリーブス主演の「陽だまりのグラウンド(01)」で約40百万ドル、ティムアレン主演のコメディー「シャギードッグ(06)」で約61百万ドルとそこそこのヒットを飛ばしている。

映画のイメージとしては、内気でおたくっぽいちょっと変わった男性(エディマフィー)が、太目の勘違い女性(エディマフィー)が惚れられて、彼女に振り回されるという、アメリカ人に受けそうなコメディーとなっている。
エディマーフィーは、「ドリームガールズ」の演技でゴールデングローブ賞助演男優賞を獲得し、アカデミー賞助演男優賞部門で最有力候補となっている。
今一番彼の株が高まっているときに、公開したために大成功を収めた。
数週間は上位を留まり、もしアカデミー賞を受賞することとなったら、引き続き観客動員を見込めるという算段だろう。

エディマーフィーは「チャーリーと14人のキッズ(03)」ではヒットを飛ばしたが、期待された「ホーンテッドマンション(03)」が約76百万ドルとやや期待はずれに終わり、「アイ・スパイ(02)」が約33百万ドルとコケて、1億ドル程度の制作費を掛けた「プルートナッシュ(02)」が約4百万ドルと歴史的な失敗に終わっていた。
やや、低迷していた時期もあったが、「シュレック」シリーズや「ドリームガールズ」で脇役として存在感を発揮することで再生し、本作によって稼げるスターであることを改めて証明した。

主演作品としては
「チャーリーと14人のキッズ(03)」が約1億4百万ドル
「ドクタードリトル2(01)」が約1億13百万ドル
「ナッティプロフェッサー2(00)」が約1億23百万ドル
「ドクタードリトル(98)」が約1億44百万ドル
「ナッティプロフェッサー(96)」が約1億29百万ドル
コメディー作品では安定してヒット作を連発しているのも特徴だ。
息の長い活動ができ、かつ稼げるスターということがよく分かるデータだ。
彼独自の1人複数役という手法がアメリカでは受けているのではないか。
本作も粘り次第では1億ドル突破は十分可能なところにいる。
恐らく日本でも公開されるだろうが、日本でヒットするかどうかは微妙なところだろう。


2位の「ハンニバルライジング」は前週紹介したとおり。
監督は「真珠の耳飾りの少女」のピーターウェーバー。
主演は「ロングエンゲージメント」のギャスパー・ウリエルが若き日のハンニバルレクターを演じている。
監督も、キャスティングも微妙なところだったため、この結果は当然といえよう。
やはり、トータルでは6千~8千万ドルという読みは間違いではなかった。
ひょっとしたら6千万ドルというラインもクリアできない恐れもある。

02年に公開された「レッドドラゴン」のオープニング成績は、約38百万ドル(トータル約93百万ドル)となっている。
3千館以上で公開して、この結果というのは、失敗の部類に入るだろう。
評価については、高くも、低くもなく、微妙な感じ。
予告編を観ていないので、なんともいえないが、衝撃度が足りない気がする。
そうはいっても、日本で公開されたら、知名度の高さから、それなりにはヒットすると思われる。
期待はしないが、公開されたら絶対観に行くつもり。


ホラー作品の「The Messengers」とコメディー作品の「Epic Movie」の低落が目立つ。
「Epic Movie」は、コメディー作品の「Norbit」の公開によって痛手を被ったようだ。

「ナイトミュージアム」は現時点で全米映画史上50位の興行収入を突破した。
去年公開された「ダヴィンチコード」もすでに抜き去っている。
最終的には、史上34位の「ジョーズ」の260万ドル辺りとの勝負になるだろうか。
30位以内に入るためには「シュレック」の約268百万ドルを抜かなくてはならない。


次週には、「ゴーストライダー」が登場。
予告編を見る限りでは、ヒットしそうもないという印象を受けたが、アメコミということもあり、日本人の自分には全く読めないところだ。
印象としては、1億ドルは難しいのではないかと思われる。

ニコラスケイジ主演作としては、
「ワールドトレイドセンター(06)」が約70百万ドル(オリバーストーン監督)
「ウィッカーマン(06)」が約24百万ドル
「ロードオブウォー(05)」が約24百万ドル(「ガタカ」のアンドリューニコル監督)
「ウエザーマン(05)」が約12百万ドル(パイレーツシリーズのゴアヴァービンスキー監督)
「ナショナルトレジャー(04)」が約173百万ドル
この二年間は決して恵まれた年ではなかった。巻き返すことができるのか。
本作の結果次第では「ナショナルトレジャー2」にも暗雲が立ち込めることになる。

監督は、「デアデビル(03)」のマークスティーブンジョンソン。
「デアデビル」の成績は約103百万ドルであるから、当然1億ドルというのが目標ラインとなる。
「デアデビル」は個人的には好きな映画なのだが、もの凄い不評の映画でもある。
結構センスがいいと思うのだが。


2月14日のバレンタインデーにはヒューグランド、ドリューバリモア主演のラブコメディ「ラブソングができるまで(Music and Lyrics)」も公開される。
監督は、ヒューグランドとサンドラブロック主演「トゥーウィークスノーティス」のマークローレンス。
「トゥーウィークスノーティス」は実は約93百万ドルも稼いでいる大ヒットラブコメディではあるが、さすがにこれを目標にはできないだろう。
「トゥー~」の3分の2程度稼げれば、十分ではないか。

その他には、日本では知名度は低いが、黒人から圧倒的な支持を受けているタイラーペリー監督の新作「Daddy's Little Girls」も公開される。
タイラーペリー監督関連作品としては、
監督、主演、脚本、プロデュースを努めた「Tyler Perry's Madea's Family Reunion」は約63百万ドルを稼いでいる。
主演、脚本、プロデュースを努めた「Diary of a Mad Black Woman」は約50百万ドルを稼いでいる。
公開規模によるが、黒人からの支持を受けて、今週の台風の目になるだろう。

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「パリの恋人」DVDレビュー 【映画】

◆評価  5.5点
◆分かりやすさ  A(ラストの時間の感覚以外は極めて明確)
◆おススメ度   B-(ヘップバーン好き、もしくはミュージカル好きの人にはおススメ)


1957年製作のミュージカル。
主演は、オードリーヘップバーンとフレッドアステア。
監督は、「雨に唄えば」のスタンリードーネン。

本作はストーリーを楽しむ映画というよりも、オードリーヘップバーンを楽しみ、フレッドアステアを楽しみ、パリを楽しむ映画といえる。

フレッドアステアを知らなければ(自分も本作と「バンドワゴン」しか観ていないが)、あんなおじいさんとヘップバーンが恋に落ちるわけがないという突っ込みをすると思うが、それは正しい突っ込みではないであろう。
現在、田村正和と伊東美咲で映画が作られていると聞いているが、それに近い感覚かもしれない。
誰も正和さんにはあえて突っ込まないだろう。

しかし、それにしても、さすがはアステアだ。
あの歳で、あのキレのある踊りには驚かされる。
中盤のシーンで、ヘップバーンと喧嘩して仲直りをするために、ホテルの吹き抜けで、傘を使ったり、コートを闘牛士のマントに見立てて踊りまくる姿には感動すら覚える。

見所としては、各ミュージカル(特に、「パリのお上りさん」の曲)と、ヘップバーンのコスプレということになる。
ヘップバーンのミュージカルはお世辞にも上手いとは思えないが、やはり、歌にせよ、踊りにせよ、表情にせよ、強い個性を感じさせる。
上手くはないけど、ずっと聞いていたい、ずっと観ていたいと思わせる魅力を持っている稀代の女優だ。

ただ、ラストの時間の感覚だけは自分には理解できない。
夜10時30分くらいの飛行機に乗るとアステアは言っていたので、おそらくあの出来事は夜のはずだ。
何時間後にポールデュバルのショー会場に到着して、アステアはすぐに彼女がいる場所に気付いている。
したがって、夜のうちには彼女と再会できたはずだったが、アステアとヘップバーンの教会での再会時には日が高くなっている。
ということは、ヘップバーンは一晩中あそこにいたということになるのだが。
しかし、この映画は、冒頭に触れたように、突っ込みは禁止という映画なのだろう。

中身はないかもしれないが、気軽に観れて、観た人は誰でも楽しめる作品となっている。
ストーリーを大胆に省き、徹底して、彼らの魅力を引き立てて、おシャレな路線を歩ませたことで、本作は存在感を増すことになった。
何のコンセプトもない映画よりも、こういう思い切った作りの映画も斬新な手法ではないか。

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「スタア誕生」DVDレビュー 【映画】

◆評価  8.0点
◆分かりやすさ  A
◆おススメ度   B(いい作品だが、ちょっと長いかもしれない)


スタアの誕生とスタアの最期を対照的に描いた1954年製作の3時間近い大作。
過度な演出や派手な展開を繰り広げることをしないため、映画の中の出来事というよりも、伝記映画に近い感覚を覚えた。
実話のような、とてもリアルな仕上がりとなっている点を評価したい。

構成がとてもユニークだ。
一部では、人気俳優のノーマンと売れない歌手エスターとの出会い、彼女のスタアへの道を歩む決意と、彼らの再開までを描いている。
自分を信じて、夢を信じて、行動する強い女性を感じられる点が見所だ。

二部では、ヴィッキーとして成功を手にし、夢を叶え、ノーマンと結婚し、二人の幸せな日々を描いている。
成功するまでの苦労、プレッシャーと見事なミュージカルが見所だ。

三部では、夫のノーマンの没落を描いている。
シリアスな人間ドラマが繰り広げられている点が見所だ。

それぞれの作りがまったく異なっているのが面白い。
特に、二部と三部では全くタッチが異なっている。

二部目の幸せな日々から、一転して、三部目では、シリアスな人間ドラマが展開されている点が実に巧妙だ。
幸せから、不幸せの転落のコントラストが明快になっており、三部目が際立っている。


スタアの裏側を描いた作品としても評価できるが、ノーマンとエスターの二人の人間関係を深く描いたという点において、特に評価できる。
アーティストとしての関係、夫婦の絶妙な関係が実に上手く描かれているのである。

冒頭のノーマンは自分の仕事にうんざりしていたのではないか。
スタアとして持ち上げられ、嘘のような世界で自分を見失って酒に溺れているようだった。
そんな最中に、エスターの歌声を聞いて、「心が震えるような喜び」を感じる。
同じアーティストとして、自分が観客に与えることができない感動を与えられるアーティストだと、彼女に惚れ込んだかのようだった。

一方、エスターは自分の才能を信じて、努力はしているものの、あと一歩を踏み出す勇気がない。
売れないミュージシャンたちとこつこつと階段を登るように、回り道をしている。
そんなエスターにノーマンは「勇気と自信」を与える。
彼女に足りなかったものを、ノーマンは与えるのである。

ノーマンから得た「勇気と自信」を胸に、ノーマンの力を借りずに、自分の足で一歩を踏み出していくエスターの姿は頼もしい。
迷いを捨てて、輝いているかのようだった。
ノーマンとの再開によって、彼からはさらに「チャンス」をもらい、エスターはビッキーレスターとして羽ばたいていく。
尊敬しあうアーティスト同士の関係がここにはきちんと描かれている。
お互いがお互いを認め合い、高めあう関係と捉えることができる。


男女として、夫婦としての関係もさらに細かく描いている。
ヴィッキーが仕事の失った夫のために、自宅でのダンス披露にも、愛する夫を励ましたいという強い想いが伝わってくる。
酒を飲まないという約束を破り、自分に負ける夫の弱い姿を見せつけられる妻として、夫に対する憎しみもきちんと描かれている。
夫に対する、「愛」と「憎しみ」を描くことで、両者は深みを増す。

夫も妻を愛しているからこそ、自分の命を自らの手で絶つ。
妻のこれからの成功を、自分の手で台無しにすることはできない。
ビッキーレスターの一番のファンとしての想いが伝わってくる。
「君の顔がみたかった」ノーマンの最期のセリフは深さを増す。
以前にも彼女に伝えたセリフだからだ。

ノーマンは自分の弱さを知っていたのだろうか。「自分ができることは終わった」と愛しているエレンの元を一度は去ろうとする姿が描かれる。
アカデミー賞会場で「仕事が欲しい」と嘆願する仕草にも彼の弱さが伝わる。
一方、親友の撮影所長オリバーが端役であるが役を持ってきたときに断るプライドの高さと一言「ありがとう」といって送る姿も印象的だ。
全てにノーマンメインという男の生き様が詰まっている。

ノーマンメインという俳優としては何も残せなかったかもしれないが、エレンをビッキーレスターとして成功に導いた、彼の愛こそが彼にとっての生涯の宝だったという締めくくりには感動させられる。

この二人の関係を踏まえて聞く、ラストの「ノーマンメインの妻です」というたった一言には、奥の深さ、愛情の深さを感じずにはいられないセリフである。

一言で映画を締めくくれる映画というのは、もっと評価されるべきだろう。


映画の本筋とは関係ないが、どうしても気になる点としては、序盤のスチール写真とセリフだけでストーリーを展開している点だ。
あれは演出なのか。それとも、単に撮影が間に合わなかったのか。
いずれにせよ、手法としては評価することはできないが、斬新だと感じた。


本作でビッキーレスターを演じたジュディガーランドは、劇中では見事にアカデミー主演女優賞をゲットしたが、本当のアカデミー賞主演女優賞では「喝采」のグレースケリーに破れ、その後、ノーマンのように荒れた人生を送ったとのこと。
人生もスタアとしての生き方もやはり複雑で難しいものだ。

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「バンドワゴン」DVDレビュー 【映画】

◆評価  6.5点
◆分かりやすさ  A-(難解な部分はない)
◆おススメ度   B(ミュージカルの歴史を知るための一本)


無言のまま公園を横切り、人影がみえなくなったところで行う二人のダンス「DANCING IN THE DARK」には美しさや繊細さを感じられたが、その他には特に目立った点は感じられなかった。
やはり、「雨に唄えば」に比べればちょっとレベルが落ちるかなと思わせる作品。

「靴磨き」「三つ子」「ガールハント」など個別個別のミュージカルには確かに面白みや完成度の高さが窺われるが、ストーリーの一連の流れとは別の次元の世界の面白みであるため、映画としては、それほど高い評価をすることができない。
逆にいえば、公園で踊る「DANCING IN THE DARK」には、お互いの誤解が解け、二人の距離がなくなり、ダンスに対する二人の静かな熱情が伝わるシーンとして評価できるのである。

また、「雨に唄えば」では突然踊り、歌いだすといった違和感はほとんど感じられなかったが、本作の序盤ではかなりの違和感を感じる出来となっている点も若干のマイナス材料だ。
ミュージカル映画でこの点を問題視するのはいささか間違えているとは思うが、「雨に唄えば」のようなスムーズさがなかったのではないかという指摘をしたい。

そして、トニーとガブリエルの恋愛も若干物足りなく映る。
あまりに恋愛を表に押し出しすぎると、別の方向性に進むのでやっかいなテーマでもあるが、本作は明らかに中途半端な作りだ。
本作よりももっと描かなくても、上手く利用すれば効果をあげることも出来ただろう。
ラブストーリーを描くにせよ、描かないにせよ、本作の描き方はあまりよろしくないと感じた。

トニーハンターが落ち目のスターという設定も、それほどは活きていないような気がするが、自分はフレッドアステアという俳優を本作で始めてみたので、彼の歴史の深みや感慨にひたれなかったのかもしれない。

本作は、落ち目のミュージカル俳優を描くことで、「原点に立ち戻れ」というメッセージを込めたのかもしれない。
この時代についての映画については、無学のためによく分からないが、数多くのミュージカルが作成されたのだろうとも思われる。
中には奇抜な手法で多くの観客を集め、過去の伝統的なミュージカルが廃れていっているのではないかとも思われる(トニーがゲームコーナーですっかり昔と変わってしまって、昔を思い出シーンもあり)。

奇抜な手法でヒットを目論んだコルドバ路線が完全な失敗に終わり、純粋なミュージカルで勝負すべきという強い姿勢を感じられる作品となっている。
ミュージカルの原点は、奇抜なストーリーではなく、ダンスや歌を基本とするものであり、それこそ「That's Entertainment」なんだというメッセージを込めたのだろう。

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「雨に唄えば」DVDレビュー 【映画】

◆評価 8.0点
◆分かりやすさ A(単純だが深みもあるストーリー)
◆おススメ度  A(誰にでも薦められる名作)


素晴らしいの一言。
50年以上前の作品であるが全く古臭さを感じさせず、誰もが楽しめるエンターテイメント作品となっている。
映画の面白さの原点というのは、このような作品なのかもしれない。

ドン、コズモ、キャシーのミュージカルや動きのキレのよさを楽しめるだけではなく、ラブストーリー、コメディ、映画の歴史、映画業界の内幕(恋愛のでっち上げ、嫉妬、契約等)、様々なトラブルを乗り越えて一本の作品を仕上げる過程など、多様的な面白さを堪能できる点も評価したい。

コズモの人形とともに踊り、壁にぶつかりまくるダンスにはシビれる。
キャシーの序盤のケーキから登場する一連の息の合ったダンスには驚かされる。
ドンのミュージカルはすべてが楽しめる。

何よりも面白いのは、サイレント映画からトーキー映画への移行がユーモラスかつ効果的に利用されている点だ。
サイレント映画の人気女優が悪声のためにまったくセリフをしゃべれないという設定は、今の時代では困難な設定であるため、アイディアとしての新鮮味を感じる。

トーキー映画の幕開けとしてマイクの使い方がよく分からない点を逆手にとってユーモラスに描いている。
マイクの位置を利用して、笑いを取るというのも今の時代からすれば斬新なアイディアだ。
映像と音声のズレを利用した「イエス」と「ノー」のやり取りなどは、今の時代でも通用するコントの基礎となっているかのようなネタだ。

ドンを見ていると突然踊りだす違和感を感じるというよりも、自分の感情を素直に歌や踊りに託して表現しているのが分かる。
好きな女性に巡り合えた喜びを、「撮影所でのドンとキャシー二人のシーン」や「雨の中でのシンギンインザレイン」の中で表現しているのだろう。
「撮影所での二人のシーン」には美しさの中にも、脚立を置いておくような違和感を融合させて、かなりのセンスのよさを感じさせる。

色覚的にも、とても楽しめる作品となっている。
赤い部屋において、グリーンの衣装で踊る女性とドンの黄色いベストが映える。
その他のシーンでも原色をヴィヴィッドに利用している。


今回の鑑賞が初めての鑑賞となったが、何度も観たいと思わせる名作の中の名作といえる。

「華麗なる一族(三話・四話)」レビュー 【ドラマ】

このドラマは「高炉建設を巡る鉄鋼業界」「金融再編を巡る金融業界」「万俵一族の愛憎」という三つの世界が同時に描かれており、それらが微妙に絡み合いながら展開していくために、よい緊張感が生じている。
また、それぞれの世界に一癖も二癖もあるキーパーソンが存在している。
手のひらで動かされているのは誰で、動かしているのは誰かということを考えるとさらに面白みは増す。
鉄鋼編では、大同銀行の三雲頭取、大川議員。
金融編では、大蔵官僚の美馬、永田大臣。
一族編では、高須相子、万俵寧子。
これらの人々に翻弄され、助けられながら、鉄平と大介の二人の生き様と、親子の愛憎を根幹に描いている。
かなりスケールの大きい作品に仕上がりそうだ。

三話目では、高炉建設費用20億円調達の厳しさを描いた。
ストーリーの流し方としては、以下の通り。
「①他行に相手にされず調達の壁にぶち当たる」→「②挫折・弱音」→「③恩人に嘘をつくという弱さを見せる」→「④自分のルーツを確認して志を強固にする」→「⑤20億円調達に成功する」
基本的にどのシーンにも弱さを感じたが、特に②と③の描き方が弱すぎるのではないか。
③については、あのシーンでは三雲頭取(柳葉敏郎)がなぜ怒っているのか、視聴者に上手く伝わってこない。
③をびっちり描かなくても、②で彼の弱さと志に対する迷いをじっくりと描けば、③をきっちり描かなくても視聴者には③は十分伝わる。
肝心の②がやや不十分だ。
②の出来次第によって、④や⑤の捉え方も変わってくるのである。

万俵大介(北大路欣也)は三話目では預金残高を9位にするために忠実な部下を犠牲にし、四話目では三栄銀行が他行と合併することを阻止するために重要な後ろ盾のひとつを切り捨てた。
大介は、金融再編を乗り切るために、どんどんと自分の積み上げてきたものを切り捨てている。
全てを切り捨てて、最後に残るものは何かが楽しみである。
大介らしさもよく出ていて、忠実な部下を死なせてしまってもただでは転ばない。
彼の死を利用して、部下の士気を高めていることが葬式のシーンで描かれている。
四話目では、大川議員の病状を外科部長に確認し(身内だから可能だったか)、「裏」を取った上で行動していることが分かる。
石橋を叩いて叩いて渡るという彼の性格がにじみ出ている。

四話目のラストの鉄平との対峙シーンはゾクゾクする出来だ。
息子に間接的に憎まれることで、少し微笑んでいるかのようだった。
見事な愛憎が描かれている。
ただ、三話目の序盤シーンのように「私がいつじいさんに嫉妬した」のような生(なま)の感情を剥き出しにするのはちょっといかがなものかと思う。
大介は、鉄平とのシーン以外はほぼ完璧なのに、鉄平絡みだけ生の感情を表に出しすぎている。
それだけ、大介は鉄平と先代に怯えているのがよく分かるのだが、あまりに感情を表に出しすぎると深みに欠く。
大介のそれ以外の感情が視聴者に伝わりにくいからだ。
多義的な解釈を産まないもので、いわゆる押し付けでしかない。
微妙な関係を描くことで、視聴者に想像させるような深みを描いた方がよかっただろう。
そういう点においては、鉄平が20億円を調達したと報告を受けたときの表情はとてもよかった。

銀平(山本耕史)もなかなか面白いキャラクターだと思う。
鉄平とは表と裏のような関係に描かれている。
父に恨まれ、父に反抗する鉄平と、父に愛され、父に従う銀平。
父親よりも祖父を目標とする鉄平と、父親には敵わないと諦める銀平との対比は今後ストーリーのキーにもなってきそうだ。
目標や希望をもって行動する熱い鉄平よりも、銀平の冷めた様子は、より人間的でもあり、何をしでかすか分からない怖さもある。

手を差し伸べず、逆に突き放す父親(自分を愛してくれない)と、
何も言わなくても自分の命を削って助けてくれる義父(自分を愛してくれる)
との対比など上手い構図でキャラクターを描き分けている。

鯉(通称「将軍」)や猪など微妙な画が多いのもやや気になるところだ。
セットだけは豪華に作り、俳優も豪華に揃えたが、肝心のところに金を掛けていない。
特に、いわゆる将軍は、先代の亡霊の象徴でもある。
本ストーリーの要となる存在だけに手抜きは許されないだろう。

テーマ:華麗なる一族 - ジャンル:テレビ・ラジオ

2007年1月クールドラマ視聴率結果(四話目等)

順位  タイトル   初回   最新話 前話との対比 平均(予想平均)
1位「華麗なる一族」 27.7%  23.0%(▽0.5%) 24.0%(23.0%)
2位「花より男子2」  19.4%  20.3%(▽2.8%) 20.4%(19.0%)
3位「ハケンの品格」 18.2%  20.1%(▲1.3%) 18.9%(13.5%)
4位「東京タワー」   14.2%  13.9%(▽2.1%) 14.9%(16.5%)
5位「エラい嫁」     16.1%  14.1%(▲1.4%) 14.4%(12.0%)
6位「特命係長只野仁」 13.4%  12.7%(▽1.7%) 14.0%(14.0%)
7位「拝啓、父上様」  12.9%  13.2%(▲0.8%) 13.2%(15.0%)
8位「ヒミツの花園」  14.7%  12.6%(▲0.5%) 13.0%( 9.5%)
9位「わるいやつら」  13.6%   9.1%(▽1.0%) 10.9%(13.5%)
10位「今週、妻が浮気」 12.5%  11.3%(▲2.2%) 10.9%(14.0%)
11位「きらきら研修医」 10.4%  11.0%( 0.0%) 10.8%( 9.0%)
12位「演歌の女王」   10.9%   9.9%(▲1.4%)  9.7%(16.0%)

1位の「華麗なる一族」は視聴率が安定してきた。
このままのペースで中盤を乗り切り、終盤を迎える毎に若干視聴率を伸ばしたいところだろう。
ただ、本作のような1話完結タイプではない、本格的なストーリードラマは途中から観始めるというのもなかなかキツいと思われるので、飛躍的な伸びはこれ以上期待できないと思われる。

2位の「花より男子」には相変わらず驚かされる。
ジブリ砲「千と千尋の神隠し」の18.6%を上回る視聴率を稼ぎ出した。
今回で3度目だったと思うが、「千と千尋の神隠し」はもう皆観てしまったのだろうか。
「花より男子」が強すぎるのか。それとも、神通力が消えうせたのか。
DVDでいつでも観れる映画よりも、ドラマが優先されたのだろう。
DVD化されていない「DEATH NOTE 前編」とは訳が違ったかもしれない。
それにしても、ライバルを倒しての、この驚異的な視聴率には支持の高さ、人気の高さが窺われる。
ひょっとしたら、回によっては、「華麗なる一族」を上回る週も出てくるのではないか。
低迷していたTBSの見事な復活である。

3位の「ハケンの品格」もとうとう20%越えを果たした。
前クールで20%を果たしたのは「のだめカンタービレ」の最終話の1回、「僕の歩く道」と「14才の母」の最終話とその前の回の2回、「Dr.コトー診療所2006」の6話以外の全ての回となっている。
4話目で20%を超えるのはなかなか珍しいのではないか。
「マイボスマイヒーロー」が初回19%から、6話目にして20%を超えた例もあるが、視聴率がこういった動きをみせるのは、かなりの高い支持率がある証拠だ。
評判がよいドラマや話題になるドラマではまれにこのような上がり方もする。

篠原涼子も主演女優として、視聴率を稼げる女優の仲間入りを果たしたといっていいだろう。
3月17日公開予定の「アンフェア the movie」は成功する企画とは思われなかったが、ドラマの盛り上がりとの相乗効果が期待でき、意外と悪くない結果となるかもしれない。

4位~7位及び10位の作品は週によって、上がったり、下がったりを繰り返し安定してない。
支持率はあまり高くないといえよう。

8位の「ヒミツの花園」は比較的視聴率が安定している。
観た事はないが、観た視聴者を離さないような出来になっているのではないか。
意外と健闘しているという印象だ。

11位の「きらきら研修医」の視聴率も実は初回から安定している。
今クール一番ダメな作品と思っていたが、たんに観る人が少ないだけで、支持率は意外と高いのかもしれない。
作品の質が高いのか。それとも固定俳優に対する固定ファンが付いているのだろうか。
ちょっとこの安定度に対しては分かりかねる部分もある。

9位の「わるいやつら」は気がつけば、今クールの全ての回の中で視聴率ワースト2タイを記録(一番悪かったのは「演歌」の3話目8.5%)。
米倉さんはこの後どういう路線を歩むことになるのか。
事務所サイドとしては悩みどころだろう。
悪女路線はそろそろ飽きられつつあるし、「奥さまは魔女」のようなコメディも向かないだろうし、不倫ドロドロ系をしばらくは歩ませるしかないだろうか。

12位の「演歌の女王」は「マトリックスレボリューションズ(視聴率15.7%)」の攻撃を凌いだだけではなく、逆に視聴率を伸ばしてきた。
皆既に観てしまったのだろうか。マトリックスは今回あまり人気がなかった。
レボリューションズは確かにシリーズの中で最も人気がない作品ではあるが。
とりあえず、視聴率の下落を抑えることができ、製作サイドはほっとしているだろう。

テーマ:テレビ視聴率 - ジャンル:テレビ・ラジオ

国内映画興行収入ランキング(2月1週目) 【映画】

1位は先週に引き続き、順当に「どろろ」が獲得した。
今週末も引き続き1位を獲得できるのではないか。
本作にとっては17日に公開される「ドリームガールズ」が最大の敵になりそうだ。

「墨攻」は3位スタート。
相手が貧弱だったため、2位で登場するかと思ったのだが、ちょっと微妙な順位。
しかし、これでも健闘したといっていいだろう。
鑑賞時には丸の内ピカデリー1の入りがイマイチだったので、心配していたが、それなりに入ったようだ。
松竹としても、丸の内ピカデリー1で強気に公開したが、「hero」「lovers」級のヒットは難しかったようだ。

4位から8位までは順当。
9位に「あなたを忘れない」、10位に「モンスターハウス」が予想外に粘っている。

「Dear Friends(都内20館)」は4週目の「モンスターハウス(都内14館)」にも勝てないのか。
確かにキャスティングとテーマから、いったい誰が見るのだろうかという映画でもある。
逆に、「モンスターハウス」のような子ども向き映画は、現在の大人向き公開作品が多い中では希少価値がある。
「どろろ」はPG-12であり、子どもにはちょっと刺激が強すぎるか。
「幸せのちから」も純粋な子ども向き作品とは言いがたい。
相手関係を踏まえると「モンスターハウス」が粘っている要因が窺われる。


<今週公開される主な作品>
×「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」日劇PLEX(都内25館)
阿部寛 、広末涼子主演
馬場康夫監督(代表作「私をスキーに連れてって」)

×「守護神」日劇PLEX(都内22館)
ケビンコスナー、アシュトンカッチャー主演
アンドリューデイヴィス監督(代表作「逃亡者」、「コラテラルダメージ」)
※全米興行収入は約54百万ドル

×「天国は待ってくれる」丸の内ピカデリー2(都内14館)
井ノ原快彦 、岡本綾 、清木場俊介主演
土岐善將監督

×「Gガール 破壊的な彼女」日比谷みゆき座(都内7館)
ユマサーマン 、ルークウィルソン主演
アイヴァンライトマン監督(代表作「ゴーストバスターズ」、「エボリューション」)
※全米興行収入は約23百万ドル

△「あなたになら言える秘密のこと」TOHOシネマズ六本木(都内4館)
サラポーリー、ティムロビンス主演
イザベルコヘット監督(代表作「死ぬまでにしたい10のこと」)

×「DOA/デッド・オア・アライブ」有楽町スバル座(都内5館)
ジェイミープレスリー主演
コリーユン監督(代表作「トランスポーター」、「クローサー」)

×「長州ファイブ」シネマート新宿(都内3館)
松田龍平主演
五十嵐匠監督(代表作「地雷を踏んだらサヨウナラ」)

▲「華麗なる恋の舞台で」Bunkamuraルシネマ(都内1館)
アネットベニング 、ジェレミーアイアンズ主演
イシュトヴァンサボー監督(代表作「太陽の雫」)
※2004年アカデミー賞主演女優賞ノミネート、ゴールデングローブ賞(コメディ部門)受賞

×「となり町戦争」新宿ガーデンシネマ(都内1館)
江口洋介 、原田知世出演
渡辺謙作監督(代表作「ラブドガン」)

×「モーツァルトとクジラ」シネスイッチ銀座(都内1館)
ジョシュハートネット 、ラダミッチェル主演
ペッターネス監督

▲「善き人のためのソナタ」シネマライズ(都内1館)
ウルリッヒミューエ主演
フロリアンヘンケルフォンドナースマルク監督
※2006年アカデミー外国語作品(ドイツ語)ノミネート

「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」はフジテレビ系の映画。
個人的には好きではない君塚良一が脚本を書いている。
監督は「私をスキーに連れてって」の人だから、ある意味確信犯的な軽めの仕上がりを予感させる。
出演者もバブルということでやや古くさいメンバーを集めた。
広末涼子が復活となるか注目されるが、誰を対象に映画製作をしているのか全く分からない作品だ。やはり30代後半から40代前半のバブル世代向けとなるのだろうか。
それともバブル世代ではない人にバブルとはこういう時代だったのだと知らしめるつもりだろうか。
コメディタッチの仕上がりとなっており、意外とこの軽さは受けいられる可能性はなくはない。
成功するかどうかは非常に微妙な作品だが、山下智久と長澤まさみによる月9ドラマ「プロポーズ大作戦(仮)」が似たようなタイムスリップモノとなったので、相乗的な効果も期待できる。両方フジテレビであるため、狙ったのか。

「守護神」は、全米で公開されているときから、これは絶対観ないと決めていた作品。
そうはいっても全米興行収入は約54百万ドルとぼちぼちのヒットとなっている。
日本ではそれほどヒットしないと思われるが、「海猿」のリメイクと間違えて見に行ってしまう人も多そうだ。
時期的にも相手に恵まれて上位に食い込んできそうだが、とにかく、
・ケビンコスナーは日本では過去の人
・アシュトンカッチャーは日本では知名度は高くない
・タイトルがメチャクチャダサい
・ヒロインがいない
・感動できそうで、できなさそう
・音楽はよいかもしれない
ということで、トータルの興行収入では苦戦を強いられそうだ。
しかし、一応は感動モノでもあり、海猿が71億円稼いでいるのだから、そのオコボレを期待できそうで、初週は上位に食い込むのではないか。


<次週予想順位>
予想順位(今週) 自己評価 タイトル(主な公開劇場)
1(1) ▲「どろろ」(有楽座)
2(-) ×「守護神」(日劇PLEX)
3(2) 済「幸せのちから」(日比谷スカラ座)
4(4) 済「マリーアントワネット」(日劇PLEX1)
5(-) ×「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」(日劇PLEX)
6(3) 済「墨攻」(丸の内ピカデリー1)
7(5) 済「ディパーテッド」 (丸の内ルーブル)
8(6) △「それでもボクはやってない」(シャンテシネ)
9(-) ×「天国は待ってくれる」(丸の内ピカデリー2)
10(8) 済「硫黄島からの手紙」(丸の内プラゼール)


[個人評価]
◎ 絶対観たい作品
▲ DVDか映画サービスデイだったら観たい作品
△ 映画館では観ないけどDVDだったら観るかもしれない作品
× 観ることはないでしょうの作品
済 鑑賞済み作品

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マーティンスコセッシ監督作品レビューまとめ 【映画】

「ディパーテッド」の公開されることに伴い、約1ヶ月以上に亘り、マーティンスコセッシ監督作品をレビューしてきた。

「みんなのシネマレビュー」六本木ソルジャー名でレビューした分と今回の分をまとめると、個人的な評価は以下の通りとなる。

【8.5点】タクシードライバー、アビエーター
【8.0点】アリスの恋、キングオブコメディ、グッドフェローズ、エイジオブイノセンス
【7.5点】ラストワルツ
【7.0点】ミーンストリート、最後の誘惑、カジノ、ギャングオブニューヨーク、ディパーテッド
【6.5点】アフターアワーズ
【6.0点】ドアをノックするのは誰?
【5.5点】ケープフィアー
【3.0点】明日に処刑を…
【未レビュー(音楽関係映画を除く)】
ニューヨーク・ニューヨーク、レイジングブル、ハスラー2、ニューヨークストーリーの1パート、クンドゥン、救命士
※ニューヨーク・ニューヨークとクンドゥン以外は過去に一度は目にしたことがある。

作品を見続けていくと、やはりスコセッシは超一流の映画監督であるということがよく分かった。
妥協を許さない撮影スタイル、困難な道や様々なジャンルにあえて挑戦する姿勢、独特のテンポとリアリティ、自分のルーツかもしれないイタリア系マフィアに対する憧憬と郷愁、多彩な音楽を駆使した製作スタイル。
必ずしも一般受けする監督ではないが、優れた語り手であることが感じられた。

また、孤独の中で抗う男を描かせたら、この人が一番かもしれない。
有名な「タクシードライバー」だけではなく、「アビエーター」もそうだった。
ひょっとしたら「レイジングブル」や「救命士」もそうではなかったか。
人間の中に潜む「孤独」を彼は見つめている。
何かを成し遂げたとしても、頂点を極めたとしても、満たされることのない想い、心の闇を知っているのだろう。

そして、マフィアやチンピラのファミリー関係や仲間意識を多くの作品で描き続けた。
「ドアをノックするのは誰?」に始まり、「ミーンストリート」、「グッドフェローズ」、「カジノ」と続いた。
「ギャングオブニューヨーク」もこれらに括ってもいいかもしれない。
いずれもハッピーエンドとは言いがたいラストを迎えるのも、彼の特徴だろう。
リアリズムの追究と破滅への坂を転がり落ちる姿を追うというのも彼の信念なのではないかと思う。

スコセッシはギャング映画という偏ったジャンルに突出した監督と思われがちだが、実はそうではない。
物議を醸した宗教映画の「最後の誘惑」
究極のラブストーリーの「エイジオブイノセンス」
一風変わったコメディの「キングオブコメディ」
家族モノと恋愛モノを併せた「アリスの恋」
特殊なホラーの「ケープフィアー」
音楽映画の「ラストワルツ」
個人的な好みはあるが、いずれにおいても、トップレベルの作品に仕上げている。
彼の器用性とチャレンジスピリットが窺われる。

今回の「ディパーテッド」にはギャング映画にジャンルされるかもしれないが、「ハスラー2」のようなノリだったのかもしれない。
「ハスラー2」では名作の続編を手がけて、金を稼げるエンターテイメント作品に仕上げた。
続編を手掛けたために、今回はリメイク作品にトライしたのではないか。
やはり、スコセッシの飽くなきチャレンジは続いている。

残りの未レビュー分についても、暇をみてレビューしていきたいと思う。

スコセッシは、今後長年の夢である遠藤周作原作の「沈黙」の製作に取り掛かると思われる。
原作は読んだことはないが、神の存在を問う宗教色の強い作品となりそうだ。
「最後の誘惑」に近い作品になるのではないか。
「沈黙」がスコセッシの集大成になることを祈りつつ、完成を待ちたい。


スコセッシ監督作品はこれで一区切りをつけ、次回からは「ドリームガールズ」が公開されることを記念して、ミュージカル作品やミュージシャンを題材とした映画をレビューしていきたいと思っている。

テーマ:映画監督 - ジャンル:映画

「ミーンストリート」DVDレビュー 【映画】

◆評価 7.0点
◆分かりやすさ B-(ストーリーはない)
◆おススメ度   B-(一般受けしないと思われる)


ストーリーは基本的に存在しない。
ここに描かれているものは、チンピラマフィアの日常を切り取ったものである。
観る人によっては、若さ溢れる熱さや苦悩を面白いと感じる者もいるだろうし、何が面白いのか分からない、とてもつまらないと感じる者もいるだろう。

個人的な印象を正直に言うと、序盤こそはこのくだらないダラダラとした日常が妙にリアルで面白く感じた。
長回しを多用することによって、視覚的にも面白いものとなっている。
しかし、中盤に至るとだいぶ飽きてきてうんざりとしたところ、終盤での怒涛の展開に「やっぱりスゲェや」と感じざるを得なかった。

ニューヨークリトルイタリーで繰り広げられる日常に、スコセッシの郷愁を感じる。
作風は全く違うが、ウディアレンの「ラジオデイズ」を観ているかのような錯覚を覚える。根っこは同じだろう。過去に対する郷愁で溢れている。

借金取立てに伴う喧嘩があり、悪徳警官を買収したり、バーで飲んでいたら殺しがあったり、ゲイがいたり、ゴミ箱の蓋でふざけあったり、墓地で会話する姿はまさにスコセッシの若き日の姿が浮かんでくる。

そして、もう一つの大きなテーマが、「罪は教会では救われない。街や家庭で贖われる。」ということだろう。
チャーリーは、ジョニーを守ることで自分に罪を課しているように感じる。
自分の叔父であっても、ジョニーのいとこであっても、誰もがイカレタ奴だから見放せと言うジョニーをかばい続けることでチャーリーは自分の罪を贖っているのではないか。
肉体的には火で指を炙ることによって贖われるのだろう。
精神的な意味においての贖罪を彼は求めている。

ジョニーはチャーリーの叔父に頼めば、全てが解決すると甘く考えて無制限にマイケルから金を借りたのだろう。
しかし、それではチャーリーの罪は贖われない。
どうしようもない危なっかしい男をロバートデニーロが熱演している。
やはり、デニーロはタダ者ではない。

ところで、チャーリーの罪とはいったい何なのだろうか。
チンピラ的な行為のことなのか、それとももっと漠然としたものなのか。
逆に、具体的なものなのだろうか。
グロッピというレストラン経営者の片割れが自殺したが、これも若干関係あるのかもしれない。
自分の追い込みによって、人が自殺してしまう一因となっているのである。
これらを含めたトータル的なことなのだろう。
キリスト教的な思想がない日本人にとっては、この重要な点が少し感じにくくなっている。

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