ばったすいみんぐすくーる

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『パイレーツオブカリビアン/ワールドエンド』レビュー 【映画】

「爽快感ゼロの完結編…」

◆評  価    6.0点
◆分かりやすさ  C (何もかもすっきりしないストーリー)
◆おススメ度   B-(まぁ、期待せずにみてください)

【総論】
このシリーズはきちんと全て見ているが、どうにも好きになれない。
脚本的にはそこそこのデキなのだが、あまりに内容が大部で、こんがらがったストーリーとなっているため、ゴア・ヴァービンスキー監督が、きちんとストーリーを理解していないのではないかと思える演出が目立つからだ。

ストーリーも理解していなければ、脚本が意図していることをあまりきちんと理解していないのではないかと思える。
メリハリのなく、まとまりのない演出が続くため、自分のアタマの中できちんと整理しないで、演出しているとしか思えない。
うがった見方をすれば、ストーリーをあえてややこしくして、リピーターを狙っているのだろうかとも思ってしまう。

ゴア監督の良さとしては、シリーズを通して、面白い構図で映画を撮ろうとしている努力だけはそれなりに認めることはできるのだが、ストーリーを盛り上げる努力は足りない。
本作はシリーズの中ではマシな方だが、やはりあまり面白くもない出来となってしまっている。


【ウィル・ターナーの存在感不足】
最大の問題は、ウィル・ターナーの存在感が発揮されない点だろう。
ラストから逆算して考えれば、思い切って、本作ではウィル・ターナーをメインに描いてもよかったのではないか。

あれもこれもと手を出しすぎて、非常にまとまりが悪い映画になってしまった。
「スパイダーマン3」の失敗と理由は似ている気がする。
これも大人の事情だろうか。

父親を救いたいと願う気持ちとエリザベスとも結婚したいという気持ちとの葛藤を通して、ウィルが人間的な成長を遂げていけばよかったのではないかと思う。

一人で奮闘するウィルがピンチとなり、彼が死にそうになったときに、おいしいところをジャック・スパロウがかっさらえばいい。
今まで散々自己中心的に動いていたジャックが、はじめて他人のために行動するという流れにすれば、前作からのジャックのいい加減な行動がいい前フリにもなると思う。

平気で仲間を裏切ったり、裏切られたりするが、最後にまとまるのが仲間なのではないかという子ども達に対するメッセージにもなるのではないか。


【ジャック・スパロウの扱い】
逆に言うと、ジャック・スパロウは平気で他人を裏切ったり、汚い方法で他人を貶(おとし)めたり、自分だけ逃げ出すような卑怯な男という描き方でいいのだと思う。
前作の「デッドマンズチェスト」でもそのような演出をすべきなのに中途半端な演出に終始しており、ジョニーデップが可哀想であった。

本作でも、自分の分身的な存在を作り出してしまったりと、やや逃げてしまっているのが残念だ(構図的には面白いのもあったが)。
海賊なのだから多少汚くてもいいだろう。
最後の最後に、本当の仲間のピンチのときに変わればいいのではないか。
カッコよさとはそういうものだろう。


本作では裏切りの連続が続いて、誰かがあっちの船に乗ったり、こっちに来たりと、よく分からない状況が続くという、なんとも悲しい結果に陥っている。

それぞれの思惑が交錯する中で、せっかくなんとかまとまりかけているのに、ジャック・スパロウがいつも邪魔したり、ミキシングして話がややこしくなるという展開に上手く整理すべきだと思う。

本作では、前作のような「キー」「宝箱」といったキーアイテムが存在しないため、ストーリーが分かりづらいものとなっている。
なんらかのアイテムや人物を巡る攻防とするならば、もっと整理できただろう。
本作では、思い切って、ティア・ダルマを巡る攻防に整理すればよかったのではないか。

ティア・ダルマは、
海賊たちにとっては奥の手となる存在となる。
デイヴィ・ジョーンズにとっては大切な人である。
ベケット卿にとってはデイヴィ・ジョーンズを手玉に取るアイテムのひとつでもある。
ウィル・ターナーにとってはデイヴィ・ジョーンズと取引できる存在になる。
ジャックにとっては、何らかの宝の存在を知る人物とかにしておけばよい。

このように一人の人物を双方が取り合うという構図にすれば、かなり分かりやすい展開になると思う。


【エリザベス・スワンのラブストーリー】
エリザベス・スワンも相当中途半端に扱われてしまったのが残念だ。
前作ではウィルとジャックの間で揺れる女性という役柄だったはずが、本作ではその女心も影を潜めている。

本作でも大いに揺れていいのではないか。
大いに揺れることによって、その揺れは最終的に確信へと変わっていくはずだ。
揺れることで、本当に愛しているのは誰かということに自分でも認識するだろう。

本作ではあまりにも中途半端に描きすぎていたため、ラストの盛り上がりが大いに欠けることになっている。
バトル中における船上プロポーズ及び船上結婚式というのは、実にロマンティックなのだが、この脚本の良さが活かされていないのだ。

どうでもいいことに話をフリすぎて、本来描くべきことを描かないからこうなってしまう。
ウィルとエリザベスがお互いに距離を置いて離れてみたことによる心の変化や、ウィルやジャックが敵側に捕まった際のエリザベスの微妙な心の動きをなぜ描こうとしないのだ。

また、デイヴィ・ジョーンズとカリプソの恋愛の失敗を反面教師的に描いてみても面白いのではないか。
彼らもウィルとエリザベスと同じような理由で失敗したから、ウィルとエリザベスは逆の選択をするというまとめ方でもよいのではないか。


また、エンドロール後の彼らの様子もまったく変わっていないというのもかなり手抜きだなと感じさせる。
普通の演出家ならば、もっと彼らの10年の年月を踏まえて、多少様子を変えるだろう。
やはり、ゴア・ヴァービンスキーはちょっと能力が足りないのではないかと感じられる。


【まとめ】
今回で一応完結となったが、まだまだストーリーは続くかもしれない。
とりあえず、ストーリーを「呪われた海賊たち」の前に戻して、ジャック・スパロウ、ボルボッサ、キャプテン・サオフェンを中心とした映画を一本撮ることは容易だろう。

サオフェンは相当ジャックに恨みを抱いており、ボルボッサがブラックパールを乗っ取った経緯も気になるところだ。
5年後辺りには、このような映画ができるのではないか。

この際には、是非ゴア監督以外の者を監督に迎えて欲しいものだ。
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テーマ:パイレーツ・オブ・カリビアン - ジャンル:映画

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