ばったすいみんぐすくーる

公開中の映画作品を中心にネタバレ全開で独断レビュー。 映画興行収入などの映画情報も紹介。

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『ノア 約束の舟』レビュー

◆評  価   7.5点
◆おススメ度  A(意外と分かりやすい作品)

旧約聖書に書かれているノアの方舟の話についてよく理解しているわけではないが、あまり知識はなくとも意外と分かりやすいヒューマンドラマに仕上がっている。

ノアが方舟を制作する苦労話というよりも、①神の意志に従うべきかどうかという男の葛藤、②父親と子供たちとの確執が上手く描かれている。
これらを描くことにより、罪深い“人間”という姿が浮き彫りとなっている。

神からの具体的な指示もなく、ある事象を神の意志と感じ取り、ある意味で狂信的な行動を取っていく男から、人間的な強さ・弱さの両面を感じられるようになっている。
自らに課せられた使命のためには、家族を犠牲にしてもやむを得ないという点については、信念に基づいて行動する人間的な強さを感じられるとともに人間的な愚かさを感じられる。
信念の強さが重ければ重いほど、自己の想いと他者の想いは徐々にズレていき、そのズレが大きくなり、摩擦を生み、争いが生まれる様を描くことによって、人間が歩んだ歴史を感じさせる。
さらに、たとえ神からの指示に従えなくとも、人間の都合の良い“解釈”で乗り切ってしまう辺りが、実に“人間”的な部分といえるだろう。
神からの“答え”がない以上、“解釈”することは必要であるが、その“解釈”が過ぎると、十字軍、免罪符など、これもまた人間が歩んだ歴史を感じさせる。

蛇の抜け殻についても、そのような弱い人間ということを象徴しているのかもしれない。
ノアたちは、蛇によってそそのかされ、林檎を食べ、エデンの園から追放されたアダムの子孫たちである。
絶滅すべき存在なのかもしれないが、愛、慈悲、残虐さといった矛盾した複雑さを持つ“人間”という特殊な生物は神に試されているのかもしれないというまとめは映画としてはそれほど悪くはない。

また、生と死という面においてもきれいにまとめられている。
ほとんどの人間が絶滅した後に誕生する生命は、浄化された人間の“再生”という意味も込められているのではないか。
最後の虹には旧約聖書的に神との契約という意味があるようだが、人間は神の意志に従いながら、やり直せるというアロノフスキーの願いを感じられる。
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