ばったすいみんぐすくーる

公開中の映画作品を中心にネタバレ全開で独断レビュー。 映画興行収入などの映画情報も紹介。

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『127時間』レビュー

◆評  価   8.0点
◆おススメ度  A(心に訴える良作)

オチも分かっている、結末も分かっている。
タイトルからタイミングすら分かる。
何もかも分かっているような作品であっても、緊張感が切れることなく最初から最後まで楽しむことができる良作だ。

ひとえに監督の手腕、俳優の力量の賜物だろう。
リアリティのあるドキュメンタリー的な要素だけではなく、ヒューマンドラマ的な要素、エンターテイメント的な要素を兼ね備えた作品に仕上げた。
生還ドキュメンタリー作品というよりも、むしろヒューマンドラマ的な要素が強い。
どのような“手段”で生還したのかが問題ではない。
どのような心理的“過程”で生還したのかがポイントとなっている。

女性に声を掛けたりするようなところはあるが、孤独を愛する一匹オオカミのアーロン。
そのような彼であっても、絶望的な状況下で思い返されるのは“家族”であったり、“元恋人”であったり、“人と人との繋がり”いうところが本作のメッセージにもなっている。
絶望的な状況だからこそ、改めて大切なことを思い出せたのだろう。
彼を救ったのも、また“人と人との繋がり”であった。
自分自身が助かりたいというだけではなく、家族に会いたいという気持ち、まだ見ぬ我が子に会いたいという気持ちによって、最後のチカラを振り絞ったのは、感動的であった。
“夢”“希望”“諦めない気持ち”“人と人との繋がり”、そのような人間にとって必要なものを根幹に描いているので、観客のココロに響くはずだ。
このような事態を招いた要因が、自然現象だけではなくて、自分自身の行動にあったことは描かれているが、その辺りをもうちょっと響くように描いて欲しかった。

ほぼ一箇所という飽きるようなシチューエーションにおいて、多彩な手法により、観客を飽きさせていない点も評価できる。
回想、妄想、空想だけではなくて、ビデオカメラというキーアイテムがより効いている。
ビデオカメラを用いることによって、作品により幅が広がっている。
ビデオカメラで遊ぶだけではなくて、ビデオカメラを用いることによって、アーロンの感情がストレートとなり、よりリアルさが増している。
観客が彼の気持ちと楽に同化でき、感情移入しやすくなったのではないか。

ジェームズ・フランコにとってもハマリ役となっている。
シリアスさ一辺倒に走ることなく、重すぎず、軽すぎず、絶妙な演技をみせた。
人間的に“深み”を感じさせることができたのではないか。

一箇所という状況だからこそ、監督、俳優の能力の高さをより感じさせる作品。
本作に盛り込まれたメッセージ性も豊かであり、アカデミー賞作品賞などにノミネートされたのは伊達ではないと感じさせる良作だ。
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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

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