ばったすいみんぐすくーる

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『キッズ・オールライト』レビュー

◆評  価   6.5点
◆おススメ度  B(日本人に受け入られるかは分からない作品)

アメリカでは絶賛されていた本作。
ある程度高い期待値をもって鑑賞してみたが、単純な感動作というわけでもなく、鑑賞前に抱いていた印象とは異なる作品だった。
もっとも、“家族”というテーマをナチュラルに、ストレートに、かつ繊細に描き出しているので、決して悪い作品ではない。
ただ、アメリカ人の“ファミリー”と日本人の“家族”には少し開きがあるのだろうか。
アメリカ人には受け入られるのだろうが、日本人にはピンとこないのかもしれない。
恐らく、日本ではそれほど一般的ではない、レズビアンカップル・精子ドナーを扱っているからだけではないだろう。

血の繋がった“父親”という存在により、逆に“家族”がバラバラになる危機を迎えるところは面白い。
本作においては、血の繋がりだけがファミリーを形作っているわけではないようだ。
長い年月を掛けて築き上げてきた関係がファミリーということだろうか。
完全に一致することなどあり得ない相手との気持ち、相手との関係を探りながら、相手に合わせながら、また相手に合わせてもらいながら、関係を深めていく。
一方の気持ちが強すぎてもダメであり、他方の気持ちが弱すぎてもダメなのだろう。
タイトルにある通り、子どもたちの強さも目立つ。
レイザーの最後のセリフには意外と深みがある。
彼らの関係は簡単に築かれたものではなくて、長い年月を経たものなのである。

精子ドナーの父親との関係、ジョニとボーイフレンドとの関係、レイザーと悪友との関係、庭師ルイスとの関係など、多くを投げっぱなしというところもややユニークな作り。
監督が故意に行っているのか、それとも面倒だから描くことを止めたのか判断が付かないが、人間同士の関係に単純な答えがあるからではないということだろうか。
特に、父親との関係を投げっぱなしにしたことは良い効果を生んだと思う。
観客の心の中にはすっきりとしない気持ち悪さが残ったのではないだろうか。
現実の世界では、『皆で仲良く暮らしました、めでたし、めでたし』というわけにはいかない。
“ファミリー”“家族”という問題が一義的にすぱっと割り切れるわけではない。
すれ違うお互いの気持ち、微妙な関係を保ちながら、バランスの取れたアンバランスさの中で続いていくものだからだろうか。

自分の中では上手く感じ取ることはできなかったが、ファミリー・家族というものは、簡単に切ることができるけれども、簡単に切ることが出来ないもの、簡単に離れることはできるけれども、簡単に離れることが出来ないものということを改めて感じ取れたような気はする。
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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

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