ばったすいみんぐすくーる

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『風立ちぬ』レビュー

◆評  価   9.5点
◆おススメ度  A(分かる人には分かるはず)

サバの骨のような美しい映画に仕上がっている。
「ポニョ」の際にも感じたが、熟練というよりも仙人のような達観した世界に到達したのではないかと思われる宮崎駿監督が込めた無駄のないシャープな流線型のような美しさを感じられる。
戦争を舞台にした映画にも関わらず、戦うシーンも記憶になければ人が死ぬシーンも記憶にない。
好戦でもなければ反戦という思想すら込めてない。
堀越二郎にとっても、宮崎駿監督にとっても飛行機が空を飛びさえすれば十分なのだ。
『機関銃を乗せなければいいのに』『一機も戻ってこなかった』というセリフさえあれば、本作には十分だ。
肉(ストーリー)はないかもしれないが、うま味(想い)がしっかりとしみこんでいる作品だ。

美しい夢を追い続け、夢の中で素晴らしい師に出会い、素晴らしい友に出会い、素晴らしい女性と愛しあう、“人生”や“生きる意味”が凝縮されている。
時代に翻弄され結果は散々かもしれないが、それもまた“人生”でもある。
成功もあれば失敗もある。
思い通りのこともあれば、思い通りにならないこともある。
それでも、人生は続き、生きる意味を教えてくれる素晴らしい作品だ。
何に感動しているのか分からないのに、思わず涙を流さざるを得ない。
あっさりとエンドロールを迎えてしまうが、もう一波あったら号泣してしまっただろう。
この辺りも宮崎駿監督らしい清々しさだ。

宮崎駿監督らしさといえば、決して上手いとは思えない庵野秀明を声優に起用したことだろう。
彼を起用した意図は分かりかねるが、確かにプロ声優とは違う効果は感じられる。
上手くはなく、どちらかといえば棒読み調ではあるが、記憶に残る個性的なキャラクターとなった。
普通のセンスを持ち合わせている者には絶対にできないことをやってしまう辺りに宮崎駿監督の特異性を窺い知ることができる。

美しい夢を追い続けたのは、本作においては堀越二郎なのだが、宮崎駿監督自身の姿もだぶって感じられる。
本作は美しい映画を作りたいと苦悩した宮崎駿監督の自伝的な映画なのではないかと思ってしまうほどの想いを感じられる作品ともいえるのではないか。
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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

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