ばったすいみんぐすくーる

公開中の映画作品を中心にネタバレ全開で独断レビュー。 映画興行収入などの映画情報も紹介。

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国内映画興行収入ランキング(3月4週目) 【映画】

3本の新作がランクインし、4週目で「蒼き狼 地果て海尽きるまで」、2週目で「超劇場版 ケロロ軍曹2/深海のプリンセスであります!」、6週目で「ドリームガールズ」が圏外へ消えた。

「ドリームガールズ」は「ホリデイ」にメイン館日劇PLEX3を譲り渡し、縮小傾向にあったため、やむを得ないところだが、丸の内ピカデリー1で公開中の「蒼き狼 地果て海尽きるまで」が早々と圏外へ消えてしまった。
関係者が蒼ざめているというニュースが流れていたが、笑い事ではなくて、これは関係者にとって相当の痛手だろう。
しかし、どう考えても興行収入的にヒットできるわけがない作品であるため、やはりプロデューサーの目の付け所がおかしいとしかいいようがない。
先週の予想通りのランク落ちである。

1位になったのは「ナイトミュージアム」。
前週の1位は先行分を含んでいたため、今週は「ドラえもん」が巻き返すという予想をしたが、「ナイトミュージアム」の強さは本物のようだ。

やはり「ドラえもん」(今週2位)の対象者が子ども中心なのに対して、「ナイトミュージアム」は子どもだけでなく、老若男女万人が楽しめるという視聴者層の幅の大きさが、高い興行収入に繋がっているものと考える。
40億円近く稼げるのではないか。
40億円作品は、去年は「Mr.&Mrs.スミス」、一昨年は「ターミナル」「オペラ座の怪人」といった作品である。

3位は「アンフェア the movie」。
相変わらず、作品に対する高い評価は聞こえてこないが、高い水準の興行収入をキープしている。
日本人は作品の良し悪しで映画を選ぶのではなく、作品の知名度で映画を選ぶ傾向が強いと思う。
今年の「どろろ」もかなり評価はかなり低かったが、30億円を超える大ヒット作となった。
去年の「ゲド戦記」もあれほど評価が低かったにもかかわらず、70億円を超えるヒットとなっている。
だったら、「蒼き狼 地果て海尽きるまで」がなぜヒットしないのかと思うだろうが、「蒼き狼 地果て海尽きるまで」は暑苦しいからだ。
日本人は手軽に見れる作品か、感動作を好む傾向にある。
このどちらにも該当しない「蒼き狼 地果て海尽きるまで」が失敗するのは致し方ないところ。

4位になったのは「ホリデイ」。
上位3作が強かっただけで、本作はなかなかのスタートを切ったようだ。
ラブストーリーを大ヒットさせるのは難しいが、ラブストーリー映画のヒット基準である10億円超えを狙えるかもしれない。

6位は「バッテリー」。
正直いって、どこに魅力があるのが分からない映画であるが、本当によく粘っている。
「蒼き狼 地果て海尽きるまで」とは逆に、こちらの関係者は嬉しい誤算だろう。
トータルで「蒼き狼 地果て海尽きるまで」を抜く可能性もあるのではないか。

7位になったのは「デジャヴ」。
子ども作品が多い中で、唯一の大人向けアクションとして期待したのだが、あまり興行収入は芳しくないようだ。
10億円超えるのは難しいかもしれない。

8位は新作の「蟲師」。
公開規模が小規模であり、コケたのか、健闘したのか、非常に微妙な映画だ。
しかしながら、あまりレビューをチェックはしていないが、誰一人からも面白かったという感想は聞こえてこない珍しい作品。
普通の観客にとっては、おそらく相当につまらない映画のようだ。
「スチームボーイ」も何を言いたいのかよく分からない映画だったが、本作も明確な趣旨がみえてこないらしい。

9位は新作の「甲虫王者ムシキング スーパーバトルムービー ~闇の改造甲虫~」・「オシャレ魔女 ラブ and ベリー しあわせのまほう」。
こちらのムシは、やっぱり侮れない。
相方に関係なく、前作同様にランクインさせてきた。
こちらのランクインにも驚かされるが、粘ると思われた「ケロロ軍曹2」があっけなく圏外へ消えたのも驚かされた。


<今週公開される主な作品>
×「あかね空」恵比寿ガーデンシネマほか
内野聖陽 、中谷美紀出演
浜本正機監督
※山本一力の小説の映画化。下町の豆腐屋を舞台とした人情モノか。


×「檸檬のころ」渋谷シネアミューズ イースト/ウエストほか
榮倉奈々 、谷村美月出演
岩田ユキ監督
※豊島ミホの小説を映画化。
「僕は妹に恋をする」「渋谷区円山町」に続く今年3本目の榮倉奈々主演映画。
今回はよくありがちな女子高生を演じる友情・青春映画。


×「鉄人28号 白昼の残月」新宿武蔵野館
今川泰宏監督
※アニメ作品。子ども向きではなく、大人向けの重苦しい雰囲気のようだ。
「鉄人28号」はコンセプトを誤って、04年に蒼井優などが出演して実写化され、大コケしていたのも思い出される。


×「情痴 アヴァンチュール」新宿シネマスクエアとうきゅう
リュディヴィーヌ・サニエ出演(代表作「スイミングプール」)
グザヴィエ・ジャノリ監督
※フランス映画。夢遊病の女性と男性との官能的なラブストーリー。


×「忍者」銀座シネパトス
ホアン・シェンイー 、魔裟斗
ハーマン・ヤオ
※訳の分からないワクチンを巡って、忍者同士が対立しあうらしい。
なんだろう、この映画?


×「ポリス インサイド・アウト」TOHOシネマズ 六本木ヒルズ
スティング出演
スチュワートコープランド監督
※スティングをボーカルとしたバンド「ポリス」を追うドキュメンタリー。


×「映画館の恋」渋谷シアターイメージフォーラム
キムサンギョン 、オムジウォン出演
ホンサンス監督
※初恋の人と偶然再開した映画監督志望の男性の恋を描くという韓流映画らしい設定の映画。


×「世界はときどき美しい」渋谷ユーロスペース<モーニング&レイト>
松田龍平、市川実日子、松田美由紀、柄本明出演
御法川修監督
※5本の短編により構成されている。
日常の中のありふれた「何か」を描くことで人生の美しさを感じさせる映画。


今週は映画サービスデイと重なったためか、目だった作品の公開はない。
先週の顔ぶれによる戦いとなり、順位に変動はないものと思われる。
思い切って、「ケロロ軍曹」の復活にでも期待しよう。

<次週予想順位>
予想順位(今週) 自己評価 タイトル(主な公開劇場)
1(1) 済「ナイトミュージアム」(日比谷スカラ座)
2(2) ×「映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険」(日劇PLEX2)
3(3) ×「アンフェア the movie」(新宿東亜興行チェーン)
4(4) ○「ホリデイ」(日劇PLEX3)
5(5) 済「ハッピーフィート」(丸の内プラゼール)
6(6) ×「バッテリー」(有楽座)
7(7) 済「デジャヴ」(日劇PLEX1)
8(8) ×「蟲師」(丸の内TOEI2)
9(9) ×「甲虫王者ムシキング スーパーバトルムービー ~闇の改造甲虫~」他(シネマGAGA渋谷)
10(-) ×「超劇場版 ケロロ軍曹2 深海のプリンセスであります!」(新宿ガーデンシネマ)


[個人評価]
◎ 絶対観たい作品
○ できれば観たい作品
▲ DVDか映画サービスデイだったら観たい作品
△ 映画館では観ないけどDVDだったら観るかもしれない作品
× 観ることはないでしょうの作品
済 鑑賞済み作品
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全米映画興行収入ランキング(3月第4週目) 【映画】

順位(先週)公開週 タイトル (公開館数) 興行収入 (トータル収入)
1(-)1週目「TMNT」(3110館)$25,450,000($25,450,000)
2(1)3週目「300」(3280館)$20,510,000($162,354,000)
3(-)1週目「ザシューター/極大射程」(2806館)$14,501,000($14,501,000)
4(2)4週目「Wild Hogs」 (3401館)$14,362,000($123,815,000)
5(3)2週目「Premonition」(2831館)$10,100,000($32,191,000)
6(-)1週目「The Hills Have EyesⅡ」(2447館)$10,000,000($10,000,000)
7(-)1週目「The Last Mimzy」(3017館)$9,500,000($9,500,000)
8(-)1週目「Reign Over Me」(1671館)$8,000,000($8,000,000)
9(-)1週目「Pride」 (1518館)$4,000,000($4,000,000)
10(4)2週目「Dead Silence」(1806館)$3,467,520($13,243,245)
(参考:IMDbのボックスオフィス)

新作が6本もランクインしたため、2週目でクリスロック監督・主演作の「I Think I Love My Wife」、6週目で「Bridge to Terabithia」、6週目「ゴーストライダー」、4週目「ゾディアック」、7週目「Norbit」、6週目「ラブソングができるまで」が圏外へ消えた。

5千万ドル近く稼いだ「ラブソングができるまで」、8千万ドル近く稼いだ「Bridge to Terabithia」、1億ドル近く稼いだ「Norbit」、1億ドルを突破した「ゴーストライダー」はいずれも期待以上に稼ぐことができて、さすがに御役御免といったところか。

「I Think I Love My Wife」は成績が振るわなかったのは、内容的にもやむを得ないとして、3千万ドルちょっとしか稼がずに圏外へ消えた「ゾディアック」がここまで成績が悪いとは思わなかった。
フィンチャー作品は、「セブン」や「パニックルーム」が1億ドル近く稼いでいるが、知名度のある「ファイトクラブ」が約37百万ドルしか稼いでいない。
結構、興行成績の当たり外れが激しい監督といえる。
また、多少重苦しい実録犯罪モノはポップコーン食べながら楽しめるという映画でもないから、興行成績が振るわなかったのはやむを得ないところか。
評価は依然として高いのだが。

1位になったのはミュータントタートルズをアニメ化した「TMNT」。
90年の実写版は133百万ドルも稼いでいるシリーズであるため、当然の1位と思う人もいるだろうが、個人的にはまさかこんな作品が1位を取るとは思わなかった。
日本で公開されても絶対観ないとは思うが、評価もそれほど悪くないようだ。
前作超えはちょっと厳しいかもしれないが、1億ドル突破ラインのボーダー上にいると思う。
調べてみると意外と声優が豪華だ。
「X-MEN」でお馴染みのパトリックスチュワート、「セルラー」や「ファンタスティックフォー」でお馴染みのクリスエヴァンス、「THE JUON」でお馴染みのサラミシェルゲラー、ベンアフレックの盟友ケヴィンスミス、その他にもローレンスフィッシュバーン、チャンツィーなどが参加している。

3位となったのは「ザ・シューター/極大射程」。
マークウォルバーグ主演のサスペンスアクションだ。
大統領暗殺を命じられた狙撃手ウォルバーグが、裏切りにあいに、事件の陰謀を追及するというストーリー。
監督は「キングアーサー」「ティアーズオブザサン」のアントワンフークア。
アントワンフークアは、再び大作を手掛けながら、ヒットさせることができなかった(フークア監督の過去の成績は先週紹介)。
ここまで成績が悪いと、自分がプロデューサーならば、今後はアントワンフークアに大作をお願いするのを躊躇してしまうだろう。
彼の一連の作品を見ると、迫力やリアリティのある映像を感じられるものの、深い人間像を描きこむことができず、キャラクターが生きていない(=感情移入しづらい)という弱点がみられるのである。
評価はそれほど悪くないようであるが、本作はどのように描いているだろうか。

この数年のマークウォルバーグ主演作品のとしては、以下のとおり。
06年のアメフト映画「Invincible」のオープニング約17百万ドル(トータル約58百万ドル)※1位獲得。
05年の「フォー・ブラザーズ/狼たちの誓い」のオープニング約21百万ドル(トータル約74百万ドル)※1位獲得。
03年の「ミニミニ大作戦」のオープニング約19百万ドル(トータル約106百万ドル)※3位登場。
アカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、演技も認められてきている中で、これらの作品よりもオープニングが悪いというのは、やはりフークアの責任ではないか。

6位には06年の「The Hills Have Eyes」の続編「The Hills Have Eyes II」がランクイン。
監督はMartin Weisz。
前作はオープニングが約16百万ドルで、トータルで約42百万ドル稼いでいるが、今回はオープニング10百万ドル。オープニング比で約37%の減少であり、トータルでは3千万ドルに届かない成績に終わりそうだ。
酷評されているわけではなさそうだが、高い評価を受けているわけではない。
普通の評価となっている。

7位となったのは「The Last Mimzy」。
子ども向けのファンタジー・ファミリー映画。
兄弟が見つけた不可思議なオモチャ箱によって、子どもたち、両親、先生が恐ろしい世界に巻き込まれるという映画。
監督はロバートシェイ。
「エルム街の悪夢」や「ロードオブザリング」のプロデューサーを務めていたようだ。
3千館以上で公開しておきながら、この成績は悪いといっていいだろう。
評価は普通という感じ。

8位となったのは、アダムサンドラー、ドンチードル、ジェイダピンケットスミス、リヴタイラー、ドナルドサザーランドなどが共演するヒューマンドラマ「Reign Over Me」。
監督はMike Binder。
9.11テロで家族を失った悲しみを抱えるサンドラーを旧友のチードルの友情が癒して、立ち直らせていくストーリー。
ジムキャリーの非コメディ作と同様に、アダムサンドラーの非コメディ映画は全く観客から歓迎されなかったようだ。
評価は結構高い感動作のようだが、9.11テロの傷跡はまだ癒えていないのか。
まだアメリカがこの悲しみと向き合えるには時間が掛かるのだろうか。
トータルで5千万ドル前後の作品ではないかと先週予想したが、その半分くらいで終わってしまうかもしれない。

9位は、競泳競技を舞台にしたスポーツドラマ「Pride」。
「ハッスル&フロウ」で05年アカデミー賞ノミネートされたテレンスハワードとバーニーマックが共演。
監督はSunu Gonera。
評価が恐ろしく低い作品。次週には公開されたことすら忘れさられるだろう。

次週には、「Blades of Glory」が登場予定。
ウィルフェレル主演のアイススケートフィギアを舞台としたコメディ。
共演は「バス男」のジョンヘダー。
日本で公開されたら、フィギア人気にあやかって、結構受けるかもしれない。
監督はJosh GordonとWill Speck。
過去にはあまり大した映画を監督していない。
ウィルフェレルは、去年アメリカではF1並みに有名なナスカーを舞台とした「Talladega Nights: The Ballad of Ricky Bobby」を大ヒットさせた(約148百万ドル)。
また、少年サッカーを舞台とした「Kicking & Screaming(約53百万ドル)」というように、スポーツの分野にコメディを融合させた映画が多いのが特徴だ。
本作はどの程度のオープニングを飾るだろうか。

その他には、アニメ映画「Meet the Robinsons」が登場すると思われる。
この手のアニメ作品はやや食傷気味のような気がする。
一応ブエナビスタ製作の映画(ディズニー系)なので、それなりに上位に食い込むだろうが。

また、「The Lookout」という作品も公開される。
あまり有名俳優が出演していないので、上位では登場しないだろうと思われる。
高校生が銀行の職に付くが、銀行強盗が計画されているのに気づいてしまい巻き込まれていくというクライムサスペンス。
監督は、「ザインタープリター」「マイノリティリポート」「ザリング」などの脚本で知られるスコットフランク。
本作が初監督作品となる。

テーマ:興行収入ランキング - ジャンル:映画

「恋愛適齢期」DVDレビュー 【映画】

◆評  価    7.5点
◆分かりやすさ  A
◆おススメ度   B+(恋愛に臆病になっている人々に贈られた作品)

全米興行収入は約125百万ドルの大ヒット。
監督は女性のナンシーマイヤーズ。

「ファミリーゲーム」同様に、女性らしい、とても温かみのあるソフトなタッチで描かれている。
また、笑いを随所に織り交ぜて、観客を惹きつける術を心得ているのが素晴らしい。
彼女はとても優れた脚本家であり、監督であると思う。

キアヌがキートンに惹かれた理由は、彼女が自分の好きな劇作家であるだけでなく、キートンが電話で友人と話す際のナチュラルな笑顔を見て、キアヌは惹かれたのである。
こういった視点はとても女性らしいと感じる。
男性だったら、特別なイベントを通して惹かれあうようにしてしまうだろう。

ニコルソンとキートンが惹かれあう理由も、特別描かれているわけではない。
心臓発作のために、一時同居を余儀なくされてしまい、二人で暮らしていくうちにお互いの良さ、優しさ、寂しさに気付き、自然と惹かれあうのである。
彼らがしたことは、海岸での散歩、メールのやり取り、パジャマパーティーそんなものである。


本作のテーマとしては「自分が傷つくのを恐れて、自分に壁をつくって恋愛を諦めてしまっている全ての人々に恋愛の素晴らしさを感じてもらいたい」という趣旨が込められていると思う。

ジャックニコルソンが若い女性ばかりと付き合うのは、手軽に付き合えて、手軽に別れることができるからだ。
若い女性とならば、本気になる必要はないのである。
アマンダピートとジャックニコルソンの別れなどまさに簡単なものだった。
どちらも傷つかずに、一日の別れのような感じで別れている。
彼らの別れに涙と苦しさもない。

ダイアンキートンの場合は、年配の女性だけあって簡単に男性と付き合って別れるというわけにはいかない。
自分を白い服(特にタートルネック)で装って、白い石を集めるような、汚れなき潔癖な印象を与えている。
恋愛とは無縁ということを自分でアピールしているのだろう。

タートルネックを切ったのは、たんにヤるために服を脱がす手間を省くという意味があるのではなく、自分の壁・鎧を取り破り、新たな自分として脱皮するというような意味があると思う。
キアヌとのデートの際にはキートンは黒いドレスを着ているのがとても印象に残る。
恋愛=黒、非恋愛=白という感じで統一しているのだ。
ニコルソンと寝た後の服装の変化は観ていて面白い。

ニコルソンとキートンは全く似ていないように見えながら、とても似通っているのである。
形は異なるけれども、どちらも本気の恋愛から逃げている。
傷つくのが怖いからだ。
本気になって、自分がボロボロになるのが怖いから、逃げるのである。
逃げ方が異なるだけだ。

そんな二人が本気の恋に目覚め、傷つき、心境に変化を生じている過程が実に丁寧に描かれている。
ニコルソンの心臓の痛みは、病気によるものではなく、恋の病によるものだ。
男は恋の病に鈍感ということを揶揄しているように感じる。
自分の過去の女性を巡って、自分のことを整理するというのは意外と面白い。
男は恋の病の癒し方をあまり分かっていないことを描いていると思う。

一方、キートンは自分の恋の傷を、戯曲化することによって癒していくというのは面白いアイディアだ。
本気の恋で傷ついた心の癒し方を女性は心得ているようにも感じる。
思いっきり泣いて、傷を癒して、また新たな恋へと向かわせるのである。

そういう趣旨を踏まえると、このラストは不満だ。
他の作品でも見られるナンシーマイヤーズ節というのがあり、「成功」→「失敗」→「成功」という流れで描くのが彼女の特徴だ。
今回も例えば、
①ニコルソンとキートンが始めてヤる。
②キートンは独り寝の孤独を知っているから、ニコルソンと一緒に眠りたがったが、ニコルソンはやはり一人で寝たいと言い出す。
キートンはやや不満だったが、致し方ないと諦める
③しかし、ニコルソンは悩んだ挙句、キートンと一緒に眠ることを選択する。
④通常4時間程度しか寝ない二人が8時間もぐっすりと眠ってしまう。

「成功」→「失敗」→「成功」という流れは彼女の特徴的な描き方だ。
本作のラストも、
①ニコルソンがキートンとパリで半年ぶりに再開して、二人がヨリを戻すかのように思わせる。
②そこにキアヌが登場して、彼らの恋愛が完全に終わったと思わせる。
③ニコルソンが橋の上で寂しそうにしているところをキートンが登場し、二人の関係が元に戻る。
という流れである。
ハッピーエンドで良かったねという感想を抱く者もいるとは思うが、個人的にはニコルソンとキートンは上手くいかない方が良かったのではないか。

キートンはニコルソンとの出会いを通して、恋愛の素晴らしさを知り、恋愛の痛手を癒して、キアヌとの新たな恋愛をスタートさせたのである。
ニコルソンは若干恋愛に鈍感だったため、傷の痛手を上手く癒すことができず、過去の恋愛を引きずってしまう。

ラストにおいて、恋愛の感じ方の男性と女性との違いを表現できたのではないか。
男性は大切なものを失って、しばらくして大切なものだと気付く愚かなところがある。
女性は大切なものを失っても、再び大切なものをみつけようとする前向きなところがある。
また、男性であっても、大切なものを失い、その価値に気付いたら、再び大切なものを見つけようとすべきだというメッセージを込められなかったか。
ハッピーエンドだけでなく、どこか人生の苦々しさを感じさせる作風にもトライしてもらいたいものだ。

ナンシーマイヤーズは、本作では「失敗」→「成功」→「失敗」という流れにチャレンジしても良かったと思う。
そうしないとワンパターンだなと思われてしまうのではないか。

ラストでは描けなかったが、男女における恋愛感の違いというものも結構描かれている。
男性は一人の女性を本気で愛していても、それは自分の「一面」であって、もう「一面」で他の女性を口説くこともできる。

女性はその「一面」が全てなのかもしれない。
一人の男性を本気で愛してしまえば、一途に突っ走ることしかできない。
一人の男性を愛しながら、他の男性を愛することはできないのかもしれないというようなことを感じられた。
これは個人差があると思うが、平均的には結構当たっているのではないか。

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「ファミリーゲーム」DVDレビュー 【映画】

◆評  価    8.0点
◆分かりやすさ  A
◆おススメ度   A(思わぬ名作)

3月24日にナンシーマイヤーズ監督の「ホリデイ」が公開されている。
作風を知るためにも、過去のナンシーマイヤーズ監督作品でも観てみようかなと思ったら、思わぬ名作に巡り合えた。
ロンドンとアメリカの二カ国を利用し、互いに入れ替わるというアイディアはこの段階から既に構想されていたようだ。

ディズニー映画らしい、実にハートフルな映画である。
親子愛の深さや暖かさを感じられる素晴らしい映画に仕上がっている。
親が子を想う深さ、子が親を想う深さがユニークな設定で描かれているのがとても面白い。

双子役という設定を、一人二役で演じたリンジーローハン(11~12歳くらいか)の演技と、それほど違和感を感じさせない撮影技術も評価したいところだ。

とにかく脚本が優秀だと感じた。
①アニーとハリーの二人の入れ替わり作戦の行方
②ニックとメレディスの結婚の行方
③ニックとエリザベスの復縁の可否
という三つのストーリーを上手くミックスさせて、先を読ませないテンポのよいストーリーとして構成されている。

②の展開に、特段深い仕掛けがないのがとてもいい味となっている。
メレディスが金目当てでニックと結婚をするということを、ニックが偶然聞いてしまうといったようなメレディスが墓穴を掘るような単純な仕掛けを施していない。
ただ、双子の娘と婚約者のメレディスがニックと山登りをするだけのことだ。
キャンプ中に婚約者に娘たちがちょっとした悪戯をするに過ぎないのだ。
そのナチュラルなやり取りがとても味わい深いものとなっている。
愛情の有無の確かめ方に特別なやり取りは必要ない。
日常的なやり取りで、自分に愛情があるのか、ないのかが分かるのである。
この部分だけでなく、全般的にとても女性らしい、やわらかいタッチで描かれていると思う。

また、③に関しては、11年という時間の隔たりからニックとエリザベスの関係は結局、上手くいかないのだと観客に示しておきながら、以前別れた際の逸話(注)を上手く利用して、最後のオチとして盛り上げている。

①「ニックはメレディスとの結婚を諦める」→観客を盛り上げる。
②「エリザベスはニックとの復縁を断る」→観客はやはり現実は甘くないのだとちょっと残念に感じる。
③「ロンドンまでニックが追いかけてくる」→観客は大いに盛り上がる。
①で盛り上げて、②でいったん冷静にさせて、③で一気に再度盛り上げるという流れにすることによって、観客が心情は大いに揺れると思う。

ただの映画ならば、①→「ニックとエリザベスが復縁する」→ハッピーエンドという流れにするのだろう。
それならば、普通に「良かったね」と思うだけの映画になってしまう。

やはり、②を挟むことによって、観客の心情に複雑な想いを感じさせるような手法を取り入れているのが本作の良さだ。
障害が大きければ大きいほど、観客も感情移入できる。
②を挟むことによって、観客をいっそう本作に魅了・感動させられる。

ストーリー設定も極めてユニークであり、脇役や悪役も含めて、各キャラクターも生き生きとしている。
なかなかナンシーマイヤーズはとても優秀な製作者だと感じられる一本である。
この分だと「ホリデイ」も期待できるのではないか。


(注)以前ニックとエリザベスが別れたときには、ニックはエリザベスのことを考えて後を追わなかったことを後悔している。
エリザベスは後を追ってきて欲しかったのに追ってきてくれなかったという想いを引きずっている。

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「女王陛下の戦士」DVDレビュー 【映画】

◆評  価    7.0点
◆分かりやすさ  B(人間関係がちょっと不明瞭)
◆おススメ度   B+(ヴァーホーベン監督直球の戦争映画)

79年に製作されたヴァーホーベン監督によるオランダ映画。
エログロ系で有名なヴァーホーベン監督であるが、随所にエログロ系が見られるものの正統派の戦争・友情映画である。

本作は第二次世界大戦のドイツ占領下におけるオランダのレジスタンス活動を描いた映画である。
失敗、成功、裏切り、過酷な試練等、壮絶な一大叙事詩として仕上がっている。
また、ヴァーホーベンらしくサービス精神満載のエンターテイメント映画にも仕上がっているので、それほどの重さは感じられない。
3月24日に公開される「ブラックブック」の予習にはもってこいの映画だと思う。

メインはレジスタンス活動なのかもしれないが、戦争によってそれぞれの運命に引き裂かれた友情を中心に添えている。

大学時代の下宿先で、一枚の写真に写された6人の男たちの運命が悲劇的に描かれている。彼らはそれぞれ過酷な運命を辿るのである。
整理すると以下の通りとなるだろうか(鑑賞一回のみなので誤認があるかも)。

エリック(エドガーハウアー):本作の主人公。目が以上に悪い。最終的には生き残って女王陛下の帰還時の護衛役となる。

ヒュース(会長殿):エリックの無二の親友。裏切り者のロビーを始末した代償として、捕えられギロチン送り。

ヤン:ボクシングのチャンピオン。イギリス行きに失敗して捕らえられる。偽情報をエリックに流してレジスタンス内部を撹乱するために利用される。利用後は土砂に穴を掘って、射殺して穴に葬る。

アレックス:ドイツに傾倒し、ナチスに加わる。少年をからかったため、トイレ中に爆弾を放り込まれて爆死。

ニコ(几帳面):レジスタンス脱出計画に失敗して、海岸で射殺される。

ジョージ:あまり出番がなく最後まで生き残る。

写真に写っていないが、以下の二人も重要なキャラクター。
ロビー:エリックの友達。無線の使い手でもある。ユダヤ人の恋人を守るために、ドイツの手先となる。

エスター:ロビーの恋人。ロビーがドイツの手先となったことを知りつつも、運命に自分の身を委ねる。

それぞれの生き方を模索する若者の生き様がとても印象的だ。
ドイツに傾倒する者、自己保身を図る者、レジスタンス活動にのめり込む者、本作ではそれぞれの考え方を非難する姿勢は描かれていない。
それぞれの考え方がたとえ間違っていても、強い友情で彼らが結ばれていることを描いている。
レジスタンスのエリックとドイツの手先となったアレックスの二人のダンスや、行進中のアレックスがエリックを見つけて嬉しそうに手を振るシーンはとても心に残った。

惜しむべくは、彼らの学生時代のネタが若干物足りないところか。
新入生歓迎会→ヒュースの下宿での撮影会→テニス中での戦争開始という流れでは少々忙しすぎる。
6人の紹介と彼らの「友情」にまつわるワンエピソードが欲しかったところだ。


それにしても、予想に反して本作は間違いなく良い映画である。
大戦中のオランダ国女王のイギリス逃亡という歴史の一端を明らかにするとともに、レジスタンス活動の隠された真実と、それらを「友情」に絡めて、観客の興味を引く物語に昇華させた上手さが感じられる作品である。

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「クッキーフォーチュン」DVDレビュー 【映画】

◆評  価    7.0点
◆分かりやすさ  A(極めて容易)
◆おススメ度   B+(アルトマン監督の良作。ジュリアンムーアの演技を見るだけでもよい)

99年に製作されたロバートアルトマン監督作品。
朗(ほが)らかな田舎町を舞台にしており、殺人事件にも関わらず終始朗らかな雰囲気が漂っている。
監獄に収監していても、扉はオープンされており出入り自由。
ゲームに興じたり、パーティーをしたりと好き放題にやっている。

しかし、ラストでは一転して、ドス黒い人間の醜さや本性を垣間見せる。
これは見事なコントラストとしか言いようがない。

白いキャンバスに黒いシミをつければ、そのシミは余計に際立つ。
もし、キャンバスに青く色づけした後に、黒いシミをつけたとしても、そのシミが目立たないことをアルトマンは理解している。
極めて良心的な人間像を描きながらも、密かに感じられる人間の闇をプロフェッショナルな技法で浮き彫りとさせる。
観客は上手く説明できないが、どことなく末恐ろしい恐怖を感じるのではないか。

アルトマン監督の「ゴスフォードパーク」は本作の裏返しではないか。
ドス黒い人間の醜さが渦巻く殺人事件をテーマにしながら、一点輝く無償の親子愛を描いている。
こちらの方は黒地のキャンパスに白いシミをつけているのである。

アルトマンの趣旨を理解した俳優たちの好演も光った。
人間の本性を垣間見せたジュリアンムーアと道化師役のグレンクローズの双方の素晴らしい演技があったから、本作は相当引き締まったのである。

本作でムーアが取った行動の意味とは、まさに復讐なのだろう。
ムーアはクローズに自分の夫を寝取られ、自分の娘ではない娘を育てるという苦痛を担わせられたのである。
日々クローズからバカにされて、クローズは自分の能力の高さを周囲にひけらかす。
そんな姉に我慢できなかったのだろう。
全ての状況証拠をクローズの犯罪に仕立て上げた脚本の上手さも絶妙だったといえる。
全く落ち度のない脚本だ。


やっぱり、アルトマンは凄い監督だと認識せざるを得ない。
現在公開中の「今宵、フィッツジェラルド劇場で」も公開中に見ておきたくなった。
「ショートカッツ」や「ザ・プレイヤー」といった作品もいまだに鑑賞しておらず、いつの日かアルトマン監督を集中的に見てみたいものだと感じた。

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2007年1月クールドラマ視聴率結果(十話目等)

順位  タイトル   初回   最新話 前話との対比 平均(予想平均)
1位「華麗なる一族」 27.7%  30.4%(▲5.5%) 23.9%(23.0%)(終)
2位「花より男子2」  19.4%  27.6%(▲5.7%) 21.7%(19.0%)(終)
3位「ハケンの品格」 18.2%  26.0%(▲6.1%) 20.1%(13.5%)(終)
4位「東京タワー」   14.2%  18.1%(▲3.9%) 15.0%(16.5%)(終)
5位「特命係長只野仁」13.4%  17.0%(▲2.8%) 14.3%(14.0%)(終)
6位「拝啓、父上様」  12.9%  14.3%(▲1.9%) 13.1%(15.0%)
7位「エラい嫁」     16.1%  11.7%(▲1.4%) 12.7%(12.0%)(終)
8位「ヒミツの花園」  14.7%  12.0%(▽0.4%) 12.5%( 9.5%)
9位「今週、妻が浮気」12.5%   9.4%(▲0.1%) 10.0%(14.0%)
10位「きらきら研修医」10.4%   8.2%(▽0.1%)  9.4%( 9.0%)
11位「わるいやつら」 13.6%  10.1%(▲0.3%)  9.4%(13.5%)(終)
12位「演歌の女王」  10.9%  10.4%(▲2.7%)  9.1%(16.0%)(終)

最終回を迎えて、どの視聴率も激増した。
ドラマ冬の時代と言われて久しいが、十数年ぶりに平均視聴率20%を超えるドラマが1クールに3本も誕生したのはなんとも嬉しい限りだ。

「華麗なる一族」の最終話が視聴率30%を超えた。
視聴率30%を超えたのは、05年春クールの「ごくせん2005」以来2年ぶりのこと。
04年春クール「白い巨塔」のラストが32.1%であったが、これには劣るものの、数字的には堂々と「白い巨塔」に渡り合えるものだ。
平均視聴率では「白い巨塔」の2クール合計の23.7%を上回る23.9%を記録した。

木村拓哉にとっても「エンジン」「プライド」が記録できなかった30%超えを達成したことで、いまだに人気が衰えていないことを証明できてよかったのではないか。
「GOODLUCK」のラストが37.6%、「HERO」のラストが36.8%、「ビューティフルライフ」のラストが41.3%という歴代の伝説ドラマには勝てないまでも、30%超えは十分すぎるほどの記録だ。
勝因はなんといっても木村拓哉の存在だろう。見事に役柄を全うした。
また、山崎豊子原作ということで「白い巨塔」並の面白いドラマを視聴者は期待したのではないか。
「白い巨塔」というフンドシを借りての勝負だったが、視聴者を惹きつけるためにはやむを得ない。
さらに、豪華キャスティングに加えて、北大路欣也という知名度が高いながらも、あまりドラマで見かけない俳優を中心に添えたのがプラスと出た。
序盤にあまりにも人間的な弱さを感じられたものの、ドラマに重厚感を増したのは彼の存在が大きかった。

平均視聴率は23.9%となり、予想の23.0%を上回った。
ややとっつきにくさなどを加味して若干低めに予想したつもりだったが、それほど重さや難解さはなく、視聴者がすんなりと受けいられる程度のほどよい重さに仕上げたのが良かったのではないか。
フジテレビが「あるある」で墓穴を掘ったのも多少後押ししたような気がする。

山崎豊子原作はまだまだ残っており、今後もドラマ化・リメイクされそうな気がする。
05年秋クールに放映された米倉涼子主演の「女系家族」(平均視聴率13.8%)も山崎豊子原作だったようだ。
NHKはすでに「大地の子」「二つの祖国」をドラマ化している。
TBSは「華麗なる一族」、「女系家族」、79年に「不毛地帯」を手掛けており、フジテレビは「白い巨塔」をリメイクした。
残る「沈まぬ太陽」をドラマ化するのはどの局となるだろうか。


「花より男子2」も視聴率27.6%を記録し、目標だった「ハケンの品格」の最終回26.0%を上回った。
通常1クールに1本あるかないかの視聴率25%超えを、3本のドラマが達成するというのは本当に快挙だと思う。
これも数十年ぶりのことではないか。

原作の圧倒的な人気を見事にドラマの支持に変えたといえる。
「NANA」「DEATH NOTE」のように映画でも漫画原作はヒットする。
人気漫画を原作にするドラマは視聴者からかなり受けいられ易いと思う。
近年増加傾向にあるが、この傾向はさらに拍車がかかりそうだ。
今クールは実は意外と少なく、本作と「特命係長只野仁」の二本だけだったが、そのうち、ほとんど全てが漫画原作というクールも登場するのではないか。

前作がかなりヒットしたドラマ(平均視聴率19.7%)だったが、それを過剰人気だと思い、前作よりも若干落ちると予想したが、その予想を見事に裏切られた。
原作を自分は全く知らないので、人気具合が分からず、なかなか予想が難しかった。
日本テレビの映画に「千と千尋の神隠し」程度しか隠し玉がなかったのもよかったのではないか。

井上真央にそれほど人気があるとは思えないため、やはり男性四人組の人気なのだろうか。
そう考えると井上真央のキャスティングにも納得がいく。
あまり美人でもないため、嫌味がなく、視聴者から批判を浴びないのではないか。
このキャスティングが物凄い美人だったりしたら、上手くいかないだろう。
もし上戸彩だったら、これほどの視聴率は稼げなかったと思う。


「東京タワー」は最終回18.1%を記録し、地味に平均視聴率15%を記録した。
初回に14.2%を記録し、低視聴率としてニュースになったのがウソのようだ。
月9としては、前クールの「のだめカンタービレ」の平均視聴率18.8%などには負けるものの、「サプリ」の14.2%、「不機嫌なジーン」の14.2%あたりには勝っており、合格点と落第点のちょうどギリギリといったところか。
映画の公開を邪魔しない程度に頑張ったのではないか。
予想は16.5%と多少低めに予想したものの、それを下回る15.0%という結果だった。
主演もこみちとこのテーマがなかなか読みづらかった。


「特命係長只野仁」も17.0%という凄まじい視聴率を記録した。
過去の2作のどの回よりも上回るものだ。
今回どのような終わり方をしたのかさっぱり分からないが、当然続編という声も出てくるだろう。
固定層からのかなりの支持が窺われ、そうそう失敗しないシリーズと成長しそうだ。
初回視聴率が13.4%とあまりパッとしなかったので、多少飽きられてきているのかと思ったが、そういうわけではなかった。
「2」の平均視聴率が14.1%であり、今回の「3」はそれを若干上回る14.3%を記録した。
予想としては、前作と同様程度という単純な読みをしたのがそのまま当たった。


「演歌の女王」は盛り上げることなく最終回を迎えた。
今クールでのシンガリ負けをほぼ確定とさせる結果となった。
天海さんは「女王の教室」や「トップキャスター」といった話題ドラマで主演しており、ここまで視聴率を落とすとは思わなかった。
16.0%と予想したのに、まさか9.1%しか取れないとは…。

本ドラマが失敗した理由として考えられるのは、以下のとおり。
・演歌というネタはあまりにも冒険しすぎた。
・原田泰造、酒井若菜という脇役があまりにも貧弱すぎる。
・土曜日9時という枠(子ども向き)と内容が合っていない。
・天海さんはそれほど視聴率を稼げる女優ではない。

天海さんのキャラクターと役柄が合っていなかったのも大きい。
時代は「ハケンの品格」のように男性にも媚びずに負けない女性像を求めているのだから、天海さんにはそういう役柄をキャスティングすべきではないか。

天海さんにとっては役柄の幅を広げるための挑戦だったと思うが、その挑戦は見事に失敗したといえる。
次回からはいつもの天海さんのキャラクターに戻ることが予想される。

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「華麗なる一族(九・十話)」レビュー 【ドラマ】

<九話>
大介と鉄平の法廷における直接対決となり、多少見応えがあった回だった。
鉄平の隠し玉はうまく交わされてしまい、裁判は大介の圧倒的有利で進む。
裁判における注目は銭高常務の証人尋問に絞られていくという流れだった。

しかし、鉄平とヨシヒコの会話を偶然盗み聞きして銭高が翻意するという仕掛けはあまり好きではなかった。
退職届と制服を返しにいくという理論で補強をしているものの、いくらなんでもご都合主義的と言わざるを得ない。

鉄平が銭高の家に何度も訪れて、「主人は何日も家を空けている」と奥さんに言われているのだから、「お話したいことがあります。○日の○時に工場でお待ちしています」というような置き手紙を残していけば無理な設定ではなくなる。
ドラマ内で奥さんに「待っている」と伝えてくれと言うぐらいでは足りない。

手紙を残して、鉄平は銭高が来るのを工場で待っていたことにすればよい。
ヨシヒコはたまたまあの場所にいたのではなく、皆に隠れて毎日工場で実験していたという設定にすれば、ヨシヒコがあの場にいたことも説得力が増す。

それにしても、相変わらず鉄平は何もできず、周りの人が勝手に動いて事態が改善していっている気がする。
詳細には覚えていないが、高炉計画融資資金が足りなかったときも、突貫工事用の人材が足りないときも、鉄平が方々で頭を下げて頼みまくっても断られまくったあげく、結局自分の力では何も動かすことができなかった。
鉄平の熱意と情熱にほだされた第三者の誰かの力で好転していっている。

鉄平の情熱によって人が動くということを言いたいのだろうが、二度ならず三度もこれをやってしまうと、ちょっと脚本に問題ありと言わざるを得ない。

銭高が出廷するかどうかは分からずに、無策で法廷に臨むという鉄平のやり方はあまり賢いやり方ではないが、演出的に一般的なドラマにありがちな閉廷ギリギリで銭高が出廷するというのもいかがなものか。

よかったのは、万俵寧子を演じる原田美枝子だ。
鉄平の形勢が逆転しても、ひとり喜んでいない表情が印象的だ。
鉄平の母親でもあり、大介の妻でもある。
そういう設定を見事に把握している表情だ。

<十話>
ギリギリで銭高が出廷して、大介の関与を証言したものの、大介のとっておきの隠し玉で勝負はあっけなく終わる。
銭高が出廷するかどうかなどは問題ではなく、訴訟に打って出たところで、初めから勝ち目のない戦いであったのだ。
鉄平の情熱にほだされた銭高は華麗なる無駄死にとしか言いようがない。

結局、銭高の証言も管財人によって根拠なき証言としてうやむやにされてしまう。
前回の回は、果たしてなんだったんだというオチの付け方はあまり納得がいかない。

最後は鉄平の死をもって、万俵家の呪縛から面々は開放されていく。
鉄平の死に至る経緯がやや不満足であり、視聴者はあまり鉄平に感情移入できないような気がするのが、もったいなかった。
どうあっても「死」以外の途がないという追い込み方が若干足りない。
言葉ではなく、美しい風景を利用して鉄平の内面を語ってはいたが、視聴者はどう感じただろうか。

この前のレビューでも触れたとおり、辛かったのは鉄平だけではなく、大介も同じである。
どんなに愛そうと努力をしても、憎き先代の影がちらついてしまってはどうしようもならないというのはとてもよく分かる。
すべての元凶は先代の行為によるものだ。
愛する妻のことを「マシュマロのような肌だな」と自分の父から言われたら、理性の押さえは利かないのは致し方ない。

何もかも切り捨て、最後には自分の息子まで切り捨てた大介であったが、自らも切り捨てられる運命を匂わして、ドラマは幕を閉じるというやり方はなかなか良い。
大介の掌ですべての人々が動いているように見えて、その大介を掌で操っているさらに大きな存在がいるのである。


木村拓哉の演技についても触れてみたい。
個人的にはなかなか良かったのではないか。
随所にいい表情をしていると感じられた。
特に前回、銭高が出廷したときの表情がよかったと思う。
見事に大役を果たしたといっていい。
「何を演じてもキムタク」と言われている中で、合格点を与えられる演技だ。
鑑賞をしていないが、「武士の一分」「2046」などで、自分の幅を広げようと努力している姿勢も感じられる。
しかし、今度映画化される「HERO」はキムタク節を全開にしてもいいと思う。
キャラクターによって、自分の演技を使い分けるべきだろう。


前にもこのドラマのCMの作り方を非難したことがあったが、鉄平が死ぬということを本編の前に視聴者に知らせるというのは、視聴者を無視しているとしか思えない。
原作が有名であり、そんな結末は誰でも知っているという反論するかもしれないが、少なくとも自分はそんな結末は知らない。
若い世代は、このドラマ放送前には原作の存在すら知らないだろう。

そのCMによって、視聴率30%を取ったという事実は評価される。
しかし、ストーリーを視聴者により面白く伝えたいという情熱を感じられないのである。

最後の鉄平の言葉を借りて、彼らの行為を非難したい。
「ドラマ関係者はちっぽけな存在だ。
自分の作成するドラマを強く見せようとして、背伸びしては傷つき、その傷口を自分自身で広げてしまう愚かで弱い生き物だ。
だからこそ、ドラマ関係者は高視聴率という夢を見るのかもしれない。
高視聴率という夢の実現には困難を伴い、ときとして夢はドラマ関係者を苦しめる。
それでも僕は未来を切り開くことができるのは高視聴率という夢に情熱を注ぐドラマ関係者の力だと信じている。
しかし、志を忘れたとき栄光はすぐに終わりへ向かうだろう。」


「人間はちっぽけな存在だ。
自分を強く見せようとして、背伸びしては傷つき、その傷口を自分自身で広げてしまう愚かで弱い生き物だ。
だからこそ、人間は夢を見るのかもしれない。
夢の実現には困難を伴い、ときとして夢は人を苦しめる。
それでも僕は未来を切り開くことができるのは夢に情熱を注ぐ人間の力だと信じている。
しかし、志を忘れたとき栄光はすぐに終わりへ向かうだろう。」

以上の鉄平最後のセリフの改変だが、ドラマの内容ではなく、CMで餌を撒いて、視聴者を釣るというやり方ではなく、より面白いストーリー、優れた演出、魅力的なキャスティング、俳優たちの卓越した演技によって、視聴者を魅了するものである。

よいドラマを作成するのではなく、CMで人を釣るという姿勢ならば、視聴率30%という栄光は終わりに向かうだろうと言いたい。


「華麗なる一族」総合評価 7.0点
(「白い巨塔」は10.0点満点)

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国内映画興行収入ランキング(3月3週目) 【映画】

先週の予想とは微妙にズレながらも、そこそこ近い結果にまとまったような気もする。
1位には、「ナイトミュージアム」が登場。
「映画ドラえもん」が今週も連覇するという予想をしたが、2億近く稼いだ先行分抜け出したのだろうか。
大人も子どもも楽しめる下品ではないコメディ作品というのは、安定した成績を上げられそうだ。
しかも、男性でも、女性でも楽しむことができるというのも大きい。
「ハッピーフィート」はどちらかといえば子ども向きであるし、「デジャヴ」は大人向きの男性作品だ。

20億円程度と事前に予想したが、「ナイトミュージアム」はもっと稼ぐかもしれない。
次週以降、しばらくは、「映画ドラえもん」VS「ナイトミュージアム」という図式になるだろうか。
個人的にはそれほどレベルが高い作品とは思えないが、構えることなく、可も不可もなく万人がそこそこ楽しめるというお手軽さが受けていると思う。

2位に甘んじてしまったが、「映画ドラえもん」は近年でのシリーズ最高レベルの興行収入は狙えると思われる。
35億円程度は稼ぎたいところだろう。

3位には「アンフェア the movie」が予想通り登場。
「映画」→「ドラマ」という流れはあまりパッとしないことが多いが、「ドラマ」→「映画」という流れは結構の確率でヒットするパターンではないだろうか。
「海猿」「TRICK」「木更津キャッツアイ」「踊る大走査線シリーズ」とこのパターンは稼げることが実証されている。
知名度が高い上に、多くの人がストーリーやキャラクターに馴染んでおり、コアな映画ファンだけでなく、一般人にもとっつきやすいのだろう。
ドラマの延長線、スペシャル特番的に手軽に楽しめるのだと思う。
製作サイドとしても、過剰な宣伝費を掛けなくてもよいし、仕上がり具合もだいたいの目安もつく。

フジテレビは、このパターンを稼げるパターンだと既に認識しており、今後は「西遊記」「HERO」とリリースしていく。
「ヒットドラマ」→「映画」のパターンは他の局も追随し、今後一層増加していくだろうか。
日本テレビは「明日があるさTHE MOVIE」という汚点もあるが、ひょっとしたら「ごくせん」や「ハケンの品格」などを映画化してみようなんてことも考えているかもしれない。

「アンフェア the movie」はヒットしているということ以外には、評価等があまり聞こえてこないのは気になるところ。
あまり高評価されているわけではなさそうだ。
初週は勢いがあったが、トータルの興行収入としてはあまり過度な期待はできないかもしれない。

4位には「ハッピーフィート」が登場。
先週の予想では「デジャヴ」に負けるのではないかと思ったが、やはり先行公開した1億円程度の分だろうか、「デジャヴ」よりも上位に登場した。
ピクサーやディズニー系ではないアメリカCGアニメ作品の上位組と同程度の興行収入10億円超になりそうだ。

5位の「デジャヴ」は硬派なアクション映画であり、万人向けではなかったか。
アメリカでも期待以上の興行収入を上げることができなかったが、はっきりいって非常に面白い映画だ。
トニースコットの魅力が詰まった映画であり、もっと多くの人に見てもらいたいのだが。
同監督の「マイボディガード」の10億円以上は少なくとも稼いでもらいたい。

6位には予想通り「バッテリー」が急落したが、相手が悪すぎただけで、本作は十分健闘しているといえる。

3週目の「蒼き狼 地果て海尽きるまで」が、初週ではあるが「ケロロ軍曹2」に敗れてしまった。
さすがに狼がカエルに負けるとは思わず、「蒼き狼 地果て海尽きるまで」を7位と予想したが、7位になったのはなんと「ケロロ軍曹2」だった。
8位となった「蒼き狼 地果て海尽きるまで」はかなり末期的な状態であり、このままいくと製作費と宣伝費の3分の1程度の興行収入で終わるのではないか。
当然興行収入的には「アンフェア the movie」が上回ることは言うまでもない。


<今週公開される主な作品>
○「ホリデイ」日劇PLEX3ほか
キャメロンディアス 、ケイトウィンスレット 、ジュードロウ 、ジャックブラック主演
ナンシーマイヤーズ監督(代表作「恋愛適齢期」「ハートオブウーマン」)
※イギリスとアメリカに住む二人の女性が、失恋を機にお互いの家を交換するホームエクスチェンジを行う模様を描く。
それぞれの地で新しい出会いなどを通して、自らの傷を癒していく。
新しい出会いはあったとしても、最終的には自分の国に帰らなくてはならないという設定が面白くなりそうだ。
全米興行収入は約63百万ドル。


×「蟲師」丸の内TOEI2ほか
オダギリジョー、蒼井優、江角マキコ主演
大友克洋監督(代表作「AKIRA」「スチームボーイ」)
※人気漫画の映画化。
蟲が引き起こす現象を鎮めながら、旅をする男(オダギリ)を通して、自然の神秘的なものを描くという作品だろうか。
多少「どろろ」と被るのが、プラスと出るのか、マイナスと出るのか。


×「アルゼンチンババア」銀座東劇ほか
役所広司 、堀北真希、鈴木京香出演
長尾直樹監督
※よしもとばななの小説を映画化。
妻に先立たれて失踪してしまった父親(役所)がアルゼンチンババア(鈴木)の屋敷で見つかった。
父親を訪ねて、娘(掘北)が怪しい屋敷へと向かう。
大切な家族を失った際の家族の絆を描いた映画。


○「ブラックブック」新宿テアトルタイムズスクエアほか
カリスファンハウテン 、トムホフマン出演
ポールヴァーホーヴェン監督(代表作「ショーガール」「氷の微笑」「危険な愛」)
※ヴァーホーヴェン監督の母国オランダで久々に製作された映画。
ナチス占領下オランダにおけるナチスへの復讐やレジスタンス内の裏切りなどを壮絶に描く。


×「甲虫王者ムシキング スーパーバトルムービー ~闇の改造甲虫~」「オシャレ魔女 ラブ and ベリー しあわせのまほう」シネマGAGA渋谷ほか
※両作とともに子どもたちに人気のカードゲームを映画化したもので上映時間はどちらも50分程度。


×「ヘレンケラーを知っていますか」銀座シネパトス
小林綾子出演
中山節夫監督
※視・聴力を失った女性(小林)と自殺願望を抱える少年の交流を通して、少年が生きる希望を見出していく。


×「クロッシング・ザ・ブリッジ ~サウンド オブ イスタンブール~」シアターN渋谷
アレキサンダーハッケ出演
ファティアキン監督
※イスタンブール音楽の魅力を追求していくドキュメンタリー。


×「ユアン少年と小さな英雄」日比谷シャンテシネ
ジェームズコスモ 、オリヴァーゴールディング出演
ジョンヘンダーソン監督
※テリア犬のボビーと少年との交流を描いた心温まる映画。


×「ひいろ」シネマート六本木
小崎さよ、麻丘めぐみ、南田洋子出演
徳江長政監督
※中国人として育った主人公だったが、自分の父親が日本であることを知ってしまう。
父親の母親を訪ねて日本へとやってきた女性と祖母の交流を通して、戦争によって引き裂かれた絆を描く。


×「紅い鞄 モォトゥオ探検隊」ポレポレ東中野
ハスチョロー監督
※チベットの秘境で子どもたちのために小学校を作った中国人の姿を描く。


×「電撃BOPのセクシーマザーファッカーズに!!」渋谷UPLINK X<レイト>
中井正樹 、大西明子出演
島田角栄監督
※パンクロッカーとヤクザと活動家の三人が繰り広げるハチャメチャな映画。


今週ランクインが確実なのは「ホリデイ」と「蟲師」。
微妙なのが「甲虫王者ムシキングほか」。
前作は「劇場版超星艦隊セイザーX/劇場版甲虫王者ムシキング」として公開され、初週は6位にランクインしている。
今回は相方が微妙であり、ライバルも強力でありランク外と予想しておく。

「ホリデイ」のようなラブストーリーはなかなか予想が難しい。
大きくヒットさせるのは難しいジャンルだ。
06年の「イルマーレ」は約11億円、
04年の「恋愛適齢期」は約10億円となっている。
トータルでギリギリ10億円は厳しそうという感じだろうか。

「蟲師」はさらに予想が困難。
大きく当たりそうな気もするし、大きく外しそうな気もする。
しかし、どちらかといえば「どろろ」よりも多少間口は狭い気がする。
子どもが楽しめる作品ではなさそうであり、オダギリファン以外の女性向きでもない。
それならば男性が観る映画かといえば、そういう気もしない。
この映画を観る人は、漫画のファン、大友ファン、オダギリファン、蒼井ファンぐらいではないか。
個人的には10億円を超えない程度と予想してみたい。
「さくらん」といい勝負ではないか。
大友克洋監督といっても「AKIRA」は当の昔の作品であり、「スチームボーイ」はあまりヒットはしなかった。


<次週予想順位>
予想順位(今週) 自己評価 タイトル(主な公開劇場)
1(2) ×「映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険」(日劇PLEX2)
2(1) 済「ナイトミュージアム」(日比谷スカラ座)
3(3) ×「アンフェア the movie」(新宿東亜興行チェーン)
4(-) ○「ホリデイ」(日劇PLEX3)
5(-) ×「蟲師」(丸の内TOEI2)
6(5) 済「デジャヴ」(日劇PLEX1)
7(4) 済「ハッピーフィート」(丸の内プラゼール)
8(6) ×「バッテリー」(有楽座)
9(7) ×「超劇場版 ケロロ軍曹2 深海のプリンセスであります!」(新宿ガーデンシネマ)
10(9) ×「ONE PIECE」(丸の内TOEI)


[個人評価]
◎ 絶対観たい作品
○ できれば観たい作品
▲ DVDか映画サービスデイだったら観たい作品
△ 映画館では観ないけどDVDだったら観るかもしれない作品
× 観ることはないでしょうの作品
済 鑑賞済み作品

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全米映画興行収入ランキング(3月第3週目) 【映画】

順位(先週)公開週 タイトル (公開館数) 興行収入 (トータル収入)
1(1)2週目「300」     (3270館)$31,185,000($127,473,000)
2(2)3週目「Wild Hogs」  (3360館)$18,825,000($103,993,000)
3(-)1週目「Premonition」 (2831館)$18,000,000($18,000,000)
4(-)1週目「Dead Silence」 (1805館)$7,770,525($7,770,525)
5(-)1週目「I Think I Love My Wife」(1776館)$5,715,000($5,715,000)
6(3)5週目「Bridge to Terabithia」(3091館)$5,141,000($74,917,000)
7(4)5週目「ゴーストライダー」 (2824館)$4,000,000($110,202,000)
8(5)3週目「ゾディアック」 (2362館)$3,073,000($28,923,000)
9(6)6週目「Norbit」   (2016館)$2,722,000($92,394,000)
10(8)5週目「ラブソングができるまで」(1850館)$2,200,000($47,377,000)
(参考:IMDbのボックスオフィス)


3作の新作がランクインし、4週目で「The Number 23」、5週目で「Breach」、4週目で「Amazing Grace」で圏外に消えた。
ライアンフィリップ、クリスクーパー主演の「Breach」は3千万ドルしか稼いでいないが、そこそこ健闘したといっていいだろう。
ジムキャリー主演の「The Number 23」がコケたと言えるが、ジョエルシュマーカー監督作品の興行成績としては普通か。

「300<スリーハンドレッド>」が2週目で1億ドル突破した。
勢いは若干弱まっているものの、評価は依然高い水準をキープしている。
2億ドルはギリギリのラインか。

「300<スリーハンドレッド>」の影に隠れているが、「Wild Hogs」もなかなか優秀な成績だ。3週目で1億ドルを突破した。
最終的には1億5千万ドルあたりまで伸ばしていくだろう。
子供むきとは思えないコメディ作品で、地味な中年メンバーの主演ならば、この興行収入は大満足の結果だろう。

3位には、サンドラブロック主演の「Premonition」が登場。
共演は「ファンタスティックフォー」のジュリアンマクマホン。
監督はドイツ人のMennan Yapo。
サスペンスタッチのヒューマンドラマの模様。
交通事故で死んだはずの夫が翌日にも生きていた。
昨日の出来事は予感なのか、なんなのか…。
夫への悲劇を避けるべくサンドラが探るという内容。
評価は普通。
サンドラブロック以外にはあまり魅力を感じさせない映画であり、興行収入面ではなかなか優秀なオープニングだと思う。

4位には、「SAW」シリーズで「1」では監督、「2」では製作総指揮、「3」では原作・製作総指揮を務めたジェームズワン監督の「Dead Silence」が登場。
妻の死の真相を探るために、故郷に戻った男を主人公にしたホラー作品。
評価は普通。
もうちょっとオープニング成績が良いかと思ったが。
ちなみに、「SAW」シリーズのトータル興行収入は以下のとおり。
「1」が約55百万ドル
「2」が約87百万ドル
「3」が約80百万ドル
本作は「1」の半分程度となるだろうか。

5位にはクリスロック監督・脚本・主演の「I Think I Love My Wife」が登場。
理想ともいえる妻を持つロックだが、どこか満たされない日々、他の女性に惹かれてしまう日々を送っている。
そんなある日、旧友の女性と出会い、心を動かされていくというストーリー。
「結婚」とは何かということを問いている作品のようだ。
72年のフランス映画「愛の昼下がり」のリメイク。
評価はこれまた普通。
クリスロックは03年の「ヒップホッププレジデント」でも監督・脚本・主演を努めている。
トータルで約38百万ドルを稼いでおり、今回はそれを下回ることはほぼ確実だ。


次週にはアダムサンドラー、ドンチードル、ジェイダピンケットスミス、リヴタイラー、ドナルドサザーランドなどが共演するヒューマンドラマ「Reign Over Me」が登場予定。
監督はMike Binder。
かなりの本数を監督しているようだが、ヒット作には恵まれていない。
9.11テロで家族を失った悲しみを抱えるサンドラーを旧友のチードルの友情が癒して、立ち直らせていくストーリー。
ジムキャリーの非コメディ作はヒットしなかったが、アダムサンドラーの非コメディ映画が観客からどのように受けとめられるかが楽しみだ。

サンドラーのコメディ作品は興行収入面においては、以下のようにほぼ外れがない。
06年「もしも昨日が選べたら」が約137百万ドル
05年「ロンゲストヤード」が約158百万ドル
04年「50回目のファーストキス」が約121百万ドル
03年「NY式ハッピーセラピー」が約134百万ドル
02年「Mr.ディーズ」が約126百万ドル

サンドラーの非コメディ映画(コメディメインではない作品)としては、
04年「スパングリッシュ 太陽の国から来たママのこと」が約42百万ドル
02年「パンチドランクラブ」が約18百万ドル
と低調な成績を収めている。
どちらに出るかは全く分からないが、印象としてはトータルで5千万ドル前後の作品ではないか。

首位になるのは「Reign Over Me」ではなく、今週水曜日から公開される「ザ・シューター/極大射程」になるだろうか。
マークウォルバーグ主演のサスペンスアクション。
「ディパーテッド」のアカデミー賞ノミネートも追い風になりそうだ。

大統領暗殺を命じられた狙撃手ウォルバーグが、裏切りにあいに、事件の陰謀を追及するという内容。
監督は大作を何本も手掛けながら、なかなかヒットさせられないアントワンフークア。
04年の「キングアーサー」は約52百万ドル(クライブオーウェン、キーラナイトレイ)
03年の「ティアーズオブザサン」が約43百万ドル(ブルースウィリス)
01年の「トレーニングデイ」が約76百万ドル(デンゼルワシントン)
00年の「ワイルドチェイス」が約15百万ドル(ジェイミーフォックス)
98年の「リプレイスメントキラー」が約19百万ドル(チョウユンファ)
1億ドルの大台に乗せたいだろうが、個人的には厳しそうな気がする。

また、競泳競技を舞台にしたスポーツドラマ「Pride」も公開予定。
「ハッスル&フロウ」で05年アカデミー賞ノミネートされたテレンスハワードとバニーマックが共演。
監督はSunu Gonera。今のところ実績はない。

その他に、06年のホラー映画「The Hills Have Eyes」の続編「The Hills Have Eyes II」もランクインすると思われる。
監督はMartin Weisz。彼は目立った作品を監督していない。
前作はオープニングが約16百万ドルで、トータルで約42百万ドル稼いでいる。

ミュータントタートルズのアニメ映画「TMNT」も公開される。
90年の実写版はなんと133百万ドルも稼いでいる。
「X-MEN」でお馴染みのパトリックスチュワートが声優で参加。
どの程度で登場するかは、まったく読めない。

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『デジャヴ』レビュー 【映画】

「デジャヴとは一切関係ない映画だが、なかなかの佳作。」

◆評  価    8.0点
◆分かりやすさ  A-(専門的なことはよく分からないがストーリーは容易に理解できる)
◆おススメ度   A(いまだかつて経験したことのないスリリングさ)

優れた映像クリエーターであるトニースコットの良さが前面に出た作品だ。
トニースコットは、一歩間違うと「ドミノ」のような自己満足のためだけに製作された駄作になってしまうが、ブラッカイマーのブロデュースだけあって万人が気軽に楽しめることができる作品に仕上がっている。

本作はデジャヴとはまったく関係なく、FBIの新兵器が大活躍する映画である(余談であるが、FBI捜査官をヴァルキルマーが演じているのだが、かなり太ってしまったのには驚いた)。

その新兵器とは、4日前の出来事のありとあらゆる場所を映し出すことができるシステムだ。
衛星からの情報によって可能となるものだが、それが家の中だろうと構わない。
赤外線による復元処理で360度全ての角度から画像をみることができる。

しかし、この新兵器は万能のように見えて、結構脆弱なシステムとなっているのが、本作の脚本の面白さに繋がっている。
ムチャクチャな設定も散見されたが、システムの脆弱さという理屈で一応整理されている。

映画は4日前の出来事と現在の出来事が同時並行的にテンポ良く進む。
観客はこの不思議体験に魅了されること間違いなしである。
特に4日前の車を現在の車が追いかけるというカーシーンは、いまだかつてない感覚を覚えるだろう。

気に入らないところは、タイムパラドックスやパラレルワールドの概念を突き詰められていないことだ。

パラレルワールドとは、今あるこの世界とは別の世界が存在するというものである。
もしタイムマシンを使って、過去の歴史を変えたら、そこから分岐して、新しい世界がスタートするのである。

タイムマシーンを使う前の世界と、タイムマシーンを使って過去の歴史が変わってしまった二つの世界が並存することになる。
過去の歴史を変えてしまっても、タイムマシーンを使う前の世界はそのまま変わらずに存在するとうのが、パラレルワールドの考え方だ(本作では過去の歴史が変わったら、現在の世界は消えてなくなるという整理)。

この考え方によると、タイムマシーンを使って過去に戻ったことによる事象が、タイムマシーンを使う前の世界に反映されることはないのである。

例えば、本作のような、救急車がテロリストのアジトで焼け焦げていたり、デンゼルワシントンの指紋がポーラパットンの家で採取されたり、デンゼルワシントンの止血用に使用したタオル等がポーラパットンの家に放置されているといったこと、「U CAN SAVE HER」といったメッセージなどが、現在の世界に起き得ることはない。

しかし、仮に時間の流れは一つしかないという考え方に立つのであれば、上記のようなことは起こり得る。
だが、この考えによると、フェリーのテロは実行され、ポーラパットンは殺されるという事実を変えることはできない。
起きてしまった歴史は変わらないのである。

この二つの考えがゴチャゴチャになってしまってないか。
トニースコットといえば「ハッピーエンド」症候群の第一人者でもある。
どんな状況でも、とにかくハッピーエンドで終わらせなければ気が済まないようである。
今回もチカラ技を使ってハッピーエンドで終わらせたために、歪みのようなものが生じているような気がする。

どうしてもハッピーエンドにしたいのならば、パラレルワールドの考え方を用いるべきだったと思う。
タイムマシーンを使う前の世界に、タイムマシーンを使った後の事象を反映させるべきではない。

個人的には、歴史は変えられないという展開の方が好きだ。
デンゼルの活躍でテロが防止できそうになるが、運命の悪戯が働き、結局デンゼルが見たのと同じ悲劇が繰り返される。
変えられそうで結局変えることができないのがやはり時間ではないだろうか。
歴史を変えられないから、人間は未来のために行動するというメッセージが足りない。

また、多少腑に落ちない点が二点。
デンゼルワシントンの同僚がいたと思うが、ペーパーを送らなければフェリー事件で死亡、ペーパーを送ったため犯人に焼き殺されるという結末を迎えた。
どのみち死ぬから悲しむ必要はないという結論だった気がしたが、そうするのではなく、本来ならば休暇でどこかに行くはずだったのに、ペーパーを送ったために、同僚はこの事件に首をツっこまざるを得なかったということをもっと強く押し出すべきだ。
同僚を殺したのは犯人なのではなく、ペーパーを送ったデンゼルワシントン本人なのだと観客に伝えた方がより面白くなるはずだ。

さらに、テロを起こした犯人が「裁判にもならんよ」と、テロに成功したにも関わらず、テロの失敗を予言しているのは気になる。
本作においては、その明確な説明はなかったと思われる。
もう少し工夫すべきではないだろうか。
例えば、犯人が、デンゼルが未来から来たことを知るとする。
デンゼルが未来の自分に「U CAN SAVE HER」というメッセージを送ったように、犯人も自分の死の間際に、未来の自分へメッセージを送ったとすれば整合性がつくのではないか。

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2007年1月クールドラマ視聴率結果(九話目等)

順位  タイトル   初回   最新話 前話との対比 平均(予想平均)
1位「華麗なる一族」 27.7%  24.9%(▲3.3%) 23.1%(23.0%)
2位「花より男子2」  19.4%  21.9%(▽0.4%) 21.1%(19.0%)
3位「ハケンの品格」 18.2%  26.0%(▲6.1%) 20.1%(13.5%)(終)
4位「東京タワー」   14.2%  14.2%(▽1.2%) 14.6%(16.5%)
5位「特命係長只野仁」13.4%  14.2%(▲0.2%) 14.0%(14.0%)
6位「拝啓、父上様」  12.9%  12.4%(▲0.1%) 12.9%(15.0%)
7位「エラい嫁」    16.1%  11.7%(△1.4%) 12.7%(12.0%)(終)
8位「ヒミツの花園」  14.7%  12.0%(▽0.4%) 12.5%( 9.5%)
9位「今週、妻が浮気」12.5%   9.4%(▲0.1%) 10.0%(14.0%)
10位「きらきら研修医」10.4%   8.1%(▽0.3%)  9.5%( 9.0%)
11位「わるいやつら」  13.6%  10.1%(▲0.3%)  9.4%(13.5%)(終)
12位「演歌の女王」  10.9%   7.7%(▽1.0%)  8.9%(16.0%)

「華麗なる一族」が3.3%増と最終回に向けて、かなり視聴率を上げてきた。
恐らく最終回は初回に近いような数値の26%前後程度は稼げるだろう。
平均視聴率の着地点は23%の後半になりそうだ。
「HERO」や「GOODLUCK!!」のような大成功というわけではなかったが、「エンジン」の平均視聴率22.4%を上回るものであり、キムタクブランドをなんとか保つことができたのではないか。

少々重めで明るさがなく、かつ、一話完結タイプではないストーリードラマのため、視聴率的にはそれほど稼げないことがあらかじめ予想はできていた。
この数字であっても一応の合格点を与えられる。
個人的な事前の平均視聴率予想は23%であり、予想は若干上回るものだ。
「華麗なる一族」最終回に対して、フジテレビは「爆笑レッドカーペッド」なるお笑い番組で勝負をかける。
全く異なる視聴者層を狙ったフジテレビのこの戦略はなかなかいいと思う。

「エラいところに嫁いでしまった!」は平均視聴率12.7%でフィニッシュ。
似たようなテーマの篠原涼子主演の「花嫁は厄年ッ!」の平均視聴率が12.0%なのであるから、メチャクチャ悪いというわけではない。
初回視聴率16.1%という貯金を活かし、予想よりも若干平均視聴率が高かったくらいだ。
さすがに本作と「ごくせん」と比べるのは酷というものだろう。

仲間由紀恵の関連視聴率を見てみると以下の通り。
07年春「エラいところに嫁いでしまった!」 12.7%
05年春「ごくせん2005」 27.8%
04年秋「東京湾景」13.8%(月9)
03年冬「TRICK3」 15.6%
03年夏「顔」 12.3%
02年冬「ナイトホスピタル」 9.3%
02年夏「ごくせん」 17.4%
02年春「TRICK2」 10.6%
仲間由紀恵は「ごくせん」「TRICK」以外にはそれほど視聴率を稼いでいた女優でもない。
次作はどのような作品に出るだろうか。
「ハケンの品格」のようなお仕事系ドラマに出たら、結構視聴率は稼げるのではないだろうか。

その「ハケンの品格」がラスト回で26.0%というもの凄い視聴率を叩き出した。
一瞬、我が目を疑ったくらいだ。
「花より男子2」「華麗なる一族」にはいいプレッシャーになった。
この二作が最終話26%越えが出来るかどうかが注目となった。
最終回26%という数字は「Dr.コトー診療所2006」「西遊記」「電車男」「エンジン」といった近年平均視聴率20%越えを果たした話題ドラマを超えるものであり、最終回26%を超えたのは、2年前の同じ日本テレビの「ごくせん2005」の32.5%まで遡らなくては成らない。

平均視聴率もギリギリ20%を突破。
日本テレビ系にとって、この3年のうち「ごくせん2005」に次ぐ平均視聴率20%突破ドラマとなった。
誰がここまでヒットすると思っただろうか。
平均視聴率15.6%の「anego」以下ではないかと思い、事前予想視聴率を13.5%と予想した自分が恥ずかしい。

一度も視聴したことがないが、イメージだけでこのドラマが当たった理由を考えてみたい。
・男にも負けない強い女性像にあこがれた。
・言いたいことも言えないこの世の中で自分のしたいことをする女性に惹かれた。
・派遣業界という新ジャンルとも言えるドラマの目新しさが受けた。
・着々とキャリアを積んだ篠原涼子の魅力。
・裏番組の貧弱さ、水10という競争性のない枠による利点。

強い女性像というのはドラマのヒットに繋がるような気がする。
「ショムニ」というドラマが以前あったが、シリーズの1・2ともに平均視聴率20%越えを果たしている。
江角マキコや今回の篠原涼子のような強い女性に憧れるのではないか。

ライバルが不在だったのも助かった。
「世界バリバリバリュー」や「水10!」あたりならば、ドラマを見ようと思う人が多いだろう。
この枠は上手く利用すれば視聴率を取れることを「14才の母」「ハケンの品格」で日本テレビは学んだのではないか。
4月からは松本潤主演の「バンビ~ノ!」が始まる。
20%とまではいかないまでも、最低でも15%以上、上手くいけば18%辺りまで稼げそうな気もする。


「わるいやつら」は平均視聴率9.4%でフィニッシュ。
一時は視聴率が6.2%まで落ち込み、本作が今クール最下位ドラマになるのではないかと思っていたが、ラストの二回でなんとか形を付けた。
「きらきら研修医」の平均視聴率が現在9.5%であるから、残り二回をあまり稼げないようでは逆転の目もある。

06年春クールの「けものみち」が14.7%
04年冬クールの「黒革の手帖」が15.4%
という流れできており、予想としては前作の1割減の13.5%あたりという予想を立てたが、3割以上の減という結果となった。
世間は予想以上にシビアだった。
松本清張シリーズ第三弾完結編というふれこみだったが、やはり多少飽きがきていたのだろう。

最終回と銘打っていても、よほど優れたシリーズでないと三度連続で当たるのは少ないのかもしれない。
先ほど触れた「ショムニ」も「1」が21.8%、「2」が20.4%、「3」が16.4%と激減している。
続編はヒットするが、3本目はヒットしないというのを今後のデータにしておきたい。

また、前二作が「木曜日9時」で放映したのに、今回は「金曜日9時」というのも痛かった。
本作の視聴者層の年齢は若干高めのOL層だと予想される。
金曜日の夜はドラマを見るのではなく、飲みにいってしまう層ではないか。
金曜日のドラマのターゲットは、中高校生か、主婦層にすべきだろう。
この枠でOL層を狙うべきではない。
「エラいところに嫁いでしまった!」と枠をチェンジすれば、このような結果にならなかったのではないかと、以前から書いているところである。
4月からは、内山理名・ 堀北真希主演の「生徒諸君!」となる。
狙いは中高校生層あたりだろうから、「わるいやつら」よりも若干視聴率が上がる気がするが、内山理名は高視聴率とは無縁のような感じがするので予想は難しい。

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「トゥルーロマンス」DVDレビュー 【映画】

◆評  価    7.0点
◆分かりやすさ  A(ストーリーが理解できない人はいないはず)
◆おススメ度   B+(面白いが傑作ではない)

トニースコット監督の93年製作の映画。
クエンティンタランティーノが脚本を書いている。
全米映画興行収入は約11百万ドルという悲しい結果となっているが、日本ではなかなか人気のある作品だ。

この映画の凄さはまずキャスティングにある。
主役はクリスチャンスレーターとパトリシアアークエットという微妙な組み合わせであるが、デニスホッパー、クリストファーウォーケン、ブラッドピッド、ゲイリーオールドマン、ヴァルキルマー、サミュエルLジャクソンという錚々たる面々が顔を揃えている。
彼らの出番は少ないながらも、それぞれに見所があり、彼らの存在感はいずれも高かった。

<デニスホッパー>
スレーターの父親役。
シシリア人の歴史を熱く語って、ウォーケンを煽りまくるシーンはなかなかのものだ。
また、アークエットとキスをした後、「確かにピーチだ」という一言のセリフがかなりいい味を出している。
あっさりと殺されてしまうのも流石ともいえる。

<クリストファーウォーケン>
シシリア人の殺し屋を熱演。
ホッパーのシシリア人の歴史を、笑いながらもいまにも切れそうな感じで聞いている緊張感はさすがの演技。
ホッパーを殺しただけで、あとには登場しないのが残念だ。

<ブラッドピッド>
スレーターの友人のディックのルームメイトを演じる。
ヤクを吸ってハイになって寝転んでいるだけの役柄。
ギャングに対して次から次へとスレーターの居所を吐き、事態を悪化させるという役割。

<ゲイリーオールドマン>
アークエットのポン引き。
こういうイカれた感じのキレるチンピラ役は本当に合っている。

<ヴァルキルマー>
スレーターの心の声のエルビスプレスリー。
顔がいっさい映らないという役柄ながらも、存在感は高かった。

<サミュエルLジャクソン>
どこにいたのか分からず。殺され役の黒人に混じっていたか。

個人的に気になったのはヴァルキルマーが演じたエルビスである。
スレーターの役所は大のエルビスプレスリーファンである。
自分の心の声あるいは守護天使ともいうべき存在を、エルビスにしたという設定は面白い。
しかし、この存在をもうちょっと活かすべきではなかったか。

スレーターはアークエットに出会う前はただのオタクでしかなかったはずだ。
ソニー千葉を愛し、映画とマンガを愛するような男である。
アークエットのような女性とは本来ならば縁はない。
店長に騙されたと気付いてもスレーターは怒りもしない。
自分がモテるわけがないと、自分のことがよく知っているからだ。

そんなヤワな男が、なぜあんな大胆かつ強気で、ハッタリもできる男になれたのか。
スレーターを変える役割を果たすのがエルビスの存在だ。
人に愛されたことがなかったスレーターが、初めて本気で人に愛されたことにより、自分の中のエルビスが大きく膨らんだのではないか。
「太く短く生きた」エルビスを崇拝するスレーターの中でエルビス的な要素が目覚めたのだろう。
そういった視点が若干モノ足りなかった気がする。

スレーターの中にいるエルビスの存在をもっと有効に利用できたはずだ。
「ファイトクラブ」と似たような仕組みになってしまうが、自分と自分の中のエルビスが葛藤するようなシーンもあってもよかったかもしれない。

また、本作の面白さはストーリーの構造にもある。
見所を、序盤から次から次へと盛り込んでおり、観客を飽きさせない。
①スレーターVSオールドマン
②ウォーケンVSホッパー
③アークエットVS謎の殺し屋(モーテル)
④スレーターVSエリオット(エレベーター)
⑤警察VSプロデューサーのボディーガードVSマフィアVSスレーター達

序盤からラストのような大盛り上がりがあれば、観客は一気に引き込まれる。
その後も息つくところがないジェットコースターのような展開がラストまで続く。
この激しさとテンポのよさが観客から支持される要因だろう。
タランティーノの脚本の上手さ、トニースコットの演出の上手さも相乗的な効果を生んでいる。

エンディングについては賛否両論あると思うが、トニースコットというのはハリウッドエンディングにとり憑かれた人なのではないか。

「マイボディーガード」「エネミーオブアメリカ」などと同様に、なんでもかんでもある程度ハッピーに終わらせないと気が済まないのだろう。
トニースコットは、優れた映像クリエーターではあるが、作家ではないというのがよく分かる。

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国内映画興行収入ランキング(3月2週目) 【映画】

「映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険~7人の魔法使い~」と「バッテリー」の新作二本がランクインし、5週目で「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」、2週目で「龍が如く 劇場版」が圏外へ消えた。

1位には「映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険~7人の魔法使い~」が登場した。
映画ドラえもんシリーズは、
06年は「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」と同時期に公開され、6週に亘ってワンツーをキープしたが、結局一度も首位に立てなかった。
04年は「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」の前に4週間歯が立たず、5週目にしてようやく首位に立った(「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」は公開8週目だったため息切れした)。
念願の初週の首位獲得といえよう。

強力なライバルさえいなければ、30億円近くをコンスタントに稼ぐ「ドラえもん」の強さの前には相手にならない。
数週間は確実に上位をキープするだろう。

2位には「バッテリー」が登場。
比較的上位で登場するかと思い、先週の時点では5位登場を予想したが、予想を遥かに上回るスタートを切った。
本作が公開される前には聞いたこともなかったが、あさのあつこの原作小説はそれほど有名なのだろうか。
また、「陰陽師」「阿修羅城の瞳」など比較的大作を手掛けている滝田洋二郎監督の手腕によって、プラスアルファが働いたともいえそうだ。

さらに、あまり有名とは思えない若手の演者の爽やかさも受けたのだろう。
知名度がないため、役者の色が付いていないというか、固定観念が湧かないため、透明なイメージと本作の爽やかなイメージが相乗的な効果をもたらしたようだ。
いずれにせよ、このキャスティングで、製作費30億円、広告費約10億円とも言われている「蒼き狼 地果て海尽きるまで」を打ち破るとは思わなかった。

その他の作品は、先週の順位を2ランク落としただけのスライドというつまらない結果に終わった。


<今週公開される主な作品>
済「ナイトミュージアム」日比谷スカラ座ほか
ベンスティラー、ロビンウィリアムズ出演
ショーンレヴィ監督(代表作「12人のパパ」「ピンクパンサー」)
※全米興行収入は約245百万ドル(3月2週現在)。
全米映画興行史上40位の記録を更新中、さらに順位を上げることが予想される。

◎「デジャヴ」日劇PLEX1ほか
デンゼルワシントン 、ポーラパットン 、ヴァルキルマー 、ジムカヴィーゼル出演
トニースコット監督(代表作「トップガン」「マイボディガード」)
※全米興行収入は約64百万ドル。
「デジャヴを操れ!」っていったい何ですか?
いまのところ、全くシステムが理解できない映画。

済「ハッピーフィート」丸の内プラゼールほか
イライジャウッド 、ブリタニーマーフィ 、ニコールキッドマン 、ロビンウィリアムズが声の出演をしている。
ジョージミラー監督(代表作「マッドマックス」シリーズ、「ベイブ/都会へ行く」)
※極めて美しいCGアニメ。アカデミー長編アニメ部門受賞作。
全米映画興行収入は約196百万ドル(3月2週目現在)。

×「アンフェア the movie」新宿東亜興行チェーンほか
篠原涼子、江口洋介、椎名桔平、成宮寛貴、加藤ローサ、阿部サダヲ出演
小林義則監督
※ドラマの平均視聴率は15.4%。
去年10月のスペシャル版は18.3%という高視聴率をマーク。
若干安っぽくみえるのが気になるところ。

×「超劇場版 ケロロ軍曹2 深海のプリンセスであります!」新宿ガーデンシネマほか
※人気アニメの劇場版。

×「ステップ・アップ」丸の内ピカデリー2ほか
チャニングテイタム 、ジェナディーワン出演
アンフレッチャー監督
※全米興行収入は約65百万ドルという好成績。
映画事業への進出を目論むエイベックスが異常にチカラを入れている映画。
倖田來未の新曲ともタイアップしている。

×「口裂け女」シアターN渋谷ほか
佐藤江梨子 、加藤晴彦 、水野美紀出演
白石晃士監督(代表作「ノロイ」)
※口裂け女をテーマにしたホラー映画。
映画公開とともに都合よく別れた佐藤江梨子の主演作。

×「キトキト!」シネカノン有楽町ほか
石田卓也 、平山あや、大竹しのぶ出演
吉田康弘監督
※東京に上京した息子と、息子を心配する母親との親子愛を描く。

×「ポイント45」お台場シネマメディアージュほか
ミラジョヴォヴィッチ、アンガスマクファーデン出演
ゲイリーレノン監督
※ミラジョヴォヴィッチが復讐に燃えるアクション。
アメリカで公開されたかも定かではない作品。

△「秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE ~総統は二度死ぬ~」
※FROGMANが監督、脚本、作画、声優を努めるアニメ。
TOHOシネマズ系の映画館で鑑賞における注意事項を喚起しているのでお馴染みか。

×「渋谷区円山町」渋谷Q-AXシネマ
榮倉奈々 、眞木大輔主演
永田琴監督
※「僕は妹に恋をする」で兄弟の恋愛に挑戦した榮倉奈々が、今度は教師と生徒の恋愛に挑む。
眞木大輔はEXILEのメンバー。
最近ミュージシャンが映画に出演する機会が目立つ。

×「フランシスコの2人の息子」シャンテシネ
アンジェロアントニオ 、ジラパエス出演
ブレノシウヴェイラ監督
※ブラジルで大ヒットした映画。兄弟ミュージシャンの半生を描く。

×「棚の隅」シネマアートン下北沢
大杉漣、内田量子 、渡辺真起子出演
門井肇監督
※かつての夫婦が再会することによって引き起こされる人間模様。

×「Water」Q-AXシネマ渋谷<モーニング&レイト>
滝口幸広 、川口覚 、小出早織出演
吉田修一監督
※上映時間28分間の青春映画。思春期の微妙な心理を描く。

×「東京の嘘」
島田雅彦 、岩田さゆり 、菊池亜希子出演
井上春生監督
※サスペンスタッチのヒューマンドラマか。

×「ポートレイツ・オブ・ジャマイカン・ミュージック」シアターN渋谷<レイト>
ピエールマークシムニン監督
※ジャマイカ音楽を題材にしたドキュメンタリー。

×「春のめざめ」シネマアンジェリカ渋谷
アレクサンドル・ペトロフ監督
※世界のアニメ作品を発掘するジブリプロジェクトの一環によって紹介されるロシアの27分のアニメ。我々が知るアニメとは一線を画する内容のようだ。


「ナイトミュージアム」は先行アリ。
先行上映を鑑賞したが、なかなかの賑わいを見せていた。
この手の子どもも大人も楽しめる作品はアメリカに限らず、日本でもヒットするのが常道。
下品でもなく、一応夢のある映画なので安心して子どもを連れて行くことができるのだろう。
また、家族向けコメディ作品の中には、アメリカではヒットしない作品でも日本でヒットする場合もある。
05年は「マスク2」が14億円のヒット、04年は「ホーンテッドマンション」が34億円のヒットをしている。
「ナイトミュージアム」は日本では知名度が低いベンスティラー主演作であるが、20億円程度は見込めるのではないか。


去年は「トリック-劇場版2-」が21億円、「木更津キャッツアイワールドシリーズ」が18億円を稼いでおり、「アンフェア the movie」もそれなりに稼ぐと思われる。
最低でも10億円、上手くいけば15億円辺りまで伸ばせるのではないか。
篠原涼子の「ハケンの品格」も好調であり、初週は上位に食い込むことが予想される。
あとは如何にして口コミで好評価されるかによって、今後の伸びは変わってくる。


デンゼルワシントン主演、トニースコット監督の「マイボディーガード」が日本ではかろうじて10億円を超えている。
「デジャヴ」は「マイボディーガード」よりも多少受けいられやすいと考えられるので、13億円辺りが目標となるだろうか。

「ハッピーフィート」も先行アリ。
こちらの先行上映も鑑賞したが、結構ガラガラであった。
アメリカでは大ヒットしており、アカデミー賞受賞の知名度もあるから、一般公開されれば、それなりには稼ぐだろう。
「チキンリトル」が約27億円、「カーズ」が約22億円、「森のリトルギャング」が約11億円のヒットを記録している。
少なくとも「森のリトルギャング」以上には稼げるとみて、12億円辺りが目標となるだろうか。


「超劇場版 ケロロ軍曹2 深海のプリンセスであります!」は前作が4週に亘ってランクインしており、「7→8→7→8」という動きを見せ、比較的健闘していた。
根強いファンがついていそうであり、今回も中位で登場できそうだ。


今週は激戦のため「ステップアップ」はランクインするのは困難だろう。

「ゴーストライダー」はメイン館の日比谷スカラ座を「ナイトミュージアム」に譲り渡すため、縮小模様となる。


<次週予想順位>
予想順位(今週) 自己評価 タイトル(主な公開劇場)
1(1) ×「映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険」(日劇PLEX2)
2(-) 済「ナイトミュージアム」(日比谷スカラ座)
3(-) ×「アンフェア the movie」(新宿東亜興行チェーン)
4(-) ◎「デジャヴ」(日劇PLEX1)
5(-) 済「ハッピーフィート」(丸の内プラゼール)
6(2) ×「バッテリー」(有楽座)
7(3) ×「蒼き狼 地果て海尽きるまで」(丸の内ピカデリー1)
8(-) ×「超劇場版 ケロロ軍曹2 深海のプリンセスであります!」(新宿ガーデンシネマ)
9(4) ×「ONE PIECE」(丸の内TOEI)
10(5) 済「ドリームガールズ」(日劇PLEX3)

[個人評価]
◎ 絶対観たい作品
○ できれば観たい作品
▲ DVDか映画サービスデイだったら観たい作品
△ 映画館では観ないけどDVDだったら観るかもしれない作品
× 観ることはないでしょうの作品
済 鑑賞済み作品

テーマ:映画情報 - ジャンル:映画

全米映画興行収入ランキング(3月第2週目) 【映画】

順位(先週)公開週 タイトル (公開館数) 興行収入 (トータル収入)
1(-)1週目「300」   (3103館)$70,025,000($70,025,000)
2(1)2週目「Wild Hogs」(3296館)$28,021,000($77,437,000)
3(4)4週目「Bridge to Terabithia」(3210館)$6,865,000($67,020,000)
4(3)4週目「ゴーストライダー」(3347館)$6,800,000($104,142,000)
5(2)2週目「ゾディアック」(2379館)$6,773,000($23,727,000)
6(6)5週目「Norbit」  (2505館)$4,314,000($88,331,000)
7(5)3週目「The Number 23」(2489館)$4,200,000($30,350,000)
8(7)4週目「ラブソングができるまで」(2280館)$3,830,000($43,847,000)
9(10)4週目「Breach」  (1505館)$2,611,175($29,126,615)
10(11)3週目「Amazing Grace」(1000館)$2,525,200($11,439,198)
(参考:IMDbのボックスオフィス)

新作が1本ランクインし、「Amazing Grace」が返り咲いたため、2週目で「Black
Snake Moan」、3週目で「Reno 911!: Miami」が圏外に消えた。
サミュエルLジャクソン、クリスティーナリッチ、ジャスティンティンバーレイク主演の「Black Snake Moan」は結構高い支持を受けているのだが、いかんせん作品が地味すぎたか。
「Reno 911!: Miami」の紹介をテレビで観たが、結構面白そうなおバカコメディ。
日本でもよくやっている「警察24時!」のようなアメリカの番組をパロっているようだ。

1位に入ったのは「300<スリーハンドレッド>」。
「シンシティ」原作・監督のフランクミラーが原作・製作として関わっており、監督は「ドーンオブザデッド」のザックスナイダー。
ペルシャの大軍と迎え撃つ300名のスパルタ兵士の合戦を描いた作品だ。
スタイリッシュな画像ゆえ、公開前から注目を集めていたが、まさかここまでのハイスコアで登場するとは思わなかった。

2006年にオープニングが約7千万ドルを超えたのは、以下の三本のみ。
「パイレーツオブカリビアンデッドマンズチェスト」の約134百万ドル
「X-MEN ファイナルディシジョン」の約103百万ドル
「ダヴィンチコード」の約77百万ドル

以下のような有名作品のオープニングよりも成績がよい。
「スーパーマンリターンズ」の約53百万ドル、
「カーズ」の約60百万ドル
「ミッションインポッシブルⅢ」の約48百万ドル
「キングコング」の約50百万ドル
「ナルニア国物語」の約66百万ドル

関連作品のオープニングとしては
フランクミラー原作の05年の「シンシティ」は約29百万ドル
ザックスナイダー監督の04年の「ドーンオブザデッド」は約27百万ドル
似たテーマの04年の「トロイ」は約47百万ドル
若干作風が似ている
03年の「ロードオブザリング/王の帰還」は約74百万ドル
02年の「ロードオブザリング/二つの塔」は約62百万ドル
01年の「ロードオブザリング」は約45百万ドル
となっており、「300<スリーハンドレッド>」の優秀さが際立つ。
※全て週末分のみの成績(水・木曜日先行分は含まず。)

「300<スリーハンドレッド>」の予告編を観れば、たいていの男性ならば絶対観たいと思うはずの鳥肌モノの作品だ。
最低でも2億ドル突破を目指したいところだろう。

その他にも、「ゴーストライダー」が1億ドルを突破し、ジョントラボルタ主演の
「Wild Hogs」が1億ドルを確実なものにし、「Norbit」が1億ドル突破ラインにいる。
粘りに粘っている「Bridge to Terabithia」も1億ドルに近い数値までいくのは間違いない。
この時期にしては興行収入的には優秀な作品が続いている。

評価面においては、コメディ作品の「ゴーストライダー」と「Wild Hogs」の評価がそれほど高くなく、「Norbit」の評価は最悪に近いものだが、コメディ作品は全ての客層のツボにはまるということはあり得ないため、やむを得ないところだろうか。
「ゴーストライダー」に至ってはコメディだと気付かない人もいるだろう。

一方、有名監督・俳優作品の「ゾディアック」や「The Number 23」がここまで低調な数値に留まるとは思わなかった。
この手の暗めで、重めのサスペンスは人気がでないというのははっきりしたようだ。
評価に関してはどちらも比較的高めである。
既に忘れ去られている「ハンニバルライジング」は先週の時点で約27百万ドルという悲惨な興行収入だ。

次週には、「SAW」シリーズで「1」では監督、「2」では製作総指揮、「3」では原作・製作総指揮を務めたジェームズワン監督の「Dead Silence」が登場。
詳細は不明だが、若い男が腹話術の人形のようなものを持っている画像が公開されている。
出演者の中には有名どころはいないが、「SAW」シリーズでお馴染みのドニーウォルバーグがクレジットされている。
サスペンスはヒットしないが、ホラーはヒットするという不思議な国であるため、本作はそこそこヒットするだろうが、さすがに「300<スリーハンドレッド>」の牙城を崩すことはないだろう。

また、サンドラブロック主演の「Premonition」が登場予定。
共演は「ファンタスティックフォー」のジュリアンマクマホン。
サスペンスタッチのヒューマンドラマの模様。
監督はドイツ人のMennan Yapo。
彼には目立った監督作品は見当たらない。

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「ラストキングオブスコットランド」レビュー 【映画】

本作はウガンダのアミン大統領の実像にどこまで迫れたといえるか?

◆評  価    5.5点
◆分かりやすさ  A(ストーリーは意外と平易)
◆おススメ度   C(個人的には期待はずれ)


【監督について】
監督はケヴィンマクドナルド。
「運命を分けたザイル」や「ブラックセプテンバー/ミュンヘンテロ事件の真実」などドキュメント系の映画を得意としている監督だ。
「ブラックセプテンバー」では「アカデミードキュメンタリー長編賞」を受賞している実績を持つ。

【高まる期待感】
「ラストキングオブスコットランド」は純粋なドキュメント映画ではないが、「ブラックセプテンバー」と同様に闇に葬られた歴史を白日の下に晒すのではないかという期待感を抱いていた。
イディ・アミンを演じたフォレストウィテカーがゴールデングローブ賞・アカデミー賞主演男優賞を獲得し、さらに一層その期待は高まる。

ウガンダを訪れたスコットランド医師という第三者的な視点から歴史を明らかにするという手法は、オリバーストーン監督の「サルバドル/遥かなる日々」という作品が思い出される。
少なくとも「サルバドル」以上の作品になるのではないかという想いを抱いて鑑賞に臨んだ。

【本作の趣旨は何か】
感想はというと、恐らく世間からの評価はそれなりに高いものを受けると思うが、正直に言うと個人的には高く評価できないという印象を受けた。

一言で言えば、本作を通じてアミン大統領の何を描きたかったのかが分からない。
何を伝えたかったのか、どういう趣旨を込めたのか、本作を観てもあまり感じられなかった。
ストーリーは極めて平易であり、ストーリーの難解さによってこのように感じたのではないはずだ。
ウガンダのアミンがイギリスの支援によって大統領に就任し、その後疑心暗鬼に駆られて30万人近い国民を虐殺したという事実以外にはほとんど何も感じられなかった。

個人的に気に入らなかった点としては、以下の通り。
・理想を胸に大統領に就任したアミンが、権力に溺れ、暗殺の恐怖に怯えて、いわゆるダークサイドに陥ったことがはっきり描かれているわけではない。
・イギリスのアフリカ政策をはっきりと凶弾するものではない。
・架空のキャラクターのニコラスの立ち位置も不明確で効果的ではない。

【スコットランド医師ニコラスの役割】
ニコラスという青年は架空のキャラクターではあるが、実際アミンに関わった医師などの人物を合体して創作されている。
手法としては悪くはないのだが、そのために、どこまでが真実で、どこまでがフィクションなのかが不明確となってしまった。
さらに、フィクションのキャラクターの割にはニコラスが前面に出過ぎてしまってないだろうか。
アミンを描くことに効果的なキャラクターになるはずが、ニコラスのおかげでアミンの存在がだいぶぼやけてしまっている。

【アミンとニコラスの関係】
もし、ニコラスを描くのであれば、アミンとニコラスは本来ならば鏡となるように描くべきではなかったか。
期待を胸に国の再建を目指し国民を救いたいと思うアミンと、医療で貧しい人々を救いたいというニコラスの志は似ている。
貧しい家庭に育ったアミンと、貧しい農村の医者を続けるニコラスは、貧しさという面でも繋がっている。
大統領になったアミンと、大統領の主治医となったニコラスは、ともに一夜にして権力と富を手に入れたのも共通している。

権力に溺れるニコラスを描くことによって、間接的にアミンを描くという手法を取れば良かったのだが、そういうわけでもない。
彼はただの人妻ハンターでしかなかった。
次第に、疑心暗鬼になり虐殺を開始したアミンと、その一線を越えなかったニコラスを描くことで、アミンの狂気を描けなかっただろうか。

【ラストの在り方】
<以下完全ネタバレ>
ラストがどの程度まで事実かどうか不明だが、ニコラスがアミン毒殺を試みようとしたこと、空港から逃亡を図ったことなど、はっきり言ってどうでもいいことであり、こんなしょうもないことを描かなくてよかった気がする。
こんなことを描いたところで、アミンの実像には迫れない。

自分が脚本家ならば、こういうラストにはしないと思う。
自分ならば、ニコラスは毒薬ではない普通の頭痛薬をアミンに渡して、疑心暗鬼に駆られたアミンが、毒薬ではないかと疑い、ニコラスを処刑するまでを描くだろう。

親友であり、主治医であり、顧問であり、アミンのことを信じていたニコラスを殺すことを描かなければ、アミン大統領の本性は見えてこない。
敵も味方の区別さえ出来なくなったアミンの苦悩・精神状態を垣間見せて欲しかったところである。
ワッサワ厚生大臣を殺したくらいではモノ足りない。

【フォレストウィテカーの演技】
フォレストウィテカーの演技は絶賛されているが、それほど神がかった演技とは思えなかった。
非の打ち所のない演技であることは間違いないが、期待が高すぎただろうか。
自分の国をいい国にしたいという理想を掲げ、夢を抱く人間が、権力という闇の中を彷徨い、狂気に駆られる二面性のようなものを期待していたが、そこまで高次元のキャラクターでもなければ、演技でもないというのが正直な感想だ。

アミン本人そっくりだという評価もあるが、近年、「カポーティ」フィリップシーモアホフマン(これは文句なく素晴らしい演技)、「RAY」ジェイミーフォックスなど、アカデミー賞主演男優賞部門がモノマネ大会化しているのは気になる。
モノマネではなく、いかに観客の心を動かすか、いかに観客を魅了するかが本当の演技ではないのだろうか。

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「ハッピーフィート」レビュー 【映画】

◆評  価    8.0点
◆分かりやすさ  A-(意外とダークな要素もあり)
◆おススメ度   A(この映像には金を払ってもいい)


全米映画興行収入は約195百万ドル。
「007 カジノロワイヤル」と同時期に公開され、三度に亘って「カジノロワイヤル」を打ち破り、三週間首位を守り抜いた作品である。

CGアニメは日進月歩で進化し続けているが、「ここまで来たか!」というくらいの映像美を堪能できる。

歌い踊る無数のペンギンたちの壮大さには身が震える。
雪原・海中の美しさ、ブリザード・嵐の冷たさ、ペンギンの毛並みの温かさまでをも伝わってくる映像だ。
鳥たち、アザラシ?、シャチとのバトルの緊張感高まるスピーディーさには興奮させられる。

この映画にはCG映画のよさをふんだんに盛り込まれている。
まさにCGアニメの鑑である。
「カーズ」も素晴らしい作品であるが、本作に「アカデミー長編アニメ賞」が授与されたことは納得だ。


本作の舞台は、歌を歌うことだけが自己をアピールする術のペンギン世界である。
主人公は、歌が下手クソだが踊るのが大好きなマンブルだ。
この設定だけをみて、おそらく「普通の人と違っていたとしても、自分のよさをアピールすればよいじゃないか」という、子どもたちに教訓を与える単純な映画なのだと思っていた。

しかし、それは大きな間違いだった。
後半に進むにしたがって、話は大きくズレていく。
表面上は環境保護を問題にしているようにも感じるが、ラストは人間批判をしているようにも感じる。

まずは、動物の可愛らしい仕草に目を付けるマスコミを揶揄しているのではないか。
日本でも最近、レッサーパンダの風太くんが話題となった。
こういう現象は全世界共通なのだろう。
また、日本でも、多摩川に現れた、通称「タマちゃん」にマスコミが食いつき、国民が関心を持ち、行政が動くという事態もみられる。

動物の小さなクセであっても、なんでもかんでも「環境破壊」に結び付けて、「○○が泣いている」というような批判に結びつける環境信者を揶揄しているようにも感じる。

環境信者の言葉を真に受けて、国や世界が真剣に議論しているという世論をおちょくって、こういうラストにしているようにも感じられた。
環境保護といいながら、動物におかしな機械を取り付けたりする人間たちも、魚を乱獲する人間たちも、どちらも動物からみれば「エイリアン」なのである。

「ペンギンダンスがペンギン帝国を救う」「ダンスが人間の良心を動かした」というような、決して短絡的なハッピーエンドではないのだと思う。

環境信者を揶揄しているようにもみえるが、本作は環境保護自体をバカにしているわけではない。
プラスチックの輪ッカがクビに嵌り、窒息する動物たちや鳥たちというのはよくある話ではないか。

自分は以前ブラックバス釣りをやっていたことがあったが、バス釣り用のワームを放置して、魚が飲み込んで窒息してしまったり、釣り糸に鳥たちが絡まったりすることはよく報道されている。

過剰な環境保護を揶揄しているようにもみえるが、我々が環境や動物たちにしてやれることはきちんとやろうというメッセージ自体はきちんと描かれている。

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「ナイトミュージアム」レビュー 【映画】

◆評  価    5.5点
◆分かりやすさ  A(頭脳は一切用いない)
◆おススメ度   C(個人的に強いて薦める理由はないが、楽しめる人は楽しめる)

先行上映のためか、観客全員にT-REXのペーパークラフトのプレゼントがあった。

本作の監督は「12人のパパ」「ピンクパンサー」のショーンレヴィ。
出演は、アメリカでは絶大の支持を受けるベンスティラー。

全米映画興行収入は現在のところ約244百万ドル。
全米映画史上41位のヒット作である。
これほどヒットしているのには何か理由があるのではないかと思い、多少期待を込めて鑑賞したが、極めて普通のファンタジー作品である。

面白いストーリーでもなければ、映像がそれほど凄いわけでもない。
アドベンチャー的な要素、親子愛や友情などの感動できる要素、謎解きな要素もほとんどない。
「どうなってしまうの!?」というようにハラハラするようなラストで、大盛り上がりとなるわけでもない。

何も考えずに観れて、普通に楽しめる作品だ。
アメリカではこういう単純に楽しめる作品がヒットするということだろうか。

しかも、館長、元妻の夫、警備員仲間たちを含めて生身の人間にも、アッティラ王を含めて展示品たちの中にも純粋な悪人はいない。
極めて子ども向きの作品なのだと思う。

個人的には、もっとコメディ的な要素を重視した方がよかったのではないかと感じた。
ベンスティラーの「アイオブザタイガー」のマイクパフォーマンスが始まったときは、「この映画ひょっとしたらやってくれるのではないか」という期待感が高まったが、その後のコメディ的な要素は尻すぼみしていく。

低レベルのドタバタだけがメインになるのは残念だ。
高レベルの笑いが少なすぎた。
サルとの殴り合い位では自分は笑えない。
車のパンク大作戦のように上手くシチュエーションを利用した笑いが少なかったような気がする。

そして、緑の獅子舞のような奴にも出番を与えてやってくれ。
やけに目立ったが、結局放置されてしまった。
放置するのはよいが、あまりいい放置ではない。
放置にもおいしい放置とおいしくない放置がある。

「運命を分けたザイル」DVDレビュー 【映画】

◆評  価    7.0点
◆分かりやすさ  A(ジョーとサイモンが判別できれば容易)
◆おススメ度   B+(あらゆる点で凄い作品)

ケヴィンマクドナルド監督による03年製作の作品。
ケヴィンマクドナルドは3月10日に公開になる「ラストオブスコットランド」を監督しているので、本作を鑑賞してみた。

本作は、前人未到のアンデスのシウラで遭難したジョーとサイモンの登山家のストーリーである。
シウラ登頂は彼らの前にも、彼らの後にも成功したものはいない。

ジョーとサイモンの本人によるインタビューと、再現シーンによって構成されている。
したがって、観客はこの二人が無事に生還していることを知って本作を鑑賞するわけである。
賛否はあると思うが、この手法はドキュメンタリータッチで一層興味を引いた。
本作の主眼は「彼らが生還したか否か」ではなく、「どうやって彼らが生還したか」であり、狙いがはっきりしている。

さらに、本作の良さというのは過剰な演出や過度な演技がなされていない点だ。
サイモンがザイルを切るかどうかの判断も瞬間的であった。
普通の映画ならば、ありがちなジョーの命云々を考えたり、彼がザイルを切るかどうかを葛藤・躊躇するような部分は特になかった。

また、ジョーとサイモンの再会シーンも特別な感動はない。
テント管理用のために雇ったリチャードはジョーを幽霊としか思えなかったというエピソードもリアルなものだった。
感動狙いという視点は感じられないのが、逆に良かった。
ジョーを抱きしめてサイモンとリチャードが運ぶだけであり、サイモンがジョーにザイルを切ったことを詫びたりするシーンなどは特にないのである。
ナレーションで「自分があの立場だったら、自分もザイルを切っていた」とジョーが一言語るのみである。

自分が疑問に思ったのは、重度の骨折により歩くことさえ困難になったジョーが、最後まで諦めずにひたすら前進し続けさせた原動力は何だったのかということだ。
あのシチュエーションならば、助かる可能性は1%もないと思うのが普通だろう。
ジョーが助かったのは、生への渇望、強靭な体力と精神力によるものではあるが、それだけではないはずだ。

ジョーは無意識的にではあるが、サイモンにどうしても伝えたかったのではないか。
「自分があの立場だったら、自分もザイルを切っていた」と。

自分が死んでしまったら、サイモンは生涯、後悔の念に駆られただろう。
サイモンは登山することをもう止めてしまうだろう。
自分が命を預けた信頼するパートナーにそうなって欲しくなかったのではないか。
本作のラストで、サイモンがその後も登山を続けていることを知って、そう感じずにはいられなかった。

ザイルは切り離されてしまったが、サイモンとジョーの信頼感は強固に結ばれていたのだと思う。
ザイルでお互いの体を結びつけるということはお互いの命を預けあうということだ。
お互いがお互いの命を助けるだけでなく、お互いがお互いの命を好きにしてもよいということでもあるのではないか。
ともに死を共有するためのザイルではない。
パートナーを生かすためのザイルなのである。

ジョーがクレバスに落下し少々冷静になった後に「stupid」を連呼するシーンはよく分かる。
彼らとは1000万分の1くらいの危険性しかなかったが、自分も山中で真夜中に一人で遭難しかかったことがあったので(命の危険性はゼロ)、自分の軽率な行いを呪ったことがある。

ひたすら歌を歌って、月夜以外の光がない真っ暗闇の中を数時間歩いて乗り切った。
ジョーもあまり好きではない曲が数時間頭の中で響いたという心境は多少分からなくはない。
意識が混濁としながらも精神力を切らさずに済ませたのは、嫌いな曲であってもやはり歌のチカラでもある。

テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画

「華麗なる一族(八話)」レビュー 【ドラマ】

今回は結構演出がよかったと思う。
大介VS鉄平の第二ラウンドの幕開けという視点が色濃く打ち出されていた。

第一ラウンドは鉄平が勝利(突貫工事により6月末までに工事完了させようとした)しかけたが、たまたま偶然なのか、なんらかの陰謀があったのか、高炉工事の大爆発によって大介が勝利を手にした。

20億円の融資撤回を巡って、意を決した鉄平は、家族の目の前で大介に宣戦布告する。
第一ラウンドはバトルがあったことさえ鉄平は認識していなかったのであるから、これは大きな違いである。

この戦いにはそれぞれにとって大きな意味がある。
鉄平にとっては、愛情を注いでくれなかった父親との決別、万俵家をぶっ壊すという意味がある。

大介にとっても大きな意味がある戦いだ。
先代の亡霊に怯え続けていた大介であったが、この戦いに勝利すれば大介は先代との戦いに決着をつけることができる。
何回も「先代の肖像画」をカットバックさせたのは、ベタな手法であったが、視聴者に大介にとっての戦いでもあることを深く感じさせるものだ。

よくよく考えれば大介も哀しい男だ。
妻を実父に奪われ、純粋に妻に愛情を注げなくなったのは、先代のせいでもある。
仕事面においても常に先代と比べられていたであろう。
情熱面と才能に恵まれて自分の好きなように仕事をしていた先代とは異なり、大介は失敗が許されなかったのである。
大介が失敗をすれば、世間は言うだろう。
「お父さんは立派だったのに、息子は駄目だね」と。
そういう風評を恐れて、大介は「石橋を叩いて渡る」ような性格になり、失敗しないように権謀術数を巡らすようになったのではないか。
立派な父親を持ったことに対する不運である。
情熱と才能を持った先代似の鉄平よりも、自分そっくりの凡人の銀平に対して愛情を注ぐのは至極当然のことであった。
この一族が崩壊しているのは大介一人のせいではなくて、先代の捲いた種でもある。
だから、大介にも多少同情してしまう余地がある。
強くて傲慢な男ではなく、弱くて孤独な男というニュアンスを北大路欣也が上手く出そうとしているが、少々その面を出しすぎているというのが今まで気になっていた。
今回はなかなか良かったと思われる。
永田大蔵大臣と密接な関係を築き、今度は佐橋総理大臣との面会も成功させた。
大介も大介なりに、「小が大を飲み込む」合併の道筋を描いている。

このバトルは大介と鉄平の二人の戦いには留まらない。
銀平、寧子たちがこの裁判にどのように関わっていくかで、今後の己の生き様も変わっていくだろう。
大介に縛られたままで人生を諦めて生きるのか、それとも自分の道を自分で進むことができる新たな人生へのきっかけにするのかを問うものでもある。
来週以降、彼らの動向に注目である。

高須相子と美馬中の間にも不穏な動きがみられる。
大介に対して言った高須相子の「私は裏切らないわよ」という言葉がキーワードにもなりそうだ。
「私は裏切らないわよ」というセリフは確かに高須の本心であるが、結果的には高須も大介を裏切ってしまうのだろうかとも読み取れる。
「私は裏切らないわよ」というセリフを語らせるということは、裏を返せば「私も裏切るわよ」という意味にもなる。
何もかも失った大介は、相子までをも失ってしまうのではないかとも感じられた。

テーマ:華麗なる一族 - ジャンル:テレビ・ラジオ

2007年1月クールドラマ視聴率結果(八話目等)

順位  タイトル   初回   最新話 前話との対比 平均(予想平均)
1位「華麗なる一族」 27.7%  21.6%(▲0.5%) 22.9%(23.0%)
2位「花より男子2」  19.4%  22.3%(▽0.4%) 21.0%(19.0%)
3位「ハケンの品格」 18.2%  19.9%(▽0.3%) 19.4%(13.5%)
4位「東京タワー」   14.2%  15.4%(▲1.1%) 14.7%(16.5%)
5位「特命係長只野仁」13.4%  14.0%(▲0.3%) 14.0%(14.0%)
6位「拝啓、父上様」  12.9%  12.3%(▲0.2%) 13.0%(15.0%)
7位「エラい嫁」    16.1%  10.3%(▼1.9%) 12.8%(12.0%)
8位「ヒミツの花園」  14.7%  12.3%(▽0.1%) 12.6%( 9.5%)
9位「今週、妻が浮気」12.5%   9.8%(▲0.5%) 10.1%(14.0%)
10位「きらきら研修医」10.4%   8.4%(▽0.3%)  9.7%( 9.0%)
11位「わるいやつら」 13.6%   9.8%(▲1.1%)  9.2%(13.5%)
12位「演歌の女王」  10.9%   8.7%(▽0.4%)  9.1%(16.0%)


「エラいところに嫁いでしまった」が10.3%という自身の最低視聴率を叩き出してしまったため、平均視聴率争いでは「拝啓、父上様」が6位に躍り出た。

「わるいやつら」と「演歌の女王」の最下位争いも順位に変動があった。
5話で6.2%という今クール最低視聴率を叩いた「わるいやつら」であったが、今回9.8%まで持ち直してきた。
初回視聴率は13.6%ではあったが、5話目(6.2%)では54.4%減まで落ち込んだものの、8話目で初回比27.9%減というところまで戻している。
米倉涼子の意地といえるか。
はたまた、来週に最終回を迎えるにあたり、サスペンス作品らしく盛り上がってきたということだろうか。

逆に、最終回に向けて視聴率を下げたのが「エラいところに嫁いでしまった」。
初回比36.0%の減少では、ドラマクィーンの名が泣く。
しかし、このストーリーとこのキャスティングでは多くの望むほうが酷というもの。
放送前に予想した視聴率にだいぶ近づいてきた。

「華麗なる一族」はまたしても「花より男子2」に敗れてしまった。
平均視聴率争いでは逆転される余地は残っていないが、このまま最終回までの二回も負け続ければ、後味は悪いだろう。
今週、フジテレビはジャンクスポーツの拡大版をぶつけてくる。
「華麗なる一族」にはなんとか意地をみせてもらいたものだ。

ちなみに関連作品の最終話までの3回の視聴率をみてみると、
白い巨塔第一部 21.8→20.8→22.6
白い巨塔第二部 26.8→27.6→32.1
エンジン  21.8→22.5→24.3
プライド  24.1→24.9→28.8
GOOD LUCK  29.7→33.5→37.6
空から降る一億の星 19.6→18.9→27.0

本作は、「白い巨塔第一部」「エンジン」並ではあるので、悪いことは悪いがそれほど大きく悪いというわけではない。
ただたんに「花より男子2」という相手が悪すぎただけか。

過去3年で平均視聴率が20%を超えたのは9本しかない。
06年冬クール「Dr.コトー診療所2006」 22.1%
06年春クール「西遊記」 22.8%
05年秋クール「電車男」 21.0%
05年夏クール「エンジン」 22.4%
05年春クール「ごくせん2005」 27.8%
04年冬クール「ラストクリスマス」 21.5%
04年春クール「プライド」 24.9%
04年春クール「僕と彼女と彼女の生きる道」 20.7%
04年春クール「白い巨塔 第二部」 26.1%
日本テレビが1本、フジテレビが8本。
TBSにとっては恐らく03年春クールの「GOO LUCK!!」以来の4年振りの20%越えとなる作品が1クールに2本も誕生する。

主なTBS作品を参考に上げると以下のとおり。
05年冬クール「花より男子」 19.7%
04年秋クール「世界の中心で、愛をさけぶ」 15.9%
04年夏クール「オレンジデイズ」 17.2%
04年春クール「砂の器」 19.4%


「東京タワー」がだいぶ視聴率を持ち直してきたのも特徴。
最終回に向けて盛り上がってきているのだろうか。
速水もこみちは、なんだかんだ言いながら今回は合格点と言えるのではないか。
最終的には平均15%越えを狙いところだろう。

残りの作品も恐ろしいほどに安定している。

テーマ:テレビ視聴率 - ジャンル:テレビ・ラジオ

国内映画興行収入ランキング(3月1週目) 【映画】

1位には「蒼き狼 地果て海尽きるまで」、2位には「ワンピース」、4位には「ゴーストライダー」、5位には「パフューム」、10位には「龍が如く」という5本の新作がランクインした。
そのため、4週目で「守護神」、7週目で「マリーアントワネット」、7週目で「ディパーテッド」、5週目で「墨攻」、7週目で「それでもボクはやってない」が圏外へ消えた。

「墨攻」は「蒼き狼 地果て海尽きるまで」へ劇場を譲り渡し、「ディパーテッド」は「パフューム」へ、「マリーアントワネット」はとっくに「守護神」などにメイン館を譲り、縮小公開されていたもので、ランク落ちはやむを得ないだろう。

しかしながら、まだ日劇PLEX1など都内25館で公開中の「守護神」が早々とランク落ちするとは、関係者は夢にも思わなかっただろう。
銀座シネパトスなど都内では小規模の映画館(7館)でしか公開していない「龍が如く」にまさか負けてしまうとは…。

「龍が如く」の健闘は、三池崇史監督の知名度によるものなのか。
はたまたゲームの知名度によるものなのか。
それとも、この両方の効果によるものだろうか。
まさかの10位登場には驚かされた。
しかし、数週間前には「あなたは忘れない」がランクインしており、10位程度ならば、公開館数が少ない映画でもなんとかランクイン可能というのが今の状況のようだ。

5本の新作がランクインしたため、予想困難な状況となり、大部分の予想は外れてしまったが、1位の「蒼き狼 地果て海尽きるまで」だけはなんとか当てることができた。
大コケすると思われたので、「蒼き狼 地果て海尽きるまで」がなぜ1位を獲得できたのか不思議だと思う人もいるだろう。

さすがに30億円という製作費を回収することは困難なことは分かっているが、10億円超の興行収入は期待できるため、他のライバル陣との比較で初週は1位を獲得するのではないかと考えていた。
じっさいその通りになったようだ。
「ワンピース」あたりは頑張ってもトータルでは10億円前後の興行収入だろう。

4位の「ゴーストライダー」はやはり日本ではヒットさせることは困難であったか。
アメリカの興行収入の勢いでは、「ゴーストライダー>ドリームガールズ」であるが、やはり、微妙な原作のアメコミ作品に、主演ニコラスケイジという組み合わせでは、日本でのヒットを期待する方が間違いだったようだ。
次週も多少ランクを落とさざるを得ないだろう。
初日に鑑賞したが、日比谷の映画館はやはりガラガラであった。

5位には「パフューム」がランクイン。
ヒットを期待できる作品とは思えなかったので、結構健闘しているといえるのではないか。
アメリカでは、「ゴーストライダー」が約95百万ドルに対して、「パフューム」は約2百万ドルであり、40倍以上の差がついているのであるから。

7位の「さくらん」は拡大公開の成果のためか、ランクを落とさなかった。
観ている人は少ないが、評判はそれほど悪くはないようであり、酷評しかされていない「蒼き狼 地果て海尽きるまで」とは訳が違うようだ。
「蒼き狼 地果て海尽きるまで」は、観客を無視して、どこまで突っ走った作品なのか、逆に気になってきた。
「シベリアン超特急(未見)」のような怖いもの見たさを感じないだろうか。


<今週公開される主な作品>  (注)公開館数には誤差があります。

×「映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険~7人の魔法使い~」
日劇PLEX(都内28館予定)
※老若男女を問わず人気のある、日本を代表するアニメ。

×「バッテリー」有楽座(都内24館予定)
林遣都 、山田健太、天海祐希、岸谷五朗出演
滝田洋二郎監督(代表作「陰陽師」「阿修羅城の瞳」)
※野球、難病、友情、兄弟愛などを描いた感動狙いの作品。

◎「ラストキングオブスコットランド」有楽町スバル座(都内4館予定)
フォレストウィテカー主演作(本作でアカデミー賞主演男優賞受賞)。
ケヴィンマクドナルド監督(代表作「運命を分けたザイル」)
※R‐15指定。大虐殺を行ったウガンダのアミン大統領をアイルランドの青年医師の視点から描いた作品。

×「サン・ジャックへの道」シネスイッチ銀座(都内1館予定)
アルチュスドゥパンゲルン、ミュリエルロバン、ジャンピエールダルッサン出演
コリーヌセロー監督(代表作「女はみんな生きている」)
※ロードムービー風のヒューマンドラマ

×「約束の旅路」岩波ホール(都内1館予定)
ヤエルアベカシス出演
ラデュミヘイレアニュ監督
※80年代に行われたエチオピアのユダヤ人のイスラエル移送を描く。

×「パラダイスナウ」恵比寿写真美術館ボール(都内1館予定)
カイスネシフ 、アリスリマン主演
ハニアブアサド監督
※イスラエルへの自爆攻撃を行うパレスチナ青年を描く。
2005年度のアカデミー外国語映画賞ノミネート作品。

×「ケータイ刑事(デカ) THE MOVIE 2 石川五右衛門一族の陰謀~決闘!ゴルゴダの森」
新宿トーア(都内1館予定)
小出早織 、夏帆 、国広富之 、松崎しげる出演
田沢幸治監督
※携帯電話を利用して事件を解決する二人の女の子を描く。

×「Presents うに煎餅」渋谷シネクイント<レイト>(都内1館予定)
戸田恵梨香 、平岡祐太出演
石井貴英監督
※上映時間45分間のラブストーリー

×「+1 プラス ワン」渋谷UP LINK X(都内1館予定)
※日本の映画監督によるオムニバス映画

×「絶対の愛」渋谷ユーロスペース(都内1館)
ソンヒョナ、ハジョンウ出演
キムギドク監督(代表作「サマリア」「うつせみ」)
※整形手術を題材にした映画

×「相棒 シティ・オブ・バイオレンス」「血も涙もなく」「インディアンサマー」「キリマンジャロ」
※シネマート六本木で公開される韓国映画群。


新作でランクインすると思われるのは、「映画ドラえもん」と「バッテリー」の二本。
「映画ドラえもん」は例年25億円~33億円あたりをコンスタントに稼ぐドル箱作品。
近年もドラえもんは、「最終回」ネタで話題になっており、人気は以前よりも上がっている気がする。
今回はひょっとしたら35億円辺りまで伸ばせるかもしれない。

「バッテリー」は春休みに向けての、アニメ作品ではない子ども向け映画と言えるだろうか。
あまりヒットしそうもないが、特殊事情で上位を狙えるかもしれない。
というのは、「映画ドラえもん」が恐らく人気で劇場が満員になることが予想される。
満員によって締め出された組が、「バッテリー」や「ワンピース」に流れることが予想されるため、この二作は今週は比較的上位に予想してみたい。

「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」は「映画ドラえもん」に劇場を譲り渡すため、14館に縮小される。
したがって圏外へ消えるだろう。

「どろろ」もメイン館の有楽座を「バッテリー」に譲り渡すため、19館へ縮小される。
大きくランクを落とすのではないか。

<次週予想順位>
予想順位(今週) 自己評価 タイトル(主な公開劇場)
1(-) ×「映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険~7人の魔法使い~」(日劇PLEX)
2(2) ×「ONE PIECE」(丸の内TOEI)
3(1) ×「蒼き狼 地果て海尽きるまで」(丸の内ピカデリー1)
4(3) 済「ドリームガールズ」(日劇PLEX3)
5(-) ×「バッテリー」(有楽座)
6(4) 済「ゴーストライダー」(日比谷スカラ座)
7(5) △「パフューム ある人殺しの物語」(ルーブル丸の内)
8(7) ×「さくらん」(新宿ジョイシネマ)
9(6) △「どろろ」
10(8) 済「幸せのちから」

[個人評価]
◎ 絶対観たい作品
○ できれば観たい作品
▲ DVDか映画サービスデイだったら観たい作品
△ 映画館では観ないけどDVDだったら観るかもしれない作品
× 観ることはないでしょうの作品
済 鑑賞済み作品

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「Dr.Tと女たち」DVDレビュー 【映画】

◆評  価    5.5点
◆分かりやすさ  B-(多少登場人物は多いが、それほどゴチャつかない)
◆おススメ度   B-(分かる人は分かる作品)


故ロバートアルトマン監督の2000年製作の作品。
興行収入は約13百万ドル。

リチャードギア、ヘレンハント、ケイトハドソン、ローラダーン、リブタイラー、タラリードなど豪華キャスティングの映画。

趣旨はなかなか図りかねるところはあるが、深く考えなければそこそこ楽しめる作品だと思う。
ゴチャゴチャしているように見えて、それほど分かりにくいシーンも見当たらない。

家庭においても、職場においても女性に囲まれ、女性のことは散々知り尽くしたリチャードギアのような男性であっても、女性のことをまったく理解できないのであるから、我々普通の男性は、絶対に女性のことを理解できないよというアルトマンのメッセージを感じ取れればよいのだろう。

思いっきり強引にオチをつけたこのラストは意外と気に入った。
リチャードギアは最初から最後までありとあらゆる女性に振り回された挙句、自暴自棄になって、(女性の名前がついた)ハイウェイを運転し、(恐らく女性の名前がついた)ハリケーンに吹っ飛ばされて、言葉の通じない場所(最初は女性しかいない)で出産に立ち会い、男の子が産まれる。

ようやくたった一人で、女性に囲まれるという状態から解放され、この苦しみを分かち合える男の子に巡り合えるというセンス・オチは悪くない。
「男の子だ!」というセリフには、もう女性はコリゴリだという想いがきちんと伝わってくる。

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全米映画興行収入ランキング(3月第1週目) 【映画】

順位(先週)公開週 タイトル (公開館数) 興行収入 (トータル収入)
1(-)1週目「Wild Hogs」   (3287館)$38,000,000($38,000,000)
2(-)1週目「ゾディアック」  (2362館)$13,100,000($13,100,000)
3(1)3週目「ゴーストライダー」(3608館)$11,500,000($94,750,000)
4(3)3週目「Bridge to Terabithia」(3159館)$8,587,000($57,889,000)
5(2)2週目「The Number 23」 (2759館)$6,500,000($24,100,000)
6(5)4週目「Norbit」      (2827館)$6,446,000($82,953,000)
7(6)3週目「ラブソングができるまで」(2644館)$4,895,000($38,680,000)
8(-)1週目「Black Snake Moan」(1252館)$4,015,957($4,015,957)
9(4)2週目「Reno 911!: Miami」(2702館)$3,750,000($16,412,896)
10(7)3週目「Breach」      (1498館)$3,482,860($25,421,195)
(参考:IMDbのボックスオフィス)

3作の新作がランクインしたため、3週目で「Daddy's Little Girls」、2週目で「The Astronaut Farmer」、2週目で「Amazing Grace」が圏外に消えた。
タイラーペリー監督の「Daddy's Little Girls」は酷評されており、ランク落ちはやむを得ないか。
一人でロケットを作ろうとする中年男を描いたビリーボブソーントン主演作の「The Astronaut Farmer」はボチボチの評価をされていたが、作品が地味すぎたか。
観たことないけど、浜田雅功の「明日があるさ」のような映画か。
伝記映画の「Amazing Grace」は絶賛されているが、791館の公開ではランク落ちも致し方ない。

1位になったのは、やはり「Wild Hogs」だった。
ティムアレン、ジョントラボルタ、マーティンローレンス、ウィリアムHメイシー、レイリオッタ、マリサトメイという豪華キャスティングによる軽めのコメディ作品ならば、すんなりと映画ファンから受けいられるだろう。
内容は、おっさんバイカーのロードムービー風の映画。
IMDBの評価は、特別良くもなく、悪くもない感じの6点台。
コメディ作品ならば、上々の評価ともいえるか。
これほどのスタートを切ったのならば、1億ドルは突破したいところだろう。
それにしても、この作品は、果たして日本では公開されるだろうか?
公開されたとしても、あまり需要はなさそうだ。
個人的には、あまり観たいとは思わない。

2位にはデビッドフィンチャー監督最新作「ゾディアック」が登場。
ジェイクギレンホール、ロバートダウニーJR、マークラファロ、ブライアンコックスといった渋いメンバーが出演している。
少なくとも5名、犯人の手紙によると多ければ40名近くを殺したともいわれる実在の殺人犯「ゾディアック」を描いた作品。
殺人犯から送られる謎の暗号と手紙に翻弄される4人の男たちのストーリーだ。
IMDBの評価は、8点台と異常に高い。
これはかなり期待できそうだ。
興行収入的には派手なスタートを切れなかったが、この手の暗めのサスペンス作品の興行収入はあまり良くないのが常である。
ブライアンデパルマ監督の「ブラックダリア」のオープニングが約10百万ドルであった(トータルは約23百万ドル)。
本作は「ブラックダリア」とは異なり、評価が高いので、数週間はランク内に留まるのではないかと思われる。
日本公開の時期については今のところ未定。早く鑑賞したいものだ。

3位には「ゴーストライダー」が引き続き粘っている。
03年の同監督作品「デアデビル」は約44百万ドル→70百万ドル→84百万ドルという推移をしている。
本作は約45百万ドル→79百万ドル→95百万ドルという推移をしており、「デアデビル」の約1割増という感じだろうか。
こちらに関しては既に鑑賞済み。
ちなみに日比谷の映画館はガラガラだった。
日本の今週の興行収入は4位。やはり地味なアメコミは日本ではヒットしないか。
内容的にも真面目な日本人にはちょっと理解できない映画かもしれない。

4位には「Bridge to Terabithia」が粘っている。
子ども向けのファンタジー作品にしては、7点台と評価が高い。
本作の人気は、「ディズニー」ブランドということもあるのだろうか。
雰囲気的には、リュックベッソン監督の「アーサーとミニモイたち」とあまり大差ないようにもみえるのだが(先週の時点では約14百万ドルの興行収入)。
「アーサーとミニモイたち」がコケて、「Bridge to Terabithia」がヒットするのには、やはり訳があるのだろう。

5位のジムキャリー主演作「The Number 23」はパッと見た感じでは結構面白そうには感じるのだが、やはりジムキャリーはコメディ以外の作品をヒットさせるのは無理なのだろうか。
日本でも公開されると思うが、これは是非見てみたい。

6位の「Norbit」は1億円がようやく見えてきたがギリギリの感じでもある。
関係者としては是が非でも大台には乗せたいところだろう。

7位の「ラブソングができるまで」はやや伸び悩んでいる。
02年の「トゥーウィークスノーティス」の推移は以下のとおり。
約14百万ドル→約43百万ドル→約69百万ドル→約79百万ドル→約85百万ドル
一方、「ラブソングができるまで」は、
約19百万ドル→約32百万ドル→約39百万ドルという推移。
「トゥーウィークスノーティス」の3週目の伸びは異常だ。
本作は、サンドラブロックからドリューバリモアに替わっただけのようにもみえるが、二番煎じは通用しないということなのか。
個人的には、「トゥーウィークスノーティス」は観たくはないが、「ラブソングができるまで」は観てみたいと思うのは、ちょっとおかしいのか。

8位には「Black Snake Moan」が登場。
サミュエルLジャクソン、クリスティーナリッチ、ジャスティンティンバーレイク主演による人間ドラマ。
派手さに欠けるため、興行収入は低いが、評価もそれほど低くはなく、予想外に高い。
監督はCraig Brewer。
ラッパーを夢見る青年を描いた05年の「Hustle & Flow」を監督している(トータル約22百万ドル)。
アカデミー賞でもテレンスハワードが主演男優賞にノミネートされているので、監督としての手腕はなかなかのものなのだろう。

「Reno 911!: Miami」は9位に急降下しているが、それほど酷評されているわけではないようだ。

10位には「Breach」が粘っている。
こちらも実在の人間を描いた作品である。
FBIの情報を漏洩していた捜査官をクリスクーパーが演じ、クリスを追い詰める捜査官を「父親たちの星条旗」のライアンフィリップ(元リースウィザースプーンの旦那)が演じている。
予告編を見る限り、なかなか面白そうだと感じた。
日本で公開されるかは微妙だが、公開されたら見てみたい作品だ。

次週には、「300(スリーハンドレッド)」が登場する。
「シンシティ」原作・監督のフランクミラーが原作・製作として関わっている。
ペルシャの大軍と迎え撃つ300名のスパルタ兵士の合戦を描いた作品。
「トロイ」に「ロードオブザリング」の合戦シーンを合体させて、「トロイ」を数倍ブラッシュアップさせたような作品。
スタイリッシュな映像はさすがで、これはかなり話題になりそうである。
監督は「ドーンオブザデッド(トータル約59百万ドル)」のザックスナイダー。
主演は「オペラ座の怪人」のジェラルドバトラー。
拡大公開前ながら、多数の者から好評価されている。
ヒットしにくいジャンルにも見えるが、どの程度の興行収入を稼ぐのか注目である。
「シンシティ」以上に凄そうな作品だ。

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「サイモンバーチ」DVDレビュー 【映画】

◆評  価    3.5点
◆分かりやすさ  A(子ども向き作品であり難解度はゼロ)
◆おススメ度   C(個人的には全く薦められない)


「ゴーストライダー」「デアデビル」のマークスティーブンジョンソン監督の作品。
ジムキャリーがナレーター兼チョイ役で出演している。

原作はジョンアーヴィング「オーエンのために祈りを」という本。
比較的有名なようであるが、ジョンアーヴィングという人は聞いたことがなかった。
本作は、結構評判がいい作品であり、感動したという声も多数聞かれるが、自分はこういう純粋な気持ちを失ってしまったのだろうか、まったく感動できず、本作のどこにも良さを見出すことはできなかった。

キリスト教的な思想を子供だましのやり方で押し付けようとするのは、正直あまり好きではない。
「神の存在」「人にはそれぞれ役割がある」「自分を普通の人よりも小さな形にしたのは神の意志」「英雄になる」などと大風呂敷を広げながら、ジョーの母親をあのような形で死なせるセンスは甚だ疑問だ。

ジョーの母親は息子を産む以外には役割がないというのだろうか。
せっかく愛する人と巡り合えたのに、ああいう形で引き離されるのが神の意志とでもいうのだろうか。
ジョーの母親を好きになった男は、血の繋がっていない子どもを引き取るためだけのためにジョーの母親と引き合わされたというのだろうか。

ストーリーを多面的に捉えずに、サイモンという視点の一面でしか捉えていない。
自分勝手な思想と行動を繰り返しておきながら、感動させるようにストーリーを都合よく誘導していく手法には嫌気が差してしまう。
そもそもサイモンを見ても、「信仰の強さ」はほとんど感じられなかった。

神父さんもジョーに自ら父親だと自白しているのだから、サイモンによって父親が明らかになったとは言いがたい。

冗談抜きにして、本作を観るぐらいならば、M・ナイト・シャマラン監督の「サイン」の方がよっぽど「神の存在」を感じられる。

また、サイモンが死ぬ場面でも、いくら愛情を注がない両親といっても、病院にすら来ないというのはメチャクチャな話だろう。
そこまでサイモンの両親を悪く扱う趣旨が分からない。

さらに、死なないジョーには二人の大人がついており、死ぬサイモンには少女一人しかいないというシーンをみて、やっぱりこの映画には付いていけないと感じた。

ジョーの母親とサイモンの死の理由をもっと合理的なものにし、十分細部を詰めて、ストーリーをくみ直せば、「友情」や「人生に意義を見出す」等、いい映画になったと思われるだけに本当に残念である。
この映画ほど、人の死や大人の存在を軽んじているものはない。

改善すべき点としては、以下のとおり。
①ジョーの母親は病死にする(重い病気に掛かっていても、常に元気でいることで人を励ますという神からの役割を担う)。

②ジョーの母親と、将来の義父の出会いは病院にする(義父はジョーの母親の命が長くないことを知っていてもジョーの母親を愛そうとする)。

③バスの運転手は逃げ出させずに、神父とともに気絶させる(泳げないといって逃亡させるのは、ジョーとサイモンに子ども達を救助させるための方便でしかない。神がいるのであれば彼にも役割があるはずだ。)

④ジョーとサイモンが協力して子どもたちを助け出した後、気絶したバスの運転手と神父をジョーが助ける(ジョーは、当初は父親と認めたくなくても、彼を助けることで父親という存在の有難みを自覚できる)。

⑤父親を決死の思いで救ったために、力尽きて池に沈むジョーをサイモンが助ける(自分の命が長くないことを知っているサイモンにとっての人生の意義とは友情であることがはっきりする)。

⑥ジョーを救ったサイモンは力尽きて池で溺れて死ぬ(病院に親が来ないという問題はカバーされる上に、まさに真の英雄になれる)。

⑦サイモンの墓をみて、サイモンに言葉を掛けるジムキャリーとその息子サイモンで締める(サイモンがいなければ、今の自分はいないという心境で、サイモンの墓と向き合えば、重みがグッと増す。息子にサイモンの名前を継がせた意味も増す)。

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「ハンガー」DVDレビュー 【映画】

◆評  価    6.0点
◆分かりやすさ  B(序盤はとっつきにくい)
◆おススメ度   B(デヴィッドボウイの老人メイクも必見)


3月17日にはトニースコット監督最新作の「デジャブ」が公開されるため、しばらくトニースコット監督作品を見てみようかと思う。
本作はトニースコット監督の長編デビュー作となるだろうか。
カトリーヌドヌーヴ、デヴィッドボウイ、スーザンサランドンが出演しているヴァンパイアモノであるが、よくありがちなモノではなく、一筋縄ではいかないストーリーだ。

1983年製作の約20年以上の前の作品ではあるが、これはなかなか凄い作品だ。
独特のスタイルと兄譲りの美意識が感じられる。

本作で気に入ったのは、デヴィッドボウイとカトリーヌドヌーヴが二人でシャワーを浴びるシーンだ。
ボウイ 「Forever.」
ドヌーヴ「…何か言ったか?」
この短い会話がとても奥深いと思う。

ボウイの「Forever」という言葉には、「永遠」に対する懐疑と願望が感じられる。
ドヌーヴは、その答えは分かっているからこそ、聞こえていても聞かなかったことにしておきたいという気持ちが伝わってくる。
その時が来るまでは、「永遠」を信じたいという気持ちが垣間見れる。

本作はヴァンパイアモノでありながら、純粋なラブストーリーでもある。
永遠に生き続けられるのはドヌーヴ一人だけである。
彼女のパートナーは数百年は生き続けるが、ドヌーヴとともに「永遠」を生き続けることはできない。
ある時点を過ぎれば急激に老化現象が始まってしまうというのである。

常に愛する者を失い続けながら、「永遠」という闇の世界を生きるためには愛する者を求めずにはいられないという悲しい運命を背負っているのがドヌーヴの役どころだ。
ドヌーヴはとても美しく、哀しい女性だ。

デヴィッドボウイを失ったドヌーヴは、次のターゲットにスーザンサランドンを選ぶ。
ドヌーヴによって、ヴァンパイア化されたスーザンサランドンは、自己の「渇き(ハンガー)」を潤すために、自分の恋人を殺さざるを得なかった哀しい運命を背負ってしまった女性だ。
そのために、ドヌーヴとともに「永遠」を生きるのではなく、ペンダントを自己の首に突き刺して「死」を選ぼうとする彼女の行動には、複雑で様々な想いが感じられる。

結局、スーザンサランドンはヴァンパイアの生命力の強さのためだろうか、ラストでは生き残ることはできたが、ドヌーヴとは異なり、彼女は決して「永遠」には生き続けることはできない運命を背負っているのである。
ある時点がくれば、ボウイと同じように朽ち果てるとうことを彼女は分かっているだろう。

ドヌーヴの私財を自分が働いていた長寿の研究所に寄付してしまったが、永遠に生きるための研究に投資したのだろうか。

彼女は永遠に生きたいのだろうか。
それとも限りある時を生きたいのだろうか。

一人で孤独に長い年月を過ごすのか。
それともドヌーヴのように次から次へと愛する人を取り替えていく人生を送るのだろうか。

ラストの彼女の姿をみて、彼女の今後の生き様を思い描くのも面白い見方だろう。


トニースコットとデヴィッドボウイには「ハンガープレニアム」という関連作品もあるが、こちらは「世にも不思議な物語」のような不思議なストーリーのオムニバス作品である。
デヴィッドボウイが出演兼ホストという感じである。
誰に対してもおススメという訳ではないが、トニースコットの世界を深く知りたい人は見ておいた方がよいだろう。

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「ゴーストライダー」レビュー 【映画】

「シュールな笑いと、違いの分かる男たちへ贈られた愛すべきバカ映画」

◆評  価     5.5点
◆分かりやすさ  B(細かい設定は意外と分かりにくい)
◆おススメ度   C(シュールな笑いが好きな人ならばどうぞ)


「ゴーストライダー」はおそらく世間では酷評されると思うが、見方を変えれば非常に面白い作品である。
ニコラスケイジと監督のマークスティーブンジョンソンが一緒にバカになって楽しんでいるのが面白い。
アンリーの「ハルク」や「X-MEN」とはまるでタッチが違うのだ。
原作がコミックなのであるから、暗くて重い気持ちさせるようでは駄目だと考えたのだろう。
ダークではあるものの、非常に軽い仕上がりを目指しており、単純に楽しんでもらおうという姿勢が好印象だ。

ニコラスケイジがなかなかの熱演だ。この役は彼しか演じられないだろう。
カクテルグラスに入ったゼリービーンズを酒でも飲んでいるかのように食したり、コーヒーをがぶ飲みしたり、場違いな音楽を楽しんだり、サルのテレビに熱狂したりと、やりたい放題のバカッぷりには、「よくここまでやった!」となかなか感心させられる。

ツッコミどころが多いのもこの映画の良さだろう。
一見物凄く強そうにみえて、メチャクチャ弱いブラックハートのロイヤルガードたち
ミイラ化させるだけで、派手な攻撃もせず、なんの脅威を感じさせないブラックハート
燃えている土をゴーストライダーから投げられるだけで壮絶なダメージを食らうブラックハート

「イージーライダー」から「ゴーストライダー」へ出演してしまったピーターフォンダ(メフィスト)
出てくるだけで最初から最後まで特に何もしないメフィスト
「オマエを倒す」とかニコラスにいわれながらも一切手を加えない放置プレーはさすがである。
契約を交わした後、十年以上も放置していただけのことはある。
そもそも、あの契約も、果たして契約を交わしたといえるのか?
クリックしただけで、契約成立と言っていると同じシステムだぞ。

ツンデレキャラのエヴァメンデスと彼女の衣装
「私はカワイイ?」と聞かれても、全く相手にしないウエイター

ゴーストライダーの地味な必殺技(笑うセールスマンの技か?)
カッコだけで付けていたわりには道案内するだけでパワーを使い果たして消えてしまった墓守
いい奴なのにあっさりと殺されてしまうマック

特にニコラスケイジにはいくらツッコんでもツッコミ足りない。
「カレンの歌の邪魔をするな」と激怒するシーンなんて最高だろう。
口笛でバイクを呼ぶというシュールさには感動すらしてしまう。
細かいシーンだが、「ゴーストライダー」に変身した翌日、墓守に助けてもらった後、墓守のマグカップをもってフラフラと歩いていき、自分のバイクのところに行った後は、マグカップをもっていなかったりと、やることのメチャクチャさには笑える。
ニコラスケイジのマッチョな肉体とかは、もはや狙っているとしか思えない。
殺されたマックのことを一切気にしていないという潔さには惚れ惚れとする。


個人的には、ギャグとシリアスをきちんとした色分けをして、ギャグパートはさらに過激な路線に突っ走ってもよかったのではないかと思う。
特に、マックとニコラスケイジの絡みは、全部ギャグで押し切ってもよかっただろう。

例えば、ニコラスケイジが危険なアクションにトライする直前に、マックがニコラスの部屋を訪れるという場面があるとする。
ノックをしてマックがニコラスの部屋に入ったら、ニコラスケイジが真っ暗の部屋でカーペンターズの「スーパースター」を聴きながら、真剣な表情で集中力を高めたりしているシーンがあったりすると面白い。

その後、マックがニコラスケイジのことを必死に心配して、「危険なアクションはもう止めてくれ」とか説得しているときに、突然「baby,baby,baby,oh,baby」とカーペンターズの「スーパースター」をいきなり熱唱すれば、さらに盛り上がるだろう。

また、敵であろうが、味方であろうが、誰かれ構わず、常にゼリービーンズを薦めるといったシーンがあってもよかったのではないか。
「オマエはいい奴だ。ゼリービーンズ食うか?」といった会話が留置所の黒人とあっても良い。

エヴァメンデスと再開した後、バイクで追っかけてハイウェイで会話するシーンもあったが、もっと過激な姿勢や、バイクを運転しているのを忘れるぐらいの激しい会話があってもよかった。


突っ込みどころだけでなく、マークスティーブンジョンソンらしいセンスのよい撮影や構図も目立った。
特に、バイクと馬が併走して荒野を走るシーンのシュールさを感じて欲しい。
雨が降る十字路のシーンにもかなりのセンスを感じられた。


ストーリーはまったく面白くなく、派手なアクションもないため、駄作だと怒る人もいるだろうが、それは楽しみ方が間違っている。
シュールでツッコミがいのある世界に浸るというのが本作の楽しみ方だろう。

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