ばったすいみんぐすくーる

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『カムイ外伝』レビュー 【映画】

◆評  価   4.5点
◆おススメ度  B-(強いて見る必要のない作品)

原作未読。一度も見たことがない。
普通ならば、見なくてもよいレベルの邦画作品だが、白土三平さんの作品を一度も見たことがなかったので、この際に映画でもよいので見ることとした。
しかし、一言でいえば、強いて見なくてもよい作品といえるだろうか。

邦画作品らしく、年配層が見ても若年層が見ても楽しめるように、マイルドな作品に仕上がっており、極端につまらない作品ではない。
CG丸出しの作品ではあるが、細部には多少こだわっているようにも思われた。
動物・魚への虐待シーンが多いが、アクションシーンには多少の見所がある。
しかし、毒にも薬にもならない普通のアクション作品でしかなかった。

何を描きたかったのか、“本質的”な部分が見えてこない。
原作のテーマである身分制度という問題すら、何も描かれていないように思われる。
確か、本作の冒頭及びラストに明確なテーマが示されていたはずだ。
「抜け忍であるカムイの夢」や「猜疑心・己との戦い」といったことが語られていたと思う。
しかし、本作をいくら見ても、これらのことが上手く描かれているとは思えない。

原作を見たことがないので分からないが、カムイの夢とは追われることがなく、争いのない世界で幸せな家庭を築くことではないだろうか。
本作の流れを踏まえると、猟師となることもできたはずであり、自分を好いてくれる娘と家庭を築くこともできたはずだ。
そういったカムイの夢や希望のようなものが見えてこない。
ノドから手を出るほど欲していた夢が目の前にあるのに、カムイからは苦悩や葛藤も何も伝わってこない。
ただ、娘からの愛情や平和な生活を拒絶しようとするだけだ。
そういったものを欲しないのならば、いったい何のために抜け忍になったのかが分からない。

そして、最も大事なことは「猜疑心・己との戦い」ではないか。
サヤカが見た恐ろしい夢のようなものは、本来ならばカムイが見るべきではないだろうか。
忍者に追われるということだけではなくて、半兵衛を売った男のように、いつ村人に囲まれてもおかしくないという“恐れ”のようなものが常に付きまとっているはずではないか。
そういった“恐れ”や、自分が売られるというような“猜疑心”のようなものをフドウに利用されて、村人全員をカムイが殺してしまうというような展開になってもよかったと思う。
愛した女でさえ、猜疑心ゆえに殺してしまう。
どんなに強い者でも、自分にはなかなか勝つことはできないということをクドカン辺りならば、描くことはできたのではないか。

そして最後には、誤りを犯して傷ついても、苦しんでも、どんなことがあっても、人は何かを求めて彷徨い、生き続けなくてはいけないということを描いて欲しかったところだ。
“忍者モノ”という現代とは何ら関係のない作品でも、現代に通じるようなものを描いてこそ、優れた作品といえるだろう。
あまりにもハードな内容なものは描くことはできないのは分かるが、高額な制作費が掛かっている作品だからか、安全な道を進んで、冒険をしない作品になってしまったという印象が強い。
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テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

コメント

まったく的を得た素晴らしいレビューに感嘆いたしました。

  • 2009/09/21(月) 00:47:44 |
  • URL |
  • 松フリ管理人 #-
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