ばったすいみんぐすくーる

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『ウォッチメン』レビュー 【映画】

◆評  価   6.5点
◆おススメ度  B-(原作を知らないと厳しい)

原作未読。
ザック・スナイダー監督作だけのことはあり、ビジュアルには文句がない。
練りに練られた映画であり、デキ自体は素晴らしいが、原作未読者にはあまりにも情報量が多すぎる上に、あまりにもストーリーがぶっ飛びすぎていて、付いていくのが精一杯だ。
ストーリーは一本の線に収束されるように作られており、捨てる部分がないという気持ちは“理解”できるが、あまりにも詰め込め過ぎではないか。
原作を読んでいないので分からないが、原作のほとんどを描こうとしたように思われる。
2~3時間程度の映画に原作のほとんどストーリーにぶち込むという手法は好ましい手法ではなく、各エピソードが端折り気味に若干飛び飛びになっている気がした。
オジマンディアスの行動に“理解”はできるが、“賛同”もできないのと同じように、本作の作りには“賛同”はできない。

また、肝心のラストのオチを知っても、“驚き”のようなものを感じられなかった。
面白いオチであるのは認めるが、こんなことのために2時間40分も耐えなくてはいけないのかという想いもあった。
ヒーローモノに必要不可欠な純粋な悪役が不在のため、軸の不安定さがあり、映画を面白くさせておらず、飽きる観客も増えるのではないか。
また、謎解きモノとしても、全く面白くないものとなっている。
仲間に忠告に行ったら、仲間のコンピューターに事件の真相が隠されていたというのは笑えないジョークだ。

ただ、面白い点もいくつか見受けられる。
「ヒーローの限界」「この世の中はジョーク」「理解できない行動を起こすという人間の奇跡」というのは面白い部分だ。
ヒーローは火事から住民を救ったり、ギャング達をなぶり殺しにはできるが、世界を核戦争から救うことはできるのかという命題に対して、皮肉的ともいえる答えを提示している点は面白い。
ヒーローの限界を知っていたコメディアンに世界地図を燃やされた際のオジマンディアスの目がとても印象的だった。
ヒーローの新たな一面や、善と悪との表裏一体性は確かに感じられるおり、この部分は評価すべきか。

また、「西部劇役者が大統領選に出馬する」ように、この世界は確かにジョークなのかもしれない。
本作の設定である、ニクソンが四選か五選されているという世界がまさにジョークだ。
ロールシャッハのようなジョークが効かない人間にとっては、生きづらい世の中になったということだろうか。
キーン条例制定により、ヒーロー活動を禁止されても、引退せずに地道に活動を続けてきた彼だからこそ、現実を受け入れることはできなかったのだろう。
彼のような生き方が否定されるべきではないことは本作を通して描かれていると思われる。

さらに、人間は滅亡すべき存在なのか、救われるべき存在なのかという点にも触れられている気もした。
計算上では理解できない人間の本質や、人間という存在の奇跡的な面が描かれているが、こうした哲学的なテーマに飛んだりするので、本作を理解することが難しくなっているともいえる。

これらために、本作はまさにロールシャッハといえる作品に仕上がっている。
10点満点という者もいるだろうし、0点という者もいるだろう。
どちらにも道理があり、どちらが正しくて、どちらが間違っているというわけでもない。
見る者によって、この映画は形が違うのだから。
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テーマ:映画★★★★★レビュー - ジャンル:映画

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