ばったすいみんぐすくーる

公開中の映画作品を中心にネタバレ全開で独断レビュー。 映画興行収入などの映画情報も紹介。

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『さや侍』レビュー

◆評  価   4.0点
◆おススメ度  C(ファンの人にも薦めにくい作品)

普通の映画を見たければ、他の監督の映画を見ろということだろうか。
過去の作品同様に、他の映画では見ることはできない松本人志流のオリジナルティのある作品には仕上がっている。
確かに、独特でユニークな作品ではあるが、面白いかどうかは別の次元の話だ。
ラストの歌だけが印象的ではあるが、はっきりいって映画は面白くはない。
感動するのは歌のチカラであり、映画のチカラではない。

親しい者を失った苦しみ・悲しみ、武士としての誇りというものは描かれている。
親しい者を失うということは、刀とさやが揃うということ、笑うということのような当然のことが当然でなくなるということか。
したがって、30日の業を通して、野見と娘、殿様と若君の苦しみ・悲しみが救われるような構成が必要ではないか。
野見の悲しみが癒されることによって、野見の娘、若君も解放されるのだろう。
野見が周囲を笑わせることができ、野見自身も心の底から笑うことによって、逃げ回っていた自分を見つめ直して、自分の覚悟を決めることができるのではないか。
殿様から情けを掛けられたから、覚悟を決めるのではない。
自身の苦しみから解放されてこそ、覚悟を決めるのである。
笑いが人々を一体化させ、笑いが人々を癒すという、『笑いの持つチカラ』『笑いの持つ素晴らしさ』が描き切れていないから、この作品は面白くないのだと思う。
若君どころか、観客すら笑わせていないのだから、面白はずがない。
門番の協力、娘の突然の口上、町人の興味・励まし等を描きつつ、殿様や若君や周囲の者に微妙な変化を生じさせているが、上手く流れているような感覚にはなれない。
30日は長すぎてグダグダ感が出ているので、10日辺りに絞ってストーリーやそれぞれのキャラクターの変化を中心に構成すればよかったかもしれない。

素人の野見さんを起用した効果は確かに出ていると思われる。
恐らくプロの俳優やプロの芸人を起用するよりも、面白いものとなっただろう。
洗練されたものではないが、荒々しさやがむしゃらさは出ている。
“笑い”の原点を描きたかったのかもしれない。
ほとんど情報を明らかにせずに撮影に臨ませたとのことであり、素人を起用したからこその効果か。
プロの映画監督ではない松本作品にはマッチしたような気がする。
しかし、くだらない罰ゲームを連続で見せられてもそれだけでは面白くない。
野見さんをいじりたいのであれば、テレビのバラエティでやれば十分だが、映画内においては上手く引き出せていないようにも思える。
ちなみに、30日の業のうち、個人的に好きだったのは最初の日とエア三味線だった。
結局のところ、一番笑ったのは、エンドクレジットのうどん指導ほっしゃん。と字幕協力チャド・マレーンか。

映画全体としては、松本人志の辞世の句ともいえる作品になっている。
または、これは自分の娘にあてたラブレターなのかもしれない。
不器用さも一つの味だが、もう少し流暢に伝えて欲しかった。
バラエティでは共演者に噛んだとツッコンだりしているが、映画として噛んでいないか。
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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

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