ばったすいみんぐすくーる

公開中の映画作品を中心にネタバレ全開で独断レビュー。 映画興行収入などの映画情報も紹介。

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全米映画興行収入ランキング(4月第5週目) 【映画】

1(1)3週目「Disturbia」  (3047館)$9,100,000 ($52,186,000)
2(-)1週目「The Invisible」(2019館)$7,606,000($7,606,000)
3(-)1週目「NEXT」   (2725館)$7,200,000($7,200,000)
4(2)2週目「Fracture」   (2443館)$7,075,000($21,336,000)
5(3)5週目「Blades of Glory」(3056館)$5,200,000($108,086,000)
6(5)5週目「ルイスと未来泥棒」(2461館)$4,842,000($88,356,000)
7(6)2週目「Hot Fuzz」    (1272館)$4,780,241($12,446,716)
8(4)2週目「Vacancy」    (2551館)$4,200,000($13,868,000)
9(-)1週目「The Condemned」 (2310館)$3,800,000($3,800,000)
10(7)4週目「Are We Done Yet?」(2701館)$3,400,000($43,818,000)
(参考:IMDbのボックスオフィス)

嵐の前の静けさと言っていいだろうか。
初週に1千万ドルを超える作品が1本も現れなかった。
去年も9月レニーハーリン監督作品「The Covenant」が8百万ドルで首位を獲得したことがあり、1年に1回はこのような現象がみられるようになってきた。
映画離れということもあろうが、やはり次週に控える「スパイダーマン3」の公開というのが大きな要因だろう。

04年に公開された「スパイダーマン2」の水曜日からのオープニングが1億5千万ドルという爆発的なモノであり、トータルでは373百万ドルであった。

02年に公開された「スパイダーマン」のオープニングは1億1千万ドルであり、トータルでは404百万ドルであった。

今週ランクインした10本の作品の週末興行収入を足しても、57百万ドル程度にしかならず、いかに「スパイダーマン」の興行収入が高いかがよく分かる。

本作も週末で1億ドル、トータルでは3億5千万ドル以上を稼ぐことが、最低のノルマだろう。

そんな「スパイダーマン」シリーズ超える記録をもっているのが「Disturbia」だ。
「スパイダーマン」はいずれも2週連続しか首位に立てなかったのに、「Disturbia」は見事に3週連続首位を獲得した。
予告編を見る限り、率直に面白そうだなと感じられる作品。

本作は、現代版の「裏窓」というフレコミである。
オリジナルは怪我をして動けないということになっているが、本作は自宅謹慎中で足首に逃走防止用のセンサーを付けており、行動に制約が掛かっている。
両者ともに逃げ場がないというのが、なかなか面白いアイディアだと感じた。
また、サスペンス色だけではなく、ホラー色もかなり強い作品である。
「サイコ」的な雰囲気も感じられた。

しかし、なんだかんだ言いながら、まだ5千万ドルしか稼いでおらず、イメージよりもヒットしているわけではない。

2位になったのは、デヴィッド・S・ゴイヤー監督の「The Invisible」。
「ダークシティ」「バットマンビギンズ」の脚本家としての評価は高いが、監督してのキャリアは「ブレイド3」などイマイチである。
主演は、ロシア生まれのMargarita Levievaという若手の女優と、「宇宙戦争」などに出演していたジャスティンチャットウィン。
生と死の狭間を彷徨う世界を描いた作品のようだ。
評価はあまり高くない。

3位となったのは、ニコラスケイジ主演のアクションサスペンス「NEXT」。
将来の数分間を見通せる魔術師を描くというストーリー。
フィリップ・K・ディックの「The Golden Man」が原作となっている。
共演は、ジュリアンムーア、ジェシカビール。
監督は、「トリプルX ネクストレベル」「007/ダイアナザーデイ」のリータマホリ。
「トリプルX ネクストレベル」の興行収入は約26百万ドルと大きくコケており、タマホリ監督は挽回なるかと期待したが、全くの期待ハズレに終わりそうだ。

「トリプルX ネクストレベル」のオープニングが約14百万ドルであるから、それ以下ということになる。
トータルではギリギリ同じくらいに終わるだろうか。

ニコラスケイジ主演作としても、ゴールデンラズベリー賞にノミネートされた「ウィカーマン」のオープニングが約10百万ドルであるため、この作品よりも悪いことになる。
ちなみに「ウィッカーマン」の興行収入は約24百万ドル。

正直言って、ニコラスケイジ以外の役者で観たかったと感じさせる作品。
「ゴーストライダー」をヒットさせても、こういうヘマをやるとせっかくのヒットが台無しになってしまう。
今後はもっと作品を厳選していくべきだろう。
「NEXT」の評価はあまり高くはない。

ケイトベッキンセール主演の「Vacancy」が2週目で4位から8位まで急落させている中、9位に飛び込んだのは「The Condemned」。
監督は、「ハードトゥダイ」などを手掛けたScott Wiper。
役者としても活躍している。
主演は、Steve Austin。プロレスラーだろうか。かなり体格がいい。
「ロンゲストヤード」にも出演していたようだ。
本作は、いわゆるB級アクションモノ。

これらの3本の新作がランクインしたため、2週目で「In the Land of Women」、3週目で「Perfect Stranger」、9週目「Wild Hogs」が圏外へと消えた。

「In the Land of Women」はメグライアンが出演しているものの、さすがに作品がじみすぎたか。
評価はいたって普通。

「Perfect Stranger」はハルベリー、ブルースウィリス主演作。
親友を殺されたジャーナリストであるハルベリーが、親友を殺した疑いをもつ男ブルースウィリスに「Perfect Stranger<完全な他人>」として近づいていくというストーリー。
評価がはっきりいって低すぎる。
キャスティング云々よりも、作品の質に問題があったようだ。
「キャットウーマン」に続き、ハルベリーの相変わらずの選球眼のなさが目立つ。

「Wild Hogs」は1億5千万ドルを突破。
上手くいけば、1億6千万ドルを稼いだ「幸せのちから」「カジノロワイヤル」といった作品の上にいくかもしれない。
ティムアレン・ジョントラボルタ・マーティンローレンス・ウィリアム・H・メイシーといったキャスティングの妙が受けたのだろう。
この4人に中年親父バイカーを演じさせるといったセンスが光る。
日本でヒットさせるのは難しいかもしれないが、チョイ悪オヤジブームに乗って、少々話題にはなるかもしれない。
若干タイミングが遅いかもしれないが。


今週は、「スパイダーマン3」のほかには、「Lucky You」が登場予定。
監督は、「LAコンフィデンシャル」「8マイル」「インハーシューズ」などで知られるカーティスハンソン。
主演は、エリックバナ、ドリューバリモア、ロバートデュバル。
ポーカープレイヤーの生き様を描く作品。
こういう作品は個人的にたぶん好きだと思う。
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テーマ:興行収入ランキング - ジャンル:映画

『クィーン』レビュー 【映画】

日本でもいつか日本人による皇室を扱った映画ができるかもしれない。

◆評  価    8.5点
◆分かりやすさ  A(ストーリーの難解さはない)
◆おススメ度   A(アカデミー賞ノミネートは伊達ではない)


【オバサマたちの奇怪な行動】
日比谷のシャンテシネで鑑賞。ほぼ満員だった。
ところで、日比谷のシャンテシネ、銀座のシネスイッチ、渋谷のBUNNKAMURAル・シネマなどはいわゆるオバサマ率の高い映画館である。

「ダイアナ妃」「王室」などを扱った本作は特にオバサマの好みらしく、19時すぎの最終回で鑑賞したにも関わらず、7割以上はオバサマ方で占められていた。
別に、静かに黙って鑑賞してくれれば全く問題はないのだが、こういった方々たちは一種独特の行動をする。

今回見られた現象は以下の通り。
①上映間近に関わらず、豪勢な弁当を食う(パンくらいならば自分も食うけど)。
②上映中にも関わらず、絶え間ないビニールガサガサ攻撃を食らわせる。
③笑いが転化した奇声を上げ続ける(しかも、タイミングが全然違う)。
④その奇声に過敏に反応し続ける他の観客がウザイ。

このような劣悪な環境下においても、「クィーン」は素晴らしい映画だと感じられたので、「クィーン」は本物だろう。


【監督スティーブンフリアーズ】
フリアーズ監督は確かイギリス人監督だったはず。
かなりの本数を監督しているベテラン監督だが、個人的にはあまり馴染みのない監督であった。
そのため、「クィーン」鑑賞前に、彼の監督作「ハイ・フィデリティ」「HERO 靴をなくした天使」といった作品を観てみたが、正直言って全く面白くない作品だった。

言いたいことは理解できるのだが、この二作ともに何かピントがぼけてしまっているように感じた。
「ハイ・フィデリティ」はピントがぼけているというわけではなく、単にピントを合わせづらいだけかもしれないが。
この二作をみて、「クィーン」は期待できないだろうなと感じたが、そうではなかった。
熟練された手腕を感じさせる一作に仕上がっている。


【はっきりとした主題】
彼の作品に共通する特徴としては、はっきりとしたストーリー性がないということではないか。
だからピントがぼけると感じるのかもしれない。
「ハイ・フィデリティ」などは特殊なイベントがあるわけではなく、主人公を中心としたダラダラとした展開が延々と続く。

「クィーン」にも正直言ってストーリーなどない。
「ハイ・フィデリティ」同様に、女王を中心としたダラダラとした展開が続くだけだが、本作にははっきりとした確固たるテーマが存在するので引き締まるのである。

それは、女王の苦悩だ。
民間人になったダイアナの死を悼む気持ちの表わし方に女王は苦慮する。

女王として、王室としての格式を重んじ、常に威厳のある行動を取る必要がある。
国民から「女王」としての期待に応えるため、決してブレない強い女王を演じる必要があるが、国民からのバッシングに耐えられない一人の女性・人間としての悲しみも抱えているのが素晴らしい。

女王としての苦しみ、一人の人間としての苦しみがとても分かりやすく演出されており、それをヘレンミレンが上手く演じている。
ヘレンミレンの主演女優賞は文句のつけられない、当然の受賞だ。

【鹿撃ちの意図】
女王としての立場、一人の女性としての立場を見事に演じているのは、鹿撃ちのシークエンスだろう。
鹿というのは王室と関係のある暗喩かもしれないが、それはよく分からないので触れないでおく。

車のシャフトを壊し、SPもつかず、家族も周りにいない、自然の中で本当に一人になった際に、一人の人間としての弱さをみせる。
常に自分を殺して、自己の感情を見せずに、女王としての役を演じなければいけない。それが50年以上も続いているのである。
しかし、あの時の女王は、女王ではない。一人の女性に過ぎないのだ。
鹿の美しさに見とれるシーンは、完全に一人の女性の視点に立っている。

一転して、その鹿が狩りの対象となり、他の人間に撃ち取られた際には、自己の悲しみを隠し、撃ち取った者に対して、褒め称える立場でなくてはならない。
それが女王としての役割だ。


【トニーブレア】
本作はトニーブレアがいい味を出している。
18年ぶりに労働党の首相となったばかりのブレアが、女王の苦悩を知り、女王と国民とのパイプ役としての役割を見事に演じている。

「ラストキングオブスコットランド」のように、アミン大統領を描く映画なのに、まったく関係のない者を主役にするという過ちを犯していないのが本作の良さだ。
脚本は「クィーン」も「ラストキングオブスコットランド」同じピーターモーガンというから驚きだ。
同じ脚本家でも、監督によってタッチが全然異なる。

しかし、ちょっと彼をいい人過ぎるほど、いい人に描いているかなという気もしないではない。
この件を利用して、「首相」としての強固な地位を確立したいと考えるのではないか。
確かに、王室と首相は対立する関係ではないのかもしれないが、一人の政治家としての「野心」のようなものも少々織り交ぜてはよかったのではないだろうか。
今回の件で、間違いなくブレア首相の評価は高まったかもしれないが、政治家は慈善事業家ではない。
「野心」がなければ、政治家や首相は務まらない。
また、「野心」がなければ、女王の言葉も響かない。
「いつか、(バッシングの対象として立場が)逆になる日がくるかもしれない」。


【まとめ】
本作がダイアナ死去に伴う女王の完全にリアルなストーリーとは思わない。
当然、ダイアナと王室には強い確執もあっただろう。
本作では、強い怒りや恨みなどは影を潜め、ダイアナや女王に対して文句は言うものの皆誰しも「いい人」で終わっているのは、多少おとぎ話的でもある。
エジンバラ公やブレア夫人もそれほど過激には描かれていない。

現実とは異なり、架空かもしれないが、一人の女王・人間としての、繊細な心理描写が描きこまれた「映画」としての見事な作品を評価したい作品だ。

テーマ:ミニシアター系 - ジャンル:映画

2007年4月クールドラマ視聴率結果(第二話)

順位  タイトル     初回  最新話 前話との対比 平均(予想平均)
1位「プロポーズ作戦」  19.3%  17.1%(▽2.2%)  18.2%(16.5%)
2位「冗談じゃない!」  19.4%  14.7%(▽4.7%) 17.1%(19.5%)
3位「 バンビ~ノ! 」  16.6%  15.0%(▽1.6%) 15.8%(15.5%)
4位「 喰いタン2  」  16.2%  13.3%(▽2.9%) 14.8%(14.5%)
5位「鬼嫁日記いい湯」  14.6%  14.0%(▽0.6%)  14.3%(13.0%)
6位「わたしの教科書」  14.2%  11.3%(▽2.9%)  12.8%(12.5%)
7位「ライアーゲーム」  12.3%  12.8%(▲0.5%)  12.6%(10.0%)
8位「帰った時効警察」  12.8%  11.9%(▽0.9%)  12.4%(10.5%)
9位「 花嫁とパパ  」  14.9%  10.3%(▽1.0%)  12.2%(12.0%)
10位「 ホテリアー  」   11.1%  11.1%(-%)   11.1%(10.0%)
11位「 孤独の賭け  」   11.2%   9.4%(▽1.8%)  10.3%(12.5%)
12位「 特急田中3号」  11.5%   8.7%(▽2.8%)  10.1%( 9.0%)
13位「 生徒諸君! 」  9.4%   9.4%(-%)    9.4%( 9.5%)
14位「セクシーボイス 」 12.5%   6.9%(▽1.8%)  9.4%(12.5%)

平均視聴率20%超えを果たしたドラマが3本出た前クールの反動だろうか、今クールは一転して暗黒の時代に戻ってしまった感がある。

前クールは、12本のドラマの中で2話目の視聴率を落としたのは、5本だったのに対して、今クールでは11本が既にダウンさせている。

視聴率が上がったのが「ライアーゲーム」のみという寂しさだ。
ただ、このドラマを偶然約30秒ほど観たが、「SAW」のパクリのような気がしたが気のせいだろうか。
内容はともかくとして、土曜日深夜にテレビを観ていそうな若年層向けにターゲットを絞ったフジテレビの新枠設置の試みは成功といえそうだ。

逆に、完全に失敗に終わりそうなのが「セクシーボイスアンドロボ」。
火曜日22時枠に新枠としてドラマをスタートさせたが、3話目の視聴率が6.9%というボロボロの数字を取ってしまった。
最近比較的好調だった日本テレビのドラマであるが、以前は月曜日22枠にドラマの枠があり、常にボロボロだったのが思い出される。
伝説となっている「レガッタ(平均視聴率5.5%)」を下回るドラマというのが、過去に存在した。
その名も「ライオン先生」だ。
03年秋クールに放送され、視聴率3%台を3回叩き出しており、平均視聴率は4.7%という凄い成績を残している。
このドラマには竹中直人と岡本綾が主演していた。
過去にこんなドラマもあるのだから、「セクシーボイスアンドロボ」はかわいいものだよ。
それにしても、どこまで視聴率を落としていくだろうか。
そろそろ巻き返さないと、せっかく「DEATH NOTE」で築き上げたマツケンのキャリアが台無しになる。

テレビ朝日が力を入れた「ホテリアー」も初回からかなり悲惨な数字を獲得した。
ペ・ヨンジュンを起用したり、なかなかの工夫を施したように感じたが、やはり韓流ブームを日本版にアレンジするという試みは過去の例から見ても、成功したことはない。
そして、上戸彩主演の「下北サンデーズ」の初回視聴率も11.4%であるため、この辺りがテレ朝・上戸コンビの限界かもしれない。
「下北サンデーズ」の平均視聴率が7.3%であるため、これ以上下げないようになんとか歯止めをかけないと、テレ朝は二度と上戸彩を起用しようとは思わないだろう。

「ホテリアー」よりも悲惨なのは「生徒諸君!」だ。
内山理名を起用した時点で、このドラマが失敗するのは目に見えていたが、我々の予想を下回る結果になりそうだ。
初回9.4%というのは、あの伝説の「レガッタ 君といた永遠」に匹敵するものだ。
むしろ「レガッタ 君といた永遠」は9.5%だったため、「レガッタ」を超える伝説の期待が掛かる。
堀北真希も「鉄板少女アカネ」に続き、二回連続でコケてしまい、綾瀬、沢尻、長澤などとの若手主演女優争いは一歩後退というところか。

その長澤主演の「プロポーズ大作戦」が今クールの平均視聴率争いの首位に立った。
初回からの下落率は11%程度に留めているので、健闘しているといっていいだろう。
山下智久主演の「クロサギ」も初回からの減少率が10%(18.8%→16.9%)程度なので、彼はそれほど人気なさそうにみえて、そこそこ強固な基盤に支えられているのかなと思料される。

初回から大きく視聴率を落としたのは、「冗談じゃない!」。
この視聴率は本当に冗談じゃなくなってきた。
裏の「ロッキー4」の視聴率は11.8%なので、支障は特になかったはずだ。
これがミニマムだと信じたいが、このまま低視聴率が続くと、織田裕二のテンションも下がるだろう。
同じ枠で木村拓哉が成功を収めたのも問題だ。
織田の人気の凋落が明らかになってしまう。
まだ視聴していないので、近いうちに問題点を検討してみたい。

映画の煽りを食ったのは「喰いタン2」だろうか。
「LIMIT OF LOVE海猿」が20.6%の視聴率を獲得しているので、視聴率ダウンはやむを得ないところ。
しかし、強敵相手といえども、前作の最低視聴率が第5話目の15.2%であるため、明らかに前作からの人気が落ちているのではないか。

「鬼嫁日記いい湯だな」「帰ってきた時効警察」「バンビ~ノ!」はなんとか踏みとどまっているが、「わたしたちの教科書」「花嫁とパパ」「孤独の賭け」「特急田中3号」の4作はもう完全に息切れしている状態だ。
バテるのがあまりにも早すぎだろう。
先クールの「きらきら研修医」ですら4話目まで視聴率10%以上をキープしていたのに。
今クールはあまりにも悲惨すぎる視聴率だ。
今クールは打ち切りドラマも必ず出てくるだろう。


テーマ:テレビ視聴率 - ジャンル:テレビ・ラジオ

国内映画興行収入ランキング(4月4週目) 【映画】

新作が5本もランクインし、7週目で「映画ドラえもん/のび太の新魔界大冒険 7人の魔法使い」、2週目「サンシャイン2057」、6週目で「ハッピーフィート」、7週目で「バッテリー」、3週目で「大帝の剣」が圏外へ消えた。

「映画ドラえもん」は前作の約33億円を超えて、34億円以上稼ぎそうだ。
近年においては、恐らくシリーズ最高の興行収入を上げることになる。
期待通りの大成功といっていいだろう。

「サンシャイン2057」はもうちょっとの奮闘を期待したが、あっけなくランク外へ消えてしまった。
まだ2億程度しか稼いでないのではないだろうか。
小規模公開のため、ここまで多くの新作がランクインしてしまったために煽りを食ってしまったか。
公開時期は悪すぎたかもしれない。
しかし、大して話題にもなっておらず、このままフェードアウトしてしまう可能性は高い。

「ハッピーフィート」は14億円あたりまで稼いだようだ。
去年のアメリカのアニメ作品をみると、「チキンリトル」が27億円、「カーズ」が22億円、「森のリトルギャング」が11億円。
おととしのアニメ作品をみると、「Mr.インクレディブル」が53億円、「マダガスカル」が23億円、「ロボッツ」が14億円稼いでいる。
去年の「カーズ」辺りから、アメリカCGアニメの作品の成績が非常に悪い気がする。
公開前は12億円程度が目標となる本ブログで書いたが、アカデミー賞受賞作品が「ロボッツ」程度と同じ興行収入というのも若干物足りなさも覚える。
そうはいっても、可も不可もなく、それなりに稼ぐことができたのではないか。

「バッテリー」は13億円を突破。
去年は、「フラガール」が14億円、「UDON」が14億円、「嫌われ松子の一生」が13億円を稼いでおり、これらと同レベルというのだから、立派といわざるを得ない。
何がポイントになったのかがさっぱり分からないが、原作が予想外に人気があり、またキャスティングのフレッシュさが受けたのだろうか。

「大帝の剣」は大コケ。
東映は「大奥」「バルトの楽園」「明日の記憶」「男たちの大和」などで地味に稼いでいたが、本作は2~3億円程度しか稼ぐことができず、儲けを吐き出してしまったのではないだろうか。
堤幸彦監督、阿部寛主演の「トリック2」が21億円稼いでいるのに、その10分の1しか稼げないとは、関係者は夢にも思わなかっただろう。
敗因を一言でいえば、「ふざけすぎ」だろうか。

今週のランキングは5本の新作がランクインした。
「名探偵コナン 紺碧の棺(ジョリーロジャー)」が万人の予想通り1位を獲得した。
本作のオープニング成績は4.5億円とのこと。
トータルで30億円稼いだ前作は5.3億円のオープニングを飾ったため、前作比では15%の減少となる。
そして、トータルで22億円稼いだ2年前のオープニングは2.8億円とのことなので、それほど悪いオープニングではないだろう。
前作同様に順当に稼げると考えられ、本作のトータルは30億円を若干下回る程度でフィニッシュできるのではないか。
しばらくは上位をキープし続けるだろう。

2位に入ったのは「映画クレヨンしんちゃん/嵐を呼ぶ歌うケツだけ爆弾!」。
今回を含めると、4年連続の2位スタートなる。
オープニングは3億円とのこと。
前作のオープニング成績が3.3億円だったから、前作並といえる。
相変わらず変わらぬ人気をキープし、我々の予想外に健闘している。
本作は予定通り13億円~14億円を目指していくことになりそうだ。

「ロッキーザファイナル」は4位スタート。
先行・金曜日などを含めて2億円程度とのこと。
上位に食い込めなかったが、ロングセールスを期待したい。
注目度もそれなりに高く、一般のレビューも好評である。
若年層向けの作品ではなく、やや中年に入った男性がメインのターゲットであるため、大きく稼げなかったのではないか。
今後の粘りに期待したい。

「ハンニバルライジング」は5位スタート。
オープニングは1.5億円程度。
予想外には健闘したが、こちらはすぐに成績を落とすのではないか。
どう考えても、すべてが地味すぎる。

「ラブソングができるまで」は8位スタート。
オープニング成績は7千万円。
「ホリデイ」のオープニング成績は1.7億円であるため、比べものにならない。
当初から大きく稼げる作品ではないと思われていたため、予想通りの滑り出しといえるのではないか。

今週末に公開される作品でランクインが予想されるのは「ゲゲゲの鬼太郎」と「バベル」の二本。

「ゲゲゲの鬼太郎」の参考になりそうなのは、05年の「妖怪大戦争」の20億円(オープニング2億以下、4位登場)、04年の「NIN×NIN忍者ハットリくんTHE MOVIE」の19億円(オープニング3億、2位登場)だろうか。
これらの作品から、目標は20億円ということになるが、果たしてそこまで稼げるだろうか。
いまさらながらの題材に加えて、ウエンツ瑛士 、井上真央という二人もはっきりいって未知数だ。
さすがに10億円は超えてくるとは思うが、大きく稼げそうな勢いは感じない。
予告編もイマイチな仕上がり。
はっきりいって何を狙っているのかが分からない。
もっとねずみ男を出して笑いを取るのか、大作っぽい仕上がりを目指すのか、豪華キャスティングをアピールするのか、ウエンツと井上の関係を重視するのか、何かしらのポイントをもっときちんと伝えるべきだろう。
明らかに中途半端で、鑑賞したいという気にはさせない予告編だ。
フジテレビが絡んでいるわりにはセンスが悪いと思う。
フジテレビでも松竹らしいB級さは拭えなかったようだ。
ゴールデンウィークということもあり、オープニングは2億前後いくのではないか。

「バベル」の参考になりそうな作品は、正直あまりない。
2004年に公開された作品の興行収入が少々参考になりそうだ。
日本人俳優が出演した「ラストサムライ」は137億円
日本人俳優が出演した「LOVERS」が23億円
社会派ドキュメントの「華氏911」が17億円
衝撃話題作の「パッション」が13億円
社会派ヒューマンドラマの「ミスティックリバー」が10億円稼いでいる。

これらの作品を見る限り、「バベル」が10億円を超えるのは容易だと推測できる。
ドキュメント作品の「華氏911」が17億円程度稼げたのだから、硬派な作品であるものの「バベル」は少なくとも20億円は稼げるのではないか。
「バベル」は絶対に稼げる素材だと思う。
この映画で20億円稼げなかったら、宣伝担当は無能と言わざるを得ない。
通常であれば、この手の映画は大きく稼げないのが常であるが、アカデミー賞ノミネート効果による本作の認知度は相当高いと思われる。
ゴールデングローブ賞受賞というのも後押しするだろう。
おまけにブラッドピッドまで出演している。
どうやっても失敗しようがない。

今週6位の「ナイトミュージアム」は「バベル」にメイン館を譲り渡し、今週10位に踏みとどまった「ホリデイ」もさすがに来週は圏外へ消えるだろう。

<次週予想順位>
予想順位(今週) 自己評価 タイトル(主な公開劇場)
1(1) ×「名探偵コナン 紺碧の棺(ジョリーロジャー)」(有楽座)
2(-) ◎「バベル」(日比谷スカラ座)
3(-) ×「ゲゲゲの鬼太郎」(丸の内ピカデリー1)
4(2) ×「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!」(日劇PLEX2)
5(3) ×「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(丸の内ピカデリー2)
6(4) 済「ロッキーザファイナル」(TOHOシネマズ六本木ヒルズ)
7(5) ○「ハンニバルライジング」(日劇PLEX1)
8(7) 済「ブラッドダイヤモンド」(ルーブル丸の内)
9(8) ○「ラブソングができるまで」(丸の内プラゼール)
10(9) ×「アンフェア the movie」(新宿東亜興行チェーン)

[個人評価]
◎ 絶対観たい作品
○ できれば観たい作品
▲ DVDか映画サービスデイだったら観たい作品
△ 映画館では観ないけどDVDだったら観るかもしれない作品
× 観ることはないでしょうの作品
済 鑑賞済み作品


<今週公開される主な作品>
◎「バベル」日比谷スカラ座ほか
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督(代表作「アモーレスペロス」「21グラム」)
ブラッドピット(ゴールデングローブ賞助演男優賞ノミネート) 、ケイトブランシェット 、ガエル・ガルシア・ベルナル 、役所広司 、菊地凛子(アカデミー賞助演女優賞ノミネート)、アドリアナ・バラーザ(アカデミー賞助演女優賞ノミネート)
※モロッコ、日本、メキシコを舞台に繰り広げられる壮大なストーリー。
アカデミー賞作品賞・監督賞ノミネート作品。
ゴールデングローブ賞作品賞受賞作品。

×「ゲゲゲの鬼太郎」丸の内ピカデリー1ほか
本木克英監督(代表作「ドラッグストアガール」)
ウエンツ瑛士 、井上真央 、田中麗奈出演
※人気アニメを実写化。

○「恋愛睡眠のすすめ」渋谷シネマライズ
ミシェルゴンドリー監督(代表作「エターナルサンシャイン」「ヒューマンネイチュア」)
ガエル・ガルシア・ベルナル 、シャルロット・ゲンズブール
※知的な女性に恋したシャイな男性が、恋の成就を夢の世界で空想していく。

×「あしたの私のつくり方」渋谷アミューズCQNほか
市川準監督(代表作「竜馬の妻とその夫と愛人」「トニー滝山」)
成海璃子 、前田敦子
※先週「神童」が公開されたばかりの成海璃子主演作。
榮倉奈々も立て続けに新作が公開されたが、こういった手法はバランスが非常に悪い気がする。
ストーリーは、いい子であり続けるために自分を偽ってしまう少女たちの心情を描く。

△「ストリングス ~愛と絆の旅路~」TOHOシネマズ六本木ヒルズ
アンデルスルノウクラルン 、庵野秀明監督
草薙剛 、中谷美紀が声優を務める。
※デンマーク生まれの人形劇。結構面白そう。
「チームアメリカワールドポリス」とどちらが技術的に優れているだろうか。

テーマ:興行収入ランキング - ジャンル:映画

全米映画興行収入ランキング(4月第4週目) 【映画】

1(1)2週目「Disturbia」 (3015館)$13,460,000($40,654,000)
2(-)1週目「Fracture」 (2443館)$11,175,000($11,175,000)
3(2)4週目「Blades of Glory」(3459館)$7,808,000($101,082,000)
4(-)1週目「Vacancy」  (2551館)$7,600,000($7,600,000)
5(3)4週目「ルイスと未来泥棒」(3003館)$7,088,000($82,211,000)
6(-)1週目「Hot Fuzz」  (825館)$5,836,739($5,836,739)
7(5)3週目「Are We Done Yet?」(2944館)$5,200,000($39,591,000)
8(-)1週目「In the Land of Women」(2155館)$4,915,000($4,915,000)
9(4)2週目「Perfect Stranger」(2661館)$4,100,000($18,068,000)
10(7)8週目「Wild Hogs」 (2001館)$2,872,000($156,213,000)
(参考:IMDbのボックスオフィス)

新作が4本ランクインして、2週目で「Pathfinder」、3週目で「The Reaping」、7週目で「300」、3週目で「Grindhouse」が圏外へ消えた。

「Pathfinder」は、インディアンに育てられたバイキングの少年が成長して、インディアンのためにバイキングと戦うというアクション。
評価は極めて普通だ。
恐らく1千万ドルをちょっと超える程度でフィニッシュしそうである。
雰囲気的には、子ども向きのファンタジー作品でないように感じられる。
「ロードオブザリング」路線を狙ったやや大人向けの作品のようだ。
この手のジャンルに関しては、「300」「ロードオブザリング」「グラディエーター(約188百万ドル)」は稼いだが、「キングアーサー(約52百万ドル)」「キングダムオブヘブン(約47百万ドル)」といった作品は期待通りの興行収入を上げていない。
製作費に金が掛かるものの、興行収入の読みができない、なかなか難しいジャンルである。

「The Reaping」はヒラリースワンク主演のホラー。
2千万ドルをちょっと超える程度でフィニッシュしそうだ。
まさか、今年の1月に公開されたヒラリースワンク主演の「Freedom Writers」以下の成績になるとは思わなかった。
評価に関しては普通であり、あまり芳しくない。
予告編を見る限り、ちょっと重苦しいかなと感じられる作品。
ジョエルシルバー・ロバートゼネキス率いるダークキャッスルエンタテイメント製作の作品であり、ハルベリー主演の「ゴシカ」などを製作している。
この会社は、いわゆるB級ホラーとは違う、A級ホラーというジャンルを開拓しようとしているのではないだろうか。
ただし、多くの観客がそれを本当に求めているかどうかは微妙なところだ。
日本でも近々公開される予定であるが、これはさすがに鑑賞しない予定。

「300」は2億ドルを見事に突破し、期待以上の十分な興行収入を上げた。
現在、全米歴代史上69位につけており、将来的には「バックトゥザフューチャー」の約211百万ドル辺りを交わしてのフィニッシュとなるのではないか。
日本での公開は6月9日に決まっている。
これは確実に観に行きたい。

「Grindhouse」の評価は依然高いままだが、二本に分けて公開する方向で進んでおり、観客は鑑賞を控えているのだろう。
企画としては失敗したが、今後はどのような動きを見せるが注目だ。
3時間掛けて1本の映画として公開するよりも、1本の製作費で2本の映画を公開した方が収益はかなり見込める。
1本90分も掛からなければ、回転率も相当上がるだろう。

2週連続1位となったのは、DJカルーソー監督の「Disturbia」。
主演は若手の注目株のシアラブーフだ。
主人公が隣人を連続殺人犯だと疑いだすというストーリー。
シアラブーフは、「チャーリーズエンジェルフルスロットル」「アイ,ロボット」「コンスタンティン」といった大作に出演しており、今後「トランスフォーマー」「インディジョーンズ4」といった超大作に出演することが決まっている。
これ以上失敗が許されないマイケルベイとハリソンフォードにとっては、シアラブーフ主演の「Disturbia」は嬉しいヒットだろう。

アンソニーホプキンス主演の新作サスペンス「Fracture」は2位でスタート。
共演は、アカデミー賞ノミネート経験者のライアンゴスリング。
監督は「オーロラの彼方へ」「真実の行方」などのグレゴリーホブリット。
妻の殺人未遂を犯したホプキンスと検事補ゴスリングの法廷劇を含んだサスペンスだろうか。
評価はそこそこ高い。
地味な作品ゆえ、このスタートは順当なところか。

ケイトベッキンセール主演のサスペンスホラー「Vacancy」は4位スタート。
「アンダーワールド:エボリューション」はオープニング約27百万ドルを記録しており、やや期待外れといっていいオープニングではないか。
監督はNimrod Antal。 あまり目立った監督作品はない。
たまたま泊まることとなったモーテルで、スナッフ映画の犠牲となりそうになる夫婦を描く作品。
共演は、ルークウィルソン。
評価は「Disturbia」「Fracture」と同程度あり、それほど悪くない。

825館ながら「Hot Fuzz」が6位に登場した。
評価はかなり高い、刑事モノのクライムアクション。
監督は「ショーンオブザデッド」「Grindhouse」のフェイク予告編を手掛けたエドガーライト。
「ショーンオブザデッド」も相当評価が高い作品であり、彼には近いうちに大きな仕事が回ってきそうだ。
主演はサイモンペッグとマーティンフリーマン。

もう一本の新作「In the Land of Women」は8位に登場。
アダムブロディ、メグライアン、クリスチャンスチュワート主演のラブコメディ風のヒューマンドラマ。
監督は、本作が初監督となるJon Kasdan。
評価はそれほど低くはないが、地味すぎて来週には圏外へ消えているかもしれない。

次週には、ニコラスケイジ主演のアクションサスペンス「NEXT」が登場。
将来の数分間を見通せる魔術師を描くというストーリー。
「マイノリティリポート」等数々の作品が映画化されているフィリップ・K・ディックの「The Golden Man」が原作となっている。
共演は、ジュリアンムーア、ジェシカビール。
監督は、「トリプルX ネクストレベル」「007/ダイアナザーデイ」のリータマホリ。
「トリプルX ネクストレベル」の興行収入は約26百万ドルと大きくコケており、タマホリ監督は挽回なるだろうか。
ニコラスケイジは去年「ワールドトレードセンター」「ウィカーマン」に出演し、今年は既に「ゴーストライダー」を大ヒットさせている。
そして「ナショナルトレジャー」の続編も待機しており、いったい何本の映画に出演するつもりなのだろうか。
興行収入的には、本作は1億ドルを突破するような大きく稼ぐ作品ではないだろう。

その他には、デヴィッド・S・ゴイヤー監督の「The Invisible」が登場予定。
彼は「ダークシティ」「バットマンビギンズ」の脚本家で知られている。
監督してのキャリアはあまりないが、「ブレイド3」の監督を手掛けている。
興行収入は約52百万ドルとシリーズ中では最悪だった。
主演は、ロシア生まれのMargarita Levievaという若手の女優と、「宇宙戦争」などに出演していたジャスティンチャットウィン。
生と死の狭間を彷徨う世界を描いた作品のようだ。

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『ロッキーザファイナル』レビュー 【映画】

あのチャンピオン同様に、俺らも「大切なものを学んだな」と感じられる作品。

◆評  価    8.0点
◆分かりやすさ  A
◆おススメ度   A-(伝説シリーズの最後には学ぶ点が多い)

Ⅰ~Ⅴを久々に復習し、万全の状態で臨んだため、かなり感慨深く鑑賞することができた。
今では誰も見向きもしないスタローンではあるが、本作を観ると、演出家・脚本家としては微妙な心理描写も描けており、役者として彼の肉体、悲哀さ、心の熱さなども演じられている。
最後には「スタローン、結構やるじゃん」と感心させられる映画である。

本作は、自分を信じて、不器用ながらも前進し、挑み続けた男の生き様が刻まれている映画である。
やはり、「映画」というのは奥が深い。
ただの動画ではなく、まさに一人の男の人生が映し出されている。


【構成】
スケート場跡地、ペットショップ、最初に住んでいたアパート、ミッキーのジム等、思い出の地を巡り、前半はとても哀愁・郷愁を誘う仕上がりとなっている。

中盤には「Ⅰ」に少女として登場したマリーと再開し、彼ら親子を助けることで、ロッキーの心に変化が生じていく。
過去に生きていたロッキーが自己に眠る何かを完全燃焼させるために、立ち上がっていくのだ。
いわゆる、自己の原点に立ち返っていく。
親の威光に苛立ちを感じて仲違いしていた息子との心と心のぶつかり合いは見事である。

終盤は、あまりにも強いがゆえに人気のないチャンピオンとのエキシビションマッチを迎える。
人気のあるロッキーと戦うことで、チャンピオンとしての人気を取り戻すという算段だ。
この試合は凄かったが、何よりも彼らの登場シーンには驚かされる。
まさに本物同然の仕上がりだ。

試合中に、やや技巧的な手法を使って描いたのは、あまり好きではなかった。
カットバックしたり、ブルーな色調に血だけ赤く染めたりするという手法よりも、もっと単純なものでもよかったのではないか。


【負け犬の復活】
30年前同様にフィラデルフィアの街には活気がなかった。
やはり、誰しもが現状に対して諦めてしまっている感がある。
たとえ、馬鹿にされても、ヘラヘラと笑って返してしまうような雰囲気のある街だ。

酒場でバカにされたとき、ロッキーが黙ってられなかったのは、やはり大いに意味があったのだろう。
馬鹿にされたら、黙っているのではなく、やり返さないといけない。
今の我々に足りないものだろう。
多くの人は、自分はいい歳だからとか、自分は既に負け犬だからとか、親や兄弟は凄いけど自分には何もできないとか、何かしら理由をつけてすべて諦めてしまってはいないだろうか。
自分の人生の失敗を他人のせいにするようなことだけはしたくはないと思わせられる内容となっている。


【周囲への手助け】
マリー親子を助けたのも、ロッキーに下心があったからではない。
彼らにチャンスを与えるためだ。
人は誰しもチャンスを得れば、光り輝くことをロッキーは知っている。
ロッキー自身も再びチャンスを得て、その無謀なチャンスを活かしていく。
そして、周囲の人間にもそのチャンスを平等に分け与えるのがロッキーの生き様である。

ロッキーのたゆまぬ努力自体を認めざるを得ないが、やはり彼一人の力では何もできない。
自己の努力だけでは何事も解決できないというのは、シリーズを通して描かれていることだ。
必ず誰かの手助けによって、ロッキーは再生していく。
ミッキーの力であり、アポロの力であり、エイドリアンの力であったりする。
(Ⅱが好きではないのは、基本的に自分だけで悩んで、周囲の手助けを拒絶しているようなところがあるからだ)。

本作にも、ポーリーがいて、ロッキーの息子がいて、アポロのトレーナーがいて、マリー親子がいるから、ロッキーはチャンピオンに挑むことができるのだ。
彼らがいなければ、ロッキーは挑むことはできなかっただろう。
そして、何よりもエイドリアンがいたからこそ、現在のロッキーがいるということをラストで締めくくっている。


【勝敗の行方】
「Ⅰ」同様に、今回も勝敗をロッキーはこだわっていないという点が強く描かれている。
確かに、勝負に勝つことも重要かもしれないが、ロッキーはそれよりも重要なことを示している。
勝負に逃げずに、挑み続けるということを。


【参考】
本作に何度も出てくるスパイダーという人物は、「Ⅰ」でアポロと戦う前に、ロッキーが戦ったボクサーである。
ロッキーは結構彼に苦戦していた。

エンドロール後に、子どもたちの姿が描かれているが、「Ⅱ」でも子どもたちとあの階段を駆け上るシーンが描かれている。

「Ⅰ」では亀を飼っていたことが描かれている。亀の餌を買ったことでエイドリアンとの接点があったのだろう。
本作でも、亀を飼っていることが描かれている。

「Ⅰ」ではイヌをエイドリアンからプレゼントされる。
本作でもイヌが登場するのは、その流れだろう。

フィラデルフィア美術館前に建てられていたロッキーの銅像が本作には登場しない。
ポーリーが「銅像壊されたから、怒っているのか」といったようなセリフがあることから、取り壊されたものと思料できる。

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「ロッキーシリーズ」DVDレビュー 【映画】

「ロッキーⅡ」
◆評  価    5.5点
◆分かりやすさ  A
◆おススメ度   B-(本来のロッキーのイメージとは異なる作品)

[内容]
チャンピオンアポロとと善戦し、ロッキーをみる周囲の目は変わるが、ロッキー自体は変われない姿が描かれる。

エイドリアンと結婚し、新たな人生が開けるかと思ったが、新たな職を求めるものも、どこでも雇ってもらえず、ポーリーの紹介によって、ようやく精肉工場で黙々と働き始めるも、人員整理のため、即刻解雇されてしまう。

ロッキー自身は、右目の視力が回復せず、ボクサーとしてはほとんど廃業状態だったが、アポロの挑発によって、再戦を決意する。
アポロは、ロッキーと前回の試合の直後は「再戦しない」と語り合ったが、ファンからの罵倒に耐えられなかったのである。
真のチャンピオンを証明するためにも、ロッキーと決着を付けざるを得なかった。

エイドリアンからはボクサー復帰を止められていたため、ロッキーのトレーニングのピッチははかどらない。
そんな矢先に、エイドリアンの陣痛が始まる。
ロッキーが全く稼げないでいたための過労と出産によって、エイドリアンは意識不明の重体に陥る。
数日間の看病の後に、エイドリアンは目を覚まし、一言ロッキーに告げる。
「勝って!」と。

ロッキーは調子を回復させ、トレーニングのピッチを上げてゆく。
ミッキーはサウスポーであるロッキーにサウスポーを封印する作戦を授け(右目をかばうためでもある)、試合に臨ませる。

相変わらず、試合はアポロ優勢で進むが、最終ラウンドで奥の手のサウスポーを出したロッキーの猛攻によって、アポロとロッキーは両者ノックダウンとなるものの、9.9秒のタイミングで立ち上がったロッキーが勝利し、新しいチャンピオンとなるのであった。


【レビュー】
本作から監督をスタローン自身が務めることになったためか、かなり暗めのストーリーが延々と続く。
いわゆるロッキーシリーズの爽快さとは次元を異にする内容を、観客がどのように評価するだろうか。

評判はかなりいい「Ⅱ」であるが、1時間30分も盛り上がることなく、鬱になるような展開が繰り広げられるために、自分はちょっと飽きてしまった。
暗めの脚本が目指す意図はよく分かるのだが、演出としてのメリハリが欠ける気がした。

また、1時間30分後のトレーニング再開シーンで子ども達を出演させるようなベタさも目立つ。
ロッキーの試合をエイドリアンは家でテレビ観戦をしており、盛り上がりにはやや欠ける。
「勝って!」のエイドリアンの一言だけがポイントとなり、「戦う意味」的な視線が足りない作品だ。

基本的に、ポーリー、エイドリアン、ミッキーなどの主要なキャラクターが蚊帳の外になっており、ロッキー本人だけの映画になってしまっているのも、少々問題だった。
いわゆる「俺様」映画となってしまったため、評価を下げた。



「ロッキーⅢ」
◆評  価    6.0点
◆分かりやすさ  A
◆おススメ度   B(前作よりは楽しめる)

[内容]
本作から「アイオブザタイガー」がテーマソングに使用されることとなる。

チャンピオンになったロッキーは、数年間タイトルを防衛し続けて、ファンやマスコミにもてはやされて有頂天となる。
果てには、プロレスラーのハルクホーガンとエキシビションマッチを繰り広げてしまう(異種格闘技試合として、意外とこれは面白い)。

そんなロッキーの姿をじっと見つめる姿がある。
黒人ボクサーのクラウバー(ミスターT(モヒカン姿のプロレスラー))であった。

クラウバーの挑発に乗り、ロッキーはチャレンジを受けようとするものの、ミッキーの様子がちょっとおかしい。
実は、ミッキーは、ロッキーが勝てそうな相手ばかりとマッチメイクしていたのである。
正真正銘の本物のボクサーであるクラウバーに勝ち目がないのを悟っており、クラウバーとの試合を避けるように言う。

しかし、ロッキーはクラウバーとの戦いに挑もうとする。
試合直前のロッキーとクラウバーとのいざこざに巻き込まれたミッキーは持病の心臓病を悪化して、その場にぶっ倒れてしまう。

そんなミッキーを心配してか、ロッキーはクラウバーに2回でノックアウトされる。
試合を終え、ミッキーに対して、試合の結果を報告すると同時に、ミッキーは息を引き取る。

消沈するロッキーであったが、そんな彼に元チャンピオンのアポロが手を差し伸べる。
再び「虎の目(アイオブザタイガー)」を取り戻して、ロッキーにクラウバーと再戦するようにトレーニングを開始させる。

しかし、トレーニングを開始するもロッキーのピッチは上がらない。
「戦う意味」を見出せなく、トレーニングを止めてしまい苦しんでいるロッキーに対して、エイドリアンが諭す。
エイドリアンによって「戦う意味」を取り戻して、アポロ直伝のリズム感とジャブを習得するロッキーであった。

試合は、ジャブによってクラウバーを追い詰め、また、クラウバーに数多くパンチを繰り出させ、彼の疲労を誘う。
疲労の限界に達したクラウバーに対して、ロッキーは逆襲し、見事にノックアウトで勝利し、チャンピオンに復帰するのであった。

クラウバーに勝利した後、ロッキーとアポロは二人でジムに戻る。
アポロは実はロッキーともう一度戦いたかったのだ。
冗談を言いながら、華麗なステップを踏む二人と、クロスカウンター的なパンチを放ったシーンで幕を閉じる。


【レビュー】
暗めのトーンだった前回とは一転して、エンターテイメント色が強まった感を受けた。
1作につき、3試合も行えば、なかなか展開としては面白くなる。

ロッキーの苦悩を、アポロやエイドリアンが救っていくのも評価できる。
これが前作とは違うところである。
これらのシーンによって、本作は「俺様映画」にはなっていいない。
アポロとの友情もメインとなっており、本シリーズにも珍しい視点を盛り込んだといえる。

本作から、有力なキャストを殺さなければ、前に進むことが出来なくなったのが多少問題となった。



「ロッキーⅣ/炎の友情」
◆評  価    5.5点
◆分かりやすさ  A
◆おススメ度   B(名曲に彩られた作品)

[内容]
ソ連からアマチュアチャンピオンのボクサー・ドラゴがアメリカに来訪する。
引退から5年が経ち、誰からも見向きもされなくなったアポロは自己の存在意義を賭けて、彼とのエキシビションマッチに挑むが、あまりの強打によって、彼は帰らぬ人となる(試合前のジェームズブラウンの「リビングインアメリカ」は必見)。

アポロの無念さのためだろうか、多くを語らずドラゴとのソ連での試合を引き受けるロッキー。
アポロのトレーナー、ポーリーとともに、ソ連の片田舎で黙々とローテクなトレーニングに励むロッキーと、最新式のハイテクでトレーニングに励むドラゴが交互に映し出される(ストーリーがないため、うざいくらいの音楽が垂れ流しになる。でも「バーニングハート」は名曲。)

ドラゴとの試合は、圧倒的な強さを図るドラゴの前に全く歯が立たないが、倒れても倒れても、何度も立ち上がり続け、ソ連の観客の心をロッキーは徐々に掴んでいく。

次第にドラゴを追い詰めていき、終盤の猛攻でドラゴをノックアウトしてロッキーは勝利する。
1ラウンド終了後に、ドラゴは「奴は人間ではない。鉄で出来ている。」との名言を残すのが印象的。


【レビュー】
ボクシングで人が死んだり、アメリカとソ連の対立をボクシングに持ち込んだりと、明らかに方向性が間違ってしまったシリーズである。
スタローンは「ランボー」と混合し始めてしまったようだ。
ソ連の観客がロッキーに声援を送ることによって、「人は誰でも変われる」と主張している。
冷戦の対立緩和を呼びかけている政治的な意図も見受けられる。

大きなストーリーもなく、内面も深く描かれず、ドラマもなく、上映時間が90分を割る短い映画となっている。
かなりの物足りなさも感じるが、逆に新鮮さも感じられた。
トレーニングと試合に重心を置いた純粋なボクシング映画としての仕上がりとなっている。

音楽を多用して、ローテク(ロッキー)とハイテク(ドラゴ)の対立軸を上手く演出しているのも面白い。
この辺りでポーリーは完全に「緊張感の中に潜む清涼剤」的な役割となっている。



「ロッキーⅤ/最後のドラマ」
◆評  価    5.0点
◆分かりやすさ  A
◆おススメ度   C(これは観なくてもいいだろう)

[内容]
ソ連から帰国したロッキーだったが、ややパンチドランカー的な症状がみられはじめる。過去の試合によって脳にダメージを受けていたのだ。

そんな矢先、悪徳税理士によって、ロッキーは破産してしまい、再びフィラデルフィアで貧乏生活を余儀なくされてしまう。

そんな彼の前に、ロッキーを慕う青年トニーが現れる。
ハングリーさに溢れていたトニーに対して、ロッキーは自己に重ねて、トレーナーとして彼を助けていく。
トニーに対して執着するロッキーに対して、ロッキーに無視された息子は反抗していく。

めきめきと能力を開花させていくトニーだったが、ロッキーのコピーと言われるのに苛立ちを感じ始める。

ロッキーで金儲けを企むデュークは、ロッキーではなく、トニーに目を付ける。
恩師のロッキーを捨てて、金や女やベルトに目がくらみ、デュークと組むトニーだった。
デュークはトニーをチャンピオンにさせることに成功する。

チャンピオンになったにもかかわらず、ロッキーの影を拭えないトニーはロッキーの前に現れて、ロッキーとストリートファイトを繰り広げる。


【レビュー】
Ⅳの頃は7~8歳くらいだったロッキーの息子が一夜にして、高校生辺りにまで成長する謎のシリーズ。

ロッキーと息子の関係に対して、重心を置こうとしたようだが、これがあまり上手くいっていないのがもったいない。

毎回毎回、試合で締めくくりというマンネリ感を打破するために、ストリートファイトというオチで勝負を賭けたが、はっきりいってこれは邪道以外の何者ではない。

中年となったロッキーとこのシリーズの行き詰まりや悲哀を感じさせるシリーズでもある。

テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画

「東京にもあったんだ/福山雅治」レビュー 【音楽】

「東京にもあったんだ」
◆評価 7.0点

「東京にもあったんだ」は「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」の主題歌となっている。
本人も長崎県から上京してきており、この曲は自己の心情を歌にしたものだろう。
今では売れっ子であるが、彼も上京したての頃はかなり苦労したようだ。
東京という無感情な街に染まらないで欲しい、東京に上京してきたときの気持ちを忘れないで欲しい、という願いが込められた曲だ。

しかし、目新しさは感じられない。
既存の福山雅治という「引き出し」にあったものを適当に見繕って歌にしたというイメージを感じた。
「milk tea」や「東京」などの曲と同様に、スローなテンポの曲で、シンプルかつストレートに心情を歌い上げている、いつもの福山の曲であって、それ以上のものではない。
映画の主題歌ということで、映画のイメージを崩さずに、あえて冒険はしなかったのだろうとも思われる。
決して悪くはないが、いわゆる「置きにいった」という曲ではないか。

タイプは全く違って当然なのだが、コブクロの歌詞とは全然異なっているのがよく分かる。
福山雅治の歌詞は、いい意味で捻(ひね)りが全くない歌詞だ。
コブクロの歌詞のような技巧さは感じないが、捻りがない分、よりストレートに聞いている者の心に届くようだ。


「無敵のキミ」
◆評価 5.5点

本シングルに含まれているもう一曲の「無敵のキミ」も、やはり福山という引き出しに入っていた曲といっていい。
イメージ的には、曲調は異なるが、「HELLO」のような雰囲気の曲だろうか。
「HELLO」が「25時の電話のベル 土曜日の仕事」ならば、「無敵のキミ」は「月曜 8時2分」の心境を歌い上げている曲だ。

あまり印象に残らず、個人的にはあまり好きではない曲だ。

テーマ:j-pop - ジャンル:音楽

2007年4月クールドラマ視聴率結果(第一話その2)

順位  タイトル     初回  最新話 前話との対比 平均(予想平均)
1位「冗談じゃない!」  19.4%  19.4%(-%)   19.4%(19.5%)
2位「プロポーズ作戦」  19.3%  19.3%(-%)    19.3%(16.5%)
3位「バンビ~ノ! 」   16.6%  16.6%(-%)    16.6%(15.5%)
4位「喰いタン 2 」    16.2%  16.2%(-%)    16.2%(14.5%)
5位「鬼嫁日記いい湯」  14.6%  14.6%(-%)   14.6%(13.0%)
6位「わたしの教科書」  14.2%  14.2%(-%)   14.2%(12.5%)
7位「花嫁とパパ  」  14.9%  11.3%(▽3.6%)  13.1%(12.0%)
8位「時効警察   」  12.8%  12.8%(-%)   12.8%(10.5%)
9位「ライアーゲーム」  12.3%  12.3%(-%)    12.3%(10.0%)
10位「特急田中3号 」  11.5%  11.5%(-%)    11.5%( 9.0%)
11位「孤独の賭け  」  11.2%  11.2%(-%)   11.2%(12.5%)
12位「セクシーロボ 」   12.5%   8.7%(▽3.8%)  10.6%(12.5%)
-位「ホテリアー 」                      (10.0%)
-位「生徒諸君! 」                      ( 9.5%)


「バンビ~ノ!」は16.6%でスタート。
前枠の「ハケンの品格」は18.2%、その前の「14才の母」は19.7%のオープニングを飾っている。
これらの作品には及ばないまでも、この枠としては、なかなか好調な滑り出しともいえるのではないか。
この3年の中ではこれらに続く3位の記録となっているので、それほど悪くはない。
「anego」ですら初回は15.5%だったのだから、「花より男子」以外ではそれほど実績のない松本潤としては立派なものだろう。
このままの状態をキープして、予想通りの15.5%辺りでのフィニッシュを期待したい。

「喰いタン2」は16.2%でスタート。
前作の初回時の視聴率は17.4%となっている。
前作は2話目で19%、3話目で18%まで伸ばし、最終話間際には18%台を連発していた。
前作に比べて、やはり若干視聴者が離れているのかなと思わせる数字だ。
こちらも最終的には、事前予想に近い14.5%に落ち着くのではないかと考えている。
しかし、内容はともかくとして、このような気軽に楽しめるドラマというのは、やはりそこそこ稼げるのだなとは感じられる。

「鬼嫁日記 いい湯だな」は14.6%でスタート。
前作は16.7%でスタートしているので、前作初回比では約14%減となっている。
「喰いタン」同様に、こちらも気軽に楽しめるというのが、ウリだろうか。
裏の日本テレビに新枠として「セクシーボイスアンドロボ」が放送しているのも、数字を下げている要因だろう。
視聴率を奪い合っている結果となっている。
木曜日22時枠もフジテレビの「わたしたちの教科書」とTBSの「孤独な賭け」で視聴率を分け合っている。
どちらの枠も、二本のドラマを足して、25%程度の視聴率となっている。
これが日本のドラマ人口といえるのではないか。

「わたしたちの教科書」は14.2%と予想よりも高い視聴率でスタートした。
このドラマは見ていないのでよくは分からないが、こういった堅いと思われるドラマは視聴率的には伸びないと思われる。
よほどセンセーショナルな内容でないと、初回だけ数字がよく、回が進むたびにどんどん下落していくのではないか。
このドラマにとって幸運だったのが、裏が「孤独な賭け」だったことだ。

その「孤独な賭け」は11.2%と低いスタートを切った。
伊藤英明と長谷川京子という、どちらもよくドラマには出ているが、それほど高い人気があるとは思えないコンビでは致し方ないところか。
彼らに加えて、井川遥や堺雅人といった、これまたよく分からないキャスティングをしている。
キャスティングと内容があまりにも渋すぎて、視聴者から敬遠されているのだろう。
このドラマは先に紹介したドラマと違って、気軽に楽しめなさすぎだ。
この手のドラマで視聴率を稼ぐためには、よほどの大物をキャスティングする必要があった。
視聴率は稼げないとは思っていたが、まさかここまで酷いとは…。
とりあえず録画はしておいたが、ここまで数字が酷いと鑑賞せずにお蔵入りさせることになりそうだ。
二話目の視聴率を待ちたいが、将来的に10%割れはほぼ確実だろうな。

「花嫁とパパ」は初回には14.9%と好スタートを切ったが、2話目には11.3%と3.6ポイントも落としてきた。
こういったホームドラマで視聴率を稼ぐのはなかなか難しいと思う。
「エラいところに嫁いでしまった!」も初回は16.1%を稼いだが、2話目で14.8%、3話目で12.7%と急落させている。
石原さとみ主演の「Nsあおい」も初回16.4%の後に、2話目では13.8%まで落としていた。
これが石原ドラマのパターンとも言えるかもしれない。
偶然30秒ほど見たが、これはちょっと厳しいかなと思わせる内容だった。

「帰ってきた時効警察」は12.8%と好スタートを切った。
前作の初回が9.7%で、全ての回の最高視聴率が2話目の12.1%なのだから、凄いといえば凄い。
ただし、「特命係長・只野仁」は初回13.4%、最高視聴率15.5%を記録している。
「特命係長・只野仁」にどこまで迫れるかが課題になるが、大きく稼げそうな雰囲気にはない。

新枠としてスタートした「ライアーゲーム」も12.3%と好スタートを切った。
土曜日の23時枠というのはかなり厳しい枠とは思うが、若年層にターゲットを絞ったキャスティング・内容は、フジテレビの作戦勝ちといえるだろう。

逆に、視聴者ターゲットを誤ったのが、「セクシーボイスアンドロボ」かもしれない。
CMを見たところ、若年層向けなのか、ファミリー向けなのか、ちょっとどっちつかずという印象も受ける。
マツケンという役者を「L」しか知らないので、よく分からないが、ちょっとキャスティングミスという気もする。

「特急田中3号」の初回は11.5%ということで、予想通り、低視聴率でスタートした。
小西真奈美が初主演した「きらきら研修医」が10.4%だから、非常に悪いというわけではないが、今後も厳しい戦いが待っているだろう。
実績のない主演にこんなマニアックな題材で勝負させるというのはやや無謀だと思う。

ちなみに、やや地味目なジャニーズの人が主演したドラマは以下の通り。
96年春クール「ハンサムマン」長野博出演(視聴率は不明)
97年夏クール「せいぎのみかた」国分太一主演(初回12.2%、トータル8.0%)
03年春クール「よい子の味方」櫻井翔出演(初回13.4%、トータル10.4%)
やはり、結構無謀な題材で勝負を迫られているようだ。
この試練に乗り越えてこそ、スターになれるのだろう。

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2007年4月クールドラマ視聴率結果(第一話その1)

順位  タイトル     初回   最新話 前話との対比 平均(予想平均)
1位「冗談じゃない!」   19.4%             19.4%(19.5%)
2位「プロポーズ大作戦」 19.3%             19.3%(16.5%)
3位「喰いタン2」     16.2%             16.2%(14.5%)
4位「鬼嫁日記いい湯」  14.6%            14.6%(13.0%)
5位「わたしたち教科書」 14.2%            14.2%(12.5%)
6位「花嫁とパパ」     14.9%  11.3%(▽3.6%)  13.1%(12.0%)
7位「時効警察」      12.8%            12.8%(10.5%)
8位「ライアーゲーム」  12.3%             12.3%(10.0%)
9位「特急田中3号」   11.5%             11.5%( 9.0%)
10位「孤独の賭け」    11.2%            11.2%(12.5%)
11位「セクシーロボ」    12.5%   8.7%(▽3.8%)  10.6%(12.5%)
-位「バンビ~ノ!」                       (15.5%)
-位「ホテリアー」                        (10.0%)
-位「生徒諸君!」                        ( 9.5%)

先クールは平均視聴率20%超の作品が3本も誕生したが、今クールは一転して厳しいこととなった。
初回に視聴率20%を超える作品が一本もなかったクールは、3年9ヶ月前の2003年秋クールまで遡らなくてはならない。

ただ、フジテレビの看板ドラマとTBSの看板ドラマの初回視聴率が0.1ポイント差ということになり、ハイレベルではないにしろ、この視聴率争いは面白くなりそうだ。
どちらが先に脱落するだろうか。

「冗談じゃない!」は初回19.4%。
2004年秋クールの「ラストクリスマス」の初回が22.3%
2002年秋クールの「真夜中の雨」の初回が14.4%
2001年春クールの「ロケットボーイ」の初回が19.9%
1997年春クールの「踊る大走査線」の初回が18.7%(今では考えられない低視聴率)
となっている。
やはり、織田裕二は木村拓哉とは違うというのがよく分かる。
個人的には好きであるが、彼はそれほど高い視聴率を叩き出す役者ではない。
過去のドラマとの比較では、「冗談じゃない!」は好調なスタートを切ったといえるだろう。
上野樹里の人気を加味したつもりだが、初回にこの視聴率では、予想した平均視聴率19.5%というのは厳しいかもしれない。
あとは、どこまで話題をふりまけるかが勝負になりそうだ。
初回はまだ鑑賞していないが、内容はどうだったのだろうか。
楽しみである。


一方、「プロポーズ大作戦」は19.3%でスタートを切った。
人気だった「のだめカンタービレ」の初回視聴率は18.2%なので、「プロポーズ大作戦」の出足はそれほど悪くはない。
ただ、この3年間での月9ドラマ間での比較では、14本中9位となっている。
最高は「西遊記」の29.2%、最低は「東京タワー」の14.2%となっている。
「プロポーズ大作戦」の初回に敗れたドラマとしては、前述の「のだめカンタービレ」「東京タワー」のほかには、「東京湾景」17.7%、「不機嫌なジーン」18.2%、「サプリ」17.9%となっている。
「スローダンス」「危険なアネキ」「トップキャスター」でさえ、初回時は20%を超えていたのが気になるデータだ。
果たして、「プロポーズ大作戦」の今後の動きはどうなるか。
やはり、若年層向けラブコメディでは高望みできないのではないか。


「セクシーボイスアンドロボ」が初回の12.5%から8.7%まで落とした。
初回を観た3人に1人は、観るのを止めたという計算になる。
初回がそれほど酷かったのか、それとも単に視聴者を「鬼嫁日記 いい湯だな」に奪われてしまったのか。
3話目では、かなり挽回しないと、ヤバイことになりそうだ。
マツケンも主演男優として傷をつけることになる。

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『ロッキー(76年)』DVDレビュー 【映画】

◆評  価    8.0点
◆分かりやすさ  A
◆おススメ度   A(一生に一回は観るべき作品)


基本的なストーリーには、それほど驚くべき仕掛けはないが、テーマソング・セリフ・有名なシーンによって、映画の中身以上に付加価値がついた伝説的な映画となった。
知らない人もいるかと思われるが、見事にアカデミー賞作品賞・監督賞を受賞した作品でもある。

負け犬同然だった主人公が、成功や勝利といった華やかなものではないけれども、プライド・希望・夢をつかむというアメリカンドリームを見事に体現し、人々に多くの共感、希望、やる気を与えている。
これぞ、まさに映画の中の映画といえるだろう。

ロッキーというキャラクターは、貧乏のどん底にいたシルベスタースタローンの人生を、まさに地でいくキャラクターだ。
当初は、有名俳優をキャスティングすることも考えられていたようだったが、この映画にはシルベスタースタローン以外には考えられない。
彼の不器用さがとてもいい味となっている。
そして、エイドリアン役も、タリアシャイア以外には考えられない。
もし、美男・美女にこの役をやらせれば、全てが台無しになってしまう。

【フィラデルフィアの街】
どこか「負け犬」のオーラが漂っている街だ。
街全体に活気がなく、活気のない人々で溢れている。
誰しもが現状に妥協し、諦めきっているのではないか。
その点を象徴しているのが、街の酒場の店主と街でたむろしていた少女だ。
彼らは、現状という波に飲まれて、抗うことすらしない。
ただ、落ちぶれていくだけの人生に満足してしまっているのだ。
ロッキーが、少女に諭しているのは、ストーリー上大きな意味があると思う。
自分には何もできないと思って、諦めてはいけないとことをロッキーは少女に伝えているのだ。

そして、現状という波に飲まれて、抗うことをしていないのはロッキーも同じだった。
二流の取立て屋に甘んじていることに対して、何も出来ないという怒りを抱えているのは、本人が絶えず感じていることなのだろう。
ロッキーのチャレンジは、そんなフィラデルフィアの街の住人に対するエールでもある。

【チャンスへの分け与え】
フィラデルフィアの街全体は「負け犬」のオーラは漂っているが、誰しも「負け犬」になりたくはないのである。
チャンスを得たのはロッキーのみではあるが、皆チャンスを待ち望んでいたのである。
ロッキーが得たチャンスに、エイドリアンの兄のポーリーやトレーナーのミッキーが群がったが、彼らは単にお金が目当てだったわけではない、彼らも「負け犬」から脱したっかたのである。
チャンスさえあれば俺もきっと…という思いだったはずだ。
ちっぽけなジムで過去の栄光にすがって生きているミッキーも再びチャンスをつかみたく、ロッカーを取り上げ、引退を勧告したロッキーに対して頭を下げにいく。

ポーリーの「ガウンに社名を縫い付けて宣伝する」というアイディアも、金儲けが目的なわけではない。
俺にもきっと何かできるはずだ。自分は惨めな負け犬なんかじゃないと思い、色々と自分ができることを探した結果のアイディアなのだろう。
ロッキーも彼らの根底にある想いは十分に分かるため、当初は突き放したが、彼らに理解を示していくのである。

また、一人で頑張るのも大事かもしれないが、仲間との絆も大切であることを描いている。
「夢」への実現は、自己のたゆまぬ努力だけではなく、大切な仲間の助けも必要なのである。
地味だが、カットマンにも出番を与えたりしているのは、なかなか手が込んでいると思う。

そして、なによりも大事なのは愛すべき人の存在だ。
もし、エイドリアンがいなければ、恐怖で戦わずにチャンピオンの前から逃げ出しただろう。

【エイドリアンの存在】
本作はロッキーの映画かもしれないが、同時にエイドリアンの映画でもある。
ロッキーがチャンスを掴んだように、エイドリアンも自分を愛してくれる男性の登場で女性としてのチャンスを掴んだといえるのではないか。
当初は、表情は暗く、堅かったのが、徐々に明るくなっていく。
地味目な服装も、決して派手ではないが、小綺麗な服装へと変わっていく。
チャンスを掴んだのは、ロッキーだけではない、エイドリアンもチャンスを掴んで羽ばたいたのである。

【勝利の行方】
ロッキーにとっては、勝敗などどうでもよかったのである。
最後の最後までリングに立っていれば、それだけでよかった。
それだけで「自分であること」の証を示したという締めくくりをしている。
アポロが勝ったことをさらっと流している。
勝敗へのこだわりを捨てた演出はとても好感がもて、感動に拍車をかけている。

【細かい演出】
意外といい演出シーンをしているのは、子どもの頃の昔の写真と現在のボロボロになっている自分を見比べているところだ。
子どもの頃に描いた自分の将来と、今の自分とのギャップに対して、憤りやあきらめにも似た表情がうかがい知る事ができる。
こういう一瞬の演技で多くのバックグラウンドを語る演出はよい。

その他にも、トレーニング初日に息が切れてボロボロになって階段を上がるシーンや、試合当日の夜に眠れずにこっそりと会場を下見するシーンなど、ロッキーが抱えている不安を取り込むことによって、映画としての質が高くなり、ストーリーの盛り上がりへと繋げていっている。

その日、エイドリアンはベッドに、ロッキーはソファーで寝ていたが、あれはやっぱり、トレーナーの言葉(「女は足にくる」)を真に受けての行動だろうか。
ロッキーらしい律儀で、愚直さを感じさせるシーンでもある。

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国内映画興行収入ランキング(4月3週目) 【映画】

二本の新作がランクインしたため、4週目で「甲虫王者ムシキング/オシャレ魔女ラブ and ベリー」、4週目で「蟲師」が圏外へ消えた。

「ムシキング」はランクインするのさえ困難と考えていたが、まさか3週に亘り、9位→10位→9位と健闘するとは思わなかった。
05年の年末に公開された前作は、6位→8位→9位→10位と、さらに粘っていたのだから凄すぎる。
やはり、自分の価値観だけでは図りかねるところがある。

こちらのムシは頑張ったが、もう一つのムシである「蟲師」は大した話題にならずに、あっさりと圏外へ消えた。
評価が全く芳しくなく、将来的には訳の分からない作品として、埋もれていきそうだ。
オダギリジョーは稼げない役者かと思ったら、そういうわけでもなかった。

オダギリジョー主演の「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」が予想通り、好調なスタートを切り、1位を獲得した。
「武士の一分」超えの40億円を狙いたいというのが松竹の願望だが、それはさすがに不可能だろう。
去年邦画の実写版で40億円を超えたのは、「海猿」の約70億円、「有頂天ホテル」の約60億円、「日本沈没」の約53億円、「DEATH NOTE LAST NAME」の約52億円となっている。
一昨年は「交渉人 真下正義」の約42億円、「NANA」の約40億円の二本のみとなっている。
とにかく、「蒼き狼」で松竹が被った損害をいかに埋めるかが、この映画の使命となりそうだ。
感動作ということもあり、評価も概ね好評のようだ。
20億円前後あたりがフィニッシュラインとなりそうだ。

「サンシャイン2057」は予想外に奮闘して7位に登場。
ハコがあまり小さいことなどの問題点があったが、真田の人気、彼のハリウッドでの奮闘ぶりへの期待、有名監督の作品ということで集客できたのだろう。
あと2週程度はランクインを期待したい。

残りはランクを落としただけの、面白くない結果となった。
「ドラえもん」が息切れを起こして、4位に後退して、3位には「ブラッドダイヤモンド」が踏みとどまった。
高評価されているのが、世間に伝わっているのではないか。

次週ランキングすると思われるのは、「名探偵コナン 紺碧の棺(ジョリーロジャー)」、「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!」、「ロッキーザファイナル」、「ハンニバルライジング」、「ラブソングができるまで」の5本。

「コナン」は毎年の恒例シリーズであり、成績は以下のとおり。
06年は約30億円(1位登場)
05年は約22億円(1位登場)
04年は約28億円(1位登場)
03年は約32億円(1位登場)
02年は約34億円(3位登場)
安定しているようで、意外と安定していない。
約30億円辺りが目標となるだろうが、昨年が出来すぎただけで、30億円を若干下回る感じになると思われる。
「映画ドラえもん」は33億円程度稼いでおり、これを超えるのは、まず難しいだろうが、強力なライバル不在であり、1位登場を狙いたい。

「クレヨンしんちゃん」も毎年恒例のシリーズであり、
06年は約14億円(2位登場)
05年は約13億円(2位登場)
04年は約13億円(2位登場)
03年は約14億円(7位登場)
02年は約13億円(6位登場)
恐ろしいほど安定して興行収入を稼いでいる。
こちらは13億円が目標となりそうだ。

「ハンニバル」のシリーズは以下のとおり。
03年「レッドドラゴン」22億円
01年「ハンニバル」46億円
「羊たちの沈黙」は不明。
「ハンニバル」は高い興行収入を上げたが、「レッドドラゴン」はその半分以下となっている。
知名度が高いので、読み切れないところがあるが、こういった猟奇的な映画は、高い興行収入は期待できないと思われる。
知名度が高いといっても、逆にマイナスの知名度もあるので、女性はあまり足を運ばないだろう。
10億円の興行収入すら望めないと思われる。
アメリカ同様に、大惨敗する可能性を秘めているネタだ。
05年の「バッドマンビギンズ(14億円)」のような鮮度はない。
有名俳優も登場しておらず、有名監督でもない。
せめて主役の知名度があったら、なんとか戦えたかもしれないが。

「ラブソングができるまで」も10億円を超えるネタではない。
頑張っても7~8億円あたりではないか。
今年の「ホリデイ」や去年の「イルマーレ(11億円)」のようなヒットは難しい。

「ロッキー」シリーズの成績は以下のとおり。
82年のⅢは17億円
86年のⅣは30億円
91年のⅤは11億円
衰えたとはいえ、10億円を超えることができるネタであるのは、間違いない。
アメリカ同様に、日本でも高評価されると考えられ、15億円あたりまで狙えるのではないか。
問題は先行分の上乗せがどこまであったのかだ。まだ実数は判明していない。
かなり上乗せできれば、「名探偵コナン 紺碧の棺(ジョリーロジャー)」を破る可能性もある。

「映画ドラえもん」は「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!」にメイン館日劇PLEX2を譲り渡すため、来週ではランキング外へ消えるだろう。
「ハッピーフィート」もメイン館丸の内プラゼールを「ラブソングができるまで」に譲り渡し、「バッテリー」もメイン館有楽座を「名探偵コナン 紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)」に明け渡す。
この3本がランク圏外へ消えるのは間違いないだろう。

「大帝の剣」も当然のごとくランク外に消えると思うが、ランクから去る残りの1本は、「サンシャイン2057」か「ホリデイ」のどちらになるだろうか。
ラブコメディの「ホリデイ」は「ラブソングができるまで」に客を奪われる可能性が高い、一方「サンシャイン2057」のようなSF作品の公開は少ないので、こちらはまだ需要はあると思われる。


<次週予想順位>
予想順位(今週) 自己評価 タイトル(主な公開劇場)
1(-) ×「名探偵コナン 紺碧の棺(ジョリーロジャー)」(有楽座)
2(-) ◎「ロッキーザファイナル」(TOHOシネマズ六本木ヒルズ)
3(1) ×「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(丸の内ピカデリー2)
4(-) ×「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!」
5(2) 済「ナイトミュージアム」(日比谷スカラ座)
6(3) 済「ブラッドダイヤモンド」(ルーブル丸の内)
7(-) ○「ハンニバルライジング」(日劇PLEX1)
8(-) ○「ラブソングができるまで」(丸の内プラゼール)
9(4) ×「アンフェア the movie」(新宿東亜興行チェーン)
10(7) ○「サンシャイン 2057」(有楽町スバル座)

[個人評価]
◎ 絶対観たい作品
○ できれば観たい作品
▲ DVDか映画サービスデイだったら観たい作品
△ 映画館では観ないけどDVDだったら観るかもしれない作品
× 観ることはないでしょうの作品
済 鑑賞済み作品


<今週公開される主な作品>
×「名探偵コナン 紺碧の棺(ジョリーロジャー)」有楽座ほか
山本泰一郎監督
※恒例の人気アニメシリーズ。

×「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!」日劇PLEX2ほか
ムトウユージ監督
※恒例の人気アニメシリーズ。

◎「ロッキーザファイナル」TOHOシネマズ六本木ヒルズほか
※全米興行収入は約70百万ドルと大善戦。
監督・脚本・主演はシルヴェスタースタローン。
引退したはずのロッキーが再びライセンスを取得し、現役チャンピオンとの戦いに挑む。

○「ハンニバルライジング」日劇PLEX1ほか
ピーターウェーバー監督(代表作「真珠の耳飾りの少女」)
ギャスパーウリエル 、コンリー出演
※全米興行収入は約28百万ドルと大苦戦。
若き日のハンニバル・レクターを描く。

○「ラブソングができるまで」丸の内プラゼールほか
マークローレンス監督(代表作「トゥーウィークスノーティス」)
ヒューグラント 、ドリューバリモア出演
※全米興行収入は約50百万ドルとなっている。
80年代のミュージックスター(ヒューグラント)がカムバックする機会を得て、作詞に取り組むも一向に進まない。ある時にドリューバリモアの作詞能力に目をつけ、二人で曲を仕上げていく。

○「こわれゆく世界の中で」日比谷シャンテシネほか
アンソニーミンゲラ監督(代表作「イングリッシュペイシェント」「リプリー」)
ジュードロウ 、ジュリエットビノシュ 、ロビンライトペン出演
※今年に入ってはやくも3本目となるジュードロウ主演作品。
妻と未亡人の間で揺れる男性を描く。

×「神童」渋谷シネマライズほか
萩生田宏治監督
成海璃子 、松山ケンイチ出演
※ピアノの天才少女と、音楽志望の青年との出会いを通して、少女は音楽の素晴らしさに目覚めていく。

×「フライ・ダディ」銀座シネパトスほか 
チェジョンテ監督
イジュンギ 、イムンシク出演
※日本の映画にもあった気がする。

×「ドレスデン、運命の日」日比谷シャンテシネ
ローランド・ズゾ・リヒター監督(代表作「Re:プレイ」「トンネル」)
フェリシタスヴォール 、ジョンライト出演
※第二次世界大戦下において、イギリス人の兵士とドイツ人の看護師の恋を描く。

×「明日、君がいない」渋谷アミューズCQN
ムラーリKタルリ監督
テレサパルマー 、ジョエルマッケンジー出演
※カンヌで絶賛された作品。
高校生たちの内面・苦悩を描く。

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全米映画興行収入ランキング(4月第3週目) 【映画】

1(-)1週目「Disturbia」   (2925館)$23,025,000($23,025,000)
2(1)3週目「Blades of Glory」(3467館)$14,065,000($90,195,000)
3(2)3週目「ルイスと未来泥棒」(3238館)$12,103,000($72,004,000)
4(-)1週目「Perfect Stranger」(2661館)$11,500,000($11,500,000)
5(3)2週目「Are We Done Yet?」(2877館)$9,200,000($33,004,000)
6(-)1週目「Pathfinder」    (1720館)$4,800,000($4,800,000)
7(7)7週目「Wild Hogs」    (2429館)$4,639,000($152,243,000)
8(5)2週目「The Reaping」   (2603館)$4,565,000($19,763,000)
9(6)6週目「300」        (2140館)$4,315,000($200,826,000)
10(4)2週目「Grindhouse」   (2629館)$4,239,000($19,699,828)
(参考:IMDbのボックスオフィス)

3作の新作がランクインし、4週目で「ザ・シューター/極大射程」、4週目で「TMNT」、2週目で「Firehouse Dog」が圏外へ消えた。

「ザ・シューター/極大射程」は5千万ドルに届くか、届かないかのラインでフィニッシュしそうだ。
結構な大作のような気もしたが、相変わらず稼げないフークア監督らしい成績に終わりそうだ。
監督が真面目すぎて、作風が堅いのか。
それとも、今回のマークウォルバーグ、前回までのクライブオーウェン、ブルースウィリスといったキャスティングが悪いのか。
はたまた、何週か前に指摘したキャラクターを上手く描くことができないという監督として能力が欠如しているのだろうか。
日本では6月1日金曜日の映画の日に「ザ・シューター/極大射程」は公開が予定されている。
鑑賞して、何が悪かったのかを研究してみたいと思う。
アメリカでの評価は、それほど悪くはないようだ。

「TMNT」はオープニング約24百万ドルと順調な滑り出しだったが、最終的には6千万ドルに届かない辺りでフィニッシュしそうだ。
オープニングの2.5倍程度しか稼げないという、完全な初動型の例となったが、評価はそれほど低くはない。
ストーリーはそこそこスケールの大きそうな作品であり、もうちょっと稼いでもいいと思った。

「Firehouse Dog」は評価も乏しくなく、有名俳優も出演していないので、やむを得ないところだろう。
1千万ドルをちょっと超える程度に終わりそうだ。

1位になったのは、DJカルーソー監督の「Disturbia」。
04年の「テイキングライブス」が約33百万ドル(日本では酷評)
05年の「トゥーフォーザマネー」が約23百万ドル(日本では認知すらされていない)
日米ともにあまり評価の高くない作品しか監督していないので、本作に対しても懐疑的だったが、高いオープニングを飾った。

主演は若手の有力株のシアラブーフ、デヴィッドモース、キャリーアンモス。
主人公が隣人を連続殺人犯だと疑いだすというストーリー。
評価はメチャクチャ高いわけではないが、予想外に高い。
1億ドルは難しいとは思うが、8千万ドル近くまで稼げるのではないか。

「Blades of Glory」は2位に踏みとどまり、今週中の1億ドル突破を確実とした。
本作は3週目で90百万ドルを達成したが、「Wild Hogs」は3週目で104百万ドルを達成しており、やはり「Wild Hogs」をトータルで破るのは難しそうだ。

「Wild Hogs」は1億5千万ドルに至り、最終的には1億7千万ドルを超えるだろうか。
中年オヤジ4人組という企画のユニークさが受けているのだろう。
リメイク・続編といったアン牌ばかりで勝負せずに、今後もこのようなユニークな企画をハリウッドに期待したいところだ。

4位には、ハルベリー・ブルースウィリス主演のサスペンス「Perfect Stranger」が登場。
ジャーナリスト役のハルベリーが、親友を殺したと思われる失踪したビジネスマンのウィリスを探すというストーリー。
監督は、92年「摩天楼を夢見て」、99年「NYPD15分署」、03年「コンフィデンス」などを手掛けたジェームズフォーリー。
評価ははっきりいって低い。
サンドラブロック、ヒラリースワンク、ハルベリーのサスペンス対決は、サンドラブロックの一人勝ちになりそうだ。
ハルベリー主演作としては、
03年の「ゴシカ」が約60百万ドル
04年の「キャットウーマン」が約40百万ドル
となっており、X-MENシリーズ以外はそれほどパッとしない。
「Perfect Stranger」は「ゴシカ」の半分程度に終わりそうであり、女優としてやや伸び悩みという様子がみられる。
相方がブルースウィリスというのもやや問題があったかもしれない。

ブルースウィリスは10位に入った「Grindhouse」と「Perfect Stranger」だけでなく、今年公開された「Alpha Dog」「The Astronaut Farmer」にも出演している。
さらには夏に超大作「Live Free or Die Hard(ダイハード4.0)」も待機している。
半年あまりで5本の作品に出演するとは、ジュードロウ並の活躍ではないか。

10位に入った「Grindhouse」は、先週4位からの6ランクダウン。
しかし、評価は「300」よりも高い。
問題は、上映時間の3時間超だろう。
2本の映画を1つの映画「Grindhouse」として公開するよりも、2本に分割して「Planet Terror」と「Death Proof」として公開をすることが検討されているようである。
そういったゴタゴタが報じられているため、観客は鑑賞をとりあえず差し控えているのではないだろうか。

6位にも新作「Pathfinder」が登場。
インディアンに育てられたバイキングの少年が成長して、インディアンのために古代スカンジナビア人と戦うというストーリーを描いたアドベンチャーアクション。
主役は「ロードオブザリング」のエオメル役を務めたカールアーバン。
監督は「テキサスチェーンソー」のマーカスニスペル。
もっと稼げそうな題材であったが、「300」のようなヒットにはならなかったようだ。
もうちょっと「300」との公開の間隔を開けた方がよかったのではないか。
評価はそれほど高くはない。


次週には、ケイトベッキンセール主演のサスペンスホラー「Vacancy」が登場予定。
毎週毎週、主演女優によるサスペンス作品が公開されているが、ケイトベッキンセールはどうだろうか。
「アンダーワールド」シリーズ、ヴァンヘルシングといったアクション、「アビエイター」のような巨匠の作品、「もしも昨日が選べたら」といったコメディ(アダムサンドラー主演)で着々とキャリアを積んだ結果が問われる。
監督はNimrod Antal。
あまり目立った監督作品はない。
たまたま泊まることとなったモーテルで、スナッフ映画の犠牲となりそうになる夫婦を描く作品。

その他には、アンソニーホプキンス主演の「Fracture」も公開される。
共演はライアンゴスリング。
彼は「ハーフネルソン」での演技に対して、2006年度のアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた実績をもつ。
監督はグレゴリーホブリット。
ブルースウィリス主演の「ジャスティス(02年)」、00年の「オーロラの彼方へ」、98年の「悪魔を憐れむ歌」、96年の「真実の行方」などなかなか良質なサスペンス作品を監督している。
「ジャスティス」はそこそこの大作であったが、約19百万ドルと壮絶にコケているのがキャリアに響いている。

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「蕾(つぼみ)/コブクロ」レビュー 【音楽】

◆評価 8.5点


コブクロの印象はというと、決して悪い印象はないけれども、それほどの好印象を抱いていなかった。
「アルバムがもの凄く売れているなぁ」、「ドラマ主題歌だからシングルがよく流れているなぁ」という程度しか感じておらず、コブクロの曲をじっくりと聴いたことが今まで一度もなかった。

しかし、たまたまテレビで彼らの「蕾(つぼみ)」を耳にして、この曲には聴き入ってしまった。
普通の曲とは違う「何か」を感じさせる曲だった。
どことなく儚(はかな)さを感じさせるとともに、何か明るさ・希望のようなものを感じさせる歌だ。

落ち着いた曲調や小渕と黒田の声質も素晴らしいが、この不可思議な感覚は歌詞にあるのではないか。
マイナスの要素を感じさせる歌詞と、プラスの要素を感じさせる歌詞を微妙にミックスして仕上げている。

例えば、「消えそうに 咲きそうな 蕾が今年も僕を待ってる」という歌詞がある。
「消えそうに」はマイナスの効果のある言葉で、「咲きそうな」がプラスの効果のある言葉である。これらをミックスさせることによって、面白い効果を挙げているのである。

他の歌詞をみても、随所にそのように感じられる部分がある。
「涙(-)こぼしても 汗(+)にまみれた笑顔(+)の中じゃ」
「柔らかな日だまり(+)が包む背中(-)に ポツリ(-)話しかけながら」
「この街に落とされた影(-)法師 みんな光(+)を探して」
「五月の美空(+)は青く寂しく(-)」
「キラリ(+)舞い落ちてく 涙(-)」
「聴こえない(-)頑張れ(+)を 握った両手に何度もくれた」
「今もまだ掴めない(-) あなたと描いた夢(+)」

プラスの効果のある言葉とマイナスの効果のある言葉をとても微妙に使っているのが印象的である。まとめると以下のとおり。

【プラスの効果】
汗、笑顔、優しい明かり、愛の灯、日だまり、咲く、待ってる、光、頑張れ、握った両手、笑顔、空 など

【マイナスの効果】
涙、背中、ポツリ、消える、掴めない、一人、ビルの谷間、影法師、寂しい、戻れない、聴こえない など

言葉のセンスが優れているというか、感性が鋭いと感じさせる歌詞で随所に溢れている。

また、「きっと きっと きっと わかってたはずなのに」と「きっと」という強い言葉をリフレインさせることでも、非常に高い効果を生じていると思う。


全体を通すとこの曲は、「夢」は「蕾(つぼみ)」のようなものだと伝えている。
皆の「夢」は、今はまだ咲いてはいないが、いつか芽吹くものであるということを、悲しげにかつ力強く歌い上げているから、人々の心に響くのである。

まだ実ることのない「夢」を「蕾(つぼみ)」という言葉で的確に喩えているのが素晴らしい。
この曲は、将来的に永遠と歌い継がれていくことになるのではないか。


ただし、本シングルに含まれている「蕾(つぼみ)」以外の残りの二曲は、全く自分には合わない曲だった。
恐らくこれらの曲は二度と聴かないだろう。

テーマ:j-pop - ジャンル:音楽

国内映画興行収入ランキング(4月2週目) 【映画】

2本の新作がランクインしたため、4週目で「デジャヴ」、6週目で「ワンピース エピソードオブアラバスタ/砂漠の王女と海賊たち」が圏外へ消えた。

「デジャヴ」ははやくもランク外へ消えていった。
予想レベルの10億円突破は厳しそうだ。
気になったのは、都内でも最大クラスの映画館「日劇PLEX1」の公開映画が最近芳しくないことだ。
「デジャヴ」→「守護神」(→「マリーアントワネット」)→「エラゴン」→「トゥモローワールド」→「ワールドトレードセンター」となっている。

成功したといえるのは、「ワールドトレードセンター」まで遡らなくてはならない。
あまりにも予定作品がコケたため、PLEX3を予定していた作品「ホリデイ」「ドリームガールズ」「マリーアントワネット」などが急遽PLEX1に昇格しているケースがみられる。

「ワンピース」は03年に20億円、04年に18億円、05年に12億円と下落の一途を辿り、06年には10億円も下回った。今年は10億円を超えるのも難しいようだ。
「ドラえもん」や「コナン」などとは異なり、すでにドル箱シリーズとは言いがたい気がする。

1位・2位となったのは予想通り、「ナイトミュージアム」と「映画ドラえもん」の二作。これで4週連続のワンツーフィニッシュとなった。
どちらも30億円の興行収入をほぼ突破した。

しかし、「映画ドラえもん」は30億円近く大ヒットシリーズの割には、毎年毎年「映画ドラえもん」は強敵に打ちのめされる結果となっている。
今年首位に立ったのは1週のみで4週間「ナイトミュージアム」に苦杯をなめさせられている。
06年は32億円のヒットを記録したが、「ナルニア国物語」に阻まれ、首位に立てず。
04年は30億円のヒットだったが、「ロードオブザリング/王の帰還」に阻まれ、首位に立ったのは、公開5週目だった。
03年は25億円のヒットだったが、「ロードオブザリング/二つの塔」「007/ダイアナザーデイ」「キャッチミーイフユーキャン」などの強敵の前に歯が立たず、勝負にならなかった。
確実に稼ぐことはできても、作品の内容から万人向けとは思われず、爆発的な大ヒットというわけにはいかないようだ。

3位となったのは、ディカプリオ主演の「ブラッドダイヤモンド」。
初週は1億5千万円程度の興行収入。
「蒼き狼 地果て海尽きるまで」でさえ、初週で2億円近く稼いでおり、「ゴーストライダー」程度のスタートといえる。
いくらディカプリオと言えども、この重さ・このテーマでは、やはり万人が気軽に劇場へ脚を運ぶとは思えない。
作品は素晴らしいが、アメリカ同様に苦戦しそうだ。
「アビエイター」でさえ10億円を超えているので、なんとか10億円超えを狙いたいところだが。

「アンフェア the movie」は20億円を超えた。
去年の作品では、「明日の記憶」が22億円、「TRICK2」が21億円を記録し、05年の作品では「亡国のイージス」が21億円を記録している。
それほど話題にはなっていないにも関わらず、ここまでヒットするとは思えなかった。
やはり、ドラマ映画は侮れないというのがよく分かった。

「バッテリー」は12億円を突破し、「蒼き狼 地果て海尽きるまで」の興行収入を抜き去ったようだ。
去年は「UDON」や「嫌われ松子の一生」などが13億円を記録している。
何がポイントなのかいまだに分からないが、思わぬヒットとなった。
やはり、何がヒットし、何がコケるのかがさっぱり読めない。
勝負はミズモノだ。

「大帝の剣」は先週10~13億円という予想を立てたが、これはとんでもない予想だったようだ。
この半分稼ぐのも厳しいかもしれない。かなりの大コケだ。
「大帝の剣」がコケた理由は何だろうか。
一番の問題は誰をターゲットにしたかという点だろう。
本作の原作者でもある夢枕獏氏の「陰陽師」ならば、確かに万人向けかもしれない。
しかし、オリハルコンの剣や、妖怪のようなものが登場する本作は、万人向けではない。
かといって、「TRICK」ファンやファンタジーファンも関心を示さなかったようだ。
鑑賞するのは、コアな堤幸彦ファンや、阿部寛ファンくらいだけだろうか。
「どろろ」が大ヒットし、「蟲師」はイマイチ、「大帝の剣」は大コケとなっている。
作風は全く異なるが、やや似通った作品が続いたのも痛かっただろうか。


<今週公開される主な作品>
×「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」丸の内ピカデリー2ほか
松岡錠司監督(代表作「さよなら、クロ」)
オダギリジョー 、樹木希林 、内田也哉子 、松たか子 、小林薫出演
※リリーフランキーの人気自伝小説を映画化。
母と息子の絆を描く感動作。
延び延びとなったスペシャル特番、連続ドラマの最後を締めくくる一作。


○「サンシャイン 2057」有楽町スバル座ほか
ダニーボイル監督(代表作「トレインスポッティング」「28日後…」)
キリアンマーフィ 、真田広之 、ミシェルヨー 、クリスエヴァンス出演
※太陽の機能停止による地球の危機を救うため、宇宙船に乗って、太陽再生に挑むクルーを描く。
ダニーボイル監督の異色のSF作品。多国籍な役者が参集した。


×「かちこみ! ドラゴン・タイガー・ゲート」銀座シネパトスほか
ウィルソンイップ監督
ドニーイェン 、ニコラスツェー出演
※香港のアクション映画。生き別れとなった兄弟の再会と苦悩を争いを通して描く。


×「黄色い涙」恵比寿ガーデンシネマほか
犬童一心監督(代表作「ジョゼと虎と魚たち」「タッチ」)
嵐のメンバーが出演。
※夢と希望を抱いた青年たちを描く青春映画。
60年代の東京を描く作品。古きよき時代の昭和回帰の映画でもあるか。


◎「クィーン」日比谷シャンテシネ
スティーヴンフリアーズ監督(代表作「ハイフィデリティ」「ヘンダーソン夫人の贈り物」)
ヘレンミレン(アカデミー賞主演女優賞受賞) 、マイケルシーン 、ジェームズクロムウェル出演
※ダイアナ妃事故死を巡る英国王室の苦悩を描く。


○「ツォツィ」TOHOシネマズ六本木ヒルズ
ギャヴィンフッド監督
プレスリーチュウェンヤガエー出演
※2005年度のアカデミー賞外国語映画賞受賞作品。
貧困、絶望、希望に満ちた南アフリカの現状を描く。
犯罪を繰り返していた少年が赤ちゃんを拾ったことで、少年の心に変化が生じていくというストーリー。


×「ボンボン」シネカノン有楽町
カルロスソリン監督
ファンビジェガス出演
※アルゼンチン映画。
落ちぶれた男性と偶然もらった犬とのロードムービー。


×「輝ける女たち」
ティエリークリファ監督
ジェラールランヴァン 、カトリーヌドヌーヴ 、エマニュエルベアール出演
※フランス映画。
ある人物の死に伴う遺言によって、バラバラとなっていた家族が再生していく模様を描く感動ヒューマンドラマ。


×「ブリック」渋谷シネアミューズイースト/ウエスト
ライアンジョンソン監督
ジョセフゴードンレヴィット 、ノラゼヘットナー出演
※死んだ元恋人の謎を追うサスペンス。


×「おまえを逮捕する」池袋シネマロサ<モーニング>
ソンヒチャン監督
キムミンジュン 、ホジュノ出演
※韓国映画。
麻薬密売を嗅ぎつけた刑事たちの奮闘を描く。


×「ザッツザウェイオブザワールド」シアターN渋谷<レイト>
シグショア監督
ハーヴェイカイテル出演
※75年製作の作品。70年代のアメリカ音楽業界を描く。


この中でランクインすると思われるのは、「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」と「サンシャイン 2057」の二本。

ドラマを経た後に、映画へと向かうのは、「アンフェア the movie」をみても分かるように、ヒットのパターンであるが、「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」は若干様子が異なる。
キャスティングは全く異なるため、ドラマの延長線上の映画と同一視できない部分がある。
しかも、ストーリーも恐らくドラマと同じようになると考えられるため、マイナス効果も危惧される。
そうはいっても、知名度は相当高く、ヒットの王道である「感動作」であるため、1位登場を期待したいところ。

この作品で1位を取れなかったら、オダギリジョーはちょっとヤバイ気がする。
今年の「蟲師」や05年の「SHINOBI(興行収入14億円)」などがパッとしないため、稼げる俳優であることを本作で証明しないと将来的に使いづらい。
20億円以上の興行収入を期待したい。

「サンシャイン 2057」は劇場公開館数が少ないため、ランクインするのはやや微妙なところだ。
真田広之とダニーボイルという異色の組み合わせに、さらにSFというジャンルの組み合わせが、どのように受けとめられるだろうか。
大ヒットさせるのは不可能だろうが、宣伝方法によっては、小規模なヒットは狙おうと思えば狙える。
問題は作品の質となるが。
「28日後…」もそれほどヒットさせることはなかったため、本作も極めて微妙だ。


<次週予想順位>
予想順位(今週) 自己評価 タイトル(主な公開劇場)
1(-) ×「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(丸の内ピカデリー2)
2(1) 済「ナイトミュージアム」(日比谷スカラ座)
3(2) ×「映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険」(日劇PLEX2)
4(3) 済「ブラッドダイヤモンド」(ルーブル丸の内)
5(4) ×「アンフェア the movie」(新宿東亜興行チェーン)
6(5) 済「ホリデイ」(日劇PLEX1)
7(6) 済「ハッピーフィート」(丸の内プラゼール)
8(7) ×「バッテリー」(有楽座)
9(-) ○「サンシャイン 2057」(有楽町スバル座)
10(8) ×「大帝の剣」(丸の内TOEI1)

[個人評価]
◎ 絶対観たい作品
○ できれば観たい作品
▲ DVDか映画サービスデイだったら観たい作品
△ 映画館では観ないけどDVDだったら観るかもしれない作品
× 観ることはないでしょうの作品
済 鑑賞済み作品

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全米映画興行収入ランキング(4月第2週目) 【映画】

1(1)2週目「Blades of Glory」 (3410館)$23,000,000($68,383,000)
2(2)2週目「ルイスと未来泥棒」 (3435館)$17,004,000($52,235,000)
3(-)1週目「Are We Done Yet?」 (2877館)$15,000,000 ($19,063,600)
4(-)1週目「Grindhouse」    (2624館)$11,590,810 ($11,590,810)
5(-)1週目「The Reaping」   (2603館)$10,080,000 ($12,010,000)
6(3)5週目「300」       (2674館)$8,825,000 ($193,880,000)
7(5)6週目「Wild Hogs」    (2825館)$6,838,000($145,453,000)
8(6)3週目「ザシューター/極大射程」(2353館)$5,800,000 ($36,656,000)
9(4)3週目「TMNT」      (2811館)$4,935,000 ($46,722,000)
10(-)1週目「Firehouse Dog」  (2860館)$4,000,000($5,257,491)
(参考:IMDbのボックスオフィス)

4本の新作がランクインし、4週目で「Premonition」、3週目で「The Hills Have EyesⅡ」、3週目で「Reign Over Me」、3週目で「The Last Mimzy」が圏外へ消えた。

サンドラブロック主演の「Premonition」は5千万ドルにギリギリ届かないところでフィニッシュしそうだ。
サンドラブロック主演作としては、「イルマーレ」は約52百万ドル、「デンジャラスビューティー2」は約49百万ドル、「完全犯罪クラブ」は約32百万ドルとなっている。
「Premonition」はこれらの作品と同様の水準となっており、大きくはコケていないと言える。

「The Hills Have Eyes Ⅱ」の前作は約42百万ドル。
フィニッシュは、前作の半分をちょっと超える程度だろうか。
こちらはコケたといっていいだろう。
軍隊っぽいチームと、怪物たちが戦うという訳の分からない展開の予告編をみせられれば無理はないか。

「Reign Over Me」も2千万ドルに届かない可能性が高く、コケたといっていいだろう。
結構好評だった02年のアダムサンドラー主演の「パンチドランクラブ」も約18百万ドルに留まっているので、致し方ない結果か。
評価が依然高いままなので、単に劇場に足を運ぶ観客が少なかっただけのようだ。
9.11という題材は、センシティブなところがあるので、問題はその辺りではないか。

「The Last Mimzy」は子ども向け作品の割には、単純な作品ではなく、内容が深すぎたようだ。
これは製作者の判断ミスだろう。

1位になったのは先週に引き続き、ウィルフェレル主演の「Blades of Glory」。
ほぼ1億ドル突破は可能なラインとなっている。
製作を努めているのはベンスティラー。
04年の「ドッジボール」でも製作を努めており、この手のマイナースポーツをコメディで描くというのは彼の十八番(おはこ)のようだ。
また、ウィルフェレルもナスカーレースを描いた「Talladega Nights: The Ballad of Ricky Bobby」を大ヒットに導いており、スポーツ系コメディに強い。
この二者がタッグを組めば、さすがに失敗することはないだろう。

3位には、アイスキューブ主演作の「Are We Done Yet?」が登場。
前作「Are We There Yet?(ボクらのママに近づくな!)」のオープニングは約19百万ドルだった。
本作は水曜日公開だったのだろうか。
週末は、15百万ドルの興行収入だったが、初週のトータルでは約19百万となっており、前作並みといえよう。
評価はあまり芳しくなく、前作のトータル約82百万ドルを超えるのは難しそうだ。

4位には、ロバートロドリゲス・クエンティンタランティーノ監督によるホラー作品「Grindhouse」が登場。
脚本もロバートロドリゲス・クエンティンタランティーノ。
本作は2本の長編と3本のフェイクの予告編により構成されている。
タランティーノが担当したのは「Death Proof」。
ロドリゲスが担当したのは「Planet Terror」。
イーライロス(代表作「ホステル」)が担当したのは「Thanksgiving」。
エドガーライド(代表作「ショーンオブザデッド」)が担当したのは「Don't Scream」。
ロブゾンビ(代表作「マーダーライドショー」)が担当したのは「Werewolf Women of the S.S.」。
「Death Proof」はカートラッセル扮する精神異常者が車で美女を襲うという映画。
「Planet Terror」は、脚が銃になっている女性をローズマッゴーワンが演じる。殺意を引き起こす病気のようなものに感染した街で彼女が活躍するという映画。
評価は当然のようにもの凄く高いが、ネックは3時間12分という上映時間だろう。
2本の映画によって構成されているため、かなりの長尺となっている。
先週紹介したイーライロス監督は、フェイクの予告編を監督しているうちの一人だった(先週分は訂正してあります)。

タランティーノ監督作品は、「キルビルVOL1」が約70百万ドル、「キルビルVOL2」が約66百万ドルとなっている。
「シンシティ」が約74百万ドルであるから、彼らのバイオレンス作品は興行収入面において一種の「壁」がある。
本作もやはりこれらの作品を上回るということはないだろう。

5位には、ヒラリースワンク主演のサスペンスホラーの「The Reaping」が登場。
宗教的な現象を科学的な知見から調査するキリスト教の元宣教師が、調査のために訪れた町で何かに巻き込まれていくようなストーリー。
監督はスティーヴンホプキンス。
「エルム街の悪夢5」「プレデター2」などを手掛けている。
評価はあまり高くないようだ。
ヒラリースワンク主演作品としては、
今年の「Freedom Writers」が約37百万ドル
06年の「ブラックダリア」が約23百万ドル
04年の「ミリオンダラーベイビー」が約100百万ドル
03年の「ザ・コア」が約31百万ドル
02年の「インソムニア」が約67百万ドルとなっている。
「ミリオンダラーベイビー」以外は彼女の出演作はあまり恵まれた興行収入を上げていない。
本作も3千万ドル前後という感じではないか。
ヒラリースワンクは、ラブコメを出来ないし、もうちょっと稼がないと主演女優としては厳しいことになりそうだ。

もう一本の新作「Firehouse Dog」は10位に登場。
監督はTodd Holland。目だった監督作品はない。
主演はジョシュハッチャーソン。
今年ヒットした「Bridge to Terabithia」にも出演している人気の子役。


次週には、ハルベリー・ブルースウィリス主演のサスペンス「Perfect Stranger」が登場予定。
サンドラブロック主演の「Premonition」、ヒラリースワンク主演の「The Reaping」と、大物主演女優のサスペンス作品が続々と公開されている。
「Perfect Stranger」は、ジャーナリスト役のハルベリーが、親友であるが殺人を犯し、失踪したビジネスマンのウィリスを探すというもの。
監督は、92年「摩天楼を夢見て」、99年「NYPD15分署」、03年「コンフィデンス」などを手掛けたジェームズフォーリー。

05年製作のアルパチーノ主演「トゥーフォーザマネー」、04年製作のアンジェリーナジョリー出演「テイキングライブス」を手掛けたDJカルーソー監督の最新作「Disturbia」も登場予定。
主演はシアラブーフ、デヴィッドモース、キャリーアンモス。
シアラブーフは、「チャーリーズエンジェルフルスロットル」「アイ,ロボット」「コンスタンティン」「ボビー」「トランスフォーマー」などの大作に出演している若手俳優。
主人公が、隣人を連続殺人犯だと疑いだすというストーリーとなっている。

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『オールザキングスメン』レビュー 【映画】

◆評  価    5.0点
◆分かりやすさ  B(オリジナルを知らないと楽しめないと思う)
◆おススメ度   C(ショーンペンファンでも見なくていいだろう)

1949年アカデミー賞作品賞のリメイク作品。
本作の監督のスティーヴンザイリアンは、49年のオリジナルを鑑賞せずに、本作を製作したといわれている。
オリジナルもちょっと焦点がボケた感じはあったが、本作はさらに焦点がボケて、面白みがまるでない作品に仕上がっている。

「ラストキングオブスコットランド」もそうであったが、本来描くべき人物を描かずに、どうでもいいサブキャラを中心に描こうとするから、話のまとまりがおかしくなるのである。

ジュードロウのキャラクターである元新聞記者のジャックバーデンは、本来ナレイター的な役割でいいのだ。
ウィリースターク(ショーンペン)の生き様を描くための、生き証人にすぎないのに、ジャックバーデンの人生にあまりにも話を振りすぎているのが問題だ。

ジャックバーデンがアーウィン判事(アンソニーホプキンス)の過去を探る過程なんて、はっきりいって本ストーリーにはどうでもいいことだ。
こんなシークエンスに多くの時間を割くべきではない。
また、ジャックバーデンとアンスタントン(ケイトウインスレット)の恋愛話も重きを置きすぎているのも失敗だ。

ウィリースタークとジャックバーデンの人生が対比的になるのならば、ジャックバーデンの生き様を描く意味があるだろう。
しかし、本作でいくらジャックバーデンの生き様を描いたところで、まるで効果が感じられないのである。
ジャックバーデンもウィリースターク同様にいわゆる「ダークサイド」に陥ったとみる向きもある。
ジャックバーデンの転落をウィリースタークに重ねあわしてみるという見方だ。
しかし、それではこの描き方があまりにも中途半端すぎて、やはり効果が生じていない。
ジャックバーデンがラストで重要な役割を担うのならば、この描き方でも分からなくもないが、そういった改変はしていない。
改変すべきところを改変せずに、オリジナルと比較してみると、改悪している点が多数みられるのが問題だ。

【ウィリースタークの当選】
オリジナルでは、出納官選挙で落選し、法律を独学で勉強した後に、かつがれた知事選で落選し、二度目の知事選で当選している。
彼は落選を繰り返すことによって、「勝ち方」を学ぶのである。
賄賂による票の稼ぎ方を学習していくのである。
落選することによって、目的が「当選すること」に変わり、「知事になって人々の暮らしを変えたい」という彼の目的が当初より大きく変化するのである。
「目的」と「手段」が入れ替わるのがよく分かる。

しかし、本作では出納官の選挙もなければ、一回の知事選挙で当選してしまっている。
これでは、ウィリースタークが「ダークサイド」に陥った理由がまるで分からない。
オリジナルを知らないと、ウィリースタークが元々の悪人だと思ってしまうのではないか。

【ウィリースタークの息子の不祥事】
オリジナルでは、スタークの息子は飲酒運転による交通事故を起こし、同乗していた恋人を死なせてしまう。
その事件を隠蔽するために、スタークはあらゆる手段を使い、最後には恋人の父親までをも殺すという一線を超えてしまう。

本作では、息子の出番はほとんどない。
スタークと写真に一緒に写ったり、アメフトをやるシーンが映るくらいである。

オリジナルでは、交通事故の後遺症があるにも関わらず、アメフトの試合に出るようにスタークが強要して、その結果、息子は半身不随となってしまう。
その息子の病気を自己の弁明や同情を引くために利用するというウィリースタークの姿が描かれる。
ウィリースタークという男の生き様が表れる非常に大事なエピソードをなぜ削除するのかがまったく分からない。

本作ではウィリースタークの「悪」を明確には一切描いていない。
「善」と「悪」の境界線上にいる「グレイ」の存在として描いているのである。
観客に「善・悪」について考えてもらいたいというスティーヴンザイリアンの「狙い」だろうが、それならばなおさらウィリースタークを一本に絞って彼の生き様を描くべきだっただろう。
ジャックバーデンを描きつつ、さらにぼんやりとウィリースタークの善悪を描いてしまったために、本作はぼんやりとした、何を描きたいのかが分からない作品となってしまった。

【判事の過去】
オリジナルでは、判事の過去を知ってしまったジャックバーデンはその証拠をウィリースタークには渡さずに、判事の姪のアンに使い道を託す。
しかし、アンは叔父を裏切り、不倫相手のウィリーに渡してしまうのである。

ウィリーは、その証拠をもとに判事を脅し、脅迫に屈したくない判事は己の過去を恥じつつ、自害するのである。
判事は、結果的にウィリーの脅迫によって殺されるのである。
そのため、叔父を死に追いやり、妹の人生をメチャクチャにしたウィリーを病院の院長アダムスタントンは殺すのである。
オリジナルでのアダムの動機ははっきりしている。

しかし、本作では判事を死に追いやったのを、ジャックバーデンに担わせている。
これは最大のミスといっていいだろう。
いったい、何を描く映画なのか分からなくなっているのではないか。
ウィリースタークが判事を死に追いやらなくては、このストーリーは終わらないのである。

強引に適当に辻褄を合わせて、アダムがウィリーを死に追いやっているが、この動機はまるで不十分だ。
もし、アダムが「善」ならば、あの程度でウィリーを殺しはしないだろう。
逆に、彼の不正を暴こうと奔走するのではないか。
「不正」を「暴力」で解決するというやり方は、決して「善」が行うことではない。
アダムまでもが「ダークサイド」に陥ったという描き方ならばよいが、やはり本作はそこまでは描いていない。

【ラスト】
このような変な終わらせ方をするのだったら、思い切ってラストを改変してもよかったのではないか。

もし本作のようにジャックバーデンをメインに添えるのならば、自分だったら、アダムがジャックバーデンを殺すというオチをつけるだろう。
そして、ウィリースタークはゆうゆうと生き延びて、弾劾を逃れ、演説を繰り広げるのである。
腐敗した政治家は生き延びて、不正は「闇」へと消えていく・・・。
そういうオチの方がより、観客の心に響くのではないか。

「善」と「悪」の血が流れ、その血はひとつとなり、議事堂を染めていく。
悪いオチではないけれども、やはり上手くまとめることができなかった印象が強い。

テーマ:映画★★★★★レビュー - ジャンル:映画

2007年4月クール視聴率予想 【ドラマ】

順位  タイトル      予想平均視聴率
1位「冗談じゃない!」        19.5%
2位「プロポーズ大作戦」      16.5%
3位「バンビ~ノ!」          15.5%
4位「喰いタン2」          14.5%
5位「鬼嫁日記 いい湯だな」    13.0%
6位「わたしたちの教科書」     12.5%
6位「セクシーボイスアンドロボ」  12.5%
6位「孤独の賭け~愛しき人よ~」 12.5%
9位「花嫁とパパ」          12.0%
10位「帰ってきた時効警察」     10.5%
11位「ライアーゲーム」        10.0%
11位「ホテリアー」          10.0%
13位「生徒諸君!」          9.5%
14位「特急田中3号」         9.0%


1位:「冗談じゃない!」 19.5%(「華麗なる一族」23.9%)
主演:織田裕二、上野樹里、大竹しのぶ

織田裕二主演の直近のドラマは04年冬クールの「ラストクリスマス」。
ラブコメディ作品で、平均視聴率は21.5%。
02年冬クールには「真夜中の雨」に出演している。
サスペンスドラマで平均視聴率は13.7%。
織田裕二だからといっても、必ずしも百発百中というわけではない。
織田裕二は初期の頃には、「お金がない!」「恋はあせらず」といったコメディドラマには出演しているものの、こういったホームドラマの出演は初めてではないか。
その辺りが視聴者からどのように受け止められるかが読みきれないところがある。

上野樹里は06年冬クール「のだめカンタービレ」での活躍が目立った。
視聴率は18.8%と大健闘した。

実力・実績のある織田と、上り調子の上野との組み合わせは視聴者にとっても新鮮で、かなりの数字が期待できそうだ。

「華麗なる一族」同様に平均視聴率20%超えを狙いたいところだろうが、ギリギリのラインではないか。
この枠のホームドラマの02年冬クール「おとうさん」が田村正和、飯島直子、中谷美紀、広末涼子、深田恭子というキャスティングで挑みながら、平均視聴率16.4%という微妙な数字を取ったのを思い出される。
「おとうさん」はホームドラマの割りに結構ダークな感じであり、全く明るさがなかったのが問題だった。
「冗談じゃない!」は明るさと元気のよさが感じられるので、大丈夫だとは思うが、なかなか楽観視もできないところがある。

【個人評】織田裕二さんは好きな俳優だから、見たいドラマである。内容に関係なく、出演しているからという理由だけで鑑賞したいと思える貴重な俳優だ。
しかし、日曜日は忙しいので、再び録画鑑賞になりそうだ。


2位:「プロポーズ大作戦」 16.5%(「東京タワー」15.0%)
主演:山下智久、長澤まさみ

山下智久主演作としては、06年夏クールの「クロサギ」が平均視聴率15.7%となっている。
山下が亀梨和也、堀北真希、戸田恵梨香らと共演した05年冬クールの「野ブタ。をプロデュース」の平均視聴率が16.9%である。

長澤まさみ主演作としては、06年冬クールの「セーラー服と機関銃」が平均視聴率13.3%。
そして、山下智久と長澤まさみが共演した05年秋クールの「ドラゴン桜」が平均視聴率16.4%となっている。

伊東美咲と亀梨和也が共演した月9ドラマの06年秋クールの「サプリ」の平均視聴率が14.2%であるから、月9といえども、それほど高視聴率は期待できない。
ましてや、ラジコメというジャンルは視聴率的にはそれほど期待できないジャンルではないか。
あまり広範囲の視聴者層に受けるものではないからだ。

最近のラブコメとしては、06年夏クールの「ブスの瞳に恋してる」が純粋なラブコメといえるだろうか。
その平均視聴率は15.9%となっている。
これらを踏まえると、「プロポーズ大作戦」の平均視聴率は16%台ということに落ち着きそうだ。

【個人評】山下智久、長澤まさみもどちらにも興味がない。
長澤まさみの人気はどうも作られた人気であるように気がしてならない。ラブコメを見たいという歳でもない。


3位:「バンビ~ノ!」 15.5%(「ハケンの品格」20.1%)
出演:松本潤、北村一輝、香里奈

水曜日22時台の枠は他局のライバル不在で、数字を稼ぎやすい枠となっている。
松本潤の「花より男子」以外のドラマ作品としては「きみはペット」の平均視聴率が11.9%となっている。
意外と低いのだが、近年は彼の人気も相当上がっているとみて、多少高めに予想したい。
水曜日22時枠の「ハケンの品格」「14才の母」のように幅広い枠に受けいられるとは思わないが、「anego」の15.6%辺りは稼ぐのではないか。
【個人評】松本潤にはさすがに興味はない。料理人を題材としたドラマもあまり好きではないので見ない。


4位:「喰いタン2」 14.5%(「演歌の女王」9.1%)
出演:東山紀之、森田剛

前作である06年春クールの平均視聴率は17.4%となっている。
どこに魅力があるのかよく分からないが、かなりの高視聴率を稼いでいる。
あまり作品の質が高くはないようだが、恐らく手軽く見られるところが受けるのだろう。
しかし、その後のスペシャル版の視聴率は14%台とあまりよくなかったようである。
そうなると、前作の8割5分くらいが落ち着きどころではないか。
17.4×0.85=14.8%あたりだろう。
「演歌の女王」が大きくコケており、ひょっとすると、低視聴率にあえぐかもしれない。
【個人評】ジャニーズ系の主演は、よほどの限り見たことはない。
前作も当然見ておらず、料理を題材としたドラマも好きではない。


5位:「鬼嫁日記 いい湯だな」 13.0%(「ヒミツの花園」12.4%)
出演:観月ありさ、ゴリ、蛯原友里

05年冬クールの平均視聴率は意外と高く、15.4%となっている。
ただし、本作同様ブログが原作の「今週、妻が浮気します」の視聴率が芳しくないので、前作以上の視聴率を期待できるかは疑問なところだ。
だいたい、前作15.4%×8割5分=13.1%という計算になるだろうか。
観月ありさ主演作の06年秋クールの「CAとお呼びっ!」の平均視聴率が9.5%であるから、予想よりもさらに低い数字を叩き出す可能性はある。
問題はゴリだろうか。あまりドラマに出演しないので読めない。
この人は曲も結構売れるので、意外と人気があり、数字をもっているのかもしれない。
【個人評】前作見ていませんし、見たいとも思いません。


6位:「わたしたちの教科書」 12.5%(「拝啓、父上様」13.2%)
出演:菅野美穂、伊藤淳史

詳細はよく分からないが、このドラマの存在を知って、中谷美紀主演の「R-17」のようなものを思い出した。
「R-17」も視聴率的に失敗したように、本作も成功させるのは難しいのではないか。
学園モノはヒットしやすいが、本作は純粋な学園モノとは言い難い。
重さもあり、取っ付きにくさも感じられる。
かといって、「14才の母」のようなセンセーショナルな印象もない。

菅野美穂主演作としては、05年冬クールの「あいのうた」の平均視聴率が9.8%。
04年夏クールの月9ドラマ「愛し君へ」が16.9%となっている。
あまり視聴率的には恵まれている女優とは言いがたい。
内容と主演女優を踏まえると、まず15%は超えないだろうと思われる。
「ヒミツの花園」レベルの12%辺りに落ち着くのではないか。
【個人評】重苦しいので見ません。教育問題に関心があるわけでもない。


6位:「セクシーボイスアンドロボ」 12.5%(新枠)
主演:松山ケンイチ、大後寿々花

日本テレビ系で火曜日22時枠として新設される。
内容からすると、21時あたりの方がよかった気もするが。
全く未知数のコンビで予想が難しい。

大きくヒットすることはないだろうが、内容の軽さと目新しさからそこそこ稼ぎそうな気がする。
このドラマの参考となるのドラマは何だろうか。
「富豪刑事DX」の平均視聴率12.0%、「てるてるあした」の平均視聴率8.9%、「瑠璃の島」の平均視聴率12.6%あたりとなるか。
かなり見やすそうな感じもあり、平均視聴率12%以上は稼ぐのではないか。
【個人評】若年層向けのドラマだろうか。ちょっと自分には合いそうもない。


6位:「孤独の賭け~愛しき人よ~」 12.5%(「きらきら研修医」9.3%)
出演:伊藤英明、長谷川京子

この手のドラマは嫌いではないけれども、視聴率を稼げないのが世の常。
「白夜行」の平均視聴率が12.3%と低迷した。
一般の視聴者は重苦しいドラマよりも、手軽もしくは感動作を好む傾向がある。
よっぽどの話題作でなければ、この手のドラマは視聴率を稼げない。

「海猿」でブレイクした伊藤英明であるが、伊藤英明だから見に行ったという人は少ないだろう。
観客は感動作っぽい大作だから見に行ったのである。
伊藤英明出演作としては、06年夏クールの「弁護士のくず」の平均視聴率が12.7%。
やはり12%台というのが落ち着きどころではないか。
【個人評】こういうダークな作品は好みなので、ちょっと見てみようかと感じている。
グダグダなハッピィーエンドにならなければよいが。


9位:「花嫁とパパ」 12.0%(「今週、妻が浮気」10.2%)
主演:石原さとみ、時任三郎、田口淳之介(KAT-TUN)

石原さとみ主演作としては、06年春クールの「Ns'あおい」が平均視聴率14.2%となっている。
石原さとみのドラマ作品があまり見当たらないので、かなり過去に振り返ると、04年秋クールの「ウォーターボーイズ2」の平均視聴率は16.2%であった。

時任三郎を目当てにドラマを見る人は少ないと思われるので、あまり考慮しない。
娘と父親のドラマというのはどんなものがあったのかちょっと思い出せない。
上戸彩が主演した03年秋クールの「ひと夏のパパへ」くらいか。
「ひと夏のパパへ」は最低視聴率が3.6%というドラマである。

基本的には石原さとみと田口淳之介を目当てに見る層にしか受けないと思う。
「Ns'あおい」は医療モノということもあり、多少石原さとみファン以外の層も見ていたと思う。
「Ns'あおい」の14.2%の8割5分と考えれば12.1%となる。
12%前後の平均視聴率に落ち着くのではないか。
【個人評】石原さとみは嫌いではないが、ドラマを見たいとは思えない。


10位:「帰ってきた時効警察」 10.5%(「特命係長只野仁」14.3%)
出演:オダギリジョー、麻生久美子

前作の平均視聴率は10.1%となっている。
キャスティング等に特に大きな変更もなく、前作同様の数字が期待できる。
1割増は難しいだろう。前作の5分程度増しと考えれば、10.6%辺りに落ち着くのではないか。
「蟲師」もそれほど好調ではなく、オダギリの人気はそれほど広範囲のものではなく、一部に偏ったものではないか。
オダギリはあまり最近ドラマの出演しておらず、06年の「時効警察」と05年の「不機嫌なジーン」くらいしかない。
02年・03年には「サトラレ」「天体観測」「ビギナー」「顔」といったドラマに出ていたのだが。
【個人評】前作を見ておらず、今回強いて見る理由はない。


11位:「ライアーゲーム」 10.0%(新枠)
出演:戸田恵梨香、松田翔太

フジテレビで土曜日23時に新枠ドラマとしてスタートする。
テレビ朝日の金曜日深夜枠が好調のため、チャレンジするのだろう。
参考となるのは、テレビ朝日の深夜枠となるだろうか。
平山あやの「はるか17」は平均視聴率8.9%、黒川智花の「てるてるあした」の平均視聴率8.9%辺りが最低の基準となりそうだ。
これらの1割増しの10%が本ドラマの目標となりそうだ。
【個人評】若年層向けのドラマであり、自分向けのドラマではない。


11位:「ホテリアー」 10.0%(「エラい嫁」12.7%)
出演:上戸彩、及川光博、ペヨンジュン(特別出演)

大ヒットした韓国ドラマのリメイク。
韓国ドラマと日本のドラマの融合というのは視聴者から受けいられないことが多い。
06年春クールの「輪舞曲(ロンド)」は竹野内豊とチェジウが共演したにも関わらず、平均視聴率は15.5%に留まった。
韓流スターは出演していないものの、韓国を題材とした「東京湾景」は月9で仲間由紀恵が出演したにも関わらず、13.8%と月9にしては悲惨な視聴率となった。

また、上戸彩主演作としては、06年夏クールの「アテンションプリーズ」は平均視聴率16.4%と好調だったが、06年秋クール「下北サンデーズ」が平均視聴率7.3%というお粗末な数字を叩いて、打ち切られた。
03年秋クールの「ひと夏のパパへ」の平均視聴率5.6%という悪夢は消え去ったわけではない。
共演陣もパッとせず、ジャニーズタレントも出ていないため、高い視聴率は期待できない。

「輪舞曲(ロンド)」の6割くらいと踏んで、15.5%×0.6=9.3%あたりか。
頑張って二桁というところだろう。
【個人評】韓流ドラマはまるで興味がなく、見る理由は見当たらない。


13位:「生徒諸君!」 9.5%(「わるいやつら」9.4%)
主演:内山理名、堀北真希

申し訳ないが、なぜいつまでも主演を続けられるのかが不思議な内山理名主演ドラマ。
06年冬クールの「嫌われ松子の一生」の平均視聴率8.2%となっている。
堀北真希も06年冬クールの「鉄板少女アカネ!!」の平均視聴率が8.7%と低迷した。

学園ドラマはそれほどコケないはずなので、これらの作品よりも下がらないだろうと思われる。
そうはいっても、10%を超えるかといわれると、そこまでは難しい気もする。
若干10%を割るくらいに落ち着くのではないか。
【個人評】内山理名主演ドラマは恐らく見ることはないだろう。


14位:「特急田中3号」 9.0%(「花より男子2」21.7%)
主演:田中聖(KAT-TUN)、栗山千明

鉄道オタクを描いた作品であり、これはまず一般受けはしないと思われる。
05年秋クールの「電車男」(平均視聴率21.0%)の二番煎じであるが、あれとは比べようもない。
KAT-TUNの田中聖も未知数だが、それほど数字は期待できそうもない。
栗山千明も未知数だ。
民放ではまともに主演を張ったことはないのではないか。

内容と両主演が未知数であり、大きく化けそうな気もするし、大きくコケそうな気もする。
コアなファンは獲得しそうだが、個人的には、これが視聴率的にヒットするとは思えない。
「花より男子2」に金を掛けすぎて、今回は勝負を捨てたか。
平均視聴率は10%割れするとみたい。
【個人評】意外と面白そうな気がする。ひょっとしたら視聴率も取れるかもしれない。田中聖でなかったら見てもよかった。


<ジャンル別分析(自分のイメージによる勝手な分類)※重複あり>
【ヒューマンドラマコメディ】「冗談じゃない!」「特急田中3号」「生徒諸君!」
【ヒューマンドラマ真面目】「花嫁とパパ」「わたしたちの教科書」「バンビ~ノ!」 
【サスペンス重め】「孤独の賭け~愛しき人よ~」「ライアーゲーム」「ホテリアー」
【サスペンス軽め】「セクシーボイスアンドロボ」「帰ってきた時効警察」
【ドタバタコメディ】「喰いタン2」「鬼嫁日記 いい湯だな」

【ラブコメディ】「プロポーズ大作戦」「特急田中3号」「冗談じゃない!」
【お仕事系】「バンビ~ノ!」
【社会派ドラマ】「わたしたちの教科書」
【学園モノ】「生徒諸君!」「わたしたちの教科書」
【親子モノ】「花嫁とパパ」
【リメイク】「ホテリアー」
【続編】「帰ってきた時効警察」「喰いタン2」「鬼嫁日記 いい湯だな」

※お仕事系が前クールでは約4本あったのに、今クールは1本に留まったのはバランスが悪い。
「ハケンの品格」のように視聴率的に稼げるジャンルなのにもったいない。
しかも「バンビ~ノ!」はお仕事系にジャンルしていいのか分からない作品だ。
続編が多いのも特徴だ。ハリウッドのようにネタ不足だろうか。
ラブコメディも多いのもややバランスが悪い気がする。
世代が違うが、TBSの看板とフジの看板ドラマが被っている気がする。


<出典別分類>
【小説】「孤独の賭け~愛しき人よ~」
【漫画】
「セクシーボイスアンドロボ」「バンビ~ノ!」「生徒諸君!」「喰いタン2」「ライアーゲーム」
【オリジナル脚本】
「プロポーズ大作戦」「花嫁とパパ」「わたしたちの教科書」「特急田中3号」「帰ってきた時効警察」「冗談じゃない!」 
【ネットネタ】「鬼嫁日記 いい湯だな」
【韓流】「ホテリアー」

※小説原作が1本となり、漫画原作が14本中5本となっている。
いよいよ漫画原作が主流となった今クールである。

テーマ:視聴率 - ジャンル:テレビ・ラジオ

『ブラッドダイヤモンド』レビュー 【映画】

◆評  価    8.5点
◆分かりやすさ  A(予備知識がなくても問題なし)
◆おススメ度   A(アクション映画だと思って観てはいけない)

【映画の役割】
映画の役割というのは、「娯楽」として人々を楽しませるだけではなく、知られていない「現実」を人々に伝えるという意味もあると思う。

「現実」を知りたいのならば「ドキュメンタリー」を見ればよいのだが、人間は怠惰(たいだ)な生き物なので、興味のないことや面倒くさいことにはまったく関心を示さない。
しかし、「映画」という媒体で、有名なスターが出演すれば、たとえどんな映画であっても、人々の興味を引く。

本作も「ブラッドダイヤモンド」を巡る争いを通じて、アフリカの現実をまざまざとみせつけてくれた。
この映画に出演し、多くの人々に対して、アフリカの現実を知らしめたレオナルドディカプリオには敬意を表したい。
本作に出演するということには多くの「リスク」もあったはずだ。宝石業界とつるむ業界に対して敵を作ることにもなっただろう。
「○○○○…HA!」の繰り返しや、序盤は特に浮いているような気もしたが、彼が出演した意味と彼の存在は大きかった。


【エドワードズウィックの作風】
エドワードズウィックの手腕はさすがと言わざるを得ない。
サスペンス・アクション映画と社会派映画を融合し、素晴らしい映画を作り上げた。
彼の作品は観る人によっては飽きるかもしれないが、ストーリーを過剰に脚色することなく、リアリティのある映像と抑制した演出が、より現実的なものに感じさせるようになっている。

エドワードズウィックに共通する作風としては、まったく性格の異なる二者の出会いによる変化がみられる。
「ラストサムライ」ではトムクルーズとケンワタナベ
「マーシャルロー」ではデンゼルワシントンとアネットベニング
といったように全く立場の違う二人が出会うことによって、お互いの気持ちに大きな変化が生じるようになってくる。

本作では、レオナルドディカプリオとジャイモンフンスーの二人だ。
ダイヤモンドの密輸を生業としている元傭兵のレオナルドディカプリオと、内戦によって家族をバラバラにされたジャイモンフンスーはまったく立場も、性格も異なる。
まったく異なる二人が行動を共にすることによって、彼らの生き様は大きく動く。
ディカプリオは絶体絶命状態だから、「ブラッドダイヤモンド」をフンスーに預けただけでなく、もし絶体絶命に陥らなくても、おそらく自己のためにあのダイヤモンドを使わなかったと思われる。

フンスーとともに歩き、フンスー家族の悲劇を目の当たりにすることによって、搾取者・傍観者からの立場を変えたのだろう。
彼らを苦しめているのは、紛れもない自分自身だということに気付いたのだ。
そして、ジェニファーコネリーとの出会いによって、このダイヤモンドには悲惨な現実を変えるパワーがあると知ったのだ。
ディカプリオの心変わりは、「レジェンドオブフォール」のアルフレッドにも通じるものがある。

ディカプリオの変化はディカプリオだけに留まらない。
我々もディカプリオと同じだということをエドワードズウィックは訴えている。
変化しなくてはいけないのは、ディカプリオだけでなく、我々消費者も変わるべきだと主張しているのである。

【ジャイモンフンスーの演技】
演技派のジャイモンフンスーも素晴らしい。
何度も鬼気迫る演技がみられた。
最後には、本当に人を殺しかねない表情をしている。
「ラストキングオブスコットランド」のフォレストウィテカーよりも彼の演技の方がよかったと思う。
「インアメリカ」と本作でアカデミー賞助演男優賞候補となったジャイモンフンスーは近いうちにオスカーを獲得するのは間違いないだろう。

【マイノリティーへの愛情】
マイノリティーへの愛情がみられるのもエドワードズウィック作品の特徴だ。
「ラストサムライ」では過度な近代化に対して抗う「伝統」を重んじる少数者
「マーシャルロー」ではテロによって報復されるイスラム系アメリカ住民
「レジェンドオブフォール」ではインディアンや「不条理」の世界に抗う家族

政府軍とRUFの内戦による、一番の被害者はアフリカの住民、特に子どもたちなのである。
そういった視点が滲(にじ)み出ていた。

なぜアフリカ人同士が殺しあわなければならないのかという疑問が付きまとう。
本作では、ダイヤモンドの価値が急落しないように、産出量を調整するために、外部の者から内戦をするように仕向けられているにすぎないと説明している。

貧困を脱出するため、この国を変えたいというチカラを利用しているのだ。
満足に教育を受けられず、たえず争いが絶えない悲惨な状況下で生活を強いられれば、人命に関する感覚が麻痺してくる。
そんな彼らに武器を手渡させば、紛争が生じることは間違いないのだ。

そんなダイヤモンドのために、戦いに巻き込まれ、人々は家を失い、子どもたちは銃を撃たなくてはならない。

本作で描かれた世界はまったくのフィクションではないだろう。
自分は途中から、これはフィクションとして見るべきではないと感じた。

このような「現実」を世に知らしめてくれた本作は貴重であり、とても考えさせられる作品だ。
アクション映画としても優秀であり、観て損はない作品である。

テーマ:“ブラッド・ダイヤモンド” - ジャンル:映画

「マーシャルロー」DVDレビュー 【映画】

◆評  価    7.0点
◆分かりやすさ  A
◆おススメ度   B+(アクション映画を観たい人はススめられない)

98年製作のエドワードズウィック監督作品。
デンゼルワシントン、アネットベニング、ブルースウィリスが主演している。
全米興行収入は約41百万ドル。

9.11テロを予見していたことで有名な作品。
サダムフセイン対策にCIAが訓練・支援したグループが、CIAの見放しによって、祖国で迫害され、次第に反米テロ組織になっていったというストーリーはゾッとするほど現実に近いものだ(アルカイダはソ連対策のためにCIAが訓練した組織という噂がある)。

バスの自爆テロや、爆弾を積んだトラックによる特攻テロも、単に乗り物が違うだけであり、形としては相当近いものがある。
テロによって、反イスラム運動・迫害などが生じることも当然のことながら予見されていた。
本作に限らず、映画が描く世界というのは、未来を見通した世界であるかもしれない。
映画と現実は、まったく次元の異なるものではなく、現実の世界は、映画の世界を辿って行っているところがあるような気がする。


本作は、前半は「FBI VS テロ組織」、後半は「FBI VS 軍」という構造になっている。
単にテロの恐怖を描いているアクションではなく、もう一つの恐怖を描いているのが特徴だ。
この点が他のアクション作品と一線を画するところだ。
実に社会派のエドワードズウィック監督らしい。

本作の主眼は、法律や憲法に則るわけでなく、平気で人権を蹂躙していく軍の横暴による恐怖を描いている。
軍こそ、本作で語られた「善に近い悪」といえるだろう。
彼らの行動は「正義」に基づいている。
だからといって、何をしてもいいというわけではないということを警告している。
容疑者を裁判にかけることなく拷問し殺害する。
無実の国民を疑わしいというだけで隔離する。
このような恐怖は非現実的と感じるかもしれないが、実際イラクを中心にこの恐怖は世界で現実化されているのではないのか。
派手なアクションを期待すると全く面白くないかもしれないが、本作はかなり鋭い視点で描かれている社会派映画だ。


デンゼルワシントンとアネットベニングはさすがの演技だ。
文句の付けようがない。
一方、ブルースウィリスにはもっと威厳が欲しかったところだ。
国家のためならば、手段を選ばずにどんなことでも行うという筋の通った信念をもつ男を演じなければ、軍による恐怖が観客に上手く伝わらない。

人命よりも、目的を優先するという軍を「象徴」するような背筋の寒くなるくらいの冷酷な男をきちんと演じられる俳優はいなかっただろうか。
やや、出番が少なすぎたのも問題だったかもしれない。
難しいところだが、デンゼルとブルースの対立軸はきちんとはしていないと思う。

本作は対立軸としては、以下の6つとなっている。
FBI(デンゼルワシントン)
CIA(アネットベニング)
軍(ブルースウィリス)
テロの標的になるアメリカ国民
イスラム系テロ組織
アメリカのイスラム系住民(トニーシャローブ(フランク))

CIAはイスラム系テロ組織を支援・利用している。
FBIはイスラム系テロ組織と対決する。
イスラム系テロ組織のターゲットはアメリカ国民である。
テロの標的になるアメリカ国民の怒りは、イスラム系のアメリカ住民に向けられる。
したがって、FBI→テロ組織→アメリカ国民→イスラム系という悲劇の連鎖が起きる。

この恐怖の連鎖と次元を異にしているのが軍隊だ。
軍隊にとっては、FBIだろうが、アメリカ国民だろうが、イスラム系だろうが関係ない。
本作で言いたいのは、この軍隊による恐怖なのだが、この部分がやや曖昧となったのが残念だ。
テロによる恐怖と、軍による恐怖の二面を描こうというズウィックのチャレンジには頭が下がるが、完全に昇華できてはいないのかもしれない。

テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画

2007年1月クールドラマ視聴率結果(最終話)

順位  タイトル   初回   最新話 前話との対比 平均(予想平均)
1位「華麗なる一族」 27.7%  30.4%(▲5.5%) 23.9%(23.0%)(終)
2位「花より男子2」  19.4%  27.6%(▲5.7%) 21.7%(19.0%)(終)
3位「ハケンの品格」 18.2%  26.0%(▲6.1%) 20.1%(13.5%)(終)
4位「東京タワー」   14.2%  18.1%(▲3.9%) 15.0%(16.5%)(終)
5位「特命係長只野仁」 13.4%  17.0%(▲2.8%) 14.3%(14.0%)(終)
6位「拝啓、父上様」   12.9%  14.5%(▲0.2%) 13.2%(15.0%)(終)
7位「エラい嫁」     16.1%  11.7%(▲1.4%) 12.7%(12.0%)(終)
8位「ヒミツの花園」   14.7%  11.4%(▽0.6%) 12.4%( 9.5%)(終)
9位「今週、妻が浮気」12.5%  11.4%(▲1.0%) 10.2%(14.0%)(終)
10位「わるいやつら」 13.6%  10.1%(▲0.3%)  9.4%(13.5%)(終)
11位「きらきら研修医」10.4%   8.8%(▲0.6%)  9.3%( 9.0%)(終)
12位「演歌の女王」  10.9%   10.4%(▲2.7%)  9.1%(16.0%)(終)


「拝啓、父上様」はあまり盛り上がることもなく、たんたんと終了したようだ。
倉本聰脚本の「優しい時間」が14.8%だったため、本作の13.2%はやや期待外れと思われる。
やや年配者向けのドラマであるが、主演を若手にすることによって、年配層と若年層の双方の視聴者を取り入れようとしたものと考えられるが、この目論みが逆に失敗したのではないか。
年配層は若手が出演しているため、若者向けのドラマだと思い、若年層は倉本聰脚本のため、大人向けのドラマだと思ったのではないか。

二宮和也の主演作としては、03年秋クールの「STAND UP!!」が平均視聴率10.2%、04年秋クールの「南くんの恋人」が平均視聴率9.4%と、主演男優としてはあまり数字を持っていないことも上げられる。
「硫黄島からの手紙」で役者として大きく羽ばたいたが、もうちょっと経験が必要かもしれない。


なかなか好調だった「ヒミツの花園」も終盤は息が切れたようだ。
各ドラマ終盤にしたがって、視聴率を上げていったのに対して、「ヒミツの花園」は最終回が11話の中で2番目に低い視聴率を取ってしまった。

そうはいっても、なかなか健闘したといえる。
放送前は完全に失敗すると思っており、平均視聴率は10%を割るものだと感じていた。
しかし、12%台を確実にキープし(11話中7回)、アムロの主題歌もロングセールスを記録していたのだが、ラストで視聴率の盛り上がりが欠けたのがちょっと残念だ。
釈由美子は「スカイハイ」や「7人の女弁護士」などの出演作はあるが、本作によって主演女優として一応カタチを付けられるということを証明したといえる。


「今週、妻が浮気します」はコケたけれども、終盤は視聴率を復活させて、なんとか少しはカタチはつけた。
ネットの話題を元にしたドラマは比較的好調だったため、放送前にはこれほど失敗するとは思わなかったのだが。

やはり、戦犯は主演のユースケサンタリマではないか。
02年冬クールの「アルジャーノンに花束を」が平均視聴率11.1%、03年冬クールの「あなたの隣に誰かいる」が平均視聴率12.5%、主演ではないが04年夏クールの「ホームドラマ!」が平均視聴率9.7%となっており、今回も再び失敗してしまった。
主演男優としては10%程度の数字しか持っていないということだろう。
映画においても、「UDON」も13.6億円と期待以上には稼げなかった。

「ホームドラマ!」は準主役だったが、彼はメインを張るというよりも、脇でユーモラスに主役を支える助演男優の方が存在感を増すと思う。


「きらきら研修医」は序盤11%の視聴率を連発していたが、終盤息切れして8%台を連発し、平均視聴率争いも「わるいやつら」に最終的に交わされ、11位に転落してしまった。
だからといって、本作は視聴率的に失敗だったかというと、そうとは思えない。
小西真奈美の初主演作としては、かなり健闘したといっていいだろう。
個人的には合格点を与えられる。
上戸彩が初めて主演を努めた03年秋クールの「ひと夏のパパへ」は平均視聴率5.6%、
原沙知絵が初めて主演を努めた00年春クールの「シンデレラは眠らない」は平均視聴率7.6%という有り様である。
今後の頑張り次第では、主演女優として羽ばたける可能性は残っているという結果だった。


全体的には例年になく、なかなか好調のクールであった。
「華麗なる一族」しか鑑賞していないので、内容に触れることはできないが、まとめると以下のとおり。

【評価を上げたモノ】
篠原涼子、高橋克典、木村拓哉、井上真央、松本潤
中園ミホ、山崎豊子、花より男子、コミック原作ドラマ
コブクロ、宇多田ヒカル

【評価を若干上げたモノ】
釈由美子、小西真奈美
安室奈美恵

【評価を上げなかったが、下げなかったモノ】
速水もこみち
東京タワー

【評価を若干下げたモノ】
仲間由紀恵、二宮和也
倉本聰

【評価を下げたモノ】
ユースケサンタマリア、米倉涼子、天海祐希
ネットの話題を元にしたドラマ

テーマ:テレビ視聴率 - ジャンル:テレビ・ラジオ

「レジェンドオブフォール/果てしなき想い」DVDレビュー 【映画】

◆評  価    9.0点
◆分かりやすさ  A
◆おススメ度   A(ハマる人には絶対ハマる。)

94年製作のエドワードズイック監督作品。
ブラッドピッド主演作。
アンソニーホプキンス、エイダンクイン、ジュリアオーモンドなどが脇を固めている。
全米興行収入は約63百万ドル。
アカデミー賞撮影賞を受賞作品。

父親と三兄弟の複雑な家族愛や、三兄弟を愛してしまったゆえの女性の悲劇、第一次世界大戦出征など、壮大なストーリーが繰り広げられている。
鑑賞していて、単純ではない複雑な感情が次から次へと湧き上がり、とても充実し、満足できる作品となっている。

【エドワードズウィックの演出】
本作はまさに「ラストサムライ」に通じる映画だ。
この映画に「ラストサムライ」の原点をみた。
一本筋が通った緊張感が感じられる作風、マイノリティーへの愛情、「不条理」との争い、それぞれの想いを抱える男たちの激しい生き様など共通する点が多い。

あまりズウィックの映画に精通しているわけではないが、「きのうの夜は・・・」と本作に共通する演出としては、言葉や特殊なイベントで説明するのではなく、ありふれた「日常」や微妙な「表情」を通して、各キャラクターの内面を描き出そうとしている。
きちんと見ないとダラダラして飽きる映画かもしれないが、本作は決してダラダラしているわけではない。
とてもナチュラルな演出には心が惹かれた。
また、本作は美しい風景が実に作風にマッチしている。
この点も「ラストサムライ」に共通する点だろう。

【ブラッドピッドの演技】
最近のブラッドピッドには観られない演技を本作で堪能できたと思う。
本作が彼のベストの演技の一本であることは間違いないだろう。
同じ場所に留まれない野性味、自分の中の押さえられない衝動、サミュエルを救えなかったという負い目、スザンナを愛しているのに愛せないなどの複雑な内面を演じていた。
彼にはこのような押さえ切れない感情を内面に抱えて苦悩する役柄がとてもよく似合っている。

【アルフレッドの変化】
ラストでアルフレッドが撃たなければ、トリスタンは死んでいただろう。
アルフレッドとトリスタン、アルフレッドと父との確執を考えれば、アルフレッドが撃たないということも十分あり得ただろう。
「なぜ彼が撃ったのか」を考えると、アルフレッドの父・弟に対する愛情ということももちろんあっただろうが、一番の要因は「スザンナの死」ではないか。
「スザンナの死」がアルフレッドを変えたのだと思う。
大切な存在を失って、自分にとって大切なものに気付いたのではないか。
「スザンナの死」によって彼らのわだかまりが解けたのも悲劇的だった。

【スザンナの生き様】
三兄弟を渡り歩いたスザンナの生き方には同情できないと思う人もいるだろう。
確かに同情はできないと思う。
だからこそ、彼女も自ら死を選ぶことになったのだろう。
トリスタンへの愛のために、自分の愛した者の死すら願うという錯乱した精神状態に追い込まれることになったのでは致し方ない。

トリスタンとスザンナはお互いに愛し合っているのは間違いないのだが、お互いの愛し方の方向性にズレが生じてしまっていたのだろう。
トリスタンとしても、弟サミュエルを死なせてしまって、のうのうとスザンナと二人で幸せになっていいのかという葛藤を抱えたために、旅立って、その答えを求めに行ったのだと思う。
自分と一緒にいても幸せになれないのならば、他の男性と幸せになって欲しいと願うのが、愛した女性へのせめてもの願いであろう。

愛してくれなくても、愛し続けたアルフレッド、
愛しているからこそ、別れを選んだトリスタン、
愛していても、理想にこだわったサミュエル、
それぞれの生き様は美しい。

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「きのうの夜は・・・」DVDレビュー 【映画】

◆評  価    4.0点
◆分かりやすさ  A
◆おススメ度   C(80年代映画ファン以外にはおススメできない)


「ラストサムライ」などで知られるエドワードズウィック監督による86年製作の恋愛映画。
主演はロブロウとデミムーア。

二人の「出会い」から「別れ」そして・・・に至るまで、等身大の男女の姿がありのままに描かれている。
映画にありがちな特別なイベントを通して描くのではなく、ヤッて、喧嘩してといった日常の繰り返しの中で、お互いの存在の大切さを感じ取らせるという淡いイメージの映画となっている。

ロブロウとデミムーアの二人の日常的なやり取りを、観客が自己の実体験に重ね合わせて、感じとらせるようになっているのが特徴だ。

しかし、この80年代丸出しのスタイル(ファッション・ミュージック・観たこともない野球・ずぶ濡れの雨の中の喧嘩等)はいかがなものか。
この時代が自己の青春時代ならば、懐かしく愛おしく鑑賞することができるかもしれないが、この時代からズレた者にとっては、観ていてちょっと恥ずかしくなってしまう映画でもある。
楽しめる年代ならば楽しめる映画なのだろう。
恋愛の「HOW TO」映画のような雰囲気も感じられる。
やっぱり世代が異なると、楽しむのは難しい気がする。

本作の助演男優の存在が大きい。
彼がいいアクセントになっていると感じられる。
もし、彼が普通の男だったら、この映画は全然変わってくるだろう。

しかし、アクション映画をメインとするズウィック監督がこんな恋愛映画を撮っているとは思わなかった。

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国内映画興行収入ランキング(4月1週目) 【映画】

予想どおり「ナイトミュージアム」がV3を達成した。
「映画ドラえもん」は既に「ナイトミュージアム」のライバルではないようだ。
当面のライバルは4月20日の「ロッキーザファイナル」と21日の「コナン」になるだろう。
2位の「ドラえもん」、3位の「アンフェア」も予想通り、そのまま上位をキープした。
どちらも好調の様子。

4位には「ハッピーフィート」が入った。
初週4位→2週目5位→3週目4位と随分健闘している。
やはりアカデミー賞長編アニメーション部門獲得作品の意地だろうか。
2週目の「ホリデイ」を抜き去るとは思わなかった。

先週10位の「ONE PIECE ワンピース エピソード オブ アラバスタ 砂漠の王女と海賊たち」が8位とアップしたのには驚いた。
4月6日をもって縮小公開となるため、最後の土日ということで駆け込み的に需要が発生したのだろうか。


<今週公開される主な作品>
◎「ブラッドダイヤモンド」ルーブル丸の内ほか
レオナルドディカプリオ(アカデミー賞主演男優賞ノミネート) 、ジェニファーコネリー 、ジャイモンフンスー(アカデミー賞助演男優賞ノミネート)出演
エドワードズウィック監督(代表作「ラストサムライ」「グローリー」「マーシャルロー」)
※ブラッドダイヤモンドと呼ばれるダイヤモンドを巡るストーリーを通して、知られざるダイヤモンド社会の悲劇・真実・実態に迫る骨太の映画。
全米興行収入は現在のところ約57百万ドルとなっている。


×「大帝の剣」丸の内TOEI1ほか
阿部寛 、長谷川京子 、宮藤官九郎出演
堤幸彦監督(代表作「明日の記憶」「TRICK」)
※「陰陽師」で知られる夢枕獏の小説を映画化。
オリハルコンの剣などを巡るメチャクチャな時代劇。


○「オールザキングスメン」日比谷みゆき座ほか
ショーンペン 、ジュードロウ 、アンソニーホプキンス 、ケイトウィンスレット出演
スティーヴンザイリアン監督(代表作「シビルアクション」)
※スティーヴンザイリアン監督は脚本家として有名であり、「ギャングオブニューヨーク」「ブラックホークダウン」「ハンニバル」「ミッションインポッシブル」「シンドラーのリスト」などの有名作品を多数手掛けている。
49年のアカデミー賞作品賞を受賞した作品のリメイク。
本作もアカデミー賞を狙える作品というフレコミだったが、興行収入は約7百万ドルという大惨敗に終わった作品。
堕落した政治家を描いた本作の内容よりも、なぜこのキャスティングで失敗に終わったのかを知りたい。


×「プロジェクトBB」新宿東亜興行チェーンほか
ジャッキーチェン、マイケルホイ、ルイスクー、ユンピョウ出演
ベニー・チャン監督(代表作「香港国際警察」「WHO AM I?」)
※赤ちゃんを泥棒した三人組を描くアクションコメディ。


○「13/ザメッティ」シネセゾン渋谷
ギオルギバブルアニ 、パスカルボンガール出演
ゲラバブルアニ監督
※2005年ヴェネチアで絶賛されたサスペンス。新人監督賞を受賞した。
監督は91年にソ連から独立したグルジア出身。
大金と命を賭けて、本物のロシアンルーレットが繰り広げられる。


△「ママの遺したラヴソング」シネスイッチ銀座
ジョントラヴォルタ 、スカーレットヨハンソン(2004年ゴールデングローブ賞主演女優賞ノミネート) 、ガブリエルマクト出演
シェイニーゲイベル監督(女性監督)
※母親の死を聞きつけ、故郷に戻ってきたヨハンソンと、母親の友人とその弟子などとの共同生活を描くヒューマンドラマ。
全米興行収入は約16万ドル。


×「ふるさと-JAPAN」ユナイテッドシネマ豊洲
西澤昭男監督
※童謡と30年代の日本の風景をノスタルジックにアニメーションで描く。
「三丁目の夕日」などの一連の昭和回帰の作品か。


×「キャラウェイ」渋谷シネラセット<モーニング&レイト>
肥野竜也 、原田麻衣出演
日高尚人監督
※数本の短編によって構成されるヒューマンドラマ。


この中でランキングすると思われるのは「ブラッドダイヤモンド」と「大帝の剣」の二本。
「ブラッドダイヤモンド」の予想興行収入としては、参考になるのは「アビエイター(約11億円)」あたりになるだろうか。
さすがに「ラストサムライ」の137億円は参考になるまい。
作品の重さや、全米興行収入の成績を踏まえると、12~14億円辺りが限度のような気がする。

「大帝の剣」の参考となるのは、「陰陽師」の30億円、「陰陽師Ⅱ」の16億円、「TRICK2」の21億円辺りになるだろうか。
まったく作風は異なるものの、同監督の「明日の記憶」も22億円稼いでいる。
しかし、「陰陽師」「TRICK」の知名度、仲間由紀恵>長谷川京子という図式からして、本作はそれほど大きくヒットしそうな予感はしない。
通常の邦画ヒット作の10億円~13億円辺りが限度となろうか。
ハコ(映画館)もそれほど大きなものではなさそうだ。
大ヒットを狙うという勝負気配は感じられない。


<次週予想順位>
予想順位(今週) 自己評価 タイトル(主な公開劇場)
1(1) 済「ナイトミュージアム」(日比谷スカラ座)
2(2) ×「映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険」(日劇PLEX2)
3(-) ◎「ブラッドダイヤモンド」(ルーブル丸の内)
4(-) ×「大帝の剣」(丸の内TOEI1)
5(3) ×「アンフェア the movie」(新宿東亜興行チェーン)
6(5) 済「ホリデイ」(日劇PLEX1)
7(4) 済「ハッピーフィート」(丸の内プラゼール)
8(6) ×「バッテリー」(有楽座)
9(7) 済「デジャヴ」(日劇PLEX3)
10(9) ×「蟲師」(丸の内TOEI2)

[個人評価]
◎ 絶対観たい作品
○ できれば観たい作品
▲ DVDか映画サービスデイだったら観たい作品
△ 映画館では観ないけどDVDだったら観るかもしれない作品
× 観ることはないでしょうの作品
済 鑑賞済み作品

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全米映画興行収入ランキング(4月第1週目) 【映画】

順位(先週)公開週 タイトル (公開館数) 興行収入 (トータル収入)
1(-)1週目「Blades of Glory」(3372館)$33,000,000($33,000,000)
2(-)1週目「ルイスと未来泥棒」(3413館)$25,056,000($25,056,000)
3(2)4週目「300」(3004館)$11,155,000($179,662,000)
4(1)2週目「TMNT」(3120館)$9,160,000($38,428,000)
5(4)5週目「Wild Hogs」(3200館)$8,389,000($135,355,000)
6(3)2週目「ザシューター/極大射程」(2806館)$8,000,000($27,212,000)
7(7)3週目「Premonition」(2474館)$5,100,000($39,342,000)
8(5)2週目「The Last Mimzy」(3017館)$4,000,000($16,200,000)
9(6)2週目「The Hills Have EyesⅡ」(2465館)$3,925,000($15,808,609)
10(8)2週目「Reign Over Me」(1671館)$3,700,000($13,331,000)
(参考:IMDbのボックスオフィス)

2週目で「Pride」が13位、3週目で「Dead Silence」が14位となった。
「Pride」は確か実話に基づくスポーツモノなので、評価が低くなるわけないのに、恐ろしく評価が低い。
大きくコケることになったが、単に作品の質が低かったようだ。

「Dead Silence」は「SAW」シリーズと異なり、大きくコケた。
人形を偏愛するお婆さんの呪いのような話だったと思うが、CGを使ったり、悪い意味でこなれてしまった。
毎年ほどなく公開される、よくありがちなホラーに映ってしまう。
他のホラー作品と差別化を図れなかったようだ。

先週紹介した「The Lookout」は11位スタート。
公開館数は955館であり、あまり有名俳優が出演していないため、圏外スタートもやむを得ないところか。
銀行強盗計画を知ってしまった高校生が巻き込まれていくというクライムサスペンス。
監督は、「ザインタープリター」「マイノリティリポート」「ザリング」などの脚本で知られるスコットフランク。

新作は二本登場。
首位に立ったのは「Blades of Glory」。
ウィルフェレル主演のアイススケートフィギアを舞台としたコメディ。
共演は「バス男」のジョンヘダー。 監督はJosh GordonとWill Speck。

ウィルフェレル主演作品の「Talladega Nights: The Ballad of Ricky Bobby」のオープニング約47百万ドル(トータル約148百万ドル)には遠く及ばないものの、3千万ドル台のオープニングならば十分合格点だろう。
今年のコメディ作品との対比では、「Wild Hogs」のオープニングが約40百万ドル、「Norbit」のオープニングが約34百万ドルであるため、トータルでは「Wild Hogs」には敗れそうだ。
評価はそれほど悪くはなく、1億ドル突破が目標となりそうだ。

2位には、アニメ映画「Meet the Robinsons」が登場。
邦題は「ルイスと未来泥棒」となっている。
ブエナビスタ製作の映画(ディズニー系)なので上位に食い込んできたが、この手のアニメ作品はやや食傷気味なのか、それほど爆発的なヒットとはならなかった。
ブエナビスタ系のアニメとなると、比較対象になるのが「ライアンを探せ!」「チキンリトル」あたりになるだろうか。
06年「ライアンを探せ!」はオープニング約10百万ドル(トータル約37百万ドル)
05年「チキンリトル」はオープニング約40百万ドル(トータル約135百万ドル)
となっている。
大きくコケているわけではないが、やはり大ヒットというわけではない。
去年の主要アニメ作品との比較では、
ワーナー系の「ハッピーフィート」は約42百万ドルのオープニング
ソニー系の「オープンシーズン」は約24百万ドルのオープニング
ピクサーの「カーズ」は約60百万ドルのオープニング
フォックスの「アイスエイジ2」は約68百万ドルのオープニング
評価は高くもなく、低くもない。
公開後しばらくすれば、雑多のアニメ作品の中に埋もれそうな感じもする。

「300」も順調に成績を伸ばして、2億ドル達成は2週間後になるだろうか。
予告編を地上デジタル放送で観たが、キャラクターがちょっと浮いており、CGのレベルはそれほど高くはないようだ。
DVDで見るよりも、本作は多少画像が荒い映画館で観た方が良さそうである。

「ザシューター/極大射程」が大きくランクを下げている。
ストーリーはどうやら、大統領暗殺を阻止するために雇われたウォルバーグが陰謀によって犯人に仕立てられていくというものらしい。
「ホリデイ」鑑賞時に予告編を観たが、それほど悪くはなさそうだった。
印象としては、ちょっと重く、堅苦しいかなと思われる。
一般の映画ファンが手軽に楽しむというよりも、コアなファンが楽しむという映画のようだ。
興行収入はよろしくないが、それほど評価は低くない。

次週にはアイスキューブ主演作の「Are We Done Yet?」が登場。
05年にヒットした「Are We There Yet?(ボクらのママに近づくな!)」の続編のようだ。
「Are We There Yet?」はトータルで約82百万ドルも稼いでいる作品。
オープニングは約19百万ドルだった。
監督は前作のブライアンレヴァント(代表作「ベートーベン」「ジングルオールザウェイ」」からスティーブカーにスイッチされている。
スティーブカーは、「ドクタードリトル2」や「チャーリーと14人のキッズ」で1億ドル以上を稼いでいるものの、05年にはマーティンローレンス主演のバスケットボールを題材とした「リバウンド」が約17百万ドルと大きくコケている。

確か前作は子持ちの女性に惚れたアイスキューブが、その子ども達にボロボロにされるという話だったと思うが、今度は結婚した彼らの引越し先で騒動が巻き起こるようだ。
狙いとしては、「ミートザペアレンツ」シリーズのようにしたいのだろうか。

ロバートロドリゲス・タランティーノ監督による「Grindhouse」も公開される。
脚本はロバートロドリゲス・クエンティンタランティーノ。
主演はローズマッゴーワン。
「ブラックダリア」に出演していたようだが、記憶にない役柄。たぶん端役だろう。
二本の映画として構成されているようだ。
両者の間にフェイクの予告編も挟まれているとのこと。
フェイクの監督を務めたのは、イーライロス。
タランティーノが製作総指揮を努めた「ホステル」を監督している。


ロドリゲス監督作品で子ども向きではないものを列挙すると以下の通り。
05年の「シンシティ」は約74百万ドル
03年の「レジェンドオブメキシコ/デスペラード」は約56百万ドル
98年の「パラサイト」は約40百万ドル
96年の「フロムダスクティルドーン」は約24百万ドル
となっており、「スパイキッズ」シリーズ以外ではそれほど稼いではいない。
5~6千万ドルが当面の目標となりそうだ。

その他には、ヒラリースワンク主演のサスペンスホラーの「The Reaping」も公開。
キリスト教の宣教師が調査のために訪れた町で何かに巻き込まれていくようなストーリー。
やや宗教的な要素も感じられる作品となっている。
監督はスティーヴンホプキンス。
「エルム街の悪夢5」「プレデター2」「ロストインスペース」「アンダーサスピション」などを手掛けている。

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『ブラックブック』レビュー 【映画】

◆評  価    7.5点
◆分かりやすさ  A-(顔の判別さえ出来れば難解な部分はない)
◆おススメ度   B(ヴァーホーベンファンは必見)

ポールヴァーホーベン監督によるオランダ映画。
オランダでアカデミー賞外国語部門として推挙された作品のようだ。
日本での「フラガール」と同じ扱いで、ノミネートされることはなかったが。

2時間30分近い映画であるにも関わらず、一気に観客を引き込んで、時間の長さを感じさせないヴァーホーベン監督の手腕はさすがだ。

冒頭に「答え」は出ているのだけれども、彼女の運命がどのように転がっていくかという先の読めない展開にシビれた。
「裏切り」と「嘘」が交錯する中で、唯一本物だったのが、ユダヤ人女性エリスとナチスの将校ムンツェの「愛」という描き方が面白い。
二人が別れた後、ムンツェの行く末を知ったエリスの表情が印象的だった。
やはり、彼らの「愛」は本物だったと感じさせる。

ナチスであっても善人もおり、レジスタンスであっても悪人はいる。
国籍や形式に囚われない普遍的な「人間の欲」「人間の弱さ」そして「人間の強さ」をも感じさせる作品だ。
「奴に惚れたのか」「そうよ」というやり取りには女性らしい強さを感じさせる。

ヴァーホーベン監督が取り組んだ真っ当な映画というフレコミだったが、それはまったくの大嘘で、相変わらず容赦ないエログロ世界満載のヴァーホーベン節が光っていた。
例のシーンでは、上空で「あれ」が揺れているのに気付き、まさかそれはやらないよなと思っていたことを平気でやってしまうし、神を冒涜されたと逆ギレするシーンはさすがだ。

ヴァーホーベン監督の79年製作「女王陛下の戦士」の方が真っ当な直球勝負したナチス占領下のオランダを描いた映画だ。
個人的に好きなのは「女王陛下の戦士」であるが、作品の質はやや「ブラックブック」の方が上位に感じられた。

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『ホリデイ』レビュー 【映画】

◆評  価    7.0点
◆分かりやすさ  A(難解さゼロ)
◆おススメ度   B(過去の恋愛を忘れることができない人々にはおススメ)

イギリスに行ったキャメロンディアスはジュードロウに会い、アメリカに行ったケイトウインスレットはジャックブラックに会い、失恋した二人の女性がお互い再び恋に落ちるという話ではないかと、事前に単純に思っていた。

しかし、設定はそれほど単純ではなく、結構面白い設定がなされていた。
ケイトウインスレットはいいように利用されてしまっている長年の片思いの男性を忘れることができない。

キャメロンディアスは仕事第一人間で、恋愛に不感症になって涙を流すこともできない女性という設定がうまいと思う。
キャメロンにはあまり恋愛の深みにはまりたくないという様子も見受けられる。
また、自分のことであっても、自分の「予告編」が頭に浮かんでしまうというキャメロンの設定は、ナンシーマイヤーズらしいユーモアのあるところでもある。

ストーリーもまったく単純ではなく、さらに面白い仕掛けがなされている。
キャメロンディアスのイギリス話にはシングルファーザーを、ケイトウインスレットのアメリカ話には、老人脚本家を盛り込んだことで、思わぬ展開となり、ストーリーが豊かに盛り上がった。

設定の細かさや、ユーモアや優しさの溢れるナンシーマイヤーズ映画は健在だ。
ナンシーマイヤーズ作品を見たことがない人や、「恋愛適齢期」などを見たことがあるけれども、既に内容を忘れてしまった人には、本作は好評だと思う。

しかし、最近「ファミリーゲーム」「恋愛適齢期」を見直した自分にとっては、本作は過去の作品の焼き直しではないかと感じてしまう。
イギリスとアメリカの双方を描くのは「ファミリーゲーム」の設定と同じである。
双子の姉妹が活躍する「ファミリーゲーム」のように、本作には姉妹が登場する(リンジーローハンのカメオは恐らく「ファミリーゲーム」の繋がりだろう)。
高齢者の恋愛を描いた「恋愛適齢期」と同じではないが、「恋愛適齢期」でも高齢者を取り上げている。

特に、ラストが相変わらずのワンパターンなのがいただけない。
トニースコット以上にハッピーエンドにこだわっているように感じられるのである。
<ネタバレ注意>
「帰ると見せかけて、帰らない」※キャメロン
「去ったと見せかけて、戻ってくる」※ジャック
「復縁したと見せかけて、破局させる」※ジャック・ケイト双方
「女がいると見せかけて、女はいない」※ジュード
「○○と見せかけて、△△する」というのは、いつものナンシーマイヤーズ映画の特徴通りであり、その見せ方の仕掛けにもいつも以上に工夫が足りない。

せっかく二組の男女を描いているのだから、もう少し工夫が必要だろう。
思い切って、一方はハッピーエンド、他方はバッドエンドという割り切りもできなかっただろうか。
そうすれば、恋愛の幸福な気持ちと、悲恋の悲しい気持ちの、両方を味わえる傑作に仕上がったような気がする。
愛しているのに結ばれることがない関係というのも描いてよかったのではないか。
自分が脚本家ならば、ケイトとジャックの関係は結ばせて、ジュードとキャメロンの関係は別れさせただろう。
ケイトとジャックは都合のいい関係を双方清算できたのだから、新たな関係に向かっていけると思う。
ジュードとキャメロンの関係はそれほど単純ではないだろう。
キャメロンの恋愛不感症が治り、涙を再び流すことで、キャメロンの新たな一歩が始まるという終わり方でもよかったのではないか。

イギリスとアメリカ(LA)という世界の裏側同士の恋愛には距離の壁という問題が生じるのに、このあたりの設定もうやむやにしてしまっているのも残念だ。

「あなたが愛している人は、単にあなたの好意を利用しているだけだから、目を覚まして、新たな恋愛に進みなさい」というような極めて現実的なメッセージを込めている割には、非現実的な終わらせ方しかできないという矛盾を感じてしまう作品だ。

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