ばったすいみんぐすくーる

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『ゼロ・ダーク・サーティー』レビュー

◆評  価   8.0点
◆おススメ度  A(プロフェッショナルな作品)

「ハート・ロッカー」でアカデミー賞を受賞したキャサリン・ビグロー監督作品。
難しい題材だが、飽きさせることなく、評価通りの高い才能を発揮させている。
一方からは拷問シーンによってクレームをつけられ、他方からはオバマ大統領の再選ピーアールのプロパガンダ映画だとクレームをつけられ、双方のバランスを取るために大変だったことだろう。
そのため、完全にはハードに描き切れなかっただろうが、生ぬるさはなく、レベルの高い仕上がりとなっており、プロフェッショナルな世界がきちんと描かれている。

一番面白いシーンは、ほぼクロの要塞屋敷を見つけたにも関わらず、政治家や上層部が責任を取りたくないがために全く動かないところだ。
普通のフィクションのアクション映画ならば、即軍事行動に至るところだが、発見に至るまでの艱難辛苦が嘘みたいな、より高いハードルが待っているとは思っていなかった。
マヤからは突き上げられて、上層部は難癖をつけて決断しようとしない、中間管理職の苦悩が本作の面白さでもある。
題材は全く違うが、動かない政治はアメリカも日本も同じなのだと感じさせる。
さんざん軍事作戦に失敗しておいて、肝心なところで慎重になろうとするところが皮肉的なところだ。

檻の中のサルや、輪投げなど比喩的にも描かれている点も効果的だ。
マヤの流した最後の涙の理由も観客の判断に委ねているような気がする。
ほっとした涙なのか、虚しさの涙なのか、苦しみの涙なのか、嬉しさの涙なのか、悔しみの涙なのか、憎しみの涙なのかは観客が決めればよいことだろう。
最後の涙以外にはマヤの内面が見えてこないところはある。
題材的に難しいところはあり、「ハート・ロッカー」同様に登場人物の内面にはあえて踏み込んでいかないという点は致し方ないところだろうか。
主人公の内面にはあまり踏み込まずに、勝者も敗者もない、終着点のない行き先が見えない延々と続くテロとの戦いという誰でも分かっている説教くさいところはあえて省いたのかもしれない。
必要なところを描き切り、観客に委ねることができるところも優れた監督といえるだろう。
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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

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