ばったすいみんぐすくーる

公開中の映画作品を中心にネタバレ全開で独断レビュー。 映画興行収入などの映画情報も紹介。

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『ビフォア・ミッドナイト』レビュー

◆評  価   7.5点
◆おススメ度  B+(結婚している者にはおススメ)

1作目のように何かロマンティックのような出来事が起こるメチャクチャ面白いという作品ではないが、3作目は別の意味で非常に“味”がある作品となっている。
本作には「ロマンス」も「運命的な再会」も描かれていないが、「現実」が描かれている。
特に、結婚している者には何かを感じ取れるだろう。

1作目では恋人になり切れない微妙な距離感を描き、2作目ではお互いを知っているが核心に迫り切れない微妙な距離感を描いた。
本作では熟年の夫婦となり、微妙な距離感ではなく、ほとんど距離感も遠慮もないノーガードの殴り合いのような会話の応酬となっている。

前2作同様に二人の会話のやり取りが中心となっている。
子育て、家事、仕事を両立しようとする妻、作家という創作者のため比較的自由な夫の間に、別れた妻との息子という要素も加わり、現実的なやり取りが繰り広げられる。
妻の想い、夫の想いが別々の方向に向きすれ違い、「愛している」という想いでは解決できない現実的な問題に二人がぶち当たり、お互いの苛立ちが言葉の節々に上手く描かれている。
夫は妻の役に立ちたい、妻が何かを犠牲にしなくてもいいと思っていても、現実的には妻は何かを犠牲にして日々を過ごさなくてはいけない。
自分自身に対する理想と現実の違い、お互いに対する理想と現実の違いに苛立ちが爆発していく様が上手く描かれている。

セリーヌが脱いだことも理由があるだろう。
年齢を経たという現実を良い意味でも悪い意味でも伝えてくれる。
熟年の夫婦にとっては容姿や体型などは超越してしまうのだろう。
また、脱いだ服を着るという行為、タイミングからもセリーヌの内面を感じられるようになっている。

現実を上手く描くとともに、本作の結末が、非常に“味”があり、身に染みるだろう。
何かが解決できるわけではないが、絶望的な関係になったとしても、最後はユーモアとセックスが大事ということだろうか。
つまらないユーモアに乗るというのも年を経た夫婦ならではの行為だろう。
絶望的な状況を経ながらも、それを何とか乗り切りながら、お互いに年を取っていくのが夫婦というものなのかもしれない。

ただの中年のおっさんとおばさんになった二人だが、このシリーズはいつまでも9年ごとに描かれて、ともに年を取っていきたいものだ。
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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

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