ばったすいみんぐすくーる

公開中の映画作品を中心にネタバレ全開で独断レビュー。 映画興行収入などの映画情報も紹介。

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『インランド・エンパイア』レビュー 【映画】

◆評  価    -点(採点不能)
◆分かりやすさ  -(ストーリーは理解するな)
◆おススメ度   -(リンチファンであってもおススメはできない)

当初より理解不能と言われていたが、理解をするというレベルではない。
単に、ローラ・ダーンとともに不可思議な世界を彷徨うだけの映画と思われる。
これこそ、理解するのではなく、感じる映画なのだろう。
「感じる」とはリンチが常々口にしている言葉だ。
それを体言した映画なのは間違いない。

ハリウッド女優であるニッキー・グレイス(ローラ・ダーン)が、いわくつきのポーランド映画「47」のリメイクである「暗い明日の空の上で」を撮影していくうちに、現実世界と映画内の世界、「47」の世界などが交じり合い、だんだんと訳が分からなくなる映画だと理解すればよい。
あとは、映像に身を委ねるしかないようだ。

難解だと言われる「ロストハイウェイ」や「マルホランドドライブ」は実は結構ストーリーはしっかりしているが、本作はストーリーらしきストーリーはないような気がする。
そのため、過去のリンチ映画とは一線を画するのではないか。
過去のリンチ作品が好きでも、本作を気に入る保証はない。

実際に鑑賞して得た映画の情報と公式ホームページの情報をまとめると以下のとおり。
「現実のハリウッドの世界」、「『暗い明日の空の上で』の世界」、「ポーランド女優のロストガールの世界」、「ポーランド映画『47』の世界」、「ウサギ人間の世界」の少なくとも5つの世界で構成されているのは間違いないようだ。

さらに二組の夫婦に着目すれば、少しは分かりやすくなるだろうか。
「現実のハリウッドの世界」
妻:ニッキー(ハリウッド女優)<ローラ・ダーン>
夫:ピオトルケ(町の有力者でデヴォンを脅す)<ピーター・J・ルーカス>
妻:ドリス役の人 <ジュリア・オーモンド>
夫:デヴォン(ハリウッド俳優)<ジャスティン・セロー>

「『暗い明日の空の上で』の世界」<主な舞台:50年代風の小さな家>
妻:スーザン(元娼婦?、ドライバーで刺されて死ぬ)<ローラ・ダーン>
夫:ファントム(サーカス団についていった動物の扱いの上手い男で、子どもができたと告白するスーザンに対して暴力を振るう)<ピーター・J・ルーカス>
妻:ドリス(ドライバーで刺した白いTシャツの女性、催眠術を掛けられたと警察に告白)<ジュリア・オーモンド>
夫:ビリー(スーザンと不倫する)<ジャスティン・セロー>

「ポーランド女優ロストガールの世界」<主な舞台:家でテレビを見ている>
妻:夫に殺されたポーランド女優<カロリーナ・グルシカ>
夫:クリンプ?(電球をくわえていた男で、ニッキーに撃ち殺される)<クシシュトフ・マイフシャク>
妻:?
夫:ラストに出てきた子供連れの男性か<ピーター・J・ルーカス>

「ポーランド映画『47』の世界」<主な舞台:雪景色>
妻:<カロリーナ・グルシカ>
夫:<クシシュトフ・マイフシャク>
妻:?
夫:?

「ウサギ人間の世界」
スージー(ナオミ・ワッツ)
ジャック
ジェーン

その他のキャラクター
○映画監督  キングスリー(ジェレミー・アイアンズ)
○助監督   フレディ(家賃に困っている様子)
○Mr.K  片方にグラスが入っているメガネをしている
○ホームレスの1名 裕木NAEは流暢ではない英語を喋る役柄で登場。特に意味はない。

どのシーンがどの世界に属するのかは、まず初見では判別不能だろう。
次回鑑賞する際には、この部分をジャッジしていくしかなさそうだ。

また、ポーランド編の登場人物の相関関係が不明。
クリンプとラストの子供連れの男性とロストガールとの関係がよく分からなかった。
夫に殺されたはずのロストガールがなぜ子供連れの別の男性と抱き合うのか。
当然、この子供は自分の息子だろう。
不倫のため、別の男の子供ができてしまったために夫に殺されてしまい、別の世界で、子供と父親と母親が再会できたということか。

要するに、「現実のハリウッドの世界」と「『暗い明日の空の上で』の世界」の世界がごちゃごちゃになったローラ・ダーンだったが、なんとか「現実のハリウッドの世界」に戻ってきて、ポーランド映画『47』の撮影中に自分と同じ境遇に陥って死んだロストガールの魂を救うというストーリーではないだろうか。

少なくとも、あと1回はみないと理解はできない。
深く考えてしまったために、リンチの罠に嵌まってしまったか。

恵比寿での鑑賞後の観客の反応は以下のとおり。
・拍手する奴 2人
・「訳分からないね」という奴 多数
・無言 多数
・恋人にヤツアタリする奴 1人
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テーマ:インランド・エンパイア - ジャンル:映画

全米映画興行収入ランキング(7月第5週目) 【映画】

順位(先週)公開週 タイトル (公開館数) 興行収入 (トータル収入)
1(-)1週目「The Simpsons Movie」(3922館)$71,850,000($71,850,000)
2(1)2週目「INPYChuckandLarry」 (3501館)$19,062,945($71,610,060)
3(2)3週目「HPと不死鳥の騎士団」(4005館)$17,065,000($241,771,000)
4(3)3週目「Hairspray」       (3121館)$15,550,000($59,307,000)
5(-)1週目「No Reservations」  (2425館)$11,755,000($11,775,000)
6(4)4週目「トランスフォーマー」  (3349館)$11,524,000($284,558,000)
7(5)5週目「レミーのおいしいレストラン」 (2934館)$7,234,000($179,683,000)
8(6)5週目「ダイハード4.0」     (2271館)$5,350,000($125,127,661)
9(-)1週目「I Know Who Killed Me」(1320館)$3,400,000($3,400,000)
10(-)1週目「Who's Your Caddy?」 (1019館)$2,900,000($2,900,000)
(参考:IMDbのボックスオフィスチャート)

新作が4本ランクインしたため、4週目で「License to Wed」、6週目で「1408」、6週目で「エバン・オールマイティー」、9週目で「Knocked Up」が圏外へ消えた。

「License to Wed」はマンディ・ムーア、John Krasinski、ロビン・ウィリアムズの主演のロマンティック・コメディー。
監督は、「旅するジーンズと16歳の夏」を手掛けたケン・クワピス。
ムーアとKrasinskiの二人のカップルに結婚準備コースを経験させるおせっかいの牧師が絡み合うというストーリー。
現在42百万ドルという興行収入となっている。
公開前の予想は4千万ドルだったので、これは予想通りの結果となった。
評価は極めて普通ようだ。
日本での公開は9月15日が予定されているが、これは鑑賞するつもりはない。

「1408」は、スティーブン・キング原作、ジョン・キューザックとサミュエル・L・ジャクソン主演のサスペンスホラー。
監督は「すべてはその朝始まった(Derailed)」を手掛けたミカエル・ハフストローム。
あるホテルの1408号室に泊まると、1時間以内に死ぬという噂を検証するために、ジョン・キューザックが乗り出すというストーリー。
予告を見る限りでは、結構面白そうだ。
「1408」は現在70百万ドルという興行収入となっている。
04年のスティーブン・キング原作の「シークレットウインドウ」(ジョニー・デップ主演)が48百万ドルの興行収入であったため、この程度ではないかという予想だったが、大幅に「シークレットウインドウ」の成績を超えてきた。
ストーリーが面白そうであり、作品の評価も高いためだろう。
ジョン・キューザックとサミュエル・L・ジャクソンにとっては、嬉しい大ヒットとなったのではないか。
日本での公開は来年2月頃予定されている。

「エバン・オールマイティー」は、03年の「ブルース・オールマイティー」(トータル243百万ドルの興行収入)の続編となり、主演はジム・キャリーから、スティーヴ・カレル(「40歳の童貞男」「リトルミスサンシャイン」)へスイッチされた。
製作費175百万ドルという大作だ。
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」や「トランスフォーマー」といった作品よりも製作費が掛かっている。
巨大な箱舟を建設したり、もの凄い種類の動物(プラス調教師)を動員したことによって、製作費が高騰したのではないか。
日本でも公開が予定されていたが、アメリカでヒットしていないことを理由に公開がキャンセルされてしまった。

「エバン・オールマイティー」は現在96百万ドルという興行収入となっている。
本作が「ブルース・オールマイティー」の続編ではなく、製作費が175百万ドル掛かっていなければ、コメディ作品としてはそれほど悪くない成績なのだが、どう考えても製作費が高すぎる。プロデューサーの責任問題だろう。
公開前は1億ドル突破すら難しいのと予想したので、悪くはない予想だった。
評価は、それほど悪くはないが普通程度となっている。

「Knocked Up」は、現在145百万ドルという興行収入となっている。
製作費が30百万ドルであるため、単純に言うと140億円ほどの丸々の儲けとなる。
もっとも、宣伝費や公開館とのシェアなどがあるが、ローリスク・ハイリターンの映画となった。
監督は、109百万ドル稼いだ「40歳の童貞男(05年)」のジャド・アバトー。
ジャド・アバトー監督は、低予算映画で2本もの1億ドル突破作品を送り出したのは凄い。
「40歳の童貞男」が予想を超える大ヒットとなったので、さすがにこれを下回るかと思われたが、逆に楽に超えてくるとは思わなかった。

その気もないのに酔った勢いでやっちゃった二人に子どもができるゴタゴタを描くというストーリー。
評価もおそろしいほど高いが、小規模・短期間公開だった「40歳の童貞男」と同じく日本での公開はまだ決まっていないようだ。


新作は4本ランクイン。
1位になったのは72百万ドルもの高いオープニングとなった「The Simpsons Movie」。
日本人にはどの程度の爆発力があるのか不明だったが、やはりとてつもない破壊力があったようだ。
監督は、「モンスターズインク」の共同監督の一人であるデヴィッド・シルヴァーマン。
今年公開された主なアニメ作品を比較すると、以下のとおりとなる。
(週数)「亀忍者」 「ルイス」 「シュレ」 「サーフ」 「レミー」 「シンプ」
1週目   24    25    123   18    47    72
2週目   39    52    203   35    110
3週目   47    72    256   47    143
4週目   51    82    281   54    166
5週目   52    88    297   56    180
6週目   53    92    308   57
トータル  54    97    319   57
製作費   34    -    160   -    150   75
「TMNT」…亀忍者、「Meet the Robinsons<ルイスと未来泥棒>」…ルイス、「シュレック3」…シュレ、「サーフズアップ」…サーフ、「レミーのおいしいレストラン」…レミー、「The Simpsons Movie」…シンプ
「シュレック3」には遠く及ばないものの、今年暫定2位の地位を確保。
「レミーのおいしいレストラン」の欄を参照して欲しいが、過去のピクサーの作品と比べても遜色ないオープニングとなった。
当面は2億ドル突破を目指したい。

12百万ドルのオープニングで5位になったのは「No Reservations」<幸せのレシピ>。
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、アーロン・エッカート主演のロマンティック・コメディ。
監督は、「シャイン」「ヒマラヤ杉に降る雪」「アトランティスのこころ」のスコット・ヒックス。
01年の「マーサの幸せレシピ」のリメイク作品で、姪の保護者にたまたまなってしまったシェフの人生が変わっていくというストーリー。
先週イメージ的には4~5千万ドルの作品と書いたが、それほど大きくズレる結果にはならないだろう。

3.4百万ドルのオープニングで9位となったのは「I Know Who Killed Me」。
お騒がせのリンジー・ローハン、ジュリア・オーモンド主演のクライムサスペンス。
監督はChris Sivertson。
誘拐されて逃げ出した女性の精神的な恐怖を描くストーリー。
先週イメージ的には2~3千万ドルの作品と書いたが、1千万ドルは超えてくるとは思うが、2千万ドルには届きそうもない。
大きくはコケているのかもしれないが、エリシャ・カスバード主演の「Captivity」が2週目終了時点で2百万ドルという悲惨な興行収入となっているので、下には下がいるようだ。

3百万ドルのオープニングで10位となったのは「Who's Your Caddy?」。
Big Boi、 Jeffrey Jones主演。
監督は、「奪還」を手掛けたドン・マイケル・ポール監督。
ゴルフを題材としたコメディ。
予測は不明だが、イメージ的には3~4千万ドルの作品と先週書いたが、大きく外した。
コメディ作品だからもうちょっと稼げると思ったが、1千万ドル程度に終わりそうだ。

主な旧作の動向は以下の通り。
2位になったのは、「I Now Pronounce You Chuck and Larry」。
アダム・サンドラー、ケヴィン・ジェームズ、ジェシカ・ビール主演の偽装同性愛者の結婚を描くコメディ。
今年公開された主なコメディ作品との比較は以下のとおり。
(週数)「N B」 「W H」 「B G」 「E A」 「C L」
1週目  34   40   33   31   35
2週目  59   77   68   61   72
3週目  75   104   90   79
4週目  83   123   101   88
5週目  88   135   108   93
トータル 95   168   118   96
製作費  60   不明  61   175   85
「NB」…NORBIT、「WH」…Wild Hogs、「BG」…Blades of Glory、「EA」…EVAN ALMIGHTY、「CL」…I Now Pronounce You Chuck and Larry
2週目においても「Wild Hogs」に次ぐ、興行収入を記録している。
あまり爆発力は高くはなく、ヒットコメディの一群に入るという作品となっている。
とりあえず、1億ドルはクリアできそうだ。

3位となったのは、「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」。
過去のハリー・ポッターシリーズと比較すると以下のとおり。
年度  01   02    04    05   07
(週目)「賢 者」「秘 密」「囚 人」「炎 の」「不死鳥」
1週目  90    88     94    103   140
2週目  187   148   158   201   208
3週目  220   200   191   229   242
4週目  240   214   212   244
5週目  253   223   223   253
6週目  264   229   233   261
7週目  286   240   238   275
8週目  300   252   242   282
トータル 318   262   249   290
製作費  125   100   130   150   150
水曜日に先行公開したこともあるが、3週目終了時においては、過去最高のペースとなっている。3億ドルのラインは夢ではなさそうだ。

6位となった「トランスフォーマー」と、今年のヒット作品を比べると以下のとおり。
(週目)「クモ男」  「シュレ」 「海賊終」  「T・F」 「H・P」
1週目  151    123    128   155    140
2週目  240    203    218   224    207
3週目  282    256    253   263    242
4週目  304    281    274   285
5週目  318    297    287
6週目  326    308    296
7週目  330    314    302
8週目  332    317    304
9週目  334    318    306
トータル 336    320    307
製作費  258    160   (300)  150    150
「トランスフォーマー」は、独立記念日前の月曜日から先行公開し、「ハリー・ポッター」は水曜日から公開しているため、他に比較してかなり高めのオープニングとなっている。
「スパイダーマン3」には恐らく勝てないまでも、「トランスフォーマー」が今年公開された作品の2番目に位置する可能性はまだ残っている。

6位になったのは、「レミーのおいしいレストラン」。
過去のピクサー作品と比べると、以下のとおりとなる。
年度   07     06    04     03    01  
(週目)「レミー」 「カーズ」 「ミスタ」 「ニ モ」 「モンス」
1週目  47     60      70      70    63
2週目  110    117    143    144   122
3週目  143    157    178    191   156
4週目  166     183    214    229   192
5週目  180    206    226    254   204
6週目  -     220    233    275   212
7週目  -     229    237    291   219
8週目  -     235    242    304   224
トータル -     244    261    340   256
製作費  -     120    92     94    115
やはり、近年最低の興行収入となるのは、間違いなさそうだ。
2億ドルをクリアが当面の目標か。

次週公開される主な作品は、以下のようなものとなっている。
「ボーン・アルティメイタム」
マット・デイモン扮するジェイソン・ボーンシリーズ第三弾。
監督は「ボーン・スプレマシー」、「ユナイテッド93」のポール・グリーングラス。
共演は、エドガー・ラミレス、ジョアン・アレン、ジュリア・スタイルズ。
マット・デイモンが演じるジェイソン・ボーンは最後になるかもしれない作品。
過去の作品の興行収入は以下の通り。
02年「ボーン・アイデンティティ」122百万ドル(オープニング27百万ドル)
04年「ボーン・スプレマシー」176百万ドル(オープニング53百万ドル)
前作はあまりにも稼ぎすぎている。
第三弾は、第二弾を超えることはさすがにないだろう。
比較的評価が高いようなので、第一弾超えを果たすと考えて1億3千万ドルという予想にしたい。

「Underdog」
マントをつけた犬が空を飛んでいる写真が公開されているディズニー作品。
監督は05年の「レーシングストライプス」のフレデリック・デュショー。
これはかなり子ども騙しの作品ではないだろうか。
「レーシングストライプス」が50百万ドルの興行収入となっているが、4千万ドル程度の作品ではないか。
ディズニー作品というブランドがあり、「スクービー・ドゥー」のような作品だったら相当稼ぐかもしれないが、これを見にいく人はあまりいないだろう。

「Hot Rod」
Andy Samberg、Isla Fisher、Ian McShane主演
Akiva Schaffer監督
虐待的な義父の心臓手術のために、過酷なスタントに挑戦するというアクション・コメディー。
3~4千万ドル級の作品か。

「Bratz: The Movie」
監督はショーン・マクナマラ。
日本では馴染みない4人の女優による学園モノコメディー。
2千万~3千万ドル級の作品か。

「Cantante, El」
主演は、マーク・アンソニー(「マイボディーガード」)、ジェニファー・ロペス。
監督は、レオン・イチャソ。大した作品は監督していない。
アメリカへサルサを伝えたラテンミュージシャンを描いた作品。
「RAY」や「ウォーク・ザ・ライン」などの流れを汲む実在のミュージシャンを描いた作品だろうか。
しかし、これらの作品とは異なり、ヒットはしないだろう。
公開規模も小さく、ランキング入りも難しそう。

「Becoming Jane」
アン・ハサウェイ、ジェームズ・マカヴォイ(「ラストキングオブスコットランド」)、ジュリー・ウォルターズ(「ハリー・ポッター」シリーズ)主演の伝記モノのラブストーリー。
監督は「キンキーブーツ」のジュリアン・ジャロルド。
売れる前のジェーン・オースティンを描いた作品。
ジェーン・オースティン原作とはいえば、05年の「プライドと偏見」が38百万ドルという興行収入であったが、本作は超縮小公開のため、ランキング入りは難しいと思う。

テーマ:興行収入ランキング - ジャンル:映画

『スシ王子!』第一話レビュー 【ドラマ】

顔見せ程度のイントロダクションだとしても、あまり面白いとは思わなかった。
はっきり言って、完全にスベッていたのではないか。
笑えたのは、カジキマグロに親父たちをさらわれたシーンくらいだろうか。
笑いなし、アクション見所なしでは、何をどう楽しんでいいのかよく分からない。

山下真司やリリー師匠はあれでいいのかなとは思うが、肝心の主役堂本光一が安定していない。
シリアスな演技で攻めるのか、コント風の演技で攻めるのか、自分の中でまだ自分のキャラクターを完全に固めていないように思われて、中途半端だと感じた。

「スシ王子」の初回を見る限りでは、完全なキャラクターを構築した「TRICK」の仲間由紀恵は実は凄いのだと改めて感じさせる。
中丸雄一は完全に放置プレイに遭ったようで、今回はほとんど出番なし。
全話放置プレイをやったら、逆に凄いのだが。

演出家の堤幸彦は、「TRICK」などとは違うタッチで攻めたいとは努力しようとしているが、逆にそれがいい方向には向かっていないような気がする。
まだ進むべき道を模索しているようにも思えるのが、残念だ。

堤幸彦監督の独自の世界観を構築しているように思われるが、意外と既製品のツギハギだらけという気もする。
マッサージなど稽古をしていないように見えて、実は稽古になっているというのは、84年のアメリカの空手映画「ベスト・キッド」の往年のネタである。
ある状態に陥ると、覚醒するというのは、近年でも「エリートヤンキー三郎」などで使われている古典的な手法である。
また、「ドラゴンボール」のカメハメ波のような技もみられるといったように、各所からネタを頂戴しているように思われる。

空手とスシという組み合わせは恐らく過去にはないだろうが、グルメ漫画などには行き過ぎた熱血的な部分も多く見られるため、本ドラマはそれほどブットンでいるようにも見えない。
もうちょっと方向性をきちんと定めてもらえればありがたいが、1話ではまだなんともジャッジできないので、次週に期待したい。
こんなもので終わるはずはない。

視聴率は8.8%という超低空飛行のオープニングとなった。
何もかも、先が思いやられるスタートとなってしまったのが、逆に言うと楽しみである。
どうやって、挽回していくのかに期待しよう。

テーマ:スシ王子! - ジャンル:テレビ・ラジオ

『レミーのおいしいレストラン』レビュー 【映画】

「映像は素晴らしいが、ピクサー作品としては、並の映画」
◆評  価    6.5点
◆分かりやすさ  A
◆おススメ度   B(他のピクサー作品を見た方がよい)

【総論】
当初はヤン・ピンカヴァ監督によって企画が進められていたものの、いい作品に仕上がらないとの理由で頓挫してしまい、実績のあるブラッド・バードが起用された。
ミッキーマウスのように擬人化されていたレミーのキャラクターを、リアルなネズミに戻したり、脚本を一から練り直して、比較的短期間で完成させたという作品。

他のピクサー作品以上に、視覚的、聴覚的には大いに楽しませてくれるが、肝心のストーリーにはやや疑問が生じるデキとなっている。

【リングイニのキャラクターの在り方】
一番の疑問は、リングイニという人間のキャラクターの在り方だ。
本作のテーマは、「誰もが名シェフ」になれるというはずだったのではないか。
偉大な父をもつ彼は最後に名シェフになれたのだろうか。
どう考えても、彼が行き着いた先は、単なるウエイターだ。
ウエイターを馬鹿にするつもりはないが、シェフになることを夢見ていた男の末路としては、テーマに即していないのではないか。
レミーや女性シェフとの料理の修行も、彼には無意味だったということにならないだろうか。
彼が努力したこととは、レミーの望むままに操られるロボットになりきることでしかない。

レミーといざこざを起こし、彼を追い出したあと、他のシェフからレシピを聞かれても、何も答えられなかったり、他のシェフに大演説を行って、賛同できず皆去ってしまったあと、多数のお客さんが残っているにも関わらず、自室へ引きこもってしまったりと、彼には“失望”という感情しか抱かなかった。
たとえ、一人になっても、料理を作り続けるほどの情熱がなくてどうする。

【本作のテーマ】
リングイニという男の成長がないのであれば、本作は「認められることがなかった天才が、その才能を認められ、活躍の場が与えられる」という映画でしかなくなっている。
「Mr.インクレディブル」では家族の大切さを伝え、「CARS」では孤独の一匹狼に自分を重ね合わせたりできたものだったが、「認められない天才の哀しみ」というテーマには、深く感情移入するのは難しい。

ブラッド・バード監督は天才であり、このテーマには同調できるかもしれないが、我々は天才でもなんでもない。
むしろ、我々は何の才能もないが、夢だけは持っているというリングイニ側に立っているはずである。
夢と努力と、レミーというひとつの奇跡によって、冷酷な料理評論家を唸らすようなパリ随一のシェフに成長するというのが、本来あるべき基本的な構造ではないだろうか。

「自分自身にレッテルを貼って、自分の可能性を潰すな」というテーマには同調できるものの、レミーというキャラクターに対して、観客が自分を重ね合わせられなくてはあまりいいストーリーとはいえない。
手を汚さないように二本足で歩いていたレミーが、「自分がネズミでしかない」という壁に改めてぶち当たった際に、四本足で歩くようになるという小技には感心させられるものの、本作は単に料理をするネズミを描いた珍しいストーリーでしかない。

【ラタトゥイユの意味】
また、最後の料理として原題のタイトルにもなっている「ラタトゥイユ」を出すのだが、これが少々突飛すぎている。
普通ならば、伏線を何度か張っておくのだが、きちんとした伏線はなかった気がする。
「将来性」のある食べ物をオーダーされたはずだが(最終的にはワインに合う食べ物に変更されたが)、どうしてそれが「ラタトゥイユ」に結びつくのか。
「ラタトゥイユ」を食したときの、料理評論家の描き方自体は素晴らしいが、上手くオチてはいないというのは明らかだ。

【本作で描かれる現実世界の在り方】
「非現実的な世界」と「現実的な世界」を少々ごちゃまぜにしすぎているのも問題ではないか。
このストーリーが「現実的な世界」になりようはないのだから、料理評論家に対する最後の詳細なタネ明かしは不要と思われる。
保健所の担当者の来訪等によって、「グストー」が閉店に追い込まれるというのもいいオチではない。
レミーにとっての恩人の大切な店を潰しておきながら、小さな店で変わらず営業しているのでは「グストー」を潰す理屈に合わない上に、ネズミは不衛生な生き物だということをみすみす認めていることにならないか。
レミーの想像上の存在かもしれないが、「グストーのゴースト」がレミーを使って、自分の精神を守るために、実の息子を立派なシェフに育て上げて、自分の店をレミーとともに引き継がせるという流れの方がすんなりと落ちるはずだ。

【「アイアン・ジャイアント」との関連】
さらに、ちょっと引っ掛かったのは「アイアン・ジャイアント」であれほど「銃」を嫌っていたはずのブラッド・バード監督だったはずだが、本作では冒頭に死ぬほど「銃」をぶっ放す老女が登場するのはいかがなものか。
「銃」を揶揄しているからこその描き方かもしれないが、あまり好ましいものではなかった。
ストーリーの展開上、やむを得ない部分とはいえ、バード監督はそれほど「銃」に対してこだわりを持っていないただのアメリカ人という印象を抱いてしまった。

テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

『ファウンテン 永遠につづく愛』レビュー 【映画】

「金と時間の無駄だが、宇宙に漂うハゲ座禅を見られるのは貴重な体験か」
◆評  価    3.5点
◆分かりやすさ  C(理解するのはまず無理でしょう)
◆おススメ度   C(多くの人にとっては時間の無駄になるタイプの映画)

【総論】
ダーレン・アロノフスキー監督が執念で作り上げた映画。
一度は、ブラッド・ピッドとケイト・ブランシェットで企画されていたが、ブラッド・ピッドとアロノフスキー監督との意見の相違により、ブラッド・ピッドは降板し(それまで気合を入れてヒゲを伸ばしていた)、企画は流れたはずだった。
しかし、キャスティングを代えて、ヒュー・ジャックマンとレイチェル・ワイズを主演に迎えて、予算を削って映画を完成させたという作品。

監督の執念は認めるが、正直言って、ブラッド・ピッドの選択は正解だろう。
「永遠の愛」「永遠の命」「死とは何か」というテーマには惹かれるのだが、その深遠なテーマを訳の分からない映画にされてしてしまっては、出演する意味はないと思うのも無理はない。

「永遠の愛」「永遠の命」「死とは何か」というテーマにはもちろん答えはないのだが、明らかに断片すぎるイメージ映像だけで語りすぎている。
しかも、「仏教」「座禅」といった東洋的なイメージを盛り込んでいるのは、いかにも西洋的な発想だ。

【三編によって紡ぎだされるストーリー】
レイチェル・ワイズが演じるイジーはかなり達観しており、「死」とは終わりではなく、「永遠に生きる旅」の始まりだということを、植物などに例えて説明していた。
その対比をする上で、ヒュー・ジャックマンの立ち位置をもっと明確にすべきだっただろう。
本作は、医師として生きる「現代編」、騎士として生きる「中世編」、ハゲとして生きる「未来編」の三編で構成されている。

<現代編>
現代に生きる医師としては、立ち位置は分かりやすい。
末期の脳腫瘍に犯されている妻の命を救いたいがために、妻をないがしろにして、新薬研究に没頭している。
本当に彼がやるべきことは、「新薬の研究なのか」「初雪が降る中を妻と二人で散歩することなのか」という選択を観客に投げかけている。

<中世編>
イジーが書きかけの小説であるはずの中世スペインの騎士としての立ち位置は、やや不明瞭だ。
レイチェル・ワイズ演じるスペインのイザベル女王に頼まれて、マヤに眠る「生命の樹」を探る旅に出ているのだが、レイチェル・ワイズがヒュー・ジャックマンに「生命の樹」捜索を頼むと、現代編のストーリーとリンクしなくなるので、観ている者は困ってしまう。
「生命の樹」=「新薬」という見方もできるからだ。イジーとしては、「死とは何か」を考えて欲しいと思っているようだが、上手く繋がっていない。

中世編のストーリーは、仲間割れしたり、原住民に襲われたりなどを経たのち、「生命の樹」を守っている者に刺されたあとくらいから、だいぶ訳が分からなくなる。
終盤では、「生命の樹」を守っている者は自分の首をみすみす差し出して、彼は死ぬことになる。
マヤ人は、生命は終わりではなく、永遠であるとを知っているということを描きたかったのだろうか。
「生命の樹」の樹液を飲んで、自らも樹の一部のような存在になるということは、現代編でのイジーのセリフを具体化したようにも思える。

しかし、この中世編というのは、イジーの小説でしかないはずだ。
どこまでがイジーが書いたもので、どこまでがヒュー・ジャックマンの創作なのかをもっと明瞭にすべきだろう。
イジーが問うた質問に対するヒュー・ジャックマンの回答が分かるように構成した方が観客には分かりやすいと思う。
恐らく、「生命の樹」を守っている者に刺されたあとあたりまでがイジーが書いたものなのではないか。
構造やメッセージが分かりにくいために、この編が上手く活きていないような気がする。

<未来編>
ヒュー・ジャックマンの夢の中のような世界となっている未来編はとにかく不明すぎる。
「永遠の樹」を食べながら何百年も生きながらえ、ラストは死にゆく星に向かって爆発して終わるようだ。
星の爆発とは、新たな星の誕生に繋がり、「輪廻転生」のようなイメージを感じさせる。
生命は永遠ということをイメージ化したような気がする。
彼が座禅を経て、どんな答えを見つけたのか。主張がみえにくい。

【本作から「永遠の愛」を感じ取れたか】
これらに共通していえることは、「永遠の生命」と「永遠の愛」がごちゃごちゃになっている気がする。
正確にいうと、ごちゃごちゃになっているというよりも、「永遠の愛」についてはほとんど触れられていないのではないか。
「指輪」あたりがキーアイテムになりそうだが、上手くまとまっていない。
テーマすら不明瞭では、観客は何を感じていいのかすら分からなくなっても仕方はない。

【書きかけの小説の意味】
重要なことは、「永遠の生命」ではなく、書きかけの小説にあるのかもしれない。
イジーはしきりに書きかけの小説を「完成させて」欲しいといっていたが、小説を書き上げるというのは、永遠に生きることなのではないかも思われる。
何百年前に死んだはずのシェイクスピアや紫式部が現代でも読まれているというのは、そういうことなのではないか。
妻と夫がひとつの小説を書き上げることによって、「永遠の愛」が成就するのではないかと感じた。
そういうことを踏まえると、止まっていた夫ダーレン・アロノフスキー監督の企画を、妻レイチェル・ワイズが出演することで、完成させたということは、この夫婦にとっての「永遠の愛」なのではないだろうか。
しかし、これが傑作や名作だったら、永遠に生きることにもなろうが、今年のうちにでに忘れ去られるような映画だったら、はっきりいって意味はない。
監督としては、「2001年宇宙の旅」のような作品を作るつもりでいたのだろうが。

【プロデューサーの仕事】
監督のこだわりを否定するつもりはないが、この映画に35百万ドルという大金を投じたプロデューサーはいったい何を考えたのだろうか。
アメリカでは10百万ドルという大コケに終わり、日本でも数館でしか公開されないというありさまだ。
最初から失敗に終わると分かっている作品に対して、大金を注ぎ込むプロデューサーは、プロデューサー失格と言わざるを得ない。

テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

2007年7月クールドラマ視聴率結果(第三話)

順位  タイトル      初回  最新話 前話との対比  平均(予想平均)
1位「山田太郎ものがたり」 17.4%  16.5%(▲0.6%)  16.6%(10.5%)
2位「花ざかりの君たちへ」 15.9%  16.6%(▲0.1%)  16.5%(17.0%)
3位「 ファースト・キス  」  19.7%  15.2%(▲2.0%)  16.0%(17.5%)
4位「  ホタルノヒカリ   」  17.3%  10.6%(▽4.6%)  14.4%(12.0%)
5位「パパムスメの7日間」 14.0%  14.1%(▲1.0%)  13.5%(14.0%)
6位「 山おんな壁おんな 」 14.1%  12.1%(▽1.4%)  13.2%(11.5%)
7位「  女帝 (じょてい) 」  12.4%  11.9%(▽0.5%)  12.2%(8.5%)
8位「 受 験 の 神 様 」 14.7%   9.3%(▽5.4%)  12.0%(12.5%)
8位「地獄沙汰もヨメ次第」 13.7%  10.7%(▽0.9%)  12.0%(10.0%)
10位「 探 偵 学 園 Q 」 12.4%  10.3%(▽1.8%)  11.4%(13.0%)
11位「 ライフ~ LIFE ~ 」 11.0%  10.9%( 0.0%)  11.1%(9.0%)
12位「牛に願いを/L&F」 10.2%   9.1%(▽0.5%)   9.8%(15.5%)
13位「  菊次郎 と さき  」 10.9%   9.5%(▲1.1%)   9.6%(13.5%)
14位「  肩ごし の 恋人  」 10.2%   7.5%(▽1.3%)   8.8%(12.0%)
-位「  スシ王子!  」 (12.0%) ※7月27日金曜日スタート

復活の期待が掛かった「ファースト・キス」は平凡な数値を叩いて、平均視聴率争いで一歩後退の3位に転落。
2話目の視聴率が悲惨だった「受験の神様」が一気にランクダウン。
「ホタルノヒカリ」も大幅に急落させており、日本テレビドラマがピンチに立たされている。
どちらも、サッカーという名の刺客に襲われたようだ。

1位:「山田太郎ものがたり」 17.4%→15.9%→16.5%
3話目で上昇させたが、初回視聴率よりもまだ1%ほど低い数値に留まっている。
最大のライバルである「花ざかりの君たちへ」の3話目とまったく同じ数字なので、視聴者層はほぼ同じといえるかもしれない。
「花ざかりの君たちへ」との熾烈な戦いが今後も大いに期待できそうだ。
参考とすべきドラマである「野ブタ。をプロデュース」(平均視聴率16.9%)の動きは、16.1%→14.9%→17.0%となっていた。
「野ブタ。」のような話題ドラマにはちょっと足りないか。
たまたま、テレビをつけたら、二宮と多部が二人で畑作業していて、多部が空想しているシーンをみてしまった。
ああいうシーンは意外と演じるのは難しいと思うが、多部ではちょっとどうかな。
あれでは合格点というわけにはいかない。

2位:「花ざかりの君たちへ」  15.9%→16.8%→16.5%→16.6%
完全に視聴率は安定している。
支持が高いことの証拠だろう。
初回よりも高い水準で推移しているというのも珍しい。
面白さが口コミで広がっているのだろうか。
比較対象にしている「野ブタ。をプロデュース」は16.1→14.9→17.0→16.4→17.1%という動きになっているので、そろそろ17%台を叩き出して欲しいところだ。
そうしないと、平均視聴率17%台がみえてこない。

3位:「 ファースト・キス 」 19.7%→13.2%→15.2%
2話目の6.5%減から、2.0%上昇へと転じた。
しかし、3話目で15%台というのはちょっと苦しいのではないか。
おそらく、15%前後の数字で今後推移していくことになりそうだ。
この視聴率を見る限りでは、支持率は低そうだ。
月9の他のドラマと比較すると、「スローダンス」の22.5→17.4→15.8%と似たような動きといえる。

4位:「ホタルノヒカリ」 17.3%→15.2% →10.6%
同時間帯に放送された「ハリー・ポッターと秘密の部屋」は15%台と大したことはなかったが、最大の強敵は25%ほどの視聴率を獲得したサッカーであった。
「ハリポタ」と「サッカー」というダブルパンチを見舞われて、なお10%台の視聴率に残せたのは、逆に評価できるのではないか。
次週には少なくとも13%台以上には戻してくるはず。
「ファースト・キス」もそうだったが、ノーマークだったサッカーにやられることが多いクールでもある。

5位:「パパとムスメの7日間」 14.0%→12.8%→13.1%→14.1%
初回視聴率を超えて、過去最高視聴率をマークした。
父親と娘の人格が入れ替わるという奇抜さに注目が集まったのだろうか。
見ていないが、舘の女子高生演技も悪くはないと聞いており、そういう評価が高まっているのだろう。
このままのペースで粘れば、放送前の予想14.0%はそれほどズレることはなさそうだ。
次回分は参議院選挙のために休止になる。
せっかくいい勢いだったのだが、この休止がどう影響するだろうかと思ったら、サッカー決勝(日本は出ないが)も予定されていたので、ベストタイミングの休止となったのではないか。

6位:「山おんな壁おんな」 14.1%→13.5%→12.1%
初回から2話目の下落は比較的小規模だったが、3話目は一気に下落させた。
先週は誉めたが、この下落を見る限りでは、ギブアップ組が少々生じているのではないかと思われる。
伊東美咲主演の「サプリ」は、初回17.9%→13.0%→14.4%という動きをみせており、伊東主演作は似たような動きとなっているのが特徴だ。

7位:「女帝」 12.4%→11.9%
この程度の減少に留めたのは、かなり評価できるのではないか。
大きくコケるとバカにしていたが、加藤ローサは意外と健闘していると思う。
視聴率自体は低いかもしれないが、主演女優として加藤ローサを評価できるのではないか。
同枠ドラマで趣旨も似ている「わるいやつら」が13.6→10.1%と激減させていたのであるのだから。

8位:「受験の神様」 14.7%→9.3%
5.4%減少という、恐ろしいほどの下落を達成した。
「ファースト・キス」の6.5%、「ホタルノヒカリ」の4.6%同様に、サッカーという名の刺客を食らったようだ。
同時間帯に放送された「時をかける少女」の視聴率は12.2%であり、この影響はなかったようだ。
しかし、成海璃子主演の「瑠璃の島」も16.0%→11.8%の4.2%減少という大幅な動きをみせているので、成海璃子主演作ではあり得る流れなのかもしれない。
同枠ドラマの「演歌の女王」は10.9%→9.5%という動きをみせているので、初回が予想以上に高かっただけであり、「演歌の女王」程度のドラマというおそれもある。そういえば、「演歌の女王」にも成海璃子は出演していた。
次週以降の視聴率でジャッジしたい。さすがに多少盛り返してくるだろう。

8位:「地獄の沙汰もヨメ次第」 13.7%→11.6%→10.7%
07年4月クールの同枠ドラマ「夫婦道」の初回14.1→13.2→14.4%なので、完全に離されてしまった。
初回をみたときは、視聴率が期待できる年配向けドラマかと思ったら、どうもそうではないようだ。
初回は「ダブルキッチン」「トリプルキッチン」が好きだった人が懐かしくて見てしまったのではないか。
予想通りとはいえ、支持が低そうなドラマになってしまったのはちょっと残念だ。
はやくも一桁オチにリーチが掛かっている。

10位:「探偵学園Q」 12.4%→10.9%→12.1%→10.3%
12%と10%を交互に取りながらも、最低視聴率を記録してしまった。
理由はよく分からないが、支持率は高くないということは間違いないだろう。
先クールの「セクシーボイスアンドロボ」は12.5→8.7→6.9→7.0%という動きとなっているので、それほど悲惨なことにはならないと思われるが、一踏ん張りしないと、視聴率一桁転落の危機に陥っている。

11位:「ライフ」 11.0%→11.7%→10.9%→10.9%
安定はしているので、企画自体は失敗ではなかったようだ。
「ライアーゲーム」は12.3→12.8→8.7→9.6%となっているため、実は「ライアーゲーム」よりも優秀という評価もできそうだ。
今週もたまたま、数分間見てしまった。
イジメにあって、保健室からトイレに駆け込み、モノや水を投げ込まれ、電車に飛び込もうとするところを助けられるというシーンだった。
数分間かつ真面目にも見ていないが、じゃっかん心理描写が弱いような気もする。
「自殺決意」→「戦う決意」という流れに至るまでの描き方が物足りなくないだろうか。

12位:「牛に願いを Love&Farm」 10.2%→10.4%→9.6%→9.1%
もう巻き返すのは、ほぼ困難な状況となってしまった。
このまま9~10%台で推移していくことになるだろう。
「山田」や「花君」がヒットをして、このドラマが低視聴率に喘ぐというのも、今のドラマの在り方を表わしているのだろう。
堅苦しさや真面目さではなく、視聴者は面白さや明るさを求めているというのが顕著なのではないか。
映画「手紙」をヒットに導いた玉山には大きな痛手となってしまった。
戸田も「ライアーゲーム」で実績を作ったが、ここで躓(つまづ)くとは思わなかった。

13位:「菊次郎とさき」 10.9%→8.4%→9.5%
なんとか下げ止まらせたが、今後は10%前後で安定するだろうか。
03年 初回12.0→10.4→13.6%(最低視聴率10.3%)
05年 初回16.1→13.9→15.1%(最低視聴率13.7%)
この状態が続くと、第四弾は期待できないかもしれない。

14位:「肩ごしの恋人」 10.2%→8.8%→7.5%
視聴率下落に歯止めが掛からず、また1%以上下げてしまった。
初回の視聴者の26%がすでに鑑賞をストップした計算となる。
「孤独の賭け」とほとんど同じ動きをしている(11.2→9.4→7.4%)。
そろそろなんとかしないと「孤独の賭け」同様、最終回4%になりかねない。

テーマ:視聴率ランキング - ジャンル:テレビ・ラジオ

『傷だらけの男たち』レビュー 【映画】

◆評  価    7.0点
◆分かりやすさ  B-(細部は分かりにくいが、基本構造は理解できるはず)
◆おススメ度   B+(リメイクしがいのある好素材)

約2時間緊張感のある映像に引き込まれた。
いい集中力を観客は保ちながら、ストーリーを堪能できるのではないか。
よく練られた力作といえる。
ただ、完璧な映画かといえば、そうではない気がする。
ハリウッドでリメイクが決まっていると聞いているが、鑑賞後は色々とイメージが膨らむリメイクしがいのある素材と感じさせる。

自分がリメイクするのであれば、以下のような点がポイントとなると思う。
<ボス(偽名ラウ・チンヘイ)の描き方>
犯人探しというよりも、傷を負った男の生きざまを描きたいという趣旨は理解できるものの、最初から彼がはっきりと犯人であるという描き方をするのは、面白みがやや半減すると思う。
序盤では観客に疑問を抱かせておき、ラストまではぼやかす程度でもよかったのではないか。
終盤、ボスの計略により、通称「第三の男」ライ・サンワーと自分の妻のスクツァンを殺害しようとするシーンがあるのが少々問題だが、工夫次第でこれもクリアできる。
自らの手は汚さずに、ライ・サンワーにみすみすチャンスを与えて、自分の妻を殺させようとすればよいのである。
その後、ライ・サンワーは妻殺しの容疑者ということで、逮捕時に射殺でもするという計画にしておけばよい。
ライ・サンワーが殺しに失敗して、妻が半死の状態で病院に担ぎ込まれる流れにすれば、この問題はクリアできる。
傷だらけの男として、劇中ではポンにクローズアップをあて、最後にもっと深い傷を負った男がいるという、二段構えで観客と向き合いたいところだ。

<ポンとボスの傷の癒し方>
冒頭に「いや、俺のせいなんですが、恋人と上手くいっていなくて。」というポンのセリフは余計ではないのか。
むしろ、結婚間近のはずの愛し合っていると信じていた恋人が自ら死を選ぶという方が傷はかなり深いと思う。

ポンの恋人の自殺の真相は、ポンが自分に構ってくれないため別の男と付き合い、そのため妊娠をしてしまい、挙句に堕胎までをもする。
さらに、約束の場所にその男までもが現れなかったことで、自分は捨てられたと勘違いして、自殺してしまうのである。
その別の男は、約束の場所に向かう途中で交通事故に遭って、意識不明の状態に陥ったようだ。
細かいところだが、フォン(スー・チー)がその意識不明の男を見つけたというのも、ちょっとお手軽すぎかなと思われる。
途中で、ポンがその意識不明の男に対して枕で窒息させようとするワンカット入るが、これはポンの願望のようだ。

恋人、家族といった愛するものを失った二人の男の運命の対比があまり上手くはオチていないような気もする。
どちらとも復讐を果たしたいとは思うものの、片方は愛するものを見つけ傷を癒していき、他方は愛するものを見つけたにも関わらずさらに傷口は広げていく。
見事な素材だとは思うが、きちんと調理はされていない気がする。

また、傷だらけなのは、決して男たちだけではない。
彼らを愛した女たちも、彼らを愛したがゆえに傷だらけになっている。
女性たちの見事なドラマも必見だ。

<ラストの病院>
ボスは、妻スクツァンが既に自分の大切な家族になっていること、妻が復讐相手の実の娘ではなかったことによって、赦しの気持ちを抱いていくようになるが、実の娘ではなかったということは不要ではないかと思われる。
実の娘ではなかったから赦すのではなく、実の娘である彼女を赦すことこそ重要ではないか。

純粋に妻が自分にとって愛おしい存在になったことを知ることで、トニー・レオンは最後の最後に何かが変わっていくのだろう。
これを印象深い描くためには、トニー・レオンが病院で妻の呼吸器具でも外そうとして、妻を殺そうとするものの、どうしてもそれが出来ないというシーンでも描けば、さらによかったような気がする(このシーンまではトニー・レオンが真犯人だと分からないような描き方が必要だと思う)。


本作の細部は分かりにくいところはあるが、基本的な構造は一度見れば容易に理解できるだろう。
以下、自分なりの解釈を含めて、自分の感じたことを誤解を恐れずに述べたい。

<通称「第三の男」ライ・サンワーの正体>
ボスに電話で脅したり、ワイヤーをもってスクツァンを脅かしたり、スクツァンとポンを焼死させようとしたり、ポンと取っ組み合いをした挙句に、最後にボスに拉致られて、ガス爆発で死んだ奴の正体は、冒頭の3年前の強姦魔であるようだ。
3年前にボコボコにされた恨みは晴らすために、トニー・レオンと彼の妻を付け回していたようだ(妻が誰かに追い掛け回されているというのは、ライ・サンワーのこと)。
トニー・レオンは電話の逆探知から、彼の居場所を序盤で突き止めていたが、妻スクツァンの死の偽装に利用するために、しばらく奴を泳がせていた。

<スクツァンの父チャウと執事マンの正体>
麻薬捜査官をやっていたトニー・レオンの父と彼の家族を殺した犯人の一味。
執事マンはトニー・レオンの父と同じく、麻薬捜査官だったが、チャウにそそのかされて、裏切って犯罪組織に身を売ったようだ。
そのため、マカオから香港へ流れてこざるを得なかったのだろう。

<キョンともう一人の犯人とトニー・レオンの関係>
この三人の関係はちょっと分かりにくい。
警察の報告によると、二人は仲間割れとなって、キョンは毒殺されて、もう一人はキョンが死ぬ前に刺殺されたことになっている。

真相は、二人ともトニー・レオンが殺したことで問題ないだろう。
スクツァンの父の家に押し込んだのは、キョンに扮したトニー・レオンともう一人の犯人だ。
犯行後、隠れ家に戻って、本物のキョンともう一人を殺して、エアコンのダクトから抜け出して、寺院へ行って、墓に眠る家族へ復讐達成の報告をしたものと思われる。

<スクツァンはいつトニー・レオンが犯人だと気付いたか>
卓球ラケットが入った箱に関して、トニー・レオンと楽しそうなやり取りをしていたので、最後の最後までスクツァンは気付かなかったと思われる。
台所まで引きづられて、ガスが充満しているのに気付いたときが、彼女が真相に気付いたときではないか。
クスリ入りであることを知りながら、スープを飲んでいたのも、トニー・レオンに対する深い愛情があったからであり、中盤においては彼を疑っているようにはみえない。

<スクツァンの死の真相>
あまり描かれていなかったが、自殺・他殺ではなく、おそらく病死ではないか。
無理に結婚指輪を外して、体を起こして、台の上に置くことによって、エコノミークラス症候群にでもなったのかと思った。
数ヶ月も寝たきりだったら、あり得る話だろう。
病死とはいえ、自分に対する夫の愛情に疑問を抱いたことが、スクツァンの死の遠因になったと考えたい。
台の上に置かれた“指輪”が実に印象深く、描かれていた。
夫婦の愛に対するスクツァンなりのせいいっぱいの返答だろう。
復讐を終え、唯一愛するものを失ったトニー・レオンに残された行為は、ひとつしかなかったというラストも見事だった。

<エンディングの浜崎の歌>
別に悪くないのではないかと思う。
よくありがちな、映画のストーリーとまったく合わないようなエンディングテーマには辟易とするが、浜崎の曲のイメージと本作とはそれほど大きくズレてはいないと思う。
エイベックスも大金を出しているのだから、この程度のゴリ押しは許容範囲だと思われる。
倖田來未のノリノリの曲だったら、どうするよ。

テーマ:★傷だらけの男たち★傷城/CONFESSION OF PAIN★ - ジャンル:映画

国内映画興行収入ランキング(7月4週目) 【映画】

(注意)興行収入の数字は暫定のものです。ご了承ください。

2本の新作がランクインしたため、7週目で「300<スリーハンドレッド>」、6週目で「ゾディアック」が圏外へ消えた。

「300<スリーハンドレッド>」は、現在15億円を超える興行収入となっている。
公開前個人予想13億円だったので、予想を少々上回った。
同じフランク・ミラー原作の「シンシティ」が10億円の興行収入だったので、それでも高めに予想したのだが、 まさか「X-MEN:ファイナルディシジョン」「スーパーマンリターンズ」といった知名度の高い作品と肩を並べるとは思わなかった(いずれも15億円台の興行収入)。
アメリカでも予想外に大ヒットしたが、革新的な映像というのは客を呼べるようだ。
ジェラルド・バトラー主演の「オペラ座の怪人」が42億円の大ヒットを記録したが、ジェラルド・バトラー主演だからヒットしたというわけではないだろう。

「ゾディアック」は、現在4億円程度の興行収入となっている。
公開前個人予想は7~8億円だったので、その半分程度に終わってしまうとは。
今年200館以上で公開された洋画の中では、「GOAL!2」「ザ・シューター/極大射程」の次に悪い成績になりそうだ。
デビッド・フィンチャー監督といえば、02年「パニックルーム」が25億円、00年「ファイトクラブ」が19.8億円、96年「セブン」が26.5億円という優秀な興行収入を上げていたのだが、今回はフィンチャーの知名度はまったく通用しなかった。
また、日本における主演陣の知名度の低さ、女性キャラクターの不存在(クロエだけでは足りない)、作風の暗さ・堅さ、上映時間の長さなどのために敬遠されたようだ。

1位「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」(1週目)
【個人予想】 95億円 【配給会社期待値】 150億円
【参考】01年冬「賢者の石」203億円、02年冬「秘密の部屋」180億円、04年夏「アズカバンの囚人」135億円、05年冬「炎のゴブレット」110億円
先行3日分で11.7億円を稼ぎ、トータルでは22.7億円を突破。
純粋なオープニングは11億円というところか。
「パイレーツオブカリビアン/ワールドエンド」のオープニングが14.7億円(金曜日からの3日間で19億円)あったので、「不死鳥の騎士団」はおそろしいほど優秀というわけではない。
これから100億円に向けての長い旅がスタートした。
10週間程度この映画の興行収入に付き合うことになりそうだ。
100億円を突破した「パイレーツオブカリビアン/ワールドエンド」との熾烈の戦いにも注目だ。
(週目)「ア囚人」「炎のゴ」「不死鳥」「海賊終」
1週目   13    17    23   19
2週目   42    36    -   44
3週目   59    50    -   61
4週目   71    59    -   75
5週目   85    70    -   84
6週目   95    -    -   91
7週目   102    96    -   96
8週目   116    101    -   99
9週目   119    103    -   103
10週目   124    105    -   
11週目   129    108    -
トータル  135億円 110億円

2位「劇場版ポケットモンスター/ダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ」(2週目)
【個人予想】 35億円
【参考】06年34億、05年43億、04年44億、03年45億、02年27億、01年39億、00年49億
3.9億円程度を週末に稼ぎ出し、トータルでは16.7億円を突破。
1週間の伸びは、休日の月曜日を含めて9億円弱程度だろうか。
06年の2週目終了時の成績は10.3億円、05年の2週目終了時の成績は13億円なので、なお優秀な成績を収めている。
今年の「映画ドラえもん」(トータル35.4億円)の2週目終了時の成績は10.5億円なので、近年の日本のアニメ作品の中では「ゲド戦記」の次あたりの勢いを保っている。

3位「劇場版 西遊記」(2週目)
【個人予想】 40億円 【配給会社期待値】59(ごくう)億円
3.1億程度を週末に稼ぎ出し、トータルでは13億円を突破。
1週間の伸びは、休日の月曜日を含めて7.8億円程度だろうか。
勢いはじゃっかん弱いかもしれない。
とりあえず、今年の実写の邦画のトップに立つことを目標にして、当面のライバルを「どろろ」(トータル34.5億円)に設定したい。
「どろろ」 4.5→12.7→18.9→24.6→28.0→30.5→32.1(トータル34.5億円)
「西遊記」 5.2→13.0
まだなんとか勝っているが、楽観視はできなくなってきた。
完全に30億円台ペースとなっている。
初動タイプだと思われるのに、スタートダッシュで「ポケモン」につまずいたのが痛かった。
28日のフジテレビの27時間テレビでたっぷり宣伝して巻き返すしかない。

4位「ダイハード4.0」(4週目)
【個人予想】 50億円
(参考)「1(88)」18億円、「2(90)」51億円、「3(95)」72億円
1.9億円程度を週末に稼ぎ出し、トータルでは30億円突破を目前としている。
1週間の伸びは、4億円程度だろうか。
「ナイトミュージアム」(トータル35.5億円)の4週目終了時点の成績と同じようなものとなってきたのは、物足りない。
「ハリー・ポッター」が公開されたためか、勢いがだいぶ弱まってきたと感じられる。
「トランスフォーマー」が公開される8月4日が区切りとなるので、勝負できる週末があと1週のみとなってしまったので、50億円の興行収入は夢のまた夢か。

5位「パイレーツオブカリビアン/ワールドエンド」(8週目)
【個人予想】100億円
(参考)「デッドマンズチェスト(06)」100億円、「呪われた海賊たち(03)」68億円
1.3億円程度を週末に稼ぎ出し、トータルでは102.5億円を突破。
1週間の伸びは、3億円程度だろうか。
100億円という大台を達成しておきながら、相変わらず伸びがいい。
先週も書いたが、8月10日公開の「オーシャンズ13」にメイン館の丸の内ピカデリー1を明け渡すので、それまでが勝負だろう。
100億円を超えたので、最終目標は05年公開された洋画興行収入トップの「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」の110億円ということになる。

6位「シュレック3」(4週目)
【公開前個人予想】 20億円
(参考)「2(04)」25億円、「1(01)」23億円
7.7千万円程度を週末に稼ぎ出し、トータルでは11.9億円を突破。
1週間の伸びは、1.3億円程度だろうか。
完全に勢いは死んでしまった。20億円突破はかなり苦しいだろうか。
「シュレック2」は4週目終了時点では17.6億円を超えていた(1週間の伸びは4.5億円)。
去年の「カーズ」(トータル22.3億円)には3週目まで上回っていたが、4週目で抜かれてしまった。「カーズ」の4週目終了時点での成績は14億円を突破している。
「ハリー・ポッター」、「ポケモン」、「西遊記」とあったら、さすがにこれは選ばれないか。 相手が悪かったかもしれない。

7位「舞妓 Haaaan!!!」(6週目)
【公開前個人予想】6~8億円  【配給会社期待値】30億円
5.6千万円程度を週末に稼ぎ出し、トータルでは18.3億円を突破。
1週間の伸びは、1.6億円程度だろうか。
メイン館を奪われてしまったが、引き続きなんとか頑張っている。
「日劇PLEX2(キャパ668名)」4週間→「有楽町スバル座(キャパ270名)」1週間→「銀座シネパトス」(キャパ177・130・72名のいずれか)公開中となっており、激戦の有楽町での扱いが酷すぎる。
20億円超えを狙えるほどの稼げそうな素材であるだけにもったいない。
「県庁の星」が20.8億円を記録しているので、柴咲コウ主演だとこの位が一定の目安となるようだ。
織田裕二=阿部サダヲ+宮藤官九郎なのか。

8位「それいけ!アンパンマン シャボン玉のプルン」(2週目)
4.8千万円程度のオープニングを飾ったあとのデータは不明。
「ポケモン」同様にシリーズモノは知名度を利して、安定して稼げるようだ。
今までヒットしていなかったのが、不思議だ。

9位「ピアノの森」(1週目)
【公開前個人予想】 3億円
3.5千万円程度のオープニングを飾った。
150館程度で公開しておきながら、116館で公開中の「アンパンマン」の2週目に負けるというのは、酷いのではないか。
この規模ならば、5千万円程度のオープニングを飾りたかったところだろう。
今年公開された日本のアニメ作品のうち、ランキングした作品の中では「真救世主伝説北斗の拳/ラオウ伝 激闘の章」を抜き、ビリというオープニングを飾っている。
上戸彩 、神木隆之介 、池脇千鶴などが声優として参加しているが、集客効果はまったくなかったようだ。

10位「憑神(つきがみ)」(5週目)
【公開前個人予想】12億円  【配給会社期待値】20億円
2.5千万円程度を週末に稼ぎ出し、トータルでは7.2億円を突破。
1週間の伸びは、8千万円程度だろうか。
一昨年は「男たちの大和/YAMATO」が50.9億円、昨年は「大奥」が22億円のヒットを繰り出した東映だったが、今年は「大帝の剣」「俺は、君のためにこそ死ににいく」「憑神(つきがみ)」と連敗街道を歩んでいる。
04年には「デビルマン」、06年には「アキハバラ@DEEP」を製作しているので、今に始まったことではないようだが。


今週ランキングが期待できるのは、「レミーのおいしいレストラン」と「河童のクゥと夏休み」の2本。

「レミーのおいしいレストラン」はピクサー社製作のCGアニメ。
日本でのピクサー作品の興行収入は以下のとおり。
02年「モンスターズ・インク」93.7億円
03年「ファインディング・ニモ」110.0億円
04年「Mr.インクレディブル」52.6億円
06年「カーズ」22.3億円

安定しているようにみえるピクサー作品といっても、かなり不安定でもある。
ヒットできるかどうかは、「キャラクターがカワイイか」「感動できそうか」がポイントとなるのではないか。
「レミーのおいしいレストラン」は「キャラクターがカワイイ」に該当しないので、50億円を超えるヒットにはまずならないだろう。
予告編からは、「感動できる」とは感じられないので、一般的アメリカアニメ作品と同程度という結果に終わりそうだ。
ただ、作品の評価は高いので、子どもだけでなく大人の需要も期待できそうだ。
ロングセールスを期待して、25億円あたりが落ち着きどころとなるのではないか。

また、「河童のクゥと夏休み」も低レベルの下位争いには加われそうだ。
河童と少年の交流を描いた感動作。
田中直樹 、西田尚美が声優を務める。
2~3千万円程度のオープニング、2億円程度の興行収入となるだろうか。
「ピアノの森」に比べて、かなり規模は小さいようだ。

予想順位(今週) 自己評価 タイトル(主な公開劇場)
1(1) ×「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」(丸の内ピカデリー2)
2(2) ×「劇場版ポケットモンスター」(日劇PLEX2)
3(-) ◎「レミーのおいしいレストラン」(日劇PLEX3)
4(3) ×「劇場版 西遊記」(日比谷スカラ座)
5(4) 済「ダイハード4.0」(日劇PLEX1)
6(5) 済「パイレーツオブカリビアン/ワールドエンド」(丸の内ピカデリー1)
7(6) 済「シュレック3」(丸の内TOEI2)
8(7) △「舞妓 Haaaan!!!」(渋東シネタワー)
9(-) ×「河童のクゥと夏休み」(東劇)
10(9) ×「ピアノの森」(丸の内プラゼール)

[個人評価]
◎ 絶対観たい作品
○ できれば観たい作品
▲ DVDか映画サービスデイだったら観たい作品
△ 映画館では観ないけどDVDだったら観るかもしれない作品
× 一度も観ることはないでしょうの作品
済 鑑賞済み作品

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「キートンの大列車追跡」DVDレビュー 【映画】

◆評  価    6.5点
◆分かりやすさ  A 
◆おススメ度   A(今の映画の礎の一つとなっている作品だ)

AFI新ランキング18位の映画。
個人的に、キートン作品は本作が初鑑賞となった。
鑑賞後には、一言「凄いねぇ」という感想しか出てこないサイレント映画の名作だ。
特に、橋から列車が転落するシーンには圧倒される。

起承転結の流れに従って、きちんと作成されていると思う。
「二人の関係・入隊拒否」→「北軍追跡」→「南軍への帰還」→「南北の戦い・入隊完了・二人の関係の進展」といったベーシックな作りは好感がもてる。

また、キートンの動きはコミカルながら、かなりキレがあるのが凄すぎる。
置いてけぼりになって近道したにも関わらず、バックで列車が戻ってしまい、再び崖に登っていく身体能力には驚かされる。

キートンの動きは、アクション映画の原点なのかもしれない。
狭い列車の中でここまでのキレのある動きは難しいはずだ。
逆に言うと、狭くて、動きに制約があるからこそ、この舞台を最大限に利用して、キレのある動きに仕立てているのかもしれない。

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全米映画興行収入ランキング(7月第4週目) 【映画】

順位(先週)公開週 タイトル (公開館数) 興行収入 (トータル収入)
1(-)1週目「INPYChuckandLarry」(3495館)$34,775,250($34,775,250)
2(1)2週目「HPと不死鳥の騎士団」(4285館)$32,185,000($207,541,000)
3(-)1週目「Hairspray」       (3121館)$27,800,000($27,800,000)
4(2)3週目「トランスフォーマー」   (3762館)$20,506,000($262,969,000)
5(3)4週目「レミーのおいしいレストラン」 (3402館)$11,000,000($165,628,000)
6(4)4週目「ダイハード4.0」      (2727館)$7,300,000($116,466,228)
7(5)3週目「License to Wed」    (2525館)$3,760,000($38,678,000)
8(6)5週目「1408」           (1451館)$2,600,000($67,500,819)
9(7)5週目「エバン・オールマイティー」(1779館)$2,455,020($93,469,145)
10(8)8週目「Knocked Up」      (1288館)$2,318,400($142,724,645)
(参考:IMDbのボックスオフィスチャート)

新作が2本ランクインしたため、4週目で「シッコ」、7週目で「オーシャンズ13」が圏外へ消えた。

「シッコ」は現在19百万ドルの興行収入となっている。
マイケル・ムーア監督の過去の作品の興行収入は、以下のとおり。
04年「華氏911」 119百万ドル
02年「ボウリング・フォー・コロンバイン」 22百万ドル
「シッコ」は「ボウリング・フォー・コロンバイン」と同程度で終わりそうだ。
このあたりがマイケル・ムーア監督の基準値ということになるのではないか。
製作費は9百万ドルということなので、彼の作品が赤字になるということは少ないようだ。
過去の作品も評価は高かったが、過去の作品以上に本作の評価が高い。

「オーシャンズ13」は現在114.6百万ドルの興行収入となっている。
過去の作品と比較すると、「オーシャンズ」シリーズは以下の経緯を辿っている。
年 度   01  04  07
(週数) 「11」 「12」 「13」
1週目   38   39   36
2週目   72   69    70
3週目   95   87    91
4週目   128  107  102
5週目   152  115  109
6週目   163  120  113
7週目   171  122  115
8週目   176  124
トータル  183  126  
製作費   85   110

「トランスフォーマー」が公開された5週目あたりからの成績の伸びがない。
4週目あたりまでは「12」と同程度の伸びだったが、過去最低のシリーズになりそうだ。
そろそろ飽きられている頃ということで、公開前予想では前作を若干下回ると見ていたので、この予想は大きくはズレなかった。
評価に関しては、「12」はあまり高くないが、「11」と「13」はまあまあ高いという評価を受けている。
個人的には、「12」の方が「11」よりも面白いとは思うのだが。

新作は2本ランクイン。
1位になったのは、「I Now Pronounce You Chuck and Larry」。
やはり、アダム・サンドラーのコメディは高い興行収入を期待できる。
35百万ドルのオープニングを飾ったため、1億ドル突破はまず堅いだろう。
共演は、「最後の恋のはじめ方」でウィル・スミスとコンビを組んだケヴィン・ジェームズとジェシカ・ビール。
監督は、アダムとともに「ビッグダディ」を手掛けた実績をもつデニス・デューガン。
男性の消防士二人が、偽装結婚をして、保障を受けようとするというストーリー。

今年公開された主なコメディ作品との比較は以下のとおり。
(週数)「NB」 「WH」 「BG」 「EA」 「CL」
1週目  34   40   33   31   35
2週目  59   77   68   61
3週目  75   104  90   79
4週目  83   123  101  88
5週目  88   135  108  93
トータル 95   168  118
製作費  60   不明  61   175
「NB」…NORBIT、「WH」…Wild Hogs、「BG」…Blades of Glory、「EA」…EVAN ALMIGHTY、「CL」…I Now Pronounce You Chuck and Larry
「Wild Hogs」に次ぐ、オープニングを記録した。
評価は高くはないが、それほど悪くないので、「NORBIT」のような失速はないだろう。

3位になったのは、「Hairspray」。
ジョン・トラボルタ、クイーン・ラティファ主演の人気ミュージカルの映画化。
監督は、アダム・シャンクマン。
オープニングもなかなか優秀であり、評価はかなり高い。
「ドリームガールズ」は縮小公開からスタートしたので、単純な比較はできないが、「ドリームガールズ」の興行収入103百万ドルといい勝負をするのではないか。

2位となったのは、「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」。
過去のハリー・ポッターシリーズと比較すると以下のとおり。
年度  01   02   04   05   07
(週目)「賢者」「秘密」「囚人」「炎の」「不死鳥」
1週目  90   88   94    103  140
2週目  187  148  158  201  208
3週目  220  200  191  229
4週目  240  214  212  244
5週目  253  223  223  253
6週目  264  229  233  261
7週目  286  240  238  275
8週目  300  252  242  282
トータル 318  262  249  290
製作費  125  100  130  150  150
水曜日に公開したこともあってか、本作は2週目終了時点では過去最高を記録している。
この勢いを保てば、3億ドルも不可能ではない。

4位の「トランスフォーマー」も3週目で263百万ドルに達しており、上記の「ハリー・ポッター」の表と比較しても、優秀であることが分かる。
(週目)「クモ男」「シュレ」「海賊終」「T・F」「H・P」
1週目  151   123   128   155   140
2週目  240   203   218   224   207
3週目  282   256   253   263
4週目  304   281   274
5週目  318   297   287
6週目  326   308   296
7週目  330   314   302
8週目  332   317   304
9週目  334   318   306
トータル 335   319   306
製作費  258   160  (300)  150   150
「トランスフォーマー」は、独立記念日前の月曜日から先行公開し、「ハリー・ポッター」は水曜日から公開しているため、他に比較してかなり高めのオープニングとなっている。
今年公開された5強の争いにこれからも注視していきたい。

5位になったのは、「レミーのおいしいレストラン」。
過去のピクサー作品と比べると、以下のとおりとなる。
年度   07   06   04   03   01  
(週目)「レミー」「カーズ」「ミスタ」「ニ モ」「モンス」
1週目  47    60     70     70     63
2週目  110   117   143   144   122
3週目  143   157   178   191   156
4週目  166    183   214   229   192
5週目  -    206   226   254   204
6週目  -    220   233   275   212
7週目  -    229   237   291   219
8週目  -    235   242   304   224
トータル -    244   261   340   256
製作費  -    120   92    94    115
やはり、近年最低の興行収入となるのは、間違いなさそうだ。
ただ、評価面では相変わらず恐ろしいほどの高さを誇っている。

次週公開される主な作品は、以下のようなものとなっている。
「The Simpsons Movie」
どの程度の爆発力があるのか不明の日本人には予想が難しいアニメ作品。
監督は、「モンスターズインク」の共同監督の一人であるデヴィッド・シルヴァーマン。

「I Know Who Killed Me」
リンジー・ローハン、ジュリア・オーモンド主演のクライムサスペンス。
監督はChris Sivertson。有名作品は監督していない。
誘拐されて逃げ出した女性の精神的な恐怖を描くストーリー。
イメージ的には2~3千万ドルの作品。

「No Reservations」<幸せのレシピ>
キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、アーロン・エッカート主演のロマンティック・コメディ。
監督は、「シャイン」「ヒマラヤ杉に降る雪」「アトランティスのこころ」のスコット・ヒックス。
姪の保護者にたまたまなってしまったシェフの人生が変わっていくというストーリー。
01年の「マーサの幸せレシピ」のリメイク作品。
イメージ的には4~5千万ドルの作品。

「Who's Your Caddy?」
Big Boi, Jeffrey Jones主演。
ドン・マイケル・ポール監督。
スティーヴン・セガール主演の「奪還」を監督している。
ゴルフを題材としたコメディ。
イメージ的には3~4千万ドルの作品だが、予測は不能。

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「アイアン・ジャイアント」DVDレビュー 【映画】

◆評  価    6.0点
◆分かりやすさ  A (鑑賞時には冷戦や核兵器の取り扱いにも留意すべき)
◆おススメ度   B-(泣ける映画ならば他にもある)

「レミーのおいしいレストラン」「Mr.インクレディブル」を監督したブラッド・バード監督作品。
鑑賞前に聞いていた評価が高く、「Mr.インクレディブル」もあまりにも素晴らしい作品であるため、大いに期待したのだが、やや期待が大きすぎたようだ。

少年とロボットの温かい心の交流を描きながらも、「生命の大切さ」「武器の廃絶」「レッテルに惑わされない自分らしさ」といった普遍的なテーマをも盛り込んでいるのは評価できるが、少々強引なストーリーでもあり、中身やストーリーも薄く感じられた。

ホーガース少年も実はかなりの大人であり、きちんとした分別がありすぎる。
そのために、彼の成長という視点があまり感じられなかった。
子どもなのだから、もっと弱くてもよかったのではないかと思う。
ロボットとの出会いで、子どもがちょっと大人へと成長するような姿を描けなかっただろうか。

核兵器の扱いについても強い批判が込められているのは間違いないだろう。
登場人物が核兵器について、安易に考え、安易に扱うことで、ある種の恐怖が感じさせる。
しかし、もうちょっと放射能について二三歩踏み込んでもらえたら、強いメッセージが出たと思う。
「机の下に隠れていれば、核兵器が落ちても大丈夫」という描き方をして、核兵器の認知を揶揄しているものの、この扱い自体は中学生レベルと言われても致し方ない。
核兵器を安易に考えているマンズリーに対して、核発射後に上官が説明し、彼を諌めることで少々深みを増して欲しかった。

今となっては、懐かしい平面的な画に見えるが、疾走感などは素晴らしいと感じた。CGと平面アニメを合体させた過渡期ともいえる作品。
こういう作品があるからこそ、今のCGアニメ作品があるのだろう。

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「ワイルド・アット・ハート」DVDレビュー 【映画】

◆評  価    7.5点
◆分かりやすさ  B-(「オズの魔法使」を見ていないと理解できない)
◆おススメ度   B-(面白い映画だが、見る人を完全に選ぶ映画)

デイヴィッド・リンチ監督作品の中では、あまり好きではない映画だった。
しかし、久々に見直してみたが、なかなかこれは優れた映画ではないかという感想に変わった。
やはり、リンチ監督作品は何度も鑑賞することで、深く味わえるようだ。

特に「オズの魔法使」を最近観た後だったため、訳の分からないシーンの多くが繋がった。
ラストに出てくる「善い魔女」、中盤に出てくる「悪い魔女」、ローラの母の写真に水を掛けたらその姿が消えてなくなったり、いくつかのセリフなど、本作は「オズの魔法使」に大いに関連している部分がみられる。
本作は紛れもなくリンチ版の「オズの魔法使」なのだろう。
逆に言うと、ラストに「善い魔女」が出てくる流れは、「オズの魔法使」を見ていないとまったく理解できないシーンでもある。

リンチ監督の趣味が色濃く出ている本作は非常に見応えがある。
リンチ監督の悪ノリとも思えるような、リンチ節が随所にみられ、声を出して笑える映画となっている。
冒頭にニコラス・ケイジが殺し屋をぶっ殺すのだが、このシーンで笑えないと本作を楽しめられないかもしれない。

それにしても、ニコラス・ケイジがカッコよすぎる。
彼のことはそれほど好きではなかったが、やはり存在感ある名優であるかもしれない。
この映画でさらに好感度も上がった。
自由の象徴であるヘビ革ジャケットを着こなし、ジャイアント馬場の物真似やいきなり空手のポーズをやったり、エルビスを歌ったりしても、違和感なく似合うのは彼だけだろう。

イカれて狂ったカップルを描いているように見えるが、本当にイカれている世界が裏にはあるというリンチ節は健在である。
イカれて狂ったカップルにみえても、リアルな世界にはない純粋でまっすぐな美しさが感じられるのもリンチ監督ならではの味わいだ。
リンチ流のラブストーリーが見事に展開されている。
リンチ監督以外の誰も作れない映画だからこそ、リンチ監督は評価されるのだろう。

ラストの一連の流れもとても素晴らしい。
突如、不意にギャングに襲われて、ぶっ飛ばされて、失神した挙句、「善い魔女」に会うという展開を描けるのは、リンチレベルでないと許されないだろう。

「本当に心がワイルドなら、夢のために戦うはずよ」、「愛から逃げるな」と魔女に説得されて、ギャングに「さっきはホモ呼ばわりして本当にすみませんでした」と平謝りして、「(両手を挙げて)ルーラ」と絶叫して、駆け出していくシーンは“最高”という評価以外はできない自由奔放さだ。
その後の「ラブミーテンダー」へと見事に繋がっていくのもさすがの一言(『「ラブミーテンダー」は嫁のため以外には歌わねぇ』という途中のセリフもカッコいい)。

また、ウィレム・デフォー、ルーラの母を中心に脇役もみな個性的で、存在感が深かったのも、大いに評価できる。
ただ、前半テンションがあまりにも高すぎたため、中盤ちょっと間延びした感が出てしまったのが残念だ。

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「捜索者」DVDレビュー 【映画】

◆評  価    8.0点
◆分かりやすさ  A(時間の経過が感じにくいところはあるが)
◆おススメ度   A(堪能できる壮大な西部劇)

AFIの新ランキング12位。
ジョン・フォード監督、ジョン・ウェイン主演という黄金コンビによる作品。
ジョン・フォード監督の西部劇を見るのは初めてだったが、とにかくあらゆる意味で圧倒された。
50年前の映画ではあるが、映画の質に関しては、製作年度などは関係ないということがよく分かる。
美しい風景、荒々しい演技、壮大なストーリー、容赦のない描写、清涼的なユーモア、すべてが素晴らしい仕上がりとなっている。

インディアンに対する激しい憎悪が感じられるが、妥協を許さない姿勢の表れではないだろうか。
この妥協を許さない姿勢を貫くとすれば、意表を突いているがラストのひねりのないハッピーエンドは少々いかがなものかと思う。
この描き方では、中盤のイーサンとマーティンの対立に深い意義が生まれてこない。
お互いに銃を向け合い、「I hope you die」とマーティンがイーサンに対して罵るに至るまでを描くのならば、もっと悲惨なラストを迎えさせてもよかったのではないか。
そうでなければ、イーサンの心境の変化が表れるようなエピソードをいくつか加味すべきだったのではないか。

やはり、姪を助け出そうとするものの、姪が完全にインディアンに染まってしまい、逆にイーサン側に攻撃しかけようとする展開となり、やむを得ず姪を射殺してしまうとすると、悲劇性がより高まると思う。

ラストをハッピーエンドに描きたいのならば、二人の対立をソフトに描くべきではないか。
中盤でイーサンが姪に対して銃を向け、イーサンとマーティンが対立するようなことはむしろ描かず、単純に姪を救出しようとするところ、インディアンに阻止されて矢傷を負って失敗するという流れだけでもよかったような気がする。

演出もなかなか工夫に満ちている。
手紙を利用したユーモア溢れる技巧的な展開も好印象だ。
単調になりがちな展開に味が出ただけでなく、あの家族と郵便配達人の存在が増す流れとなった。

また、冒頭に扉を開けて、イーサンを出迎えるシーンに始まり、ラストで同じようなカットでイーサンがひとり荒野へ戻っていくシーンで終わるというのも、ジョン・フォードのセンスの良さが感じられる演出だ。

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「ニューヨーク東8番街の奇跡」DVDレビュー 【映画】

◆評  価    4.0点
◆分かりやすさ  A(誰が見ても分かる)
◆おススメ度   C(子ども向きで、大人にはちょっと厳しい)

「レミーのおいしいレストラン」の監督ブラッド・バードが脚本の一人として参加しているということで、鑑賞してみた。
スピルバーグも製作に関わっているUFOモノファンタジー。
評判はそれほど悪くない作品のようだが、苦痛に耐えながらの鑑賞となってしまった。
技術の稚拙さ云々というよりも、80年代に特有の「安っぽささ」「浅さ」がどうしても肌に合わない。

犬笛のようなものでUFO呼んだり、UFOにキッチンを手伝わして、お約束のようにムチャクチャになったり、どう考えても違法な地上げをやっていたりと、こういう雰囲気はちょっと耐えられない。

いつのまにか、こういうファンタジックな作品を純粋に楽しめないようになってしまったのだろうか。
自分はもう何かを無くしてしまったように感じられて、ちょっと寂しいと感じてしまった。

子どもはいないが、もし、子どもとこのような作品をいっしょに見て、「面白かったね」と言われたとき、どのように対応していいのかかなり困りそうだ。

ただ、肌に合わないだけで、ストーリー自体は普通程度には評価できるので、点数がそれほど低くはしなかった。

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2007年7月クールドラマ視聴率結果(第二話)

順位  タイトル      初回  最新話 前話との対比  平均(予想平均)
1位「山田太郎ものがたり」 17.4%  15.9%(▽1.5%)  16.7%(10.5%)
2位「  ファースト・キス  」 19.7%  13.2%(▽6.5%)  16.5%(17.5%)
3位「花ざかりの君たちへ」 15.9%  16.5%(▽0.3%)  16.4%(17.0%)
4位「  ホタルノヒカリ  」 17.3%  15.2%(▽2.1%)  16.3%(12.0%)
5位「 受 験 の 神 様 」 14.7%  14.7%(-%)    14.7%(12.5%)
6位「 山おんな壁おんな 」 14.1%  13.5%(▽0.6%)  13.8%(11.5%)
7位「パパムスメの7日間」 14.0%  13.1%(▲0.3%)  13.3%(14.0%)
8位「地獄沙汰もヨメ次第」 13.7%  11.6%(▽2.1%)  12.7%(10.0%)
9位「 女帝 (じょてい) 」 12.4%  12.4%(-%)    12.4%(8.5%)
10位「 探 偵 学 園 Q 」 12.4%  12.1%(▲1.2%)  11.8%(13.0%)
11位「ライフ ~LIFE~ 」 11.0%  10.9%(▽0.8%)  11.2%(9.0%)
12位「牛に願いを/L&F」 10.2%   9.6%(▽0.8%)  10.1%(15.5%)
13位「  菊次郎 と さき  」 10.9%   8.4%(▽2.5%)   9.7%(13.5%)
14位「  肩ごし の 恋人  」 10.2%   8.8%(▽1.4%)   9.5%(12.0%)
-位「  スシ王子!  」 (12.0%) ※7月27日金曜日スタート

先クールに引き続き、低レベルの混沌とした争いが続いている。
4本のドラマが平均視聴率16%台にひしめく、団子状態になっている。
どのドラマが抜き出ることになるかが、注目である。

それにしても、前話比6.5%減という「ファースト・キス」の視聴率が酷いことになってしまった。
「牛に願いを」も3話目で一桁割れとなり、フジテレビにとっては厳しい週となってしまった。
3話目に突入した2本を除いたすべてのドラマが視聴率を下落させている悪い傾向がみられる。

1位:「山田太郎ものがたり」 17.4%→15.9%
平均視聴率争いトップに立ったものの、ちょっと下がりすぎてしまっただろうか。
ライバルともいえる「花ざかりの君たちへ」とは真逆の数値となってしまったのも好対照だ。
次週なんとしても16%台に復帰させないとライバルに遅れを取ることになりそうだ。
ジャニーズ二人組の主役であるため、参考とすべきなのは、「花ざかりの君たちへ」と同様に、平均視聴率16.9%の「野ブタ。をプロデュース」となるのかもしれない。
「野ブタ。」は16.1%→14.9%という動きをみせていたので、まだ挽回は可能だろう。

2位:「 ファースト・キス 」 19.7%→13.2%
地震(NHKニュースは15%)とサッカー(20%超を記録。瞬間最高視聴率は30%)の影響が強いと思われるが、恐ろしいほどの下落を記録した。
三連休ということもあってか、日本テレビの人気番組「はじめてのおつかい」、TBSの格闘技などのライバルの特番も健闘したようだ。
また、三連休ということもあり、外出している人もいたかもしれない。
この低視聴率は一過性のものと思われるが、本ドラマが絶大な支持を集めていないという証拠であるのは間違いない。
初回のデキや評価があまり良くはなかったのだろう。

中盤にこの数字を叩き出すのはやむを得ないとしても、二話目というのはいかがなものか。
今後に影響は出るのは間違いなさそうだ。
前話との比較で、6.5%の下落というのは、ここしばらくは計測していなかった数字ではないか。
ましてや、“月9”という看板があるだけに痛い。
「華麗なる一族」が初回27.7%から21.8%まで落としているが、かなり高い基準から、高い基準へ落としたものであり、参考にならない。
今後盛り返さないと、「孤独の賭け」での大怪我が癒えていない伊藤英明にとっては致命傷になりかねない。
井上真央にとっては、「ゲゲゲの鬼太郎」も成功を収めており、一つの怪我ではまだ大丈夫だろう。
伊藤英明に責任をなすりつけて、今回はトンズラすればよい。

3位:「花ざかりの君たちへ」  15.9%→16.8%→16.5%
引き続き、なかなかの視聴率を保っている。
ある程度の支持を獲得している証拠だろう。
競演男性陣による影響が強いと思われるが、ドラマだけでなく、映画も失敗続きだった堀北真希にとっては一安心の結果だろう。
初回の視聴率を見たときは、予想平均視聴率17.0%は夢のまた夢かと思われたが、近い数値には落ち着くかもしれない。
比較対象にしている「野ブタ。をプロデュース」は16.1%→14.9%→17.0%という動きになっているので、そろそろ17%台を叩き出さないと、「野ブタ。」超えは厳しくなってくる。

4位:「ホタルノヒカリ」 17.3%→15.2%
初回が高すぎただけで、この程度は許容範囲だろう。
同枠ドラマの「バンビ~ノ!」や「anego」が当面の目標となりそうだ。
平均視聴率14.2%の「バンビ~ノ!」は16.6%→15.0%
平均視聴率15.6%の「anego」は15.5%→13.8%となっている。
特に、「anego」あたりから大きくブレイクしていった篠原涼子の後を追うような女優になるためにも、本ドラマが「anego」の15.6%を超えることで、綾瀬はるかは一皮剥けそうな気がする。

5位:「受験の神様」 14.7%
受験モノといえば平均視聴率16.4%の「ドラゴン桜」が思い出される。
しかし、「ドラゴン桜」の初回視聴率は17.5%であるため、これには遠く及ばない結果となった。
参考となるのは、やはり「瑠璃の島」ではないか。
同じ時間枠であり、主演は同じ成海璃子である。
竹野内豊が山口達也になったと思えばいいだろう。
初回視聴率は16.0%で高めだったが、二話目では11.8%と激減していた。
「受験の神様」の次週はどのような動きになるだろうか。

6位:「山おんな壁おんな」 14.1%→13.5%
小規模の下落に留めたのは、評価できそうだ。
この下落を見る限りでは、結構支持はされているのではないか。
伊東美咲主演の「サプリ」は、初回17.9%→13.0%まで急落させていたのだから。
同時間帯のライバル「肩ごしの恋人」の不甲斐なさも影響しているように思える。
それにしても、対照的な二人の女性を主人公とするドラマを同時間帯に放映するというのは理解に苦しむ。
TBSは、いったい何を考えているのか。
反撃しようとして、逆にボコボコにされたNTTドコモの真似でもしているのか。

7位:「パパとムスメの7日間」 14.0%→12.8%→13.1%
下げ止まったのはある程度評価できるのではないか。
毎週参考例に出している、06年4月クールの同枠ドラマ「おいしいプロポーズ」は
14.1%→12.6%→12.4%と連続下落させている。
このままのペースで稼げ続ければ、予想平均視聴率14.0%に近づくことになりそうだ。
予想が外れないためにも、健闘して欲しい。

8位:「地獄の沙汰もヨメ次第」 13.7%→11.6%
07年4月クールの同枠ドラマ「夫婦道」の初回14.1%→13.2%なので、ちょっと下がりすぎかなと思われる。
とはいえ、このキャスティングの割には、予想外に高いオープニングを飾っただけであり、この辺りがこのドラマの実力ともいえるかもしれない。

9位:「女帝」 12.4%
テレビ朝日の金曜日21時枠としては、予想外に高いオープニングを飾った。
前クールの「生徒諸君!」(初回9.4%)や「レガッタ」(初回9.5%)同様に一桁スタートするのではないかという懸念もあったが、大きくコケることはなさそうだ。
ただし、同枠ドラマの「わるいやつら」が初回視聴率13.6%から大きく崩して、平均視聴率9.4%まで転落しているので、初回高かったからといって油断はできない。

10位:「探偵学園Q」 12.4%→10.9%→12.1%
初回に近い数値に戻したのは、かなり評価できそうだ。
先クールの「セクシーボイスアンドロボ」は12.5%→8.7%→6.9%という下落の一途を辿ったので、神木隆之介と志田未来コンビは、松山ケンイチと大後寿々花コンビよりもだいぶ評価されているといえそうだ。
同時間帯に放送されている「牛に願いを Love&Farm」がほぼ終了しているので、こちらに流れてきているのかもしれない。
このまま12%台をキープさせればよいのだが。

11位:「ライフ」 11.0%→11.7%→10.9%
刺激的な回の翌週にしては、予想外に下がりすぎているのではないか。
初回とほぼ同じ程度なので、そう悲観するレベルではないが。
見る予定はなかったが、たまたま約10分ほど鑑賞してみた。
視聴覚室で針の飲まそうとしているシーンだったが、ちょっと手法が古くないか。
今の女子高生はあんなことしないだろう。
次週以降、さらにイジメがエスカレートしそうにみえるが、生ぬるい結果に終わりそうだ。それほど高い視聴率は期待できないかもしれない。

12位:「牛に願いを Love&Farm」 10.2%→10.4%→9.6%
3話目にして、ついに一桁に突入してしまった。
「僕の生きる道」シリーズに通じるような真面目なドラマだと思われるが、「僕」シリーズは老若男女に受けいられる作品であったが、本作はあまりにも間口な狭すぎたと思う。
次週以降も低視聴率の平行線を辿るのではないか。
作品の質が高ければ「わたしたちの教科書」のようなV字型上昇の望みはあるかもしれないが。
一つ起爆剤となるような話題づくりが欲しいところだ。
完全に意気消沈してしまっている。

13位:「菊次郎とさき」 10.9%→8.4%
03年、05年のクールを含めて、過去最低の視聴率をマークした。
03年 初回12.0%→10.4%(最低視聴率10.3%)
05年 初回16.1%→13.9%(最低視聴率13.7%)
これはもう無理かもしれないね。
第三弾ということで、残念ながら完全に飽きられてしまっているのではないか。

14位:「肩ごしの恋人」 10.2%→8.8%
最大の問題は、裏番組に「山おんな壁おんな」あることではないか。
対照的な女性二人同士を描くというドラマを二社で同時間帯に放映するというのは間違っている。
結果は、華やかなコンビのフジテレビに完全に押され、おばさん二人のTBSは完敗状態。
真っ向勝負を挑んだのか、挑まれたのかどうか分からないが、TBS側の作戦ミスだろう。
どこまで下がるのかを逆に注目したい。

テーマ:視聴率ランキング - ジャンル:テレビ・ラジオ

国内映画興行収入ランキング(7月3週目) 【映画】

(注意)興行収入の数字は暫定のものです。ご了承ください。
今週月曜日の海の日の数字は含まれていませんので、ご注意ください。

3本の新作がランクインしたため、2週目で「ドルフィンブルー フジ、もういちど宙(そら)へ」及び「傷だらけの男たち」並びに11週目で「スパイダーマン3」が圏外へ消えた。

「ドルフィンブルー フジ、もういちど宙(そら)へ」は現在5.7千万円程度の興行収入。
はっきりいってこの数字は酷すぎる。
ランキングした邦画映画では過去最低のレベルかもしれない。
100館程度の公開館数ということを踏まえても、かなりの大コケ作品といっていいのではないか。
2週目にして公開館数がもっと少ない「傷だらけの男たち」にトータル興行収入で劣っているというのは、かなりヤバいと思う。
最終的には1億円をちょっと超える程度となりそうだ。
松山ケンイチ単独主演では客を呼ぶのは難しいのかもしれない。
知名度の高い「L」のスピンオフ企画は大きくコケることはないと思うが、爆発的なヒットは期待できそうもない。

「傷だらけの男たち」は現在6.8千万円程度の興行収入。
100館未満の公開館数でランキング入りできたということを評価すべきだろうか。
もともとヒットは期待されていなかった作品であり、この結果はやむを得ないだろう。
それにしても、エイベックスは渋いところを狙っている。
確か、「クィーン」や「蒼き狼」もエイベックスが少々絡んでいるはずだ。
センスが良いのか、悪いのか、微妙なところだ。

「スパイダーマン3」は3連休の成績を含めると、10位としているランキングデータもある。
よく粘っているが、トータルでは変わらず70億円程度の興行収入。
公開前個人予想は70億円だったので、かなり近い数字に落ち着いた。
もう少々上乗せして、お役御免だろう。
配給会社期待値100億円には遠く及ばない結果となった。
ゴールデンウィークを完全に利用したにも関わらず、あまり大きく伸びなかったのは、やはり「パイレーツオブカリビアン」に客層を奪われてしまったからだろうか。


1位「劇場版ポケットモンスター/ダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ」(1週目)
【個人予想】 35億円
土日では7.8億円、月曜日を含めると11.3億円を突破している模様。
過去の作品もかなりのパワーを持っていたが、それを1.5倍~1.7倍を上回る程度のオープニングを飾った。
単価が低い割には、子ども達のパワーも侮れない。
ニンテンドーDSをフルに利用した前売りや劇場配信などの効果がかなり生じているようだ。
この商戦は金もそれほど掛からないので、かなりお得と言えるのではないか。
最新の流行やニーズを掴んで、それを利用するというのは、上手い手法だと唸(うな)らされる。

「劇場版ポケットモンスター」の過去の興行収入は以下のとおりとなっている。
06年 34.0億円
05年 43.0億円
04年 43.8億円
03年 45.0億円
02年 26.7億円
01年 39.0億円
00年 48.5億円
99年 配給35.0億円(興行収入は倍程度)
98年 配給41.5億円(興行収入は倍程度)

00年以降、壁となっている50億円を狙いたいところだろう。

2位「劇場版 西遊記」(1週目)
【個人予想】 40億円 【配給会社期待値】59(ごくう)億円
土日では5.2億円、月曜日を含めると7.8億円を突破している模様。
07年に公開された邦画(アニメを除く)の中では、「どろろ」を抜き、トップのオープニングを記録した。
しかし、身内の東宝作品に敗れる誤算は痛かった。
1位の登場で今後に弾みを付けたかっただろう。
微妙な作品でもあるので、2位スタートだとかなりイメージも悪くなる。
あまり客が入っていないと思われると、今後の伸びに影響するのではないか。
今回は単に相手が悪すぎただけだ。

オープニング比較では
「どろろ」4.5億円(トータル34億円)
「日本沈没」6億円(トータル53.4億円)
「THE 有頂天ホテル」5.7億円(トータル60.8億円)
となっており、40億円程度へのスタートとしては悪くないのではないか。
台風もあったり、地震もあったりしたので、次週以降の伸びを期待したいが、強敵が待ち構えているので、恐らくランキング1位に立つことは一度もないだろう。

3位「ダイハード4.0」(3週目)
【個人予想】 50億円
(参考)「1(88)」18億円、「2(90)」51億円、「3(95)」72億円
3億円弱程度を週末に稼ぎ出し、トータルでは26億円突破を目前としている。
1週間の伸びは、8億円弱程度だろうか。
それほど激しい落ち込みがないのが、好印象だ。
ただ一点懸念していることがある。
7月28日から「レミーのおいしいレストラン」、8月4日から「トランスフォーマー」が始まる。
メイン館である有楽町の日劇PLEX1を「トランスフォーマー」に明け渡してしまうと、「ダイハード4.0」の行き場がなくなってしまうのではないか。
どこかにムーヴオーバーさせるとしても、たった1ヶ月程度でお役御免とはもったいない。
「トランスフォーマー」公開以後の「ダイハード4.0」の劇場の動きにも注視したいところだ。

4位「パイレーツオブカリビアン/ワールドエンド」(8週目)
【個人予想】100億円
(参考)「デッドマンズチェスト(06)」100億円、「呪われた海賊たち(03)」68億円
1.9億円程度を週末に稼ぎ出し、トータルでは99億円を突破。
1週間の伸びは、3億円程度だろうか。
この勢いだと、月曜日での100億円達成はできたのではないか。
8月10日公開の「オーシャンズ13」にメイン館の丸の内ピカデリー1を明け渡すので、それまでが勝負だろうか。
前作を超えたので、当面の目標は05年公開された洋画興行収入トップの「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」の110億円ということになるだろう。

5位「シュレック3」(3週目)
【公開前個人予想】 20億円
(参考)「2(04)」25億円、「1(01)」23億円
1.4億円程度を週末に稼ぎ出し、トータルでは10.6億円を突破。
1週間の伸びは、3億円程度だろうか。
「シュレック2」は3週目終了時点では13億円を超えており、やはりペースは鈍い。
去年の「カーズ」(トータル22.3億円)をやや上回っているので、夏休みの需要に期待するしかないか。

6位「舞妓 Haaaan!!!」(5週目)
【公開前個人予想】6~8億円  【配給会社期待値】30億円
7.5千万円程度を週末に稼ぎ出し、トータルでは16.7億円を突破。
1週間の伸びは、2億円程度だろうか。
メイン館を奪われてしまったが、なんとか頑張っている。
今年公開された邦画の中では暫定5位をほぼ確定させた。
「西遊記」「どろろ」「アンフェア the movie」「ゲゲゲの鬼太郎」に次ぐヒット作となった。
他の作品に比べ、あまり金が掛かっていないように思われるので、相当利益が期待できそうだ。

7位「それいけ!アンパンマン シャボン玉のプルン」(1週目)
4.8千万円程度のオープニングを飾った。
毎年アンパンマンシリーズは公開されているが、ランキング入りしたのはあまり記憶にない。
下位争いの低レベル化が進んでいるからではないか。
本来ならランキングできるレベルではない作品が最近多数ランキングしているのは、気になるデータだ。
二極化が進んでいるのかもしれない。

8位「300<スリーハンドレッド>」(6週目)
【公開前個人予想】13億円
3.4千万円程度を週末に稼ぎ出し、トータルでは15.1億円を突破。
1週間の伸びは、7千万円弱程度だろうか。
勢いは無くなってきたが、なんとか15億円を突破した。
残念ではあるが、今週末でほぼ打ち切られる。
「スパルタ魂」の精神に則り、よく頑張った。

9位「憑神(つきがみ)」(4週目)
【公開前個人予想】12億円  【配給会社期待値】20億円
3.2千万円程度を週末に稼ぎ出し、トータルでは6.4億円を突破。
1週間の伸びは、1億円程度だろうか。
「バブルへGO!!/タイムマシンはドラム式」といった作品よりも劣っているようでは、妻夫木の実力を疑いたくもなってくる。
「どろろ」や「涙そうそう」は作風のチカラが大きかったのかもしれない。
こういった結果をみると、「武士の一分」を40億円を超えるヒットに導いた木村拓哉はやはり凄いな。

10位「ゾディアック」(5週目)
【公開前個人予想】7~8億円
1.5千万円弱程度を週末に稼ぎ出し、トータルでは3.9億円を突破。
1週間の伸びは、3千万円程度だろうか。
今週で打ち切られるため、4億円で終了か。
期待ハズレもいいところだ。


今週ランキングが期待できるのは、「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」と「ピアノの森」。

「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」は先行公開されて、すでに11.7億円を稼いでいる。
1位登場は確実だろう。
果たして、どこまで稼ぐのか注目だ。
ハリー・ポッターシリーズの過去の作品の興行収入は以下のとおり。
01年冬「賢者の石」    203億円
02年冬「秘密の部屋」   180億円(減少率11.3%)
04年夏「アズカバンの囚人」135億円(減少率25%)
05年冬「炎のゴブレット」 110億円(減少率18.5%)

恐ろしいほど稼いでいるシリーズであるが、結構な勢いで興行収入を減少させている。
ここまでのロングシリーズだと、ストーリーに付いていくのも大変ということだろうか。
前作の1割減少と考えるとだいたい99億円となる。
2割減少と考えるとだいたい88億円となる。
この間をとって、95億円辺りが落ち着きどころではないか。
減少率は13.6%ほどとなって、収まりとしては悪くない。
先行公開が上手くいったとしても、「トランスフォーマー」や「オーシャンズ13」といった曲者がライバルとなるため、楽観視はできない。

「ピアノの森」もこのメンバーならば通用するだろう。
森のピアノを通して少年たちの友情を描く作品。
上戸彩 、神木隆之介 、池脇千鶴などが声優として参加している。
イメージ的には、オープニング5千万程度、トータル興行収入3億円程度の作品だろうか。

予想順位(今週) 自己評価 タイトル(主な公開劇場)
1(-) ×「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」(丸の内ピカデリー2)
2(1) ×「劇場版ポケットモンスター」(日劇PLEX2)
3(2) ×「劇場版 西遊記」(日比谷スカラ座)
4(3) 済「ダイハード4.0」(日劇PLEX1)
5(4) 済「パイレーツオブカリビアン/ワールドエンド」(丸の内ピカデリー1)
6(5) 済「シュレック3」(丸の内TOEI2)
7(-) ×「ピアノの森」(丸の内プラゼール)
8(6) △「舞妓 Haaaan!!!」(有楽町スバル座)
9(7) ×「それいけ!アンパンマン シャボン玉のプルン」(シネマート新宿)
10(9) ×「憑神(つきがみ)」(丸の内TOEI1)

テーマ:興行収入ランキング - ジャンル:映画

「デューン/砂の惑星」DVDレビュー 【映画】

◆評  価    4.5点
◆分かりやすさ  B(分かりやすくなるように努力はしていると思う)
◆おススメ度   C(見ても何も残らない作品)

デイヴィッド・リンチ監督作品の中で唯一鑑賞していなかった作品。
「インランド・エンパイア」公開を記念して、鑑賞することとした。
190分ヴァージョンもあるとは聞いているが、鑑賞したのは130分ヴァージョンのもの。

興行的にも大きく失敗し、作品としてもリンチ自身失敗作と認めているようだが、最大の失敗理由は、内容があまりにも大部すぎたことだろう。
本作は、「スター・ウォーズ」3部作を一つの映画にまとめてしまったようなものだ。
そのため、ストーリーをなるべく円滑に進めるために、説明すぎる部分や、逆に省略されている部分が大量に出てきてしまった。

また、ストーリーに解釈の余地があまり生じないため、リンチ監督のよさがほとんど発揮されなかったのも痛かった。
型に嵌まった映画を作るのは、リンチ監督は向いていないのだろう。
やはり、表と裏の二つの異なる世界を描いてこその人だ。

ただ、失敗作とはいえ、完成度はそれほど低くはない。
莫大な製作費を掛けたといわれるだけあって、スケールはかなり大きい。
随所に自分らしさを出そうと頑張っているが、それが逆に中途半端になっているため、痛々しくも感じられる。
ハルコネンの風体、ハナにつける砂漠用の器具、格闘用の変なシールド、皇帝よりも偉い得たいの知れぬ化け物など…。

デューンの世界観をリンチの解釈で再構成されれば、面白い映画になったかもしれないが、そう上手くはいかなかったようだ。
映画のすべてを自分でコントロールできる立場にはなかったのだろう。

テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画

全米映画興行収入ランキング(7月第3週目) 【映画】

順位(先週)公開週   タイトル   (公開館数) 興行収入 (トータル収入)
1(-)1週目「HPと不死鳥の騎士団」(4285館)$77,410,000($140,017,000)
2(1)2週目「トランスフォーマー」   (4050館)$36,000,000($222,990,000)
3(2)3週目「レミーのおいしいレストラン」 (3625館)$18,019,000($143,004,000)
4(3)3週目「ダイハード4.0」      (3201館)$10,875,000($102,918,445)
5(4)2週目「License to Wed」   (2715館)$7,440,000($30,508,000)
6(6)4週目「1408」          (2206館)$5,010,000($62,202,706)
7(5)4週目「エバン・オールマイティ」 (2702館)$4,971,680($87,867,130)
8(7)7週目「Knocked Up」      (1715館)$3,662,950($138,193,720)
9(9)3週目「シッコ」            (756館)$2,650,000($15,880,000)
10(10)6週目「オーシャンズ13」    (1244館)$1,910,000($112,432,000)
(参考:IMDbのボックスオフィス)

新作が1本ランクインしたため、5週目で「ファンタスティックフォー:銀河の危機」が圏外へ消えた。

「ファンタスティックフォー:銀河の危機」は現在127百万ドルという興行収入。
05年の前作のトータル興行収入は155百万ドルであるため、前作に比し、だいぶ劣ってしまった。
途中まで前作と同じようなペースを保っていたが、終盤の伸びを欠いてしまった。
(週数)  前作  本作
1週目   56    58
2週目   100   97
3週目   123   115
4週目   136   124
5週目   144   127
6週目   149   -

興行収入が伸びなかったのは、評価が良くも悪くもない普通程度というものだからだろうか。
初回作は目新しさや期待感が高いので、高めの興行収入となることも多い。
以下の「ハリー・ポッター」だけではなく、「オーシャンズ」、「スパイダーマン」などにも見られる傾向である。
「シュレック」や「パイレーツオブカリビアン」のような続編が爆発するケースもないことはないが。

1位となったのは、「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」。
水曜日からの公開であったが、1週目にして140百万ドルという高いオープニングを飾った。
ハリー・ポッターシリーズの過去の作品のオープニング比較は以下のとおり。
01年「賢者の石」    90百万ドル(トータル318百万ドル)
02年「秘密の部屋」   88百万ドル(トータル262百万ドル)
04年「アズカバンの囚人」94百万ドル(トータル249百万ドル)
05年「炎のゴブレット」 103百万ドル(トータル290百万ドル)
いずれも金曜日からの公開のため、単純な比較は出来ないが、過去最高に近いペースの興行収入ではないだろうか。
3億ドルに近い興行収入まで伸ばすことができるだろう。
いまのところアメリカ国内の評価はかなり高い。

2位になってしまったが、「トランスフォーマー」の勢いは止まらない。
2週目にして2億ドルを突破。
05年の「宇宙戦争」のトータル234百万ドルもクリア目前。
独立記念日があったので、単純な比較はできないが、「パイレーツオブカリビアン/ワールドエンド」の2週目終了時の成績218百万ドルを上回っている。
3億ドルはなかなか困難だと思うが、狙える位置にはいる。
早くも続編という声も出ている作品だ。
日本公開の8月4日が楽しみだ。
アメリカ国内の評価もかなり高い。

なお、先週紹介した、「24」でお馴染みのエリシャ・カスバート主演のサスペンス「Captivity」は、圏外の12位スタートとなった。
オープニング1.6百万ドルという悲惨な成績に終わった。
主演女優としては、今後ちょっと苦しいかもしれない。

次週は、「Hairspray」と「I Now Pronounce You Chuck and Larry」が公開される。
「Hairspray」は、ジョン・トラボルタ、クイーン・ラティファ主演の人気ミュージカルの映画化。
監督は、アダム・シャンクマン。
01年の「ウェディング・プランナー」、03年の「女神が家にやってきた」、05年の「キャプテン・ウルフ」、05年の「12人のパパ2」などを手掛けている。
このうち、「女神が家にやってきた」と「キャプテン・ウルフ」は1億ドルを突破させているヒットメイカー。

ミュージカルの映画化というと、06年の「ドリームガールズ」というヒット作(トータル103百万ドル)が思い出されるが、05年の「プロデューサーズ」が19百万ドル、「RENT」が29百万ドルと大きくコケている。
結構、当たり外れの多いジャンルでもあると感じている。
根拠はないが、イメージ的には6~8千万ドル程度の作品ではないか。
爆発的にヒットするというイメージはない。

「I Now Pronounce You Chuck and Larry」は、アダム・サンドラー、ケヴィン・ジェームズ、ジェシカ・ビール主演のコメディ。
監督は、デニス・デューガン。
デニス・デューガンは、アダム・サンドラーとともに99年の「ビッグダディ」を163百万ドルの大ヒットへ導いている。

男性の消防士二人が、偽装結婚をして、保障を受けようとするというストーリー。
アダム・サンドラーは今年公開された「Reign Over Me」がトータル20百万ドルと振るわなかったが、コメディ作品においては、以下のようにほぼ外れがない。
06年「もしも昨日が選べたら」が約137百万ドル
05年「ロンゲストヤード」が約158百万ドル
04年「50回目のファーストキス」が約121百万ドル
03年「NY式ハッピーセラピー」が約134百万ドル
02年「Mr.ディーズ」が約126百万ドル
内容も結構面白そうなので、120百万ドル~130百万ドルは堅いだろう。

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「レクイエム・フォー・ドリーム」DVDレビュー 【映画】

◆評  価    8.5点
◆分かりやすさ  A(ストーリーはシンプル) 
◆おススメ度   A(衝撃的なストーリーは見て損はない)

本作のダーレン・アロノフスキーの演出手法ははっきり言ってそれほど好きではない。
しかし、チカラのある見事な画像・迫力のある演技には、引き込まれてしまった。
ラストの衝撃度のみならず、優れた作品であることは認めざるを得ない。
ドラッグの恐怖というよりも、何かに依存せざるを得ない人間たちの寂しさ、哀しさというのが深く描かれている点を評価したい。
この点によって、巷にあふれる「ドラッグ映画」とは一線を画するのではないか。

「夢」への鎮魂歌というタイトルがストーリーに非常にマッチしていると感じられる。
4人のそれぞれの「夢」はすべて死んでしまっている。
だからこそ、レクイエム(死者のためのミサ曲)なのだろう。

サラ・ゴールドファーブは、テレビに出演するという「夢」を持っている。
この「夢」が叶えば、夫と息子とともに幸せに暮らしていた昔のような生活に戻れると思ったのだろう。
現実のところは、息子や孫たちに囲まれて暮らすという生活を夢見るだけの、テレビに依存する一人単身で暮らす寂しい老人だ。

この「夢」を象徴しているのが「赤いドレス」だろう。
この「赤いドレス」を着ることが、夢への一歩になると信じている。
そのためにダイエットせざるを得なくなるが、過酷なダイエットはきつすぎて、徐々にクスリへ溺れていく。

彼女には、この「夢」にすがりつくしか生きる道が残っていなかったのだろう。
彼女自身の中に自分を輝かせるための何かが欠如しているのではないか。
誰かの世話を焼くことや、この「夢」に依存するしか、自分を輝かせるものがないというのが寂しすぎる。

息子のハリー・ゴールドファーブも同様に、自分の中には何もなく、何かに依存せざるを得ない人間だ。
マリオンへの愛に依存し、クスリに依存するだけの空っぽの男性だ。
マリオンとの生活に「夢」を求めたとしても、その「夢」が脆くて儚いというように感じたためだろうか。
確かなもの(マリオンのための店)を求めるようになっていく。
だからこそ、彼には金が必要だったのではないか。
金こそが「夢」への一歩へと繋がると感じたのだろう。
そのために、犯罪へと手を染め、徐々にクスリに溺れていく。

マリオンもタイロンも何らかの「夢」は抱いているが、自分に「自信」がないから逃避するしかないのだろう。
それぞれの逃避の結果には、それぞれ転落しかないという姿が見事に描かれている。

夢を持つこと自体は悪いことではないが、夢を叶える「手段」が大きくズレてしまい、「手段」自体がある意味「目的」へと代わっていってしまっている。
そのため「夢」がボヤけて、本来の「目的」を見失っているように感じられる内容となっている。

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「π(パイ)」DVDレビュー 【映画】

◆評  価    6.0点
◆分かりやすさ  B-(分かりにくいというより内容がない) 
◆おススメ度   C (ストーリーを楽しみたい人には向かない)

理解不能、解説不能の作品だが、語るべき内容がないというべきだろう。
ただ単に、何かに取り憑かれた、頭がイカれた男の姿が面白く描かれているだけだ。
「万物を支配する法則」「216桁の数字」「らせん」など話を膨らませようとしているが、これはコケ脅しに過ぎない。
解決不能の何かに取り憑かれているだけにすぎず、そのために頭痛がたびたび起きるだけだ。

6歳のとき、母親に太陽を見るなと言われたにも関わらず、見てしまったように、「万物を支配する法則」などを解明できないことを解明しようとするから、激しい頭痛に襲われるのだろう。
それを考えることを放棄したラストの彼の姿には、頭痛に悩む過去の面影はなくなっている。

頭痛が起きたときに、現実とは異なる摩訶不思議な世界が繰り広げられるのが特徴だ。
その際の映像は引き込まれる世界観が感じられ、評価してもよい。
この世界観と白黒画面が上手くマッチングしていると思う。
カラーだったら、はっきりいって映画にはならなかっただろう。
ゴマカシの利く白黒だからこその映画だ。

一見哲学的なようにはみえるが、哲学的な映画ではなく、はっきりいって映像を楽しむタイプの映画ではないだろうか。
ストーリーを楽しむタイプの映画ではないので、意味が分からなくて当然である。
1度しか見ていないが、何度見ても理解できるストーリーなどないだろう。

序盤からデイヴィッド・リンチ監督の「イレイザーヘッド」に似ていると感じていたが、脳みそが出てきたシーンを見て、やはり強い影響を受けているのではないかと思った。

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2007年7月クールドラマ視聴率結果(初回その2)

順位  タイトル      初回  最新話 前話との対比  平均(予想平均) 
1位「  ファースト・キス  」 19.7%  19.7%(-%)    19.7%(17.5%)
2位「山田太郎ものがたり」 17.4%  17.4%(-%)    17.4%(10.5%)
3位「  ホタルノヒカリ  」 17.3%  17.3%(-%)    17.3%(12.0%)
4位「花ざかりの君たちへ」 15.9%  16.8%(▲0.9%)  16.4%(17.0%)
5位「 山おんな壁おんな 」 14.1%  14.1%(-%)    14.1%(11.5%)
6位「地獄沙汰もヨメ次第」 13.7%  13.7%(-%)    13.7%(10.0%)
7位「パパムスメの7日間」 14.0%  12.8%(▽1.2%)  13.4%(14.0%)
8位「探 偵 学 園 Q 」 12.4%  10.9%(▽1.5%)  11.7%(13.0%)
9位「ライフ ~LIFE~ 」 11.0%  11.7%(▲0.7%)  11.4%(9.0%)
10位「 菊次郎 と さき  」 10.9%  10.9%(-%)    10.9%(13.5%)
11位「牛に願いを/L&F」 10.2%  10.4%(▲0.2%)  10.3%(15.5%)  
12位「 肩ごし の 恋人 」 10.2%  10.2%(-%)    10.2%(12.0%)
-位「 女帝(じょてい) 」  (8.5%) ※7月13日金曜日スタート
-位「  受験の神様  」 (12.5%) ※7月14日土曜日スタート
-位「  スシ王子!  」 (12.0%) ※7月27日金曜日スタート

フジテレビの独走をTBS、日本テレビのそれぞれのドラマが追う展開となった。
その後、フジテレビとTBSの2本ずつのドラマが続いている。

1位:「 ファースト・キス 」 19.7%
予想の範疇内の順当なスタートを切った。
先クールの「プロポーズ大作戦」の初回視聴率も19.3%(平均視聴率17.3%)だったので、20%前後の数値が今後の月9ドラマのオープニングの基準になるのかもしれない。
なお、この数字は04年以降の月9ドラマの中では15ドラマ中9番目の数字。
トップは「西遊記」の29.2%、8位は「危険なアネキ」の21.1%となっている。
10位は、前述の「プロポーズ大作戦」の19.3%。

2位:「山田太郎ものがたり」 17.4%
予想を大きく上回り、非常に高いオープニングを飾った。
「花より男子」の若い視聴者層が、「花ざかりの君たちへ」へとシフトするかと思われたが、まさかこっちに来るとは思わなかった。
金曜日22時枠も「花より男子」と同じであり、確かにヒットする土台はあったのかもしれない。
同じ嵐の松本潤主演作の「花より男子2」の初回視聴率19.4%には遠く及ばないものの、「バンビ~ノ!」の初回視聴率16.6%を上回るものとなった。
「拝啓、父上様」の初回視聴率が12.9%であったが、こちらは二宮の支持層には合致しないドラマだったのだろう。
キャスティングと内容が見事にマッチした結果かもしれない。
初動タイプで終わるのか、高視聴率を今後も維持できるのか、注目だ。

3位:「ホタルノヒカリ」 17.3%
女性の共感を呼んだのだろうか。
最近になって「干物女」という言葉が巷でも聞こえるようになっており、意外と伸びるかもしれないと思っていたら、予想外に高いオープニングを飾った。
水曜日22時枠としては「ハケンの品格」の18.2%、「14才の母」の19.7%には及ばないものの、04年以降の作品では「バンビ~ノ!」や「anego(初回15.5%)」などを上回る好スタートを切った。
ひょっとしたら、今後これ以上伸びる可能性もある。

4位:「花ざかりの君たちへ」  15.9%→16.8%
2話目にして急上昇。
初回が低すぎただけであり、やはりそれなりに視聴率は稼げるドラマではないか。
人気のある原作ということなので、潜在的な視聴者はある程度多いと思われる。
比較対象にしている05年12月クールの「野ブタ。をプロデュース」は16.1%→14.9%
火曜日21時の同枠ドラマの「アテンションプリーズ」は17.7%→14.9%
と激減させているだけに、「花ざかりの君たちへ」は高視聴率の期待はできそうだ。
初回の視聴率を見たときは、完全に予想が外れたと思ったが、平均16%台あたりは十分狙えるだろう。

5位:「山おんな壁おんな」 14.1%
予想よりも高いオープニングとなったが、先クールの「わたしたちの教科書」とほぼ同じ(14.2%)数値となっている。
伊東美咲主演作ということで、視聴率の低迷が懸念されたが、やや新鮮な題材が若い層に受けたのだろうか。
エロ目的の男性にも関心をひかれたのではないかと思っている。
この視聴率を維持できるかは、作品の質に関わってくると思う。
今後、視聴率を下落させるのか、維持できるのかを注視したい。

伊東美咲主演の06年7月クールの「サプリ」の初回視聴率は17.9%であり、平均視聴率は14.2%となっている。
その対比で考えれば、本ドラマは11%台の平均視聴率となるだろうか。
放送前の予想視聴率の11.5%という数字は、今のところそれほどブレてはいないと思っている。

6位:「地獄の沙汰もヨメ次第」 13.7%
キャスティングの割には、意外に高いオープニングを飾った。
一般的なドラマと同視するのではなく、「渡る世間は鬼ばかり」や先クールの「夫婦道」と同様のやや年配向けのドラマであるようだ。
放送前の考え方を改める必要がありそうだ。
やや古くさいホームドラマだと思ったが、古くても問題ないのかもしれない。

「夫婦道」の初回視聴率が14.1%であり、平均視聴率が13.6%なのだから、「地獄の沙汰もヨメ次第」はその対比で考えると、今のところ13%台の視聴率も期待できる。

7位:「パパとムスメの7日間」 14.0%→12.8%
あっさりと視聴率は下落してしまった。
06年4月クールの同じ枠で放送された「おいしいプロポーズ」とほとんど同じ動き(14.1%→12.6%)をしている。
「おいしいプロポーズ」の平均視聴率が12.0%であるから、本ドラマも最終的には平均視聴率12%台に落ち着くだろうか。
舘・新垣コンビには新鮮さはあったが、高い視聴率を獲得するほどの効果はなかったようだ。
このドラマは7日間に合わせいるつもりなのか、7話で終了とも聞いているが、TBSはその後どうするつもりなのだろうか。
06年10月クールの「セーラー服と機関銃」も7話で終了して、その後「笑える恋はしたくない」を3週間放映していた。

8位:「探偵学園Q」 12.4%→10.9%
先クールの「セクシーボイスアンドロボ」は12.5%→8.7%という動きだったので、「セクシーボイスアンドロボ」よりはまだマシかもしれない。
しかし、2話目にして二桁割れの危機に陥るようではちょっと苦しい。

潜在的にはもっと視聴者が多いと思われるのだが。
22時に子どもドラマを放映するのではなく、思い切って8時くらいからスタートさせれば、もうちょっと高い視聴率を取れるのではないか。

9位:「ライフ」 11.0%→11.7%
仄聞(そくぶん)したところでは、衝撃的なシーンもあったとのことで、初回視聴率を上回った。
こういった手法は正直嫌いではない。
自分がもし作り手側だとすれば、視聴者に関心をひくためには、ある程度の手段はやむを得ないと考えるだろう。
問題は、関心をひいた後に質の高いものを引き続き視聴者に提供できるかどうかだろう。
一瞬だけ視聴率が高くてもダメであり、いかに集めた視聴者の興味を逸らさないようにすべきかがポイントとなる。
そういった視点が作り手側にあるのかどうかを視聴率の動きから探っていきたい。

10位:「菊次郎とさき」 10.9%
05年7月クールの「菊次郎とさき」の初回視聴率は16.1%、
03年7月クールの「菊次郎とさき」の初回視聴率は12.0%であり、
過去のシリーズに比べて、予想外に低いオープニングとなった。
続編は当たりやすいのかもしれないが、第三弾となると飽きられるというのが、他の作品でもみられる傾向である。

先クールの「ホテリアー」でさえ、11.1%のオープニングを飾っていたので、低さが分かるだろう。
「ホテリアー」の平均視聴率が8.6%であるから、ひょっとしたら一桁割れの可能性も出てきた。
安全牌と思われたこのドラマでさえコケてしまうと、テレビ朝日はちょっと苦しい。

11位:「牛に願いを Love&Farm」 10.2%→10.4%
一話目に引き続き、低視聴率になってしまった。
これはちょっともう難しいかもしれないね。
先クールの「特急田中3号」もそうであったが、少々奇をてらい過ぎたテーマだったのかもしれない。
「鉄オタ」や「農業」というアイディア自体は悪いものではないとは思うが、視聴者が斬新さに付いてきていないのだろう。
また、気軽に楽しく見れるドラマというよりも、ちょっと堅苦しさも感じられるのも、若干マイナスだろうか。

製作者の狙う対象層は、おそらく大学生あたりだったとは思うが、最近の大学生はあまりドラマを見ていないのかもしれない。
「ライアーゲーム」をヒットさせた戸田恵梨香など大学生あたりが好みそうなキャスティングが多数なされているが、年配層や若年層には向いていないキャスティングになってしまった。
若者しか見ないようなドラマが、若者からそっぽを向かれたら悲惨なことになるということだろう。

12位:「肩ごしの恋人」 10.2%
直木賞受賞作品という肩書きもほとんど効果なし。
恐ろしい低視聴率でスタートした。
米倉涼子の人気がそれほど凋落しているのだろうか。
米倉涼子主演作との比較では、06年7月クールの「不信のとき」の初回視聴率は14.0%であり、コケたといわれる07年1月クールの「わるいやつら」でさえ、初回視聴率は13.6%を取っていた。
というよりも、先クールのあの「孤独な賭け」でさえ、初回視聴率は11.2%だったので、最終的にはかなり低い視聴率を期待できるのではないか。

ここまで低いと逆に見たくなってくる。
初回を録画はしてあるので、なんとか時間を作って見てみたいのだが…。
どうしてこの手のTBSドラマの視聴率が低いのかを検証する意味においては必要だと思うが、10時間程度を無駄に掛ける意義があるかどうかは疑問。

テーマ:視聴率 - ジャンル:テレビ・ラジオ

国内映画興行収入ランキング(7月2週目) 【映画】

(注意)興行収入の数字は暫定のものです。ご了承ください。

2本の新作がランクインしたため、6週目で「大日本人」、5週目で「プレステージ」が圏外へ消えた。

「大日本人」は現在11億円程度の興行収入となっている。
メイン館を「ドルフィンブルー フジ、もういちど宙(そら)へ」に奪われてしまい、ランク落ちはやむを得ないところだ。
松竹の目標値の15億円到達はさすがに無理だろう。

公開前に個人予想をした25億円というのは、的外れどころではないとんでもない予想になってしまった。
ほとんど情報がカットされており、期待の高さだけから高めの予想をしたのだが…。
鑑賞すれば、ある程度の見込みは立てられるが、公開前に予想することには困難がつきまとう事例となった。
04年の「CASSHERN」が15.3億円稼いでいるのだから、これを上回るという読みをするのは、それほど間違っていないとは思うが。

果たして、松本人志監督の次作はあるのだろうか。
あるとすれば、もっとストレートなコメディか、純粋なヒューマンドラマを期待したい。今回の作品はかなり中途半端となってしまった。

「プレステージ」は現在4.8億円程度の興行収入となっている。
今週末に「劇場版 西遊記」に劇場を譲り渡す形となるが、5億円を突破できるかはかなり微妙だ。
ハリウッド中規模作品としては、かなり寂しい結果となってしまった。
「ゾディアック」「ザ・シューター/極大射程」など、超大作ではない洋画に元気がないのが気になる。
公開前個人予想は、6~8億円だったが、それをちょっと下回る形となってしまった。
キャスティングと題材が渋すぎたのと、作風の暗さがマイナスとなったのだろうか。


1位「ダイハード4.0」(2週目)
【個人予想】 50億円
(参考)「1(88)」18億円、「2(90)」51億円、「3(95)」72億円
4億円程度を週末に稼ぎ出し、トータルでは18億円を突破。
1週間の伸びは、9億円程度だろうか。
「ダイハード4.0」は先行があったので、単純な比較はできないが、
35億円以上稼いだ「ナイトミュージアム」は14.7億円程度※
31.2億円稼いだ「フライトプラン」は14.4億円程度※
36億円稼いだ「オーシャンズ12」は15.7億円程度※
を上回る勢いであり、「ダイハード4.0」の30億円以上の興行収入はほぼ確実か。

60億円稼いだ「宇宙戦争」は29.3億円程度※
51.5億円稼いだ「M:i:Ⅲ」は25億円程度※
46.5億円稼いだ「Mr.&Mrs.スミス」は14.6億円程度※
を稼いでいたため、この辺りの大作に比べると分が悪いかもしれない。
40億円台というのが、今のところの落ち着きどころだろうか。
※2週目終了時の成績

2位「パイレーツオブカリビアン/ワールドエンド」(7週目)
【個人予想】100億円
(参考)「デッドマンズチェスト(06)」100億円、「呪われた海賊たち(03)」68億円
2.8億円程度を週末に稼ぎ出し、トータルでは96億円を突破。
1週間の伸びは、5.4億円程度だろうか。
今週末の3連休での100億円突破をほぼ確実なものとしている。
110億円稼いだ「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」の7週目終了時の成績95.5億円を上回るものであり、05年以降の洋画ではトップの興行収入となりそうだ。
なお、04年には「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」や「ラストサムライ」が130億円を超える興行収入を記録している。
この夏の「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」との興行収入の争いの行方が気になるところだ。

3位「シュレック3」(2週目)
【公開前個人予想】 20億円
(参考)「2(04)」25億円、「1(01)」23億円
2.5億円弱程度を週末に稼ぎ出し、トータルでは7.4億円を突破。
1週間の伸びは、3.7億円程度だろうか。
前作を超えるオープニングを飾ったが、2週目ではあっさりと逆転されてしまった。
前作の2週目終了時には8.2億円程度の成績だった。
7日の土曜日に新宿ミラノ座で鑑賞してきたが、1~2割程度の入りでガラガラの状態。
1000名程度入るハコなので、ハコが大きすぎるとはいえ、かなり寂しい状態であり、本当に大丈夫なのかと心配するほどだった。
ただ、22.3億円稼いだ去年の「カーズ」の2週目終了時の成績が7.8億円なので、20億円の興行収入の目はまだ消えていない。

4位「舞妓 Haaaan!!!」(4週目)
【公開前個人予想】6~8億円  【配給会社期待値】30億円
1.4億円程度を週末に稼ぎ出し、トータルでは14.6億円を突破。
1週間の伸びは、3億円程度だろうか。
この映画の凄いところは、週末の興行収入の勢いはほとんど落ちていないところだ。
洋画の大作系に囲まれたため、気軽に楽しめそうな独自性やユニークさに着目されたのではないか。
20億円の目は残っているとは思うが、残念なのは今週末から「劇場版ポケットモンスター/ダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ」へメイン館の日劇PLEX2(有楽町)を明け渡すことだ。これは本当にもったいない。
間違いなく、勢いを殺すことになり、東宝としても嬉しいがちょっと痛い誤算だろう。
次週の成績には注目したい。

5位「憑神(つきがみ)」(3週目)
【公開前個人予想】12億円  【配給会社期待値】20億円
6.6千万円程度を週末に稼ぎ出し、トータルでは5.3億円を突破。
やはり、先週に引き続き、「それでもボクはやってない」と同程度の成績に留まっている。
10億円突破の目は確実に潰(つい)えている。
さすがにコケ認定してもいいのではないか。
「舞妓 Haaaan!!!」がヒットして、本作がコケるというのもちょっと分からないところがあるが、「憑神(つきがみ)」のコケた理由としては、作品の内容が一般の人に対してまったく伝わってこないというところだろう。
面白そうなのか、面白くなさそうなのかすら分からない映画を誰も見にはいかないだろう。

6位「300<スリーハンドレッド>」(5週目)
【公開前個人予想】13億円
4.9千万円弱程度を週末に稼ぎ出し、トータルでは14.5億円を突破。
1週間の伸びは、1.1億円程度だろうか。
そろそろ勢いは無くなってきたが、15億円突破は確実なものとしている。
若干ジャンルは異なるものの「X-MEN:ファイナルディシジョン」、「スーパーマン・リターンズ」も15億円の興行収入に留まっている。
「スパイダーマン」といった超大作ではない普通のアメコミ作品の上限というのはこの辺りにあるだろうか(「300」も一応コミック原作)。

7位「ドルフィンブルー フジ、もういちど宙(そら)へ」(1週目)
【個人予想】3億円
2.5千万円程度のオープニングを飾った。
あまり評判もよくなく、予想通りの低スタートとなった模様。
3億円もちょっと厳しいかもしれないね。

先週にも書いたが、動物感動モノというのは比較的当たりやすいジャンルであり、06年「子ぎつねヘレン」の17.8億円、05年「皇帝ペンギン」の10.0億円、04年「クイール」の22.2億円といった高い興行収入を記録している。

松山ケンイチは、「YAMATO」や「DEATH NOTE」で注目を集めたものの、「蒼き狼」やドラマでも苦戦しており、売り出しに失敗している。
「L」のスピンオフ企画もちょっと暗雲が立ち込めているかもしれない。
単独主演として集客できる役者には成長していないようだ。

8位「傷だらけの男たち」(1週目)
2.4千万円のオープニングを飾った。
先週の記事に書いたように2千万円台のオープニングだとは思ったが、ランキング入りするのは難しそうだと感じていた。
しかし、他の作品の低調に助けられ、なんとかランク入りできた。
エイベックスが配給している映画であり、今年の「ステップアップ」同様に苦戦するかと思われたが、金城武やトニー・レオンといった日本でも馴染みのあるキャスティングに助けられたようだ。
とはいえ、ランキングできなかった「ステップアップ」は3.5千万円程度のオープニングを大きく下回っているのだが。

9位「ゾディアック」(4週目)
【公開前個人予想】7~8億円
2.1千万円程度を週末に稼ぎ出し、トータルでは3.6億円を突破。
1週間の伸びは、5千万円程度だろうか。
もう完全に終わりそうな勢いだ。
かろうじて4億円を突破するだろうが、5億円を突破するのは難しそうだ。
04年「デイ・アフター・トゥモロー」が52億円ものヒットをさせ、「ブロークバックマウンテン」などで知名度を上げたように思えたジェイク・ギレンホールであったが、「ジャーヘッド」も大コケし、本作でもコケてしまった。
日本ではまだまだ集客に寄与するような役者ではないということだろう。

10位「スパイダーマン3」(10週目)
【公開前個人予想】70億円  【配給会社期待値】100億円
(参考)「2(04)」67億円、「1(02)」75億円
2千万円程度を週末に稼ぎ出し、トータルでは71億円を突破。
1週間の伸びは、5千万円程度だろうか。
完全に終わったように思えるが、まだまだ続投させる見込み。
7月28日に公開される「レミーのおいしいレストラン」でお役御免か。


今週公開される作品でランキング入りが期待されるのは、「劇場版 西遊記」と「劇場版ポケットモンスター/ダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ」の2本。

注目の「劇場版 西遊記」はどの程度の興行収入となるだろうか。
視聴率15.4%だった「アンフェア the movie」が26.0億円なのだから、単純比では22.8%の「劇場版 西遊記」は38.5億円程度稼げることになる。

古い予告編は「こんなん誰がみるんだよ!」というレベルだったが、最新版の予告編は「結構金掛かってそうで面白いかも!」とシフトしつつある。
「悟空のピンチを描く」という予告も集客に一役買いそうだ。
「ハリー・ポッター」や「ポケットモンスター」といったファミリー向けの強敵はみられるものの、夏休みは比較的稼ぎ易いので、40億円の大台を期待したい。
「ハリー・ポッター」とは異なり、気軽に楽しめるというのも利点ではないか。

40億円という数字は、「ゲゲゲの鬼太郎」の23億円のおよそ1.7倍。
1.5倍以上、2倍未満であり、それほどズレることにはならないのではないか。
去年は「日本沈没」が53.4億円、05年は「交渉人 真下正義」が42.0億円、「電車男」が37.0億円といった作品が40億円前後の興行収入を残している。
この辺りの作品とも遜色はないだろう。

敵役には、鹿賀丈史、岸谷五朗といった渋いキャスティングがなされたが、大人の観客を取り込もうという算段だろうか。
多部未華子を起用したりと、なかなかバランスを考えているのも好感はもてる。
ただ、04年に公開された「NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE」が19.3億円の興行収入となっているので、油断できるというわけではない。

「劇場版ポケットモンスター」の過去の興行収入は以下のとおりとなっている。
06年 34.0億円
05年 43.0億円
04年 43.8億円
03年 45.0億円
02年 26.7億円
01年 39.0億円
00年 48.5億円
99年 配給35.0億円(興行収入は倍程度)
98年 配給41.5億円(興行収入は倍程度)
かなりばらつきも見られるが、30億円はほぼ確実だろう。
内容はさっぱり分からないが、新シリーズがスタートするということなので、前作をちょっと上回る35億円辺りが落ち着きどころではないか。

なお、今週末には「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」の先行が予定されている。
いったい、どのくらいの興行収入を叩き出すだろうか。

予想順位(今週) 自己評価 タイトル(主な公開劇場)
1(-) ×「劇場版 西遊記」(日比谷スカラ座)
2(-) ×「劇場版ポケットモンスター」(日劇PLEX2)
3(1) 済「ダイハード4.0」(日劇PLEX1)
4(2) 済「パイレーツオブカリビアン/ワールドエンド」(丸の内ピカデリー1)
5(3) 済「シュレック3」(丸の内TOEI2)
6(4) △「舞妓 Haaaan!!!」(有楽町スバル座)
7(5) ×「憑神(つきがみ)」(丸の内TOEI1)
8(6) 済「300<スリーハンドレッド>」(ルーブル丸の内)
9(7) ×「ドルフィンブルー フジ、もういちど宙(そら)へ」(東劇)
10(8) ○「傷だらけの男たち」(日比谷みゆき座)

[個人評価]
◎ 絶対観たい作品
○ できれば観たい作品
▲ DVDか映画サービスデイだったら観たい作品
△ 映画館では観ないけどDVDだったら観るかもしれない作品
× 観ることはないでしょうの作品
済 鑑賞済み作品

テーマ:興行収入ランキング - ジャンル:映画

「オズの魔法使」DVDレビュー 【映画】

◆評  価    6.5点
◆分かりやすさ  A 
◆おススメ度   B(子ども達と子ども心を忘れない大人へ捧げられた作品)

点数は若干低めになってしまったが、点数を付けて評価するといった類(たぐい)の映画ではないのかもしれない。
童心に帰って、純粋に楽しむ映画なのだろう。
そういった趣旨では満点なのかもしれない。

「古い映画なのだから白黒なんだなぁ」と思っていたら、いきなりの嬉しい裏切りに大きく驚かされた。
信じられないくらい色彩豊かな作品であり、まるで絵画の中にでもいるみたいだった。
これがこの映画の一つの魔法だろう。

ジュディ・ガーランドの歌や表情や涙、そして仔犬のトトには本当に癒される。
この癒しこそ、この映画のもう一つの魔法だろう。

そして、この映画を見れば、「勇気」「心」「頭脳」にもいい刺激になる。
これが最後の魔法だと思う。

ファンタジックで楽しい映画であるのは間違いないかもしれないが、AFIランキング11位になるほどの質の高い作品かというとちょっと疑問だ。
おそらく、アメリカのお偉いさん達が子どもの頃に、この映画を観て、初めて映画の素晴らしさなどに気付かされた映画なのかもしれない。
彼らにとって思い入れが強い映画なのかもしれないが、自分の好きな映画を10コ言えと尋ねられて、答えの一つに入る映画ではないと思う。

主演のジュディ・ガーランドは、この後紆余曲折を経た後、「スタア誕生」でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたが、グレース・ケリーに敗れたことによるショックと薬物によって身を滅ぼすことになるとは…。
現実の世界には魔法はないのかもしれない。
魔法の世界に酔いしれるのは、やはり映画の中だけなのか。

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全米映画興行収入ランキング(7月第2週目) 【映画】

順位(先週)公開週   タイトル   (公開館数) 興行収入 (トータル収入)
1(-)1週目「トランスフォーマー」  (4011館)$67,600,000($152,503,000)
2(1)2週目「レミーのおいしいレストラン」(3940館)$29,029,000($109,546,000)
3(2)2週目「ダイハード4.0」    (3411館)$17,400,000($84,160,091)
4(-)1週目「License to Wed」  (2604館)$10,410,000($17,826,000)
5(3)3週目「エバン・オールマイティ」(3460館)$8,113,700($78,101,350)
6(4)3週目「1408」        (2631館)$7,140,000($53,789,346)
7(6)6週目「Knocked Up」    (2219館)$5,159,175($132,025,920)
8(5)4週目「F4:銀河の危機」   (2618館)$4,150,000($123,791,001)
9(9)2週目「シッコ」         (702館)$3,650,000($11,500,000)
10(7)5週目「オーシャンズ13」  (2102館)$3,525,000($109,145,000)
(参考:IMDbのボックスオフィス)

新作が2本ランクインしたため、「パイレーツオブカリビアン/ワールドエンド」と「Evening」が圏外へ消えた。

「パイレーツオブカリビアン/ワールドエンド」は現在302百万ドルという興行収入となっている。
「デッドマンズチェスト」が423百万ドルの興行収入であるため、約29%ほどの減少となり、「呪われた海賊たち」の305百万ドルとほぼ同程度のものとなっている。

また、「スパイダーマン3」が334百万ドル、「シュレック3」が317百万ドルとなっており、3強の争いではシンガリ負けになりそうだ。
公開前の自分の予想では、“完結編”という利点を活かして、3強の争いを制するかと思ったが、完結とはいえない完結ではこの利点も活かしきれないかもしれない。
本来ならば子ども向き作品であるにも関わらず、「長尺」と「分かりにくさ」がこの映画の欠点となっている。
もっと気軽に単純に楽しんでもらえるようにすればいいのではないか。
もっと稼げるはずのネタなのにもったいない。

「Evening」は、現在8百万ドルという興行収入。
ヴァネッサ・レッドグレーヴ、トニー・コレット、クレア・デーンズ主演のヒューマンドラマ。
監督は、ラホス・コルタイ。
評価はそこそこ高いようだが、さすがに地味すぎたか。


1位となったのは、「トランスフォーマー」。
独立記念日を利用して、1週間で152百万ドルもの高いオープニングを飾った。
マイケル・ベイ、スティーブン・スピルバーグにとっては、これで一安心ではないか。
製作費150百万ドルという大作だったが、たった1週間で取り戻してしまった。

予告編を劇場で見たが、感動するほどの素晴らしい出来だった。
映画の見所をあれほど凝縮されると圧倒されてしまう。
この予告編ならば、多くの者に劇場で見たいと思わせるだろう。
この予告編をみておけば、1億8千万ドル~2億ドル程度という低い予想はしなかった。

マイケル・ベイにとっては、98年「アルマゲドン」の202百万ドルを超えるのはほぼ確実な状況だ。
05年「宇宙戦争」234百万ドルも楽にクリアできるのではないか。
上手くいけば、3億ドルも見えてくるかもしれない。

「License to Wed」は4位スタート。
マンディ・ムーア、John Krasinski、ロビン・ウィリアムズの主演のロマンティックコメディー。
監督は、ケン・クワピス。
05年の「旅するジーンズと16歳の夏」などを監督している。
ムーアとKrasinskiの二人のカップルに結婚準備コースを経験させる牧師が絡み合うというストーリー。
先週書いた4千万ドルという予想に近い順当なオープニングを飾った。

「レミーのおいしいレストラン」が高評価を受けており、1億ドルをあっさり突破。
過去のピクサー作品の2週目の成績は以下のとおり。
95年「トイストーリー」65百万ドル(トータル192百万ドル)
98年「バグズライフ」69百万ドル(トータル163百万ドル)
99年「トイストーリー2」117百万ドル(トータル246百万ドル)
01年「モンスターズインク」122百万ドル(トータル256百万ドル)
03年「ファインディングニモ」144百万ドル(トータル340百万ドル)
04年「Mr.インクレディブル」143百万ドル(トータル261百万ドル)
06年「カーズ」117百万ドル(トータル244百万ドル)
「レミーのおいしいレストラン」は現在109百万ドルであるため、2億ドル近く数字には伸ばせそうな位置にいるようだ。

今週の11日の水曜日より、いよいよ「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」が公開される。
ハリー・ポッターシリーズの成績は以下のとおり。
01年「ハリー・ポッターと賢者の石」 318百万ドル
02年「ハリー・ポッターと秘密の部屋」262百万ドル
04年「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」249百万ドル
05年「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」290百万ドル
このシリーズは一度も鑑賞したことがないので、はっきり言って興味はない。
イメージ的には、本作は最低の興行収入にはならず、中程度の興行収入になるような気がする。
2億5千万~7千万ドルあたりに落ち着くのではないか。

そして、「24」でお馴染みのエリシャ・カスバート主演のサスペンス「Captivity」も公開される。
連続殺人犯に捕らえられたカスバートが、トラップが多数仕掛けられたゲームを行うという最近ではありがちなストーリー。

監督は、「キリングフィールド」「宮廷料理人ヴァテール」を手掛けたローランド・ジョフィ。
「キリングフィールド」ではアカデミー賞監督賞にもノミネートされている。
珍作「スーパーマリオ/魔界帝国の女神」にもノンクレジットながら複数の監督の一員に加わった経験をもっている。
共演は、日本では馴染みのないダニエル・ギリスとプルート・テイラー・ヴィンス。
プルート・テイラー・ヴィンスは「海の上のピアニスト」「アイデンティティー」に出演していたちょっと太目の役者である。

エリシャ・カスバート主演作といえば、
04年の「ガールネクストドア」が約15百万ドル、
05年の「蝋人形の館」が約32百万ドルとなっている。
となると、「Captivity」はトータルの興行収入2千万ドル台という作品になるのではないか。

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『ボルベール<帰郷>』レビュー 【映画】


「男性にはちょっと難しいかもしれない…。」

◆評  価    5.5点
◆分かりやすさ  A (先が分かりやす過ぎてオチがオチていない)
◆おススメ度   B-(女性ならば、評価も変わるのだろうか)

「トゥークトゥハー」など優れた傑作を世に送り出す巨匠ペドロ・アルモドバル監督作品。
ペドロ・アルモドバル監督にそれほど心酔しているわけではないけれども、世界に通用する才能については、一目を置いている。
ただ、「ボルベール<帰郷>」については、何度か観れば変わってくるかもしれないが、正直にいうとピンと来なかった。
アカデミー賞外国語部門にもノミネートさえされず、カンヌでもパルムドールを逃したのもやむを得ない結果ではないかとも感じた。

「女性賛歌」をテーマにしており、男性の自分には合わないのは仕方がないかもしれない。
また、「バッドエデュケーション」もそうであったが、自己の作品やテーマである“母”に対するアルモドバル監督の思い入れが強すぎて、一般向けでなくなっているようにも感じられた。
分かる奴だけが、分かればよいと自己中心的になっていないか。

【ありきたりなネタ】<ネタバレ>
本作はオチがどうだとか、彼女らの秘密がどうだとか、そういった趣旨の映画ではないのは明らかである。
しかし、それにしてもこの使い古されたネタにはウンザリしないだろうか。

また、とてもガッカリしたのは、中盤においてすべてのネタがほとんど見えてしまっていることだ。
ライムンダとパウラとの会話で、「本当の父親は誰なの?」「今は言えないけど、村の人よ」という会話から、ほとんど最後までタネが読めてしまう。
死んだはずの母が生きているという火事の真相もこの辺りにあるというのは明らかなことだ。
もう少し観客に先を読ませないような工夫をして欲しかったところだ。

【女性としての業】
ライムンダに、母のイレネと同じ“業”を背負わせたいという狙いは分かるものの、「夫の死」がやや軽く扱われすぎているように感じられる。
「夫の死」が、それほどライムンダに重くのしかかっていないようにも感じられるのだ。

仕事や家庭に疲れ、夫の死によってさらに打ちのめされたライムンダがにっちもさっちもいかなくなり、彼女が帰るべき場所が“母親”にあるという流れには感じられなかった。
結構、仕事や仲間とも楽しくやっており、姉や娘との関係もそれほど悪くない。
彼女からは、自分の人生が行き詰っている閉塞感は感じられないのだ。
帰るべき場所がたとえなかったとしても、ライムンダは逞しく生きられるのではないか。
そう感じさせないためには、彼女の『弱さ』を描くべきなのだろう(彼女の気持ちを(吹き替えのようだが)「VOLVER」の曲に込めたのかもしれないが)。

【6名の女性の相互の関係】
娘であり、妹であり、母でもあるライムンダを中心に、母イレネ、姉ソーレ、娘パウラ、叔母、そして隣人のアグスティナの関係が繰り広げられる。
気になるのは、これらの関係が序盤からあまり悪くないことだ。

姉妹の仲はとてもよく、娘のパウラとの関係も悪いようにみえない。
隣人のアグスティナの関係は少々ギクシャクしているようにもみえるが、嫌悪し合っている関係にはみえない。
肝心の母イレネとの関係も、言葉では「自分の苦悩を分かってくれない母を憎んでいた」というセリフが聞こえてくるが、それほど悪いようにみえないのである。
むしろ、とても愛し合っているのが序盤から感じられる。

通常の映画だと、
<良好>→<悪化>→<良好>
または、
<既に悪化している状態>→<良好>
へと描かれるべきだが、本作では、あまりドラマティックな変化は描かれてはいなかった。

「娘の唄をクルマのシートに隠れて聴く母」
「ベンチで身を委ねて抱き合う母と娘」
「「話したいことが山ほどあるの」と母に語る娘」
というような二人の関係が変化していくシーンは垣間見られるものの、個人的にはあまりピンと来るような描き方ではなかった。
なぜ深く感情移入できないかというと、やはり彼らの「悪い状態」があまり描かれていないからだと思う。
回想シーンでもいいので、若い頃の二人を描いてもよかったのかもしれない。

【夫への気持ち/母としての強さ・逞しさ】
女性の強さ・逞しさが感じられる内容にはなっているが、悪い言い方をすれば、「娘を犯そうとした夫は妻に殺されても致し方ない」という見方もできる内容になってしまっているのも残念だ。

ひとつ気になったのは、ライムンダは夫のことをどのように思っていたのだろうかという点があまり描かれていないことだ。

失業して、娘にも手を出すようなダメ夫であるのは明らかなのだが、ベッドで拒んだりしているもののライムンダはそれほど夫のことを嫌ってもいなかったのではないか。
自分の娘ではないと知りつつも、15年も父親としての役割を果たしてきたのである。
彼もそれほど悪い奴ではないのだろう。

夫が女と出て行ったと仲間に語っても、「まさか」というようなセリフが戻ってくる。
彼らは結構愛し合っていた夫婦ではないのか。
夫が好きだった川に埋葬するシーンからは、ライムンダの愛情の一端も垣間見える。

本作で重要なことは、「夫に対する愛情」よりも「娘に対する愛情」が勝り、大きく深いとでも言いたいのではないか。
また、自分の“業”を背負う寸前であった娘に対して自己を重ね合わせたのかもしれない。

本作における、この“業”というのは結構面白いかもしれない。
イレネ-ライムンダ-パウラの三者に繋がる“業”だけでなく、
偶然からライムンダの叔母を看取ることとなったイレネが、再びアグスティナを看取ることとなるのも彼女の“業”ともいえる。

深く感じ取れそうな映画だけに、どこかもったいないと感じさせる映画だ。
ただ、単にアルモドバル作品に自分が合わないだけなのかもしれないが。

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『シュレック3』レビュー 【映画】

「安全牌を切り続けた結果、面白みが一切なくなってしまった映画」

◆評  価    5.0点
◆分かりやすさ  A
◆おススメ度   B-(笑えるシーンはほとんどない、楽しめるのは音楽だけ)

前作があまりに稼いでしまったために、一般受けを狙うようになって、アグレッシブさや冒険心を無くしてしまったように感じられる。
「シュレック」はもともとブラックなユーモアが受けていたのではなかったか。

本作は、「怪物」「悪役」「負け犬」と自分自身で決め付けて、自分の可能性や自分の夢を潰すなというメッセージが込められている作品。
だが、このメッセージが深くストーリーに溶け込まれてはいない。

どうてもいい小手先のネタで逃げてしまっているため、「核」となる部分が非常に弱くなっている。
こういうメッセージが重要と考えるならば、自分自身で最初から駄目だと決めつけている者をきちんと描くべきだ。
シュレックは父親になれるかどうかを本気で悩むべきであり、
アーサーは王様になれるどうかを本気で悩ませるべきだろう。

この二者がラストで「父親」として、あるいは「王様」として、きちんと成長する姿を観客に見せる必要がある。
映画としての「流れ」をあまり考えていないように思われる。

本作のシュレックは主役として、だいぶ影が薄くなってしまっている。
彼が今回行ったことといえば、旅に出て、アーサーを連れてきただけではないか。
怪物と言われる事に動じなくなったようだが、悪くいえば、単に諦めているだけのようにもみえる。
本作では、もっと「父親」としての決意のようなものを感じさせて欲しかった。
そうでなければ、シリーズの中における本作の存在に意味がなくなってくる。
「シリーズ」の流れももっと深く探求すべきではないか。

アーサーのラストには多少の見応えがあったかもしれないが、単なる演説だけではちょっと苦しいところもある。
「負け犬」が「王様」になる過程や理屈付けがもっとシュレックとの旅を通して、強固とすべきだろう。
「遠い遠い国」でシュレックが気転を利かせて、チャーミング王子から逃がそうとしても、それにアーサーが気付かないようでは、シュレックと旅をした意味がなかったことになる。
ラストまで、シュレックがかなり余裕をかましていたのも、アーサーに助けにこさせ、王としていっそう成長させるためにという意図を込めてもよかった。
シュレックなりに彼を鍛えるためということにすればよい。

「2」では脇役がかなり光っていたが、本作では皆スベリ気味である。
ドンキーとネコもさすがにだいぶ影が薄くなってしまった。
彼らが入れ替わるというネタも、ほとんどストーリー的には影響しないのが寂しい。
単に、ドンキーによるうるうる瞳というネタをやりたかっただけではないか。

クッキーマンの走馬灯シーンなどはキラリと光るところはあったが、他のキャラクターも魅力を失ったように感じられる。
頭突きの王妃、白雪姫、眠れる森の美女もそれほど評価ができるわけではない。
特に、眠れる森の美女の使い方はもったいない。
笑いの一つや二つ取れるキャラクターだろう。

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2007年7月クールドラマ視聴率結果(初回その1)

順位  タイトル     予想平均視聴率  初回視聴率 
1位「花ざかりの君たちへ」 17.0%      15.9%
2位「パパムスメの7日間」 14.0%      14.0%
3位「探 偵 学 園 Q 」 13.0%      12.4%
4位「ライフ  ~LIFE~  」  9.0%      11.0%
5位「牛に願いを L&F 」 15.5%      10.2%
-位「 ファースト・キス 」 17.5%
-位「  菊次郎とさき  」 13.5%
-位「  受験の神様  」 12.5%
-位「  肩ごしの恋人 」 12.0%
-位「 ホタルノヒカリ 」 12.0%
-位「  スシ王子!  」 12.0%
-位「 山おんな壁おんな 」 11.5%
-位「山田太郎ものがたり」 10.5%
-位「地獄の沙汰もヨメ次第」10.0%
-位「女帝  (じょてい)  」  8.5%


○「花ざかりの君たちへ」  15.9%
一応、暫定1位の数字だけど、それほど高い視聴率ではない。
このドラマの比較対象にしている「野ブタ。をプロデュース」の初回視聴率が16.1%なので、大きく下回っているわけではないが、「野ブタ。」のように視聴率が上昇していくようなドラマにはみえないので、このスタートはちょっと期待ハズレといえる。
火曜日21時枠としては、2006年4月クールの「アテンションプリーズ」の初回視聴率が17.7%(平均視聴率16.4%)なのだから、もうちょっと取ってもよかったのではないか。

○「パパとムスメの7日間」 14.0%
放送前の予想平均視聴率が14.0%であり、それに一致してしまった。
これは的中というよりも、はっきり言ってハズレを意味している。
たいていのドラマは初回が高く、あとは下落するのが常だから、このドラマが平均視聴率14.0%以上になるとは思えない。
テレビ朝日がぶつけてきた「明日の記憶」も16%とそれほど高いものではなかったのも、痛いと思う。
一過性の低視聴率ならば、まだ救いようがあったのだが。
同じ枠の長谷川京子主演の「おいしいプロポーズ」の初回視聴率14.1%であるから、「おいしいプロポーズ」の平均視聴率12.0%と同程度に終わる可能性も出てきた。
ただ、個人的に鑑賞はしていないが、なかなか評価は低くはないようだ。
その点に視聴率上昇への期待をかけてみたい。

○「探偵学園Q」 12.4%
先クールの「セクシーボイスアンドロボ」の初回視聴率12.5%をじゃっかん下回るスタートとなった。
このスタートとなると、ひょっとしたら「セクシーボイスアンドロボ」並に終わる可能性もありそうだ。
火曜日22時枠に子どもドラマというのは、やっぱり間違っているのではないか。

○「ライフ」 11.0%
「ライアーゲーム」の初回視聴率が12.3%であるので、「ライフ」の初回視聴率の11.0%と比較すると1割(10.5%)ほどの減少となる。
「ライアーゲーム」の平均視聴率は11.4%であるから、単純に10.5%減少させると10.2%となる。この数字が平均視聴率の目安となるかもしれない。
ただ、「ライアーゲーム」は結構話題になったドラマなので、「ライフ」も話題にならない限り、もうちょっと下落するのではないか。
放送前の9.0%という予想は今のところ、ズレてはいないと思う。

○「牛に願いを Love&Farm」 10.2%
我が目を疑うほどの低視聴率でスタートを切った。
このキャスティングでこの数字を取るとは誰が思っただろうか。
やっぱり、オリラジのせいか?
面白くないからだんだん下がって低視聴率になるのならば、まだ分かるが、初回からそれほど関心を惹かないドラマだろうか。

ここまでの低視聴率でスタートを切ったフジテレビのドラマとなると、はっきりいって記憶にない。
ここ3年あまりのデータでは、2006年7月クールの「ダンドリ。~Dance☆Drill~」の11.0%(平均視聴率9.0%)を大幅に下回る歴史的な一歩となった。
先クールの「孤独の賭け」でさえ、11.2%のスタートを切っていたのだから、どれだけ低いかが分かるだろう。
とりあえず、爆発的に上昇するとは思えないが、次週の動きを注視しで、本当に大コケなのかどうかジャッジしていきたい。
群像モノというのは、「天体観測」同様に当たりにくいのだろうか。


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AFI(アメリカ映画協会)アメリカ映画ベスト100発表 【映画】

11年ぶりにAFIのランキングが改定されたようだ。
AFIは、監督や脚本家などの関係者で構成されており、かなり通向けの渋いランキングとなった。
改定後のランキングは以下のとおり。

1 (み)市民ケーン(オーソン・ウェルズ監督)
2 (み)ゴッドファーザー(フランシス・F・コッポラ監督)
3 (B)カサブランカ(マイケル・カーティス監督)
4 (観)レイジング・ブル(マーティン・スコセッシ監督)
5 (B)雨に唄えば(スタンリー・ドーネン、ジーン・ケリー監督)
6 (観)風とともに去りぬ(ビクター・フレミング監督)
7 (未)アラビアのロレンス(デビッド・リーン監督)
8 (観)シンドラーのリスト(スティーヴン・スピルバーグ監督)
9 (観)めまい(アルフレッド・ヒッチコック監督)
10 (未)オズの魔法つかい(ビクター・フレミング監督)
11 (未)街の灯(チャールズ・チャップリン監督)
12 (未)捜索者(ジョン・フォード監督)
13 (み)スター・ウォーズ(ジョージ・ルーカス監督)
14 (観)サイコ(アルフレッド・ヒッチコック監督)
15 (み)2001年宇宙の旅(スタンリー・キューブリック監督)
16 (観)サンセット大通り(ビリー・ワイルダー監督)
17 (み)卒業(マイク・ニコルズ監督)
18 (未)キートンの大列車追跡(バスター・キートン監督)
19 (未)波止場(エリア・カザン監督)
20 (未)素晴らしき哉、人生!(フランク・キャプラ監督)
21 (観)チャイナタウン(ロマン・ポランスキー監督)
22 (観)お熱いのがお好き(ビリー・ワイルダー監督)
23 (未)怒りの葡萄(ジョン・フォード監督)
24 (観)E.T. (スティーヴン・スピルバーグ監督)
25 (未)アラバマ物語(ロバート・マリガン監督)
26 (未)スミス都へ行く(フランク・キャプラ監督)
27 (未)真昼の決闘(フレッド・ジンネマン監督)
28 (観)イヴの総て(ジョゼフ・L・マンキーウィッツ監督)
29 (未)深夜の告白(ビリー・ワイルダー監督)
30 (み)地獄の黙示録(フランシス・F・コッポラ監督)
31 (未)マルタの鷹(ジョン・ヒューストン監督)
32 (み)ゴッドファーザーPART2(フランシス・F・コッポラ監督)
33 (観)カッコーの巣の上で(ミロス・フォアマン監督)
34 (未)白雪姫(デビッド・D・ハンド監督)
35 (み)アニー・ホール(ウディ・アレン監督)
36 (未)戦場にかける橋(デビッド・リーン監督)
37 (未)我等の生涯の最良の年(ウィリアム・ワイラー監督)
38 (未)黄金(ジョン・ヒューストン監督)
39 (観)博士の異常な愛情(スタンリー・キューブリック監督)
40 (観)サウンド・オブ・ミュージック(ロバート・ワイズ監督)
41 (み)キング・コング(メリアン・C・クーパー、アーネスト・B・シュードサック監督)
42 (み)俺たちに明日はない(アーサー・ペン監督)
43 (観)真夜中のカーボーイ(ジョン・シュレシンジャー監督)
44 (未)フィラデルフィア物語(ジョージ・キューカー監督)
45 (未)シェーン(ジョージ・スティーブンス監督)
46 (未)或る夜の出来事(フランク・キャプラ監督)
47 (観)欲望という名の電車(エリア・カザン監督)
48 (観)裏窓(アルフレッド・ヒッチコック監督)
49 (未)イントレランス(D・W・グリフィス監督)
50 (み)ロード・オブ・ザ・リング(ピーター・ジャクソン監督)
51 (観)ウェスト・サイド物語(ロバート・ワイズ監督)
52 (み)タクシー・ドライバー(マーティン・スコセッシ監督)
53 (み)ディア・ハンター(マイケル・チミノ監督)
54 (み)M★A★S★H マッシュ(ロバート・アルトマン監督)
55 (観)北北西に進路を取れ(アルフレッド・ヒッチコック監督)
56 (観)ジョーズ(スティーヴン・スピルバーグ監督)
57 (B)ロッキー(ジョン・B・アビルドセン監督)
58 (未)チャップリンの黄金狂時代(チャールズ・チャップリン監督)
59 (未)ナッシュビル(ロバート・アルトマン監督)
60 (未)我輩はカモである(レオ・マッケリー監督)
61 (未)サリヴァンの旅(プレストン・スタージェス監督)
62 (未)アメリカン・グラフィティ(ジョージ・ルーカス監督)
63 (B)キャバレー(ボブ・フォシー監督)
64 (未)ネットワーク(シドニー・ルメット監督)
65 (未)アフリカの女王(ジョン・ヒューストン監督)
66 (観)レイダーズ/失われたアーク(スティーヴン・スピルバーグ監督)
67 (未)ヴァージニアウルフなんか恐くない(マイク・ニコルズ監督)
68 (観)許されざる者(クリント・イーストウッド監督)
69 (未)トッツィー(シドニー・ポラック監督)
70 (み)時計じかけのオレンジ(スタンリー・キューブリック監督)
71 (観)プライベート・ライアン(スティーヴン・スピルバーグ監督)
72 (観)ショーシャンクの空に(フランク・ダラボン監督)
73 (観)明日に向かって撃て!(ジョージ・ロイ・ヒル監督)
74 (観)羊たちの沈黙(ジョナサン・デミ監督)
75 (未)夜の大捜査線(ノーマン・ジェイスン監督)
76 (み)フォレスト・ガンプ/一期一会(ロバート・ゼメキス監督)
77 (未)大統領の陰謀(アラン・J・パクラ監督)
78 (観)モダン・タイムス(チャールズ・チャップリン監督)
79 (未)ワイルドバンチ(サム・ペキンパー監督)
80 (観)アパートの鍵貸します(ビリー・ワイルダー監督)
81 (未)スパルタカス(スタンリー・キューブリック監督)
82 (未)サンライズ(F・W・ムルナウ監督)
83 (観)タイタニック(ジェームズ・キャメロン監督)
84 (み)イージー・ライダー(デニス・ホッパー監督)
85 (未)オペラは踊る(サム・ウッド監督)
86 (み)プラトーン(オリバー・ストーン監督)
87 (観)十二人の怒れる男(シドニー・ルメット監督)
88 (未)赤ちゃん教育(ハワード・ホークス監督)
89 (み)シックス・センス(M・ナイト・シャマラン監督)
90 (未)有頂天時代(ジョージ・スティーブンス監督)
91 (観)ソフィーの選択(アラン・J・パクラ監督)
92 (B)グッドフェローズ(マーティン・スコセッシ監督)
93 (み)フレンチ・コネクション(ウィリアム・フリードキン監督)
94 (観)パルプ・フィクション(クエンティン・タランティーノ監督)
95 (未)ラスト・ショー(ピーター・ボグダノビッチ監督)
96 (未)ドゥ・ザ・ライト・シング(スパイク・リー監督)
97 (み)ブレードランナー(リドリー・スコット監督)
98 (未)ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ(マイケル・カーティス監督)
99 (観)トイ・ストーリー(ジョン・ラセター監督)
100 (観)ベン・ハー(ウィリアム・ワイラー監督)

B…本ブログにてレビュー済み(5本)
み…みんなのシネマレビューでレビュー済み(21本)
観…一度は鑑賞したことがある(33本)
未…未鑑賞(41本)

古典作品はそれほど鑑賞していないので、勉強のために、これから鑑賞していこうと思っているところだ。
未鑑賞となっている41本を中心に今年の間にレビューしていきたい。

ただ、このデータは古い映画に偏りすぎている気がするので、映画傑作100選というデータとしてはあまり有用ではないのかもしれない。
11年ぶりに改定したというわりには、2000年以降の作品は、「ロードオブザリング」一本のみと寂しい結果となっている。

監督別にチェックすると、スティーヴン・スピルバーグ監督作品が5本でトップとなる。

<4本>
ビリー・ワイルダー監督、スタンリー・キューブリック監督、アルフレッド・ヒッチコック監督

<3本>
フランシス・F・コッポラ監督、マーティン・スコセッシ監督、フランク・キャプラ監督、チャールズ・チャップリン監督

<2本>
ビクター・フレミング監督、マイケル・カーティス監督、デビッド・リーン監督、ジョン・フォード監督、ジョージ・ルーカス監督、マイク・ニコルズ監督、エリア・カザン監督、ウィリアム・ワイラー監督、ロバート・ワイズ監督、ジョージ・スティーブンス監督、ロバート・アルトマン監督、シドニー・ルメット監督、アラン・J・パクラ監督

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「カサブランカ」DVDレビュー 【映画】

◆評  価    7.0点
◆分かりやすさ  A(第二次世界大戦中に作成されたという前提でみれば分かる)
◆おススメ度   B(他人に薦めて楽しんでもらえる自信はない)

【総論】
1943年のアカデミー賞作品賞受賞作品。
最近、改定されたAFI(アメリカ映画協会)ランキング3位。
「君の瞳に乾杯」という有名なセリフや、主演の二人の素晴らしさから、多くの人から長年愛されている映画である。
しかし、多くの人々から愛されている映画が、必ずしも傑作というわけではないと感じさせる作品でもある。

人情味あふれるカフェアメリカンのオーナーのリック(ハンフリー・ボガート)、
悩める人妻のイルザ(イングリッド・バーグマン)、
一癖あるフランス人のルノー警察署長、
ドイツ人のシュトラッサー少佐 など
国籍豊かで個性的なキャラクターが多数出演するが、映画としての質はそれほど高いとは思えない。
特に、中盤の回想シーンも描き方が取ってつけたような中途半端な印象があり、あの部分が好きになれない。
描くのならばきっちり描く、描かないのならばほとんど描かないという姿勢が必要ではないか。

【本作の主眼】
本作が公開された1942年というのは、まさに第二次世界大戦中(1939-1945)である。
日本とは既に戦っていた頃かと思うが、ヨーロッパの戦争に対してアメリカは傍観者のままでよいのか、積極的に参加すべきではないかという狙いが本作に込められていると思う。
同志のフランスがドイツに占領されている中で、アメリカがすべきことは何かということを、アメリカ人のリックの立場に置き換えているのではないか。
「争いに巻き込まれたくない」と第三者を決め込むよりも、本来の愛国者とは何か行動に移すことではないかということを主眼に置いている。


【三角関係の行方】
ラズロ、イルザ、リックの三角関係は、それぞれ愛している者を守りたいという視点が感じられるものの、それほど泣かせるものというわけではない。
特に、イルザの立ち位置がボヤボヤしているので、感情移入しづらい。

三人の行動を整理すると、以下の通りとなる。
ラズロとしては、イルザの幸せを願って、イルザとリックの二人でカサブランカを抜け出して、リスボンへと向かって欲しいと考えている。

イルザとしては、ラズロと彼の活動を支援するために、ラズロをカサブランカから脱出させようと考えている(自身は愛しているリックの元に残ろうとする)。

リックは、二人の気持ちを知り、ラズロとイルザをカサブランカから脱出させ、リスボンへ向かわせたいと考えている。
イルザからの愛の告白に関しても、「それは偽りであるから、真に受けていない」とイルザに間接的に伝えることで、イルザから自身への未練及び自分のイルザに対する未練を断ち切ろうとしている。
この重要な部分が、ちょっとさらりと流しすぎている。
誰もが涙する感動的なシーンにはなっていないのは、明白だろう。

【最後のオチ】
ルノー警察署長がラストで「ヴィシー水」のボトルを投げ捨てるが、「ヴィシー」とは当時のフランスの傀儡政権「ヴィシー政権」を意味している。
ドイツの言いなりになっている傀儡政権を情けないと批判し、レジスタンス活動でもなんでもいいので、ドイツに対抗しようと観客を鼓舞しているのだろう。
ルノー警察署長もドイツの言いなりになっているようにみえて、実はレジスタンスと手を組んでいるというオチで締めくくっている。

第二次大戦中の映画でなければ、リックは自身の身を挺して、イルザを逃がして、最後は殺されるという流れが常だと思う。
ベタではあるが、この方が感動的な流れにもなる。
この辺りも「質」を低めている部分ではないか。

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「スティング」DVDレビュー 【映画】

◆評  価    9.0点
◆分かりやすさ  A(普通に見れば、全てのネタは分かるはず)
◆おススメ度   A(映画史に残る傑作)

不勉強ながら、あまり古典的な作品は見ていないので、今年の夏はいくつか有名な古典でも鑑賞しようかと思っている。
まず、第一弾は「スティング」。
1973年のアカデミー賞作品賞を受賞した作品。

完璧な脚本と無駄のない演出には惚れ惚れとさせられる。
ポール・ニューマンが言うには、本当の詐欺師の仕事とは『騙されていることすら相手が分からない』ということのようだ。
その主題が、極めて明確に描いている。

ロネガンとスナイダー刑事をその手法で騙しただけでなく、観客をも同様の手法で騙しているのが極めて画期的といえる。
観客も最後の最後まで自分が騙されているということに気付かないのではないか。
やはり、本作は映画史に残る傑作と認めざるを得ない作品だ。
アイディアの凄さがクローズアップされるが、流れるような演出も卓越している。
ワンカットも無駄がないのではないか。

本番の詐欺の前夜に、緊張して眠れないゴンドーフ(ニューマン)とフッカー(レッドフォード)もきちんと描いているのも好感がもてる。
やはり、ゴンドーフのようなプロ中のプロであっても、これほどデカイ仕事だと少々緊張するというのを観客に伝えて、終盤への緊張感を盛り立てている。

フッカーも緊張して眠れないのだろうか、お気に入りのウエイトレスに会いに行っているほどだ。
もちろんデカイ詐欺の前夜にわざわざ女を口説きにいったのではなく、そんなことでしか気を紛らすしかなかったのだろう。

さらに凄いところは、サリーノとフッカーのアパートのシーンにおばちゃんがひょっこりと顔を出すシーンですら、特別な意味があることだ。
サリーノがアパートでフッカーを暗殺しなかったという理由をあのシーンで付加している。
サリーノにとっても、フッカーと打ち解けることによって、油断させて、確実に殺そうと考えていたのだろう。

ゴンドーフ(ニューマン)とフッカー(レッドフォード)の師弟関係や二人の信頼度が若干弱いと思うが、それでも描くべきところはきちんと描いてはいると思う。

フッカーの身を心配して、彼に護衛を付けており、このプロジェクトにフッカーが必要不可欠であることを、ゴンドーフはフッカーに暗に示している。
詐欺におけるチームワークの存在の必要性をフッカーに教えているのだろう。

そもそも、本作は全般的にゴンドーフによるフッカーへの詐欺の心得を教習しているような意味合いを強いと思われる。

確かに、本プロジェクトはルーサーのための復讐という意味合いも強いが、本当の詐欺師とはそういう私情だけで動いてはいけないということを明確にフッカーへ教えている。
否定はしていたが、ゴンドーフ自身にもルーサーへの追悼という意味合いは間違いなくあっただろうが、その私情を捨ててこそ、本当の詐欺師といえるのだろう。

完璧な詐欺を終えて、「ちょっと物足りないだろう」と語っている二人もいい感じに映っている。
特殊なトリックや奇想天外なアイディアだけで人を騙すのではなく、本当の詐欺とは結構シンプルなものだということを教えているような気がする。

ひとつの詐欺を終えて、二人が連れ立って出て行くところには、強固となった二人の師弟関係が垣間見られるシーンでもある。

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